2025年9月16日にフライトスコープから「Mevo Gen2」が発売されたので、実際にどれぐらい実用的な弾道計測器なのかを試したのでレビューします。
今回は現在所有しているトラックマン4との計測精度比較も行っているので、購入検討している方の参考になれば幸いです。
ちなみに結論から言っておくと、精度も機能もめちゃくちゃ良いです。10万円台で購入できる弾道計測器では現時点で最高の出来でした。
屋内・屋外を問わずに使用できるのも嬉しいところかと思います。

なお、この記事では操作方法や設定などは詳しく解説しません。
主に、トラックマンなどの超高額弾道計測のように実用に耐えられる製品なのかについて言及する内容となっていますので、ご了承ください。
目次
Mevo Gen2のスペックと基本情報

フライトスコープ Mevo Gen2の基本スペックは以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
サイズ | 約175×141×30.1mm |
重さ | 約500g |
バッテリー | リチウムイオン充電池 |
バッテリー持続時間 | 最大約6時間 |
同梱品 | Mevo Gen2 ユニット、電源アダプター、USB-C to C ケーブル、キャリーケース、クイックスタートガイド、100枚のアルミニウムステッカー |
接続方法 | Wi-Fi経由でPC、iOS、Androidデバイスとワイヤレス接続可能 |
価格 | 通常価格 ¥165,000 (税込) |
本体重量はわずか500gと軽量。
前世代のMevoは手のひらサイズだったので、それと比べれば大型化はしましたが、持ち運びは全く苦になりません。
これが重いと言われるとキツいですが、プロが最近良く使っているGCQuadなどは3kg近くあるからどれだけコンパクトなのかは理解してもらいたい。

片手でも楽々持てます。本体はプラスチック製ですが、質感は良いです。


専用ケースもコンパクトにまとまっていて、このままキャディバッグに入れることも余裕でした。


背面には収納式のスタンドがあります。耐久性も問題なさそうだし、スタンドも結構太めなので安定性も十分です。

USB-Cでの充電が可能。
バッテリーはフル稼働で6時間持ちます。さすがに6時間続けて練習できる人はほぼいないと思うので十分すぎる。
3Dドップラーレーダー × 画像処理の融合「Fusion Tracking」

Mevo Gen2の中核を担うのが、FlightScope独自の「Fusion Tracking」テクノロジーです。
これは、3Dドップラーレーダーのリアルタイム追跡と、カメラ映像による画像処理を同時に行う高度なセンシング技術で、従来機よりもさらに高精度で安定したデータ計測を実現しているとしています。
とにかく高性能なレーダーが搭載されてるから正確に測れるよってことです。
また、屋内でも屋外でも一貫性のあるパフォーマンスデータが得られるのも強みの一つとして挙げられます。
肝心の精度についてはトラックマン4との比較を行ったので、どんなものなのかは後述します。
主なテクノロジーや機能は以下のとおり。表は横にスライドできます。
項目 | 内容 |
---|---|
コアテクノロジー | FlightScope独自のFusion Tracking技術を搭載しており、3Dドップラーレーダーと同期した画像処理により正確なデータを提供します。 |
ハードウェアの進化 | 新開発ハードウェアにより、精度と計測速度が向上しています。 |
提供データパラメーター | 18種類のボールとクラブデータパラメーターを提供し、フルスイング、チッピング、パッティングの各ショットタイプに対応しています。 |
シミュレーションゴルフ | E6 Connectの8コースバンドルが含まれており、iOSおよびPCで世界の有名コースを楽しむことができます。 |
バッテリー性能 | 最大約6時間使用可能なリチウムイオン充電池を搭載しています。 |
無料ソフトウェア | FS Golfアプリ(iOS, Android, PC)、FS スキルズ、およびE6 Connect 8コースバンドルが無料で提供されます。 |
FS Golfアプリ機能 | 全面リニューアルされたアプリで、高度なデータ分析、動画分析、3D弾道データ、自動動画記録、パフォーマンスデータオーバーレイ、カスタムデータ範囲設定が可能です。 |
統合型ビデオ機能 | プロのようなフライトスコープ ショットトレーサー、データオーバーレイ付きアクション動画クリップ、そしてSNSなどでの動画共有が容易に行えます。 |
練習モード | スキルコンバインとチャレンジ(FS PGA/LPGAチャレンジ、ロングドライブ/レンジコンペティション、カスタムチャレンジ)を通じて、目的を持った練習が可能です。 |
スイングトレーニング | ボールを打たずにスイングメカニクスを磨き、クラブヘッドスピードを向上させる専用スイングトレーニングモードを搭載しています。 |
カメラ機能 | 内蔵カメラでスイング動画を撮影でき、FS Multicamアプリを利用することで複数の視点から撮影することも可能です。 |
接続性 | Wi-Fi経由でPC、iOS、Androidデバイスとワイヤレス接続が可能です。 |
使用環境 | 屋内でも屋外でも使用可能であり、様々な環境で信頼性の高いパフォーマンスデータを提供します。 |
追加費用 | すべての主要データパラメーターは追加料金やサブスクリプションなしで利用でき、今後のソフトウェアアップデートも無料で提供されます。 |
計測できるのは18種類以上の詳細データ

