「タイトリスト GT2 ユーティリティ」の試打計測を行ったのでレビューします。
GTシリーズのユーティリティは3種類ありますが、今回はヘッドサイズと性能のバランスが取れた中間モデルをピックアップ。果たして、その実力は?
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリの使いやすさなどソフトウェア面を考慮し変更しました)

期待以上の飛びだけど止めやすさはちょっと犠牲に

結論から言っておくと、総合力が高くてかなり高性能なユーティリティでした。
特に飛距離は出しやすいので、飛びを重視したいなら選択肢に入れてもらいたい一本なのは間違いありません。
ただ、スピン量が同スペック帯と比較するとやや物足りないデータとなっていたため、競技でシビアなグリーンコンディションでラウンドする方は止めにくさを感じる可能性があります。
まあ、そこまで難しいセッティングでラウンドしないのであれば問題はないので、飛距離が出る今作はロングゲームの強力な武器になると思います。
トラックマンによる試打計測データ


2024年よりユーティリティ(主に4番)での計測ヘッドスピードは約40m/s前後での計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
項目 | タイトリスト GT2 ユーティリティ |
---|---|
H/S (m/s) | 39.6 |
B/S (m/s) | 58.7 |
打ち出し角(度) | 14.8 |
打ち出し方向(度) | -1.4 |
バックスピン | 3830 |
スピン軸 | -7.2(左) |
最高到達点 | 31.0 |
降下角度(度) | 42.6 |
曲がり幅(yd) | -12.4(左) |
左右ブレ(yd) | -16.1(左) |
キャリー(yd) | 202.9 |
総距離(yd) | 217.6 |
スマッシュファクター | 1.48 |
当サイトの基準として、キャリー195ヤード(#4 21でH/S40m/sあたりで打った場合)を超えてくれば飛距離性能が高いモデル。ということになります。
さて、今回はというと平均キャリーが202.9ヤードです。非常に飛んでいます。文句のつけようがありません。飛距離を重視するならまず間違いなく候補に入れてもらいたいユーティリティです。
ボールスピードについても優秀な数値を出していますが、バックスピン量が抑えられた強弾道タイプだったことが飛んでくれている要因です。
その代わり、落下角度で緩やかな軌道になってしまっているのが気になる部分ではあります。要するにちょっと止めにくさを感じました。
とはいえ200ヤード超のロングショットで42°以上の落下角度が出せているので、よほどの超高速かつ硬いグリーンでもない限りは大丈夫です。
競技に出るような方で、かなり速くて硬いグリーンを想定する方は、スピン量と落下角度に注目して試してもらうのがいいと思います。
しかし飛びますね!このユーティリティは!
タイトリスト GT2 ユーティリティの弾道



基本的な弾道はドローボールでした。筆者自身はドローヒッターなのですが、それを踏まえてもしっかりと捕まるタイプのユーティリティという印象です。
曲がり幅も平均で12ヤードほどなので、わりと大きな曲がり幅だと思いますね。
ですが、扱いにくさは感じません。弾道に一貫性はあるので調整次第でどうにでもできそうです。
というのも今作は、ネックのカチャカチャに加え、ソールにも調整可能なウェイトが搭載されています。これによって捕まり具合をいじれば問題ないでしょう。

着弾地点はだいぶ左に寄っています。ほぼ20ヤードほどセンターラインからズレているので、このままで使うのは正直不安です。
とはいえ、集弾性は良い感じなので前述のとおり捕まりを調整するなどすればいけそうです。ミスにもそこそこ寛容ですし、フェースの割と広い範囲で安定して初速も出ていました。
タイトリスト GT2 ユーティリティのフィーリング

弾きに強さはありますが、硬質な感じはなく、フェースへの食いつきも十分です。打感は素晴らしく良く申し分ありません。
ヘッド形状やテクノロジー

GT2ユーティリティは、タイトリストのユーティリティの中でも一番慣性ーモーメントの高いモデルになったおいうモデルです。
ヘッド外周部に重量を配置する構造で、安定性と一貫性を追求しています。


形状はオーソドックスですが、やや後方に伸びたカタチをしています。少し大き目なサイズ感なので構えた際の安心感は十分ですね。
フェースアングルは特に被ってもいませんし、とても構えやすい。

調整機能を搭載したカチャカチャ式。
フラットなソールデザインにすることで抜けの良さと同時に、地面にあるボールにもしっかりとコンタクトできるのが特徴です。


今作では、トウヒールに交換可能なウェイトが搭載されています。
ユーティリティではあまり見ないウェイトによる調整ができるのは強みですね。
これで捕まり方の調整ができます。
良かった点と微妙な点
良かったところ
- 弾きの良さとそれに見合った飛距離性能
- 操作性が良くて、打感も最高
- 端正なヘッド形状で万人受けするルックス
- ユーティリティには珍しいウェイト調整機能を搭載
微妙なところ
- バックスピン量はやや少なめ(強弾道なので風には強い)
データチャート
ここ数年のタイトリストユーティリティは打感がすこぶる良いですが、今作も期待どおりでした。
また、やや大き目なヘッドサイズながら操作性も良くて打球を操ることも比較的やりやすいなと感じました。
それでいて飛距離性能が素晴らしくて、ロングゲームでは強力な武器になるでしょう。
ただし、スピン性能には課題が残ります。
スピンがやや少なめであることから、落下角度も緩くなってしまうので、非常にシビアなグリーンコンディションでは止めにくさを感じる可能性があります。
まとめ

飛距離が出やすいのが何よりのストロングポイントです。打感も良いですし、ちょっと大き目なヘッドも慣れれば問題なく使えると思います。
総合的に非常に完成度が高いユーティリティ。見た目もカッコよくてセッティングに加えても様になります。
注意点はちょっとロースピン寄りな性能でしょうか。シビアな競技に出るような方はスピン量や落下角度をチェックしてみるのがいいですね。
基本的に通常営業のグリーンでラウンドする方にはこれでも十分ですし、むしろ飛距離が出るほうがメリットになるはずです。
ユーティリティの性能の中で特に飛距離と打感、見た目の良さにこだわる方にはとてもおすすめできます。
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