今回取り上げるのはタイトリスト GT280 ミニドライバー。こちらの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

結論から言うと、GT280ミニドライバーは、ミニドラというよりも「2番ウッド」です。
280ccというコンパクトなヘッドでありながらも直進安定性が高く、それでいて飛距離はもちろんスプーン以上には出てくれる。さすがに13°しかラインナップがないので、ドライバーほどの飛距離は得にくいけれど、飛びと安定感のバランス感が光りました。
あと、ミニドラの中ではヘッド体積が小さく、フェース高もそれほど高くないので、直ドラも比較的しやすいのは強みですね。
完全にドライバー代わりとはならないですが、ライン出しを重視したいティーショットや、ロングホールでフェアウェイから距離を稼ぎたいゴルファーにとって、GT280は頼れる1本になるかなと思います。
タイトリスト GT280 ミニドライバーの概要とデザイン


GT280は280ccという非常にコンパクトなヘッド体積を採用し、一般的なミニドライバー(300cc〜340ccクラス)と比べてもひと回り小さく、引き締まったシャープなフォルムが特徴です。

フェースは縦に深いディープフェース設計で、ティーショットはもちろん、芝の上からも打ちやすいバランス感が絶妙。

クラウンにはタイトリスト独自のマトリックス・ポリマー素材を使用したシームレスサーモフォーム構造を採用。軽量化による低重心・高慣性モーメント設計で安定性を確保。鍛造Lカップフェースによりフェース下部の打点ミスにも強く、広範囲で高初速エリアを実現しています。ソールの前後ウェイトにより弾道調整が可能。

スクエアなフェース向きと控えめなGTロゴにより、ターゲットに真っすぐ構えやすいデザインです。
タイトリスト GT280 ミニドライバー試打計測データ



タイトリスト GT280 ミニドライバーの試打計測の平均データが下記
2024年よりドライバーはヘッドスピード44~45m/sでの計測に統一していますが、ミニドラは43インチ程度なので、43m/s前後での計測を行います(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
項目 | 平均値 |
---|---|
クラブスピード | 43.1 m/s |
ボールスピード | 63.9 m/s |
打ち出し角 | 15.3° |
左右打出し角 | 2.1°右 |
スピン量 | 2433 rpm |
スピン軸 | -1.4°左 |
カーブ | 2.6 yd左 |
キャリーサイド | 7.6 yd右 |
キャリー距離 | 239.5 yd |
トータル飛距離 | 261.3 yd |
最高到達点 | 32.6 yd |
ミート率 | 1.49 |
アタックアングル | 4.1° |
GT280はキャリー239.5yd、トータル261.3ydと飛距離は十分で、ミート率1.49とインパクト効率もめちゃくちゃ優秀。
打ち出し角15.3°・スピン量2433rpmは理想的な中高弾道・適正スピン帯で、方向性も安定。軽いフェード傾向ながら、ほぼストレートに近い直進性の高さが光ります。
飛距離性能と方向性の分析

GT280の最大の魅力は、ミニドライバーというカテゴリで考えれば申し分ない飛距離性能にある点です。
キャリー239.5yd、トータル飛距離261.3ydという結果は、一般的なドライバーに匹敵するほどですし、280ccの小ぶりなヘッド、しかも13°でここまで飛ばせるのは驚きですね。13°クラスの3番ウッドは色々とあると思いますが、そういったモデルよりも飛ばしやすいです。
飛距離が出た要因としては、高さと(打出し角15.3°)、適正スピン量(2433rpm)、ミート率の高さ(1.49)といった飛びに直結する要素のバランスの良さが挙げられます。
特にスピン量はちょうど良くて飛び様も安定していました。
また、鍛造Lカップフェース構造による高初速性能と、余剰重量を最適配置した重心設計も飛距離性能を強力に後押ししているのかなと思います。