Mevo Gen2は、フルショット、チップショット、パットのそれぞれに対応し、ボールスピードやスピン量はもちろん、打ち出し角や滞空時間、さらには左右のブレ幅やスピン軸など、合計18種類以上のパラメーターを自動で計測できます。
計測できるデータは以下のとおりです。フルスイングorチッピングで15種類 パッティングで3種類の合計18種類です。
表は横にスライドできます。
ショットタイプ | 計測可能項目 |
---|---|
フルスイング |
ボールスピード、クラブスピード、ミート率、キャリー、 打ち出し角 垂直方向、スピン量、高さ、滞空時間、 AOA(入射角)、打ち出し方向左右、スピン軸、ラン、 総飛距離、左右ブレ幅、ショットタイプ |
チッピング |
ボールスピード、クラブスピード、ミート率、キャリー、 打ち出し角 垂直方向、スピン量、高さ、滞空時間、 AOA(入射角)、打ち出し方向左右、スピン軸、ラン、 総飛距離、左右ブレ幅 |
パッティング | ローンチ速度、総飛距離、ボールの方向 |


専用アプリも使い勝手がよく、データも非常に見やすい。

一覧でのデータ閲覧も可能です。

分散も見れます。

いろんな角度から弾道も見れるし、単発やすべてのショットなども選べる。
しかもMevo Gen2は、これらのデータを購入してからの追加料金なしで利用でき、ソフトウェアのアップデートも無料。
本体の買い切り型でここまでの機能を搭載しているのは非常に稀ですし、買ったあとに余計な費用が嵩まないのはありがたいところ。
※ただし、Mevo Gen2では、以下のような高度データパラメーターは計測できないので注意してください。
- スピンロフト
- ショットのばらつき
- Face to Path
- Face to Target
- Dynamic Loft(ダイナミックロフト)
- クラブパス
- V-Plane / H-Plane
- ローポイント
- 降下角(Descent Angle)
- カーブした距離(Curved Distance)
- クラブスピードプロファイル
- クラブ加速度プロファイル
- フェースインパクトロケーション(インパクト位置)
- スイングプレーン
これらのデータは、上位モデル「Mevo+」に搭載されるProパッケージなどに含まれる内容で、残念ながらMevo Gen2単体では利用できません。
Mevo Gen2は「必要十分なデータを、シンプルかつコスト効率よく」使いたい人向けに設計されている一方で、上位機種のMevo+はツアープロレベルのデータ分析を求める人向けという感じで、フライトスコープ内のモデルでも棲み分けが明確になっています。
高度なデータ分析を可能にする「FS Golfアプリ」

専用アプリ「FS Golf」は、以前よりも大幅にリニューアルされており、iOS・Android・PCすべてに対応しています。
単なる数値表示にとどまらず、先ほども見てもらったように3D弾道の視覚化、自動動画記録、スイング映像へのデータオーバーレイ、グラフ表示による比較分析など、高価格帯のプロ用弾道計測に近い分析が可能です。

さらに、クラブごとのデータ範囲を自分で設定できるなど、細かなカスタマイズ機能も充実。練習目的やレベルに応じて柔軟に使い分けられる点も好印象です。
もちろんボールはレンジボールやコースボールの切り替えもできるので、いつもの練習場ボールでも使えます。
Mevo Gen2とトラックマン4での精度比較

さて、いくら進化していると言っても実際に試してみないと信用できませんよ。ということで、筆者が所有しているトラックマン4と精度比較を行いました。

ちなみに屋内でのスピン量計測を正確に行いたい場合には、付属しているシルバーのステッカーをボールに貼る必要があります。

ただ、今回はタイトリスト プロV1x RCTボールを使用します。これはレーダータイプの弾道計測器を屋内で使用した場合でも超絶正確に計測ができるスグレモノです。
これはMevo Gen2のボール選択の中にも含まれているもの。
では行ってみましょう。

左がMevo Gen2で右がトラックマンのデータです。
この写真はおそらく文字が小さくで見づらいと思いますので表にまとめます。
計測項目 | Mevo Gen2 | TrackMan | 差異 |
---|---|---|---|
クラブスピード | 37.1 m/s | 35.5 m/s | +1.6 m/s |
ボールスピード | 47.9 m/s | 48.1 m/s | -0.2 m/s |
打ち出し角(Launch Angle) | 18.2° | 19.2° | -1.0° |
スピン量(Spin Rate) | 5715 rpm | 5819 rpm | -104 rpm |
キャリー | 146.4 yd | 148.9 yd | -2.5 yd |
スマッシュファクター | 1.29 | 1.36 | -0.07 |
左右ブレ(Carry Side) | 2.7L | 5.2L | -2.5 yd(左) |
打ち出し方向(Launch Direction) | 1.3L | -3.6° | ※表記形式が異なる |
ボールスピードも一致していますし、キャリーやスピン量も近似値です。良い感じ。
左右ブレに関しては本体を並列でセッティングしているので多目に見てやってください。

