ブリヂストン BX1ST ドライバーの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

つかまりを抑えた安心感と、直進性の高い強弾道を両立したモデルです。
今作は455ccヘッドながら方向の安定感や打感の良さが際立っており、飛距離よりもコントロール性を重視するプレーヤーに特に向いていると感じました。特に「左へのミスをなるーべく消したい人」や、ラインを出して狙いたい方にとっては、有力な選択肢となるドライバーです。
目次
ブリヂストン BX1ST ドライバーの概要とデザイン

BX1STドライバーは、操作性と強弾道を両立させるために、MOI(慣性モーメント)を約8,000g・cm²に抑えた設計が特徴のモデルです。


コンパクトな455cm³ヘッドにしたというのも面白いところで、注目すべきはこのモデルが現在の市場トレンドに対して明確なカウンターポジションを取っている点です。
昨今のドライバー市場では、PING「G430 MAX 10K」やTaylorMade「Qi35 MAX」など、MOI 1万超の超高慣性モーメントモデルが流行りとなっています。しかしBX1STは、MOI値を敢えて8,000程度に抑えることで、振り抜きの軽快さや弾道操作性を損なわずに設計されているのが最大の個性という感じです。

今作で最も大きな進化は、構造面の刷新です。前作で採用されていたチタンボディ+カーボンクラウンから、クラウンとソール両方にCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を用いたカーボンセミモノコック構造へ変更されました。20g以上の余剰重量を生み出し、バック側のチタンウェイトと合わせて、重心設計の最適化とヘッド挙動の安定化を狙っているわけですね。

フェースには新設計のBITING FACE 2.0を搭載。フェース全面に施されたスリップレスバイトミーリングが摩擦力をアップさせ、インパクト時の食いつき感とスピンを抑える性能を高めています。
特にウェット時のボールの滑りにも強いとされいて、悪条件下でも安定した性能を発揮できるのを売りにしています。

あと、トゥ・ヒール部の反発性能を強化するサスペンションコアは今作にも搭載。これはもうお馴染みです。

また、8段階のフェースアングル調整が可能な「バリアブル アジャスト システム」や、フェース寄りに2gと8gのウェイトを装着できるアジャスタブルカートリッジも標準装備。ただし後者は他モデルとの互換性がない点に留意が必要です。
ヘッドスペックは下記
モデル名 | ロフト角 | ライ角 | ヘッド体積 | フェース素材 | ボディ素材 | クラウン/ソール素材 | 慣性モーメント | 可変スリーブ | 可変ウェイト |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
BX1ST ドライバー | 9.5° / 10.5° | 57.0° | 455cm³ | 6AL-4V チタン合金 | Ti811 チタン合金 | CFRP(炭素繊維強化プラスチック) | 約8,000g・cm² | 8ポジション対応(可変) | 2g / 8g(フェース側) |
ブリヂストン BX1ST ドライバーの試打計測データ



試打計測の平均データが下記
2024年以降、ドライバーはヘッドスピード44m/s〜46m/sの範囲内での計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
クラブスピード | 44.4 m/s |
---|---|
ボールスピード | 64.6 m/s |
スマッシュファクター | 1.46 |
打ち出し角 | 15.1° |
スピン量 | 2,270 rpm |
キャリー | 243.5 yd |
トータル距離 | 268.2 yd |
最高到達点 | 32.0 yd |
落下角度 | 37.7° |
スピン軸 | 1.1°右 |
曲がり幅 | 1.9 yd右 |
キャリーサイド | 7.2 yd右 |
打ち出し方向 | 1.3°右 |
打ち出し15.1°×スピン量2,270rpmと、低スピン強弾道の理想的な数値が出ています。
正直飛距離性能はぼちぼちなんですが、直進性の高さが際立ちますね。
左右ブレはわずか1.9ydと安定しており、フェード傾向でも再現性の高い結果が得られたかなと思います。最高到達点32yd・着弾角37.7°と、高さとランのバランスも良好。
飛距離性能と上がりやすさの分析