インパクトデータを見ても、センターやや上寄りのヒットが多く、芯を外しても飛距離ロスが最小限。ミスヒットの耐性もかなりのものでした。
弾道の傾向とバラつき具合

GT280の弾道は基本的に軽いフェード傾向。ただしスピン軸のズレ幅が非常に小さく、弾道の曲がり幅もごくわずかでした。
スイング次第ではストレートから軽いドローまで打ち分けられる操作性も持ち合わせています。

ショット分布は非常にコンパクト。センターよりやや右目に集中していますが、キャリーサイドのブレも一貫性があってよくまとまっています。
ミスヒット時も許容範囲内で収まる直進性を確保しており、ティーショット時に安心感をもたらしてくれます。
フィーリングについて

打感について フェースにボールが乗る感触が強く、ドライバーというよりはフェアウェイウッドに近い印象です。インパクト時には柔らかさの中に芯を感じられ、しっかりと押し出せる手応えがありました。
打音について 打音は低く引き締まったサウンド。インパクト音が甲高くないため、落ち着いたフィーリングを好む中上級者や競技志向ゴルファーにも好まれるんじゃないでしょうか。打点がズレたときでも打音の違和感が少ない点も好印象でしたね。
構えやすさ・ヘッドの印象について コンパクトな280ccヘッドは小ぶりに見えるものの、フェースの厚みと座りの良さが秀逸でバランスが良い顔つきです。フェース向きもストレートで、ターゲットに対して素直に構えられるのも嬉しい。
操作性について 左右どちらにも自在に打ち分けられる操作性の高さがあり、狙ったラインを出すコントロールショットにも対応できるのはミニドラの中でも特に優秀だと思います。ドロー・フェードどちらも自然に打てるため、状況に応じたマネジメントがしやすいのは強みです。
良かった点と微妙な点
良かったところ
- 280ccという小ぶりな体積とは裏腹に高い直進安定性が光る
- 直進性が高く、大きなミスが出にくい安心感
- コンパクトで構えやすく、ライン出ししやすい顔つき
- 芝からもチャレンジできる直ドラ適性の高さ
微妙なところ
- 標準ロフト13°のみで、選択肢の幅は少なめ
カスタムの提案
GT280は中弾道・低スピン気味の設計なので、強い中弾道をキープしながら方向安定性を高めるなら、元調子系や中元調子系のシャフトがおすすめです。
ということで、個人的に合わせたいのが下記。
シャフト名 | 特徴 |
TENSEI 1K PRO White 60 | 叩ける強弾道、方向性重視 |
Tour AD UB-6 | 低スピン強弾道で直進性抜群 |
VENTUS Black 6 | 低スピン、強弾道、ツアー系モデル |
Diamana WB 63 | 強い中弾道と抑えたスピン量 |
性能評価チャート
GT280は、飛距離性能に優れながらも直進安定性も高く、非常にバランスの取れた仕上がりです。
特に飛距離と操作性の高さは際立っており、ライン出しやコントロールショットでもしっかりと応えてくれる印象です。
280ccというヘッドサイズながら安定性も高く、ミスにも一定以上の強さを感じられたのは素晴らしいところだと思います。
まとめ

飛距離性能、直進性、操作性のすべてを高次元で融合した、非常に完成度の高いモデルでした。
ミニドライバーというネーミングらしい小ぶりな280ccヘッド、そしてそのサイズ感からは想像できないほどの安定感と飛距離を両立しており、ティーショットはもちろん、フェアウェイからの直ドラでも頼れる存在感を発揮してくれます。
特に直ドラもしていきたいよって人には他のミニドラよりも候補としては優先度が高くなるんじゃないかなと思います。
ライン出しを重視したい中上級者や、ドライバーが暴れがちな場面で安全かつ攻めたティーショットを打ちたいゴルファーにも強くおすすめしたいです。
ただ、13°しかないので完全にドライバー代わりとして使うにはちょっと役不足感はあるので、やはり2番ウッドとしてセッティングに加えていくのが良いと思います。
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