試打&評価

【試打評価】フジクラ 24 VENTUS HB ブルー ハイブリッドシャフト|トラックマン4で飛距離計測

フジクラ 24 VENTUS HB ハイブリッドシャフト試打評価レビュー

今回取り上げるのはフジクラ 24 VENTUS HB ハイブリッドシャフト。こちらを購入し、さっそく試打計測を行ったのでレビューします。

計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

トラックマン4

結論から言っておくと「フジクラ 24 VENTUS HB ブルー」は、「安定した方向性と、叩いても左に行きにくい安心感を求めるゴルファーにとって、非常に魅力的な選択肢となるシャフト」です。

ティーショットの精度向上はもちろんのこと、セカンドショットでの左へ行かない安心感、また難しいライからでも当たり負けしない剛性と操作性の良さで、どこからでもグリーンを狙っていけるような頼もしさを実感できました。

飛距離はまあ出やすいタイプではないですが、今作はスピンが効果的に入ってくれるので、ピンポイントで狙っていけるようになるのも強みと言えます。ユーティリティで止まる球が打ちたいと考えている方は特に要チェックでしょう。

まさ
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24 VENTUS HB ハイブリッドシャフトの概要とデザイン

フジクラ 24 VENTUS HB ハイブリッドシャフトのデザイン4

さて、今回の「フジクラ 24 VENTUS HB ブルー」ですが、「VENTUS」シリーズにハイブリッドモデルとしては2代目ですね。

2024年発売されたドライバー用「24 VENTUS Blue」で導入された「VeloCore Plus」テクノロジーを採用し、複数の高弾性素材を45°に積層することでミスヒット時のねじれを抑えているというのが最大の特徴となります。

ドライバーシャフトと同様に、ハイブリッドにおいてもさらなる安定性とボールスピードの向上が期待できるというわけですが、先端剛性の高さは前作の2021年モデル、VENTUS HBブルーより一層強化されており、方向安定性は最高クラスとのこと。

剛性分布は中元調子(手元寄りがしなる)で、重量は60~90g台と幅広く、トルクも約2~3°台と低めに設定されているのも特徴です。

フジクラ 24 VENTUS HB ハイブリッドシャフトのデザイン5

デザイン面では、ブルー基調のコスメティックが採用されています。手元部分にはシルバーのアクセントが施され、見た目はドライバー用の24 VENTUSブルーと全く同じ。

フジクラ 24 VENTUS HB ハイブリッドシャフトのデザイン2

今回はPING G410ハイブリッドに装着してみましたが、見た目がこんな感じです。

フジクラ 24 VENTUS HB ハイブリッドシャフトのベロコアプラス

メーカーの公式情報によると、このシャフトは特に「叩いても左に行きにくい」という特性を持つ中元調子に設計されているとのこと。ユーティリティは特性上、左へのミスが出やすいので、それを打ち消してくれるならかなり頼もしい気はしますね。

24 VENTUS HB ハイブリッドシャフトの試打計測データ

今回の試打では、ヘッドにPING G410ハイブリッド(22°)を使用し、シャフトは「フジクラ 24 VENTUS HB ブルー」の70g台Sフレックスを装着して計測を行いました。計測器はトラックマン4です。

まさ
まさ

試打計測の平均データが下記

2024年よりユーティリティはヘッドスピード40m/sでの計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。

項目平均値
クラブスピード39.58 m/s
ボールスピード56.67 m/s
打ち出し角18.65°
打ち出し方向0.20° 左
バックスピン4452 rpm
スピン軸-3.62°
曲がり幅6.4 ヤード 左
キャリー距離190.20 yds
トータル飛距離200.43 yds
最高到達点37.7 yds
ミート率1.43
ランディングアングル48.9°
キャリーサイド7.0 ヤード 左

いかがでしょうか。まず目に付くのは、バックスピン量が平均4452rpmと、22°というロフトのユーティリティとしては適正からやや多めの範囲に入っている点ですね。

これによって、グリーンをしっかりとらえるための十分すぎるほどスピン量は確保できていると言えます。打ち出し角も平均18.65°と、高さは思っていたよりも出しやすい印象です。

