ブリヂストン BX2HT ドライバーの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

結論から言うと、ブリヂストン BX2 HT ドライバーは、飛距離よりも方向の安定性やキャリーの再現性を重視したい人に強くおすすめできるモデルです。
飛びのインパクトは控えめですが、つかまりすぎずに自然なハイドローが出しやすく、縦距離も安定。
ミスを減らしてスコアを整えたい人にとっては、間違いなく信頼できる武器になります。反対に、純粋に飛距離だけを求める人には合わないかもしれません。
目次
ブリヂストン BX2HT ドライバーの概要とデザイン

ブリヂストン BX2 HT ドライバーは、安定したつかまりと高弾道キャリーを実現することベースに開発された2025年モデルです。

最大の特徴は、ソール側にもCFRP(カーボンファイバー強化プラスチック)を採用したカーボンセミモノコック構造で、従来のチタンボディ+カーボンクラウン構造から大幅に進化。
これにより約20gの余剰重量を生み出して、ヘッド後方に配置されたチタンウエイト(9g)やアジャスタブルカートリッジに振り分けることで、深・低重心化と高慣性モーメント化を両立しているという構造です。
対して同時発売されるBX1 STとは明確に異なる設計コンセプトが採られています。浅重心設計で低スピン・直進性を重視した強弾道設計となっており、カートリッジ配置もフェース寄りです。
この違いが弾道傾向に明確に表れ、STはフェード系やラインを出すゴルファー向け、HTはキャリーで飛ばすハイドロー系のポジションにあるので、やさしさを求める方はこちらがおすすめですね。

フェースにはBITING FACE 2.0を搭載されています。
フェース全面に進化型スリップレスバイトミーリングが入っているのですが、これがインパクト時のボールの滑りを抑え、ボールの「乗り感」を演出してくれます。
このミーリングは前作よりもさらに細かく粗いパターンとなっていて、スピンの安定性がアップしたとのこと。

加えて、SP-COR(サスペンションコア)によって、トゥ・ヒール方向の反発性能を補強し、スイートエリアを実質的に拡張できている点にも注目です。
オフセンターヒット時でも飛距離ロスを抑える効果があります。
さらに、アジャスタブルカートリッジには8gと2gのウェイトが用意され、標準状態では後方に配置。
これはBX1 STの前重心とは逆の考え方で、寛容性と打ち出しの高さをより重視した構成です。


ヘッド形状は丸みのある形状で、極端にシャローでもディープでもないですが、かなり顔は良いなと感じました。
個人的にはBX1STよりもこちらが好みですし、多くの人は構えやすいと思うかも。
フェースアングルも被っては見えない点も好印象です。

スリーブは8ポジション調整式で、好みに応じてフェースアングルやライ角を微調整可能。
ヘッドスペックは下記
ロフト角 | ライ角 | ヘッド体積 | クラブ長さ | ヘッド素材 | フェース素材 | 製法 | 可変機能 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
9.5° / 10.5° | 59.0° | 460 cm³ | 45.5 インチ(標準) | Ti811 チタン + CFRP(ソール・クラウン) | 6AL-4V チタン | ロストワックス精密鋳造 + CNCミーリング + 熱圧成形 | スリーブ調整(8ポジション) アジャスタブルカートリッジ(2g / 8g) |
ブリヂストン BX2HT ドライバーの試打計測データ



試打計測の平均データが下記
2024年以降、ドライバーはヘッドスピード44m/s〜46m/sの範囲内での計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
クラブスピード | 44.1 m/s |
---|---|
ボールスピード | 65.1 m/s |
スマッシュファクター | 1.47 |
打ち出し角 | 15.0° |
スピン量 | 2,310 rpm |
キャリー | 245.1 yd |
トータル距離 | 269.5 yd |
最高到達点 | 32.4 yd |
落下角度 | 38.0° |
スピン軸 | −3.3° |
曲がり幅 | 5.3 yd 左 |
キャリーサイド | 5.3 yd 左 |
打ち出し方向 | −0.0° |
打ち出し角15.0°、スピン量2,310rpmと、ハイドロー系に理想的な弾道にはなっていますね。
スマッシュファクター1.47という事で、高いインパクト効率を示し、トータル269.5ydと飛距離性能も悪くないです。
飛距離性能と上がりやすさの分析

BX2 HT ドライバーの飛距離性能は、突出した爆発力はないものの、再現性は高いです。
トラックマン4の試打データでは、平均キャリー245.1yd、平均トータル269.5ydを記録。ヘッドスピード45m/s前後という前提で見れば、「よくも悪くもない」飛距離性能という評価にはなりますね。
一発の飛びよりも特筆すべきは縦距離の安定性です。
キャリーのばらつきは±4.4ydに収まっており、打点ズレによる飛距離ロスが結構少なく、実戦での再現性にも信頼が置けます。

