今回取り上げるのはテーラーメイド r7 QUAD ミニドライバー。こちらを購入し、さっそく試打計測を行ったのでレビューします。
※記事執筆時点ではUSモデルしか発売されていないのですが、筆者はフェアウェイゴルフにて購入しました。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

結論から言うと、r7 Quad ミニドライバーは「飛距離・直進性・操作性のバランスが非常に優れたミニドライバーで最高!俺のミニドラはこれにする!」です。
特に打ち出し方向の安定感やキャリーのばらつきの少なさが光り、実戦で十分使える安定感を実感できました。
ベースのヘッド性能はニュートラルでクセがなく、スピン軸も安定していて、そこに加えて、4つの可変ウェイトとロフト調整スリーブによって、つかまり・高さ・スピン量を自分好みにチューニングできる拡張性はミニドラ史上過去最大。
基本となる飛距離性能と安定感は最高だったので、とりあえず超おすすめなミニドラなんですが、カスタマイズの幅が広がったことは素直に素晴らしいと思います。
打感も相変わらず最高に気持ちいいですし、個人的にはBRNRからこちらに乗り換えることにしました。
目次
テーラーメイド r7 QUAD ミニドライバーの概要とデザイン

r7 Quad ミニドライバーは、2004年に登場した名器「r7 Quad」の象徴ともいえる4つの可変ウェイト(MWT)を搭載し、現代の技術と融合させ2025年モデルのミニドラとして新たに誕生しました。発売日は2025年5月1日(US)
デザインもオリジナルのr7を彷彿とさせるもので、まあ普通にカッコいいと思います。

305ccのヘッドは小ぶりながらも、現代的な低重心・高慣性モーメント設計によって、飛距離と安定性を高次元で両立しましたよあ!というのが特徴です。

あとマット仕上げでクラウンのつなぎ目はQi35みたいに繋ぎ目のないクリーンな外観なのも良い。テーラーのミニドラでは過去一で構えやすいです。

テクノロジー面 では、チタンフェース×インフィニティ・カーボンクラウン×ステンレスボディのマルチマテリアル構造を採用。
ちなみにBRNRで採用されていたZATECHチタンフェースの記載は今のところ見当たらなかったので、今回は使われていない可能性があります。


ソールには4つのウェイトポート(13g×2、4g×2)を配置。前作BRNRミニが2ウェイト式だったのに対し、r7は前後・左右の細かい調整が可能になり、弾道を自在にカスタマイズできるのが大きな進化点です。
あといつもどおりスピードポケットも搭載されており、オフセンターヒット時の曲がりや飛距離ロスも抑制する効果があります。
テーラーメイド r7 QUAD ミニドライバー試打計測データ



テーラーメイド r7 Quad ミニドライバーの試打計測の平均データが下記
2024年よりドライバーはヘッドスピード44~45m/sでの計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。ただしミニドラの場合はシャフト長が短いので44ぐらいが目安です。
項目 | 平均値 |
---|---|
クラブスピード | 44.35 m/s |
ボールスピード | 64.28 m/s |
打ち出し角 | 15.32° |
打ち出し方向 | 1.28°右 |
バックスピン | 2091 rpm |
スピン軸 | -2.88°左 |
曲がり幅 | 5.53 yd 左 |
キャリー距離 | 242.52 yd |
トータル飛距離 | 269.03 yd |
最高到達点 | 31.0 yd |
ミート率 | 1.45 |
アタックアングル | 3.2° |
前側のウェイトを両方とも14gで計測行っています。理由は買った時の状態がこれで、おそらくこれが標準ポジションと思っているからです。
さて、キャリー242.5yd、トータル269.0ydという平均値はミニドライバーとして非常に優秀というか飛ばないドライバーよりも遥かに飛ぶし、ほぼフルドライバーと比べても遜色ないデータです。
スピン量は2091rpmとかなりの低スピン寄りで、前に伸びる強い弾道。ちょっと少なすぎるぐらいではありますが、飛距離を重視するなら問題なし。
打ち出し角15.3°とまあまあ高め。
ミート率は1.45と非常に効率の良いインパクトができており、方向性・飛距離ともにハイバランスな設計となっている。
飛距離性能と方向性・上がりやすさの分析

r7 Quad ミニドライバーは、飛距離性能の面で非常に高い完成度を誇っていることはデータを見れば明らか。
キャリー242.5yd/トータル269.0ydという数値は、ミニドライバーとしてはトップクラス。打ち出し角15.3°で高めではあるものの、スピン量2091rpmとかなり低めで、ランが出やすく、前に伸びるような強弾道が持ち味です。
方向性にも優れており、打ち出し方向は平均1.3°右、スピン軸は-2.9°左、曲がり幅は平均5.5ydと超安定しています。

わずかなドロー傾向ながら過度には捕まらず、ストレートに近い球筋で狙った方向に飛ばしやすいというのが印象的でした。
なお、飛距離の“期待値”という観点では、キャロウェイ ELYTE MINI ドライバーの方がやや高めといえます。ヘッド体積が約340ccと大きめに設計されており、慣性モーメントの高さや重心設計の影響で、より低スピンかつ直進性の高い弾道が出やすく、トータル飛距離の最大化を狙える仕様です。
ただしその分、ヘッドが大きく振り抜きがやや重たく感じられる場面もあり、操作性や扱いやすさではr7 Quad ミニの方が軽快で振りやすく、個人的には圧倒的にr7 Quadの方が使いやすい。