そして特筆すべきは、打ち出し方向が平均0.20°左、曲がり幅も平均6.4ヤード左という点。これは、後ほど詳しく分析しますが、左へのミスを抑えつつ、安定してターゲットを狙っていけるというメーカーが謳ってようなデータは確かに得られました。

飛距離性能と上がりやすさの分析

フジクラ 24 VENTUS HB ハイブリッドシャフトのトラックマン計測データ1

さて、試打計測データを詳しく見ていきましょう。まず飛距離性能ですが、キャリーで平均190.20ヤード、トータルで平均200.43ヤードという結果は、22°のハイブリッドとしては十分とはいえ、そこまで飛距離を出せる感じはないです。

飛距離に関しては汎用クラスかなーという印象ですね。

フジクラ 24 VENTUS HB ハイブリッドシャフトのトラックマン計測データ3

特筆すべきは、バックスピン量が平均4452rpmと適度に確保されている点です。ランが出過ぎてグリーンオーバーするような心配が少ないので、200ヤード近辺の距離を打つ場合でも止まりにくさを感じることは全くありません。

上がりやすさに関しては、打ち出し角が平均18.65°、最高到達点が37.7ヤードと、先端剛性の高いタイプの割にはボールは楽に上がってくれました。

打出しも付きやすいうえに、スピン量が多めなこともあって、ランディングアングル(落下角度)も平均48.9°と、非常に優秀なデータです。真上から落としていけるような感じになるので、ピンをデッドに狙っていけるイメージが湧きます。

PING G410ハイブリッドのヘッド性能との相性も良いのかもしれませんが、シャフト自体がボールをしっかりと上げてくれる性能を持っていると感じました。

方向性や弾道傾向とばらつき

フジクラ 24 VENTUS HB ハイブリッドシャフトのトラックマン計測データ2

次に方向性についてです。これが「フジクラ 24 VENTUS HB ブルー」の真骨頂かもしれません。打ち出し方向の平均がわずか0.20°左、そして曲がり幅の平均も6.4ヤード左に収まっています。

フジクラ 24 VENTUS HB ハイブリッドシャフトの分散

筆者がもともとドローヒッターということもあって、わずかにドロー気味なことはありますが、打球の分散データを見ても、ほとんどの打球がターゲットラインの左側10ヤード以内に集まっており、特に5ヤード前後に集中しているのが分かります。

スピン軸の平均も-3.62°と、ドローバイアスがかかりすぎず、コントロールしやすい範囲に収まってくれたのは嬉しいところ。

総じて、「フジクラ 24 VENTUS HB ブルー」は、極端な飛距離性能を追求するというよりは、安定したキャリーと高さ、そして何よりも方向性の良さが際立っていました。

特に、左への引っかけを嫌うゴルファーにとっては、安心感抜群だと思います。個人的にもこれぐらいの捕まり感なら、安心して使えるのでかなり気に入りましたね。

打感・操作性について

フジクラ 24 VENTUS HB ハイブリッドシャフトのデザイン

ここからは実際に「フジクラ 24 VENTUS HB ブルー」をPING G410ハイブリッド(22°)に装着して打ってみた際のフィーリングについてです。

まず打感ですが、これは非常にソリッドかつ弾き感のあるフィーリングでした。VENTUSシリーズらしい、先端の剛性の高さがこのしっかりとした打感に繋がっているのかもしれません。個人的には、硬すぎることもない、絶妙なバランスだと感じました。

操作性に関しては、中元調子ということもあり、剛性感はありつつもシャフト全体が素直にしなり戻ってくる感覚がありました。特に先端がしっかりしているので、当たり負けする感じも少なく、ラフからのショットなど、少しタフなライからでもヘッドがブレにくい安定感がありました。スピンも入るのでより操作していきたい方にはピッタリすぎるシャフトと言えます。

ただ、やはりVENTUSなのである程度のヘッドスピードがないと、シャフトの良さを引き出しにくい可能性は高いですね。スピードが出せない方の場合はシャフトの硬さを感じてしまい、ボールが上がりきらない、あるいは捕まえきれないというケースも考えられ、右へのミスが多くなるのは明らか。まあ、ドライバーでVENTUSを問題なく使えている方なら大丈夫です。目安としてはユーティリティでHSが40m/s出れば十分使えます。