スマッシュファクターは1.47と効率が高く、打ち出し角15.0°、スピン量2310rpmといった弾道は、キャリーを安定して稼ぐ上で理想的なバランスは実現できています。
ただし、スピン量はやや多めな感じはあるので、低スピン設計のモデルと比べるとランが伸びにくく、結果として平均トータルが270ydに届かない・・・という感じにはなりました。
比較対象となるBX1 STは、やや抑えた弾道でランを稼ぐ設計であり、同じ条件下でも性格の違いが明確に表れています。
とはいえ、スピン量を抑える方向にカスタマイズ(低スピン系シャフトなど)を施すことで、BX2 HTにも飛距離を伸ばす余地は十分に残されています。
弾道の高さと初速の良さはすでに備わっているため、スピンの最適化によってキャリーとトータルのバランスを調整すれば、飛距離重視の方にも対応できるポテンシャルがあります。
弾道や球筋、方向性の分析

試打データからも分かる通り、つかまりすぎない範囲で自然なドローが打ちやすいモデルです。
スピン軸は平均−3.3°、キャリーサイドは5.3yd左に収まり、明らかなフックや大きな引っかけに繋がるような挙動は特に見られませんでした。あくまで穏やかなハイドローが基本で、かなり扱いやすいです。

打ち出し方向の平均は−0.0°とセンター付近に極めて近く、構えた方向へ素直にボールが出ていく特性が際立っていました。
スリップレスミーリングによるフェースの滑り抑制や、深重心設計による挙動の安定性が相まって実現していると考えて良さそうです。
また、曲がり幅は5.3ydと小さく、方向性が非常に良いです。
操作性に関しては、極端につかまるような挙動ではないため、意図的にフェードを打つことも可能です。
ただし、どちらかといえばオートマ感の強いタイプではあるので、左右への大きな球筋の打ち分けには適していないと考えています。
まあ、逆にいえば、無駄な操作を加えずともターゲット方向に対して直線的に飛ばせる安心感があり、球筋のイメージがつかみやすい点がこのモデルの強みといえるでしょう。

また、慣性モーメントは約9000g・cm²と高めながら、過剰なシャローバック形状ではなく、クラシックな丸形ヘッドによって構えやすさが損なわれていない点も特筆すべきポイントです。
視覚的な安定感と実際の打出し方向の一致性が高くて、狙ったラインに対して素直に振り抜けるから、プレッシャーのかかるティーショットでも安心感をもたらしてくれるはずです。
ブリヂストン BX2HT ドライバーのフィーリング

打感についてはBX1 STと非常に似ていて、両者に明確な違いはほとんど感じられませんでした。
どちらのモデルも、インパクト時にフェース全体でボールをしっかりと受け止めるような感覚があり、「乗り感」を伴う重厚なフィーリングが特徴的。
フェースの素材とBITING FACE 2.0によるフェースミーリングの影響により、ボールがフェースに吸い付くような感覚があり、弾き過ぎることなくコントロール性にも優れた印象を受けました。
打音はやや低めの金属音。高音域に寄った乾いた音ではなく、あくまで落ち着いた響きでした。
特に印象的だったのは、フェース中央付近だけでなくややヒール寄り・トゥ寄りでも打感の変化が小さく、ミスヒット時の不快な打感が抑えられている点です。
これはSP-CORによる反発エリアの広さや、ヘッド剛性の最適化が効果的に働いている証といえます。
芯を外しても手応えの悪さを感じにくく、フィーリング面でも「やさしさ」がしっかりと表現されていると思っています。
打点ブレが発生しても打感に変化が出づらいのは良くも悪くもなところはあるかもしれませんが、ヘッド自体もそんなに暴れないので違和感は小さいです。
ブリヂストン BX2HT ドライバーの良かった所・微妙な所
ブリヂストン BX2HT ドライバーの性能評価チャート
飛距離性能そのものは突出していないものの、キャリーの安定性や方向のブレの少なさといった実戦的な性能においては非常に信頼できます。
飛ばすというより「曲げずに運ぶ」ことを重視した設計で、トータルで見ると完成度は高いが尖りすぎていないのが正直な印象です。
方向の安定性や縦距離の再現性は明確に強みで、カスタムや打ち方でスピンを調整できる人なら、適正スピンに持ち込むことで飛距離アップの余地もあるでしょう。
反対に、ただ飛ぶクラブを求める人には物足りなさが残ります。
つまり、ミスに強く安定してスコアメイクしたい人には強く勧められるが、飛距離で勝負したいタイプにはおすすめしづらいという感じですね。
まとめ

ブリヂストン BX2 HT ドライバーは、飛距離で驚かしてくれるようなタイプではないものの、キャリーの安定性と方向のブレの少なさにおいては極めて優秀です。
高く上がり、スピン量も適正に収まりやすいため、縦距離の再現性と落下地点の予測がしやすく、ティーショットで大きなミスを避けたいと考えている人には非常に心強い設計と特性でした。
球筋は緩やかなハイドローが基本で、自然なフェースターンでつかまりやすい一方、過度に左へ出ることはなく、ラインを出して狙っていける安心感があります。
打感も柔らかさと弾きのバランスがかなり良くて、インパクトの情報が伝わりやすい点も評価ポイントです。
トータルの飛距離性能は平均的で、飛びのインパクトは少ないですが、その分、扱いやすさとスコアメイク力は非常に高いのは明らかです。
ミスに強く安定したプレーを求める人にとって、このドライバーは“選ぶ理由がはっきりある”モデルです。
スコアメイク重視なら試してみる価値は大いにあります。
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