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【ゼロトルクの進化系】BGT パラドックス スタビリティツアー パター登場!プリンシパル軸テクノロジーで革新的なスイングバランスを実現

パッティングシャフトで定評のあるBGT(Breakthrough Golf Technology)から、ついに革新的なパター『Paradox(パラドックス)』が登場。国内女子プロも一部でテストしているというモデルです。

最近はゼロトルクやトルクレスというパターが話題になっていますが、今作では従来のゼロトルクパターをさらに進化させて「プリンシパル軸テクノロジー」で、ストローク中のフェースを自動的にスクエアに保つ画期的な設計が海外でも注目を浴びています。

BGT パラドックス スタビリティツアー パターの概要

かつてスチールシャフトにカーボンを組み合わせるというパッティングシャフトの革新を起こしたBGT(Breakthrough Golf Technology)が、ついにパター本体の製造に乗り出しました。

BGTといえば、多くのパターメーカーがオプション採用する「Stabilityシャフト」で有名ですが、今回発表された『Paradox(パラドックス)』は、これまでの常識を覆す全く新しいアプローチでパッティングの安定性を追求しています。

Paradoxの最大の特徴は、従来のゼロトルクパターが目指してきた「スピンバランス(重心とシャフト軸の一致)」をさらに進化させた、プリンシパル軸テクノロジーの採用です。

このテクノロジーにより、パターはストローク中に自動的にフェースをスクエアに保とうとする特性を持ち、ハンドアクションだったりフェース抜きの操作への依存度を大幅に減らすことが可能となりました。

BGTによると、このパターは「ゴルファーに合わせるのではなく、ゴルファーのストロークに自然に適応する」設計思想で開発されており、バイオメカニクス(生体力学)の観点から人間の自然なパッティング動作を徹底分析した結果生まれた製品とのことです。

ラインナップはブレードとマレットの2種類のヘッド形状に加え、シャフトグレードによって性能と価格が大きく異なる設定となっています。

上位のStability Tourシャフト搭載版では$699、エントリーレベルのグラファイトシャフト版では$499という価格設定です。

興味深いのは、BGTがこれまで培ってきたシャフト技術とヘッド設計を融合させることで、単なるパーツの組み合わせではなく、統合されたシステムとしてのパフォーマンスを追求している点です。

ゼロトルクの進化系「プリンシパル軸テクノロジー」とは?

プリンシパル軸テクノロジーを理解するには、まず従来のゼロトルクパターの限界を知る必要があります。これまでのゼロトルクパターは、パターヘッドの重心をシャフト軸に一致させることで、アドレス時の静的なバランスを重視してきました。

しかし、実際のパッティングストロークは動的な動作であり、静的なバランスだけでは不十分だとBGTは考えたようです。

BGTの主任設計者スコット・バーネット氏によると、ゴルファーがパッティングストロークを行う際の真の回転点は、グリップでもシャフトでもなく、「両肩の間、グリップよりも上の空中に存在する仮想的な点」にあります。

この回転点は、パターヘッドのアドレス位置から垂直に約10度の角度をなす軸上に位置しており、従来のパター設計ではこの実際の回転軸が考慮されていなかったとしています。

プリンシパル軸テクノロジーでは、この実際の回転点と、物理学でいう「慣性主軸(プリンシパル軸)」を完全に一致させています。慣性主軸とは、物体が最も安定して回転できる軸のことで、テニスラケットを空中で回転させる際に自然に安定する軸と同じ概念です。

パターにおいてこの軸をストロークの回転点と一致させることで、ストローク中にパターが自然に安定した動きを示し、フェースが勝手にスクエアを保とうとする特性が生まれます。

この効果を実現するため、Paradoxでは独特な重量配置を採用しています。トゥ側には高い位置に重量を配置し、ヒール側には低い位置に重量を配置しています。

この非対称な重量分布により、パターヘッドの慣性主軸がゴルファーの自然なストローク軌道と完璧に一致し、結果として「自己整列」する特性が生まれます。

BGTの公式テストでは従来のパターと比較して、ミスヒット時でも10%ホールに近い位置に停止し、純粋なボールの回転を20%早く実現するという結果が得られています。

プリンシパル軸テクノロジーの最も重要な点は、ゴルファーが意識的にフェースをコントロールしようとする必要がないことです。パター自体が物理的にスクエアを保とうとするため、ストロークに集中するだけで自然とセンターストライクが可能になり、距離感や方向性の安定性が大幅に向上します。

これは従来の「感覚に頼るパッティング」から「物理学に基づくパッティング」への転換点として、ゴルフ界でも注目を集めています。

2種類のシャフトをラインナップ。性能差はある?

BGT Paradoxは同一のヘッド設計でありながら、搭載するシャフトによって性能と価格が大きく異なる2つのグレードを用意。

上位モデル:Paradox Stability Tour

Stability Tourシャフトは、BGTが数年をかけて開発したマルチマテリアル構造のプレミアムシャフト。カーボンファイバーの外層にアルミニウムインサートを組み込んだ独自構造により、重量105g、トルク値わずか1度という極めて低い数値を実現しています。ストローク中のシャフトのねじれや曲がりを最小限に抑え、ヘッドの動きをより正確にコントロールできます。

このシャフトのメリットは、プリンシパル軸テクノロジーとの相乗効果です。ヘッド自体が持つ自己整列特性に加えて、シャフトの安定性がこれをさらにアップさせ、結果として他のパターでは体験できないレベルの安定性を実現するとしています。実際の使用感としては、ストローク中にパターが「勝手に正しい軌道を描く」感覚があり、特に距離感のコントロールにおいて顕著な改善が感じられるというもの。

さらにこのシャフトを選択した場合は、ロフト・ライ角の調整が±3度まで可能な点です。

エントリーモデル:Paradox Graphite

Graphite版は標準的なカーボンシャフトを搭載したエントリーモデルです。価格を抑えるためのオプションではありますが、プリンシパル軸テクノロジー自体はヘッド設計に依存するものなので、基本的な性能は同じです。

ただし、実際の使用感には明確な違いがある・・・と海外レビュー記事では紹介されていて、同じテスト条件下でStability Tour版とGraphite版を比較した結果、特に中〜長距離のパットにおいてGraphite版の成功率が大幅に低下することが確認されています。ほんまかい!?というのはありますが、テスト結果はしっかりと出ている模様。

以下がテスト結果です。

距離別成功率(18回中):

  • 3フィート:Tour版16回 vs Graphite版15回
  • 6フィート:Tour版14回 vs Graphite版11回
  • 9フィート:Tour版14回 vs Graphite版7回
  • 12フィート:Tour版11回 vs Graphite版3回

要因としては、標準シャフトではストローク中の微細な振動やねじれが発生し、ヘッドの自己整列特性を十分に活かしきれないためと考えられています。

あと、Graphite版では調整機能が一切提供されておらず、ロフト・ライ角は固定仕様となります。ここは大きな違いかなと思いますね。

BGT パラドックス スタビリティツアー パターの取扱いショップ情報

BGTの日本総合代理店スポーツティエムシー社の公式サイトでは「BGT初のクラブ『理(ことわり)の形、あなたの常識を超えるパター パラドックス』は近日公開予定!!」とのことですが、すでにUSモデルは発売が開始

そこでおすすめなのがUSモデルのゴルフクラブを専門に扱っている老舗のフェアウェイゴルフさん。

筆者も何度も利用していますが、配送も迅速で対応も丁寧。正規ラインセンス品取扱い店でもあるので安心して購入が可能です。

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