総じて、打感は非常にクリアで力強く、操作性も素直で癖がほとんどないので扱いやすい印象でした。

フジクラ 24 VENTUS HB ブルーの良かった所・微妙な所

良かった所

  • 抜群の方向安定性:左右のブレが非常に少なく、ターゲットに対して真っ直ぐ打ち出しやすい印象です。特にハイブリッドに安定性を求めるゴルファーにとっては、大きなメリットとなるでしょう。
  • 高弾道でキャリーを稼げる:シャフトが適度にしなり戻り、ボールをしっかりと拾ってくれるため、楽に高弾道でキャリーを伸ばせます。グリーンでボールを止めたい場面で活躍してくれそうです。
  • クセのない素直なしなり感:極端な先調子や元調子といったクセがなく、スイングタイプを選ばずに多くのゴルファーがタイミングを取りやすい。
  • 心地よい打感とフィードバック:硬すぎず柔らかすぎない絶妙な打感で、フィーリングを重視するゴルファーにも満足感が高いでしょう。

微妙な所・気になる所

  • 飛距離性能は突出していない:安定性や高弾道性能に優れる一方で、飛距離性能が突出しているわけではなかった。「とにかく飛距離を!」と考えるゴルファーには、少し物足りなさを感じる可能性があります。ただし、平均的な飛距離は十分に確保できます。
  • ある程度のヘッドスピードは必要か:シャフトの性能を最大限に引き出すには、ある程度のヘッドスピードがあった方が良いかもしれません。ユーティリティでHS40m/s未満のゴルファーにとっては、シャフトのしなりを感じにくく、ややハードに感じる可能性があります。

性能評価チャート

フジクラ 24 VENTUS HB ブルー
飛距離
8/10
上がりやすさ
9/10
つかまり
6/10
寛容性
8/10
操作性
9/10
方向安定性
9/10
コスパ
8/10

特に方向安定性と球の上がりやすさについて評価が高くなりました。

試打データからもわかるように、左右のブレが少なく、安定して高い弾道で狙えますし、何よりバックスピンが効果的に入ってくれるのでユーティリティ用シャフトとしては文句のつけようが無い性能です。

飛距離性能は並みですが、どちらかと言えばターゲットを正確に狙っていきたいゴルファーや、グリーンでボールを止めたいと考えるゴルファーにとってはメリットが大きいです。

しなり感もほどよく硬すぎず柔らかすぎず、インパクトのフィードバックも適度に感じられるのも良い点かなと思います。

操作性については、極端にピーキーな挙動ではないため、ユーティリティでHS40が出せるなら問題なく扱えるでしょう。

2万円ほどで購入できることもあり、安定感を考えるとコストパフォーマンスについては高いです。

まとめ

フジクラ 24 VENTUS HB ハイブリッドシャフトのデザイン4

改めて結論を言うと、このシャフトは「安定した方向性を求め、特に左への大きなミスを避けたい、そしてある程度のヘッドスピードがある中上級者ゴルファー」に非常におすすめできる一本だと感じました。

個人的には前作のVENTUS HBよりもしなりが出やすくタイミングも取りやすく感じたので、扱いやすさでは今作の方が上かなと思います。

価格はスリーブ装着モデルでもほぼ2万円ぐらいで購入できるので、この安定性能を考慮すればコスパは非常に良いです。

飛距離こそ爆発的に出るわけではないですが、ユーティリティの方向性に悩んでいる方、より積極的にグリーンを狙っていきたい方は、一度試打してみることを強くおすすめします!

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まさ
ゴルフメーカーとゴルフショップで合計15年間働いた経験を元にゴルフに関するギア(クラブや計測器など)をわかりやすく紹介しています。ベストスコアは69 ショップ勤務時代に、クラフトマンとして修理・カスタマイズ技術を習得。現在もクラブ修理全般こなすクラブマニア。 Twitter、インスタグラム、Youtubeと各種SNSも運営していますので、フォローよろしくお願いします。 プロフィールはこちら
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