また、r7 Quadは後方ウェイト寄りにセッティングすることでスピン量や弾道高さを微調整できるため、自分のスイングや狙う弾道に合わせたチューニングも容易なのも強みですね。
弾道傾向とばらつき

r7 Quad ミニドライバーの弾道傾向は、ストレート〜軽いドローが中心。とはいえほぼストレートぐらいのイメージでいいです。
スピン軸は-2.88°と安定したドロー回転で、自然なドロー系が出やすい構成です。打ち出し方向は1.28°右とわずかに右へ出て、そこから軽く戻る弾道は非常に再現性が高く、実戦での安心感も抜群です。

左右のばらつきは平均5.53ydと小さく、±15yd内に収まるショットがほとんど。極端なフック・スライスは見られず、安定感は素晴らしいものがあります。
縦距離のバラつきも9yd以内に収まり、キャリーは平均242.5ydとミニドラとしては高水準。打点のズレによる飛距離ロスも少なく、非常に信頼性の高い結果が得られています。
今回の試打では、13gのウェイトを2つとも前方に装着した設定で検証しているため、低スピン・強弾道で飛距離を最大化する構成ですが、個人的にはやや捕まりが強めに出る印象もあったので、さらにストレートに近づけるなら、トウ側や後方にウェイトを分散配置することで、スピン軸の補正や打ち出し方向の安定化が期待できるかなーと思います。
まあ、こうした微調整がしやすい点も、このミニドラの大きな強みですね。
フィーリングについて

打感は、マジで最高です。食いつきの良さと弾きのバランスが絶妙で、打っていて気持ちよさしかありません。特に芯を喰った時の感触は心地よく、ミスヒット時でも不快な振動が手に残りにくいのも好印象です。
打音は、締まりのある乾いた中音域という感じですね。
良かった点と微妙な点
性能評価チャート
r7 Quad ミニドライバーは、「飛ばせて・曲がらず・操作もできる・調整も自由自在」というバランス最高のミニドラです。
飛距離はしっかり出ますが、スピン軸や打ち出し方向のブレが少なく、方向性の安定感もばつぐんに良い!
一方で、高弾道やつかまりを強く求める人には、セッティングの見直し(後方ウェイトへの変更など)で調整する余地がありますが、今までよりも自由度の高いカスタマイズができるので簡単です。ただ、ウェイトが4つもあるので入れ替える時がめちゃくちゃ面倒というのは弱点かもしれません(笑)
全体として、ミニドライバーの中では非常に扱いやすく、ベース性能のバランスが良いからこそ弾道調整機能も生きるという感じで、全体的に評価は高いです。
あと、直ドラについても触れておくと、11.5°で前側のウェイトを重くした場合は超難しかったです。ウェイトを後方にすればまあまあいけますが、特に打ちやすくはないです。難易度的にはBRNRと変わりないですね。
カスタムの提案
r7 Quad ミニドライバーは、前方重心気味のやや低スピン設計。そのためスイング傾向に合わせて、「弾道を補正する」シャフト選びが効果的かなーと思います。ここでは【フェード傾向の方】【ドロー傾向の方】それぞれに合ったシャフトを一部紹介しておくので、参考にしてみてください。
フェードヒッター向けシャフト
(つかまり・高さを少し補いたい方向け)
シャフト名 | 特徴 | 推奨理由 |
---|---|---|
VENTUS TR RED | 先中調子/高弾道・捕まりやすい | 打ち出しが右に出やすい方に。キャリーが稼げ、安定感も◎。 |
ATTAS KING | 全体しなり/自然なつかまりと高さ | フェースが開きやすい方でもしっかり捕まえられ、直ドラとの相性も良好。 |
ドローヒッター向けシャフト
(捕まりすぎを抑えたい・左ミスを軽減したい方向け)
シャフト名 | 特徴 | 推奨理由 |
---|---|---|
Diamana WB | 元調子/低スピン・中低弾道 | 叩いても暴れにくく、強めのドローを抑えて直進性を高めたい方に。 |
TOUR AD VF | 中調子/方向性と安定性を重視 | 捕まりすぎない中で素直に押し出せる設計。ミート率も高めやすい。 |
まとめ

r7 Quad ミニドライバーは、飛距離・直進性・操作性のバランスが非常に良く、クセの少ないニュートラルな性能をベースにしつつ、ウェイト調整やロフト調整によって細かくチューニングできる自由度の高さが特徴の一本です。
マジでそもそもの性能が洗練されていて素晴らしいミニドラ。
現存するミニドラの中でもセッティング次第でティーショット専用はもちろん、後方にウェイトをもってきて直ドラ用途にも対応できるなど拡張性は一番です。
使う人次第で“飛び”にも“安定性”にも振れる、応用力のあるミニドライバー。
シンプルに扱っても十分良く、調整を活かせばさらに引き出せる・・・そんな、長く使っていける1本に仕上がっていました。ミニドラの中では特におすすめ!
※筆者はUSモデルをフェアウェイゴルフにて購入しました。
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