計測項目 | Mevo Gen2 | TrackMan | 差異 |
---|---|---|---|
クラブスピード | 42.8 m/s | 43.5 m/s | -0.7 m/s |
ボールスピード | 63.4 m/s | 63.6 m/s | -0.2 m/s |
打ち出し角(Launch Angle) | 13.7° | 13.1° | +0.6° |
スピン量(Spin Rate) | 1884 rpm | 1768 rpm | +116 rpm |
キャリー | 221.9 yd | 224.2 yd | -2.3 yd |
左右ブレ(Carry Side) | 16.7L | 33.4L | -16.7 yd(左) |
打ち出し方向(Launch Direction) | 4.8L | -3.2° | ※表記形式が異なる |
これは大きくミスショットした時のデータです。大きく曲がったショットは計測誤差が出やすいのですが、気になるような誤差は出ていません。

計測項目 | Mevo Gen2 | TrackMan | 差異 |
---|---|---|---|
クラブスピード | 38.4 m/s | 37.4 m/s | +1.0 m/s |
ボールスピード | 50.8 m/s | 50.7 m/s | +0.1 m/s |
打ち出し角(Launch Angle) | 15.6° | 15.3° | +0.3° |
スピン量(Spin Rate) | 4799 rpm | 4788 rpm | +11 rpm |
キャリー | 161.0 yd | 162.9 yd | -1.9 yd |
スピン軸 | 0.1° | 0.1° | ±0.0° |
左右ブレ(Carry Side) | 2.4L | 12.7L | -10.3 yd(左) |
打ち出し方向(Launch Direction) | 未表示 | -4.5° | ― |
スピンやキャリーもほぼ一緒。打ち出し角も揃っていますね。

計測項目 | Mevo Gen2 | TrackMan | 差異 |
---|---|---|---|
クラブスピード | 38.5 m/s | 38.2 m/s | +0.3 m/s |
ボールスピード | 53.6 m/s | 53.6 m/s | ±0.0 m/s |
打ち出し角(Launch Angle) | 14.8° | 15.0° | -0.2° |
スピン量(Spin Rate) | 4474 rpm | 4533 rpm | -59 rpm |
キャリー | 174.0 yd | 176.3 yd | -2.3 yd |
スピン軸 | 0.9°L | 0.9°L | ±0.0° |
左右ブレ(Carry Side) | 1.5L | 10.6L | -9.1 yd(左) |
ボールスピードは完全に一致。打ち出し、スピン量、キャリーとどれもほぼ同じようなデータでした。
というように、かなり正確に測れます。300万近い値段がするトラックマンを持っている筆者も涙目になってしまうような結果でした。
特にボールスピードは誤差が出づらいと感じましたが、スピン量やキャリーのズレもほとんどありません。本当に素晴らしいです。
あと、大きく曲げた場合の弾道イメージも一致しますし、その時のデータにも大きな誤差がほぼ出ていませんでした。
10万円台でこれは凄すぎ。
ショットトレーサー機能が面白い

Mevo Gen2には内蔵カメラが搭載されており、スイング動画を自動的に撮影できます。
さらに、FlightScopeの「Shot Tracer」機能により、軌道表示付き動画を自分のスマホやPC上で再現可能です。
ただし、これはスマホやタブレットのカメラを使用するので、三脚みたいなものがあると便利です。

ちなみに各ショットには自動でパフォーマンスデータが重ねて表示され、SNSやコーチとの共有もワンタップで可能。
特にショットトレーサー機能は弾道の反映も結構正確だし、軌跡が出るのも早いし実用的で面白いです。
まとめ:10万円では理想的な弾道計測器!買いです

正直、これだけ正確に計測できて10万円台というのは破格すぎます。
トラックマン4と並べて比較しても、ボールスピード・キャリー・スピン量などの数値は非常に近く、実用上まったく問題ない精度でした。特にボールスピードは誤差が出にくく、最も信頼できるポイントのひとつだと思います。
もちろん、クラブパスやフェース角といったより深いデータ分析には対応していませんが、そこまで求めないのであればMevo Gen2で十分すぎ。練習や、クラブの買い替えの際の比較など、多くのシーンで活用できるはずです。
また、専用アプリの使い勝手も良く、ショットトレーサーや自動動画記録など、プロ用の機材に迫るような機能まで揃っているのは本当にすごい。それに、屋内外を問わず安定して使えるのも大きな魅力です。
「ちょっと高精度な弾道計測器が欲しいけど、さすがにトラックマンとかは買えない…」という人には、まさにベストな選択肢です。
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