ゴルフ雑記帳のまさです。
今回は三菱ケミカル TENSEI 1Kシリーズから、日本初登場となったブループロファイル「TENSEI Proブルー1K」の試打レビューです。
今作は一時期松山英樹選手がテストをするなどして話題になったモデルで、スペックとしては癖のなさそうな中調子系シャフトとなってます。ライバルはマミヤのTHEアッタスV2あたりでしょう。
さて、今回もGCクワッドでの弾道計測とラウンドテストを行っていて、それを踏まえた率直な感想が下記。
それでは弾道計測器GCクワッドの詳しいデータを見ながら、TENSEI Proブルー1Kについてレビューしていきます。
TENSEI Proブルー1Kの概要とスペック(振動数や剛性)
TENSEIブルーは三菱のブループロファイルと呼ばれる系統。「クセのない中調子で、全体しなりを特徴にしている」とメーカーは謳っています。
さらに1Kシリーズでは、従来のCK(カーボンケブラー)クロスをベースにしているTENSEIブルーに、しなやかで設計自由度の高い補強材である1Kクロスを搭載したことが特徴です。
その他は三菱ケミカルが誇るMR70(高弾性+高強度の炭素繊維)に加え、航空宇宙用途にも採用されるボロンファイバーなどが使用されています。
モデル | フレックス | 重量 | トルク | 中調子 |
Proブルー1K 50 | R | 52 | 4.9 | 中 |
Proブルー1K 50 | S | 54 | 4.8 | 中 |
Proブルー1K 50 | X | 54 | 4.8 | 中 |
Proブルー1K 50 | TX | 56.5 | 4.8 | 中 |
Proブルー1K 60 | R | 59 | 4.0 | 中 |
Proブルー1K 60 | S | 61 | 3.9 | 中 |
Proブルー1K 60 | X | 63 | 3.9 | 中 |
Proブルー1K 60 | TX | 64.5 | 3.9 | 中 |
Proブルー1K 70 | S | 68.5 | 3.4 | 中 |
Proブルー1K 70 | X | 72.5 | 3.3 | 中 |
Proブルー1K 70 | TX | 74.5 | 3.3 | 中 |
Proブルー1K 80 | S | 80 | 3.0 | 中 |
Proブルー1K 80 | X | 82 | 3.0 | 中 |
Proブルー1K 80 | TX | 84 | 2.9 | 中 |
設計自由度が上がったことによってスペックも豊富に取り揃えられており、50gのRからそれぞれTXまで用意されています。
キックポイントは中調子です。
2023年7月14日発売。メーカー希望小売価格は55,000円(税込)
現在楽天などでは、スリーブ付きで33,000円前後という販売価格でした。
デザインはいつものTENSEIですが、手元側には1Kクロスを見せるように半透明の塗装が施されています。
先端にはクロスリンクテックの文字が入っています。これは高強度繊維MR70の性能を引き出すマトリクステクノロジー。
60sの振動数は264cpm。
60g台のSシャフトの中だと標準的な振動数でした。
センターフレックス形で中間剛性も計測してみたところ、4.86kgです。
当サイトでは同重量帯のカスタムシャフトも計測してきましたが、その中でも中間ぐらいの数値。
もう少し先端寄りも計測を行ってみます。
ここもちょうど平均的な硬さでした。
静的な計測では、振動数も中間剛性も「ほぼ真ん中」というデータです。
TENSEI Proブルー1Kの試打計測データ
それでは、ここからは実際に打ってみた際のデータを見ていきます。
- ヘッド:テーラーメイド ステルス
- ロフト:9.0°
- シャフト:TENSEI Proブルー1K 60
- フレックス:S
- ボール:タイトリスト プロV1x
ヘッドスピード(m/s) | 46.1 |
ボールスピード(m/s) | 66.2 |
打ち出し角度(°) | 15 |
打ち出し方向(°) | 2.4(右) |
バックスピン(rpm) | 2032 |
サイドスピン(rpm) | -205(左) |
ピーク時の高さ(yd) | 35 |
降下角度(°) | 39.2 |
センターからのブレ(yd) | -0.4(左) |
キャリー(yd) | 261.1 |
総距離(yd) | 282.9 |
スマッシュファクター | 1.43 |
現在当サイトのドライバーシャフトの計測基準は下記になっています。
平均キャリーは261.1ヤード、ランを含めた総距離が282.9ヤード。(総距離はフェアウェイ上に落ちた場合の想定値)
今回の平均のヘッドスピードは46m/sでした。
260ヤード以上をコンスタントに出せるため、飛距離性能については申し分ない結果です。
平均バックスピン量は2000回転前後を推移しており、メーカーの言う適正スピン量に収まっています。
打ち出しは15°前後を推移しているのですが、当サイトの平均値からするとやや低めの打ち出し角となりました。
高弾道というよりは中弾道系の球筋を作りやすいイメージです。
高さは全体的によく揃っています。
球筋は基本ストレートをイメージしやすい捕まり具合です。
4球の弾道をまとめてみたのがこちら。曲がり幅も小さくて安定しています。
TENSEI Proブルー1Kのレビュー
全体が均一にしなるタイプで、メーカーが癖のない中調子と謳っているとおりの挙動をしてくれます。まあ個人的には全体がしなるというよりはほんとに中間がしなっている感覚がありました。
癖がないってなんなの?というところだけど、良い意味でシャフトに特徴がないって感じですね。ヘッドの性能を邪魔をせずに良いところを伸ばせるタイプなので、ヘッドの持ち味を活かしたいと考えているなら選択肢として大いにありでしょう。
ただ、先端剛性はそこそこ高いのでどちらかといえば捕まりは控えめな方です。シャフトで捕まえたいという方には物足りない結果になるかもしれません。
反対に右へのミスは減らしたいけど、捕まりすぎない中調子で探しているならかなり良いチョイスになると考えています。
チャートを作ってみましたが、こんな感じになりました。
今作は中調子ですが、しなり戻りは手元調子に近い印象でゆったり目な印象です。タイミングがとても取りやすく操作性は非常に高いシャフト。
打ち出しは思ったよりも低めになっているのですが、先端はわりとしっかりしていることが影響していると考えられます。高弾道よりも中弾道系シャフトのイメージです。
スピン量は適正範囲に収まりやすく、キャリーとランのバランスも良好。
しなり方は本当に癖がなく、弾道の安定感も申し分ありません。特に大きな特徴がないですが、それが逆に特徴と言えるほど目立ったところはないです。
ちなみに最近の代表的な中調子シャフトだとTHEアッタスV2がありますが、V2よりもTENSEI Proブルー1Kの方がわずかにマイルドなフィーリングだと感じました。THEアッタスとV2の中間ぐらいの感覚ですね。
TENSEI Proブルー1Kのまとめ
日本で初めて登場したTENSEIのブループロファイルですが、癖のない仕上がりで万人受けしそうなシャフトです。
最近の直進性の高いヘッドとのマッチングは非常に良いと思うし、スペックラインナップもだいぶ多い方ではあるので、重量をしっかりと選べれば失敗するリスクはあまりないでしょう。
バランスは抜群に良いシャフトですが、はっきりした特徴がないので大ハマリすることもないしょうけど、大ハズレするリスクもほとんどないでしょう。
ヘッドもスイングもあまり選ばないタイプですし、TENSEIの中でも特に扱いやすいシャフトで1kオレンジよりもスペック的にも優しいのでおすすめ度は高め。
おすすめ度:
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