打ち出し角15.1°、スピン量2,270rpmと、いわゆる低スピン強弾道を理想的な形で再現できており、打球の質そのものは非常に高水準です。
最高到達点32.0yd・着弾角37.7°と、中高弾道のキャリー重視設計の弾道にはなっていますが、スピンは比較的抑えられているので風にも比較的強いです。
ただ、今回の計測ではキャリー243.5yd、トータル268.2ydと、ヘッドスピード44〜45m/s帯としては平均値を見るとやや控えめな飛距離結果だったかなと感じています。

特にトータルが270ydに届かなかった点は、飛びを重視する人にとってはやや物足りなさを感じるかもしれません。ただし、初速は平均64.6m/sと、当サイト内でも標準〜やや高めの水準であり、スマッシュファクター1.46と効率面でも優秀な結果も出せていました。
前作と比較してソールにもカーボンを導入したセミモノコック構造に進化したことで、スイングエネルギーの伝達効率や安定性は明確に向上していますし、SP-COR構造による反発エリアの拡大もあり、打点の上下ブレでもキャリーを大きく落とさない点は高く評価できます。
弾道や球筋、方向性の分析

弾道傾向は、スピン軸+1.1°、キャリーサイド7.2yd右というデータが示すとおり、フェードバイアスな設計です。

曲がり幅は平均1.9ydと非常に小さく、スピン軸のねじれも少ないため、ラインがズレにくいストレート寄りのフェードを安定して再現できていました。はっきり言って安定感はかなり優秀です。
つかまりに関しては明らかに控えめで、打ち出し方向も平均1.3°右。意図的につかまえにいっても左へのフックやドローというのが出づらく、「左のミスをなるべく消したい人」にとって安心できるヘッド挙動です。実際、プロの評価でも「左に行きにくい」「フルスイングでも怖くない」といった声が出ているようですが、個人的にも実感できました。

また、MOIを極端に高めていないにもかかわらず、フェース開閉の挙動が安定しており、左右方向のばらつきも非常に少ないのが特徴として出ています。
つかまり重視のモデルとは一線を画しながらも、“操作できる安定性”を追求した設計が、今作の大きな個性になっていると感じました。
ブリヂストン BX1ST ドライバーのフィーリング

打感は前作から明確に進化を感じられるポイントのひとつかなと思います。
フェースにボールが“乗る”ような独特の食いつき感が増して、打音も「パーン」と弾くような乾いた打音ではなく、やや低めで重厚感のある音に寄った印象です。
特にフェースセンター以外でも打感の質が低下せず、フィードバックが自然な点は良かったですね。トゥ寄りやヒール寄りにやや外しても、嫌な硬さや不快な音が出にくく、許容性の広さと心地よさを両立しています。
ブリヂストン BX1ST ドライバーの良かった所・微妙な所
性能評価チャート
直進性の高さやキャリーの安定感、そして操作性の良さといった点については評価は高くなりました。
特に、MOIを抑えながらも左右のブレが非常に少ない点は大きな強みで、ラインを出して狙いたい人にとって信頼できるドライバーだと思います。
一方で、飛距離性能に関してはやや控えめで、トータルで270ydに届かない点は惜しいところ。
打感やスピン性能は十分評価できますが、超高MOIモデルと比べると寛容性や爆発力の面では一歩譲る印象もあり、ターゲットが明確な分、評価にもメリハリが生まれた感じはありますね。
まとめ

直進性や弾道の安定感に優れ、ラインを狙って打ちたい人にとって非常に信頼できる1本にはなりそう。フェードバイアス設計とMOIを抑えたバランスの良いヘッド構造により、左ミスを嫌う人でも安心して振り切れる印象があります。
特に、打ち出し角とスピン量の安定性は高く、フェースの食いつき感と相まって、コントロール性能にも優れた仕上がりだったのは良かったです。
一方で、飛距離性能に関しては大きな弱点こそないものの、トータルで平均270ydに届かない点にはやや物足りなさを感じました。飛びで魅せるモデルというよりは、方向性・打感・操作性を重視するプレーヤー向けのドライバーという位置付けとして評価しています。
飛距離よりも安定感と狙いやすさを求める人には、ハマる可能性がありますし、捕まりすぎず、ラインを出しやすい設計は、過去にツアーステージ系のヘッドが好みだった人にも響くんじゃないかなーとは思いますね。
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