タイトリスト T250 アイアンの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

結論から言うと、T250は、飛距離・高さ・方向の安定性をバランス良く備えた中空構造のプレーヤーズディスタンスアイアンとしては期待以上だったので、はっきり言っておすすめです。
高弾道かつスピン量も確保されており、飛びすぎず止まりやすい弾道を再現しやすい設計になっていて、実戦向きな飛び系。
一方で、打感は中空らしい軽快さがあり、柔らかなフィーリングを求める人には物足りなく感じるかもしれません。
つかまりは控えめで、左へのミスを消したい中上級者にも扱いやすいでしょう。
目次
タイトリスト T250 アイアンの概要とデザイン

T250アイアン(2025年モデル)は、新しいTシリーズの中で初めて登場した“追加ライン”です。T100・T150・T350といった既存モデルのちょうど真ん中になるんですが、飛距離、打感、寛容性の三拍子をそつなくこなす様な設計となっています。

見た目はスマートなのに中身は骨太!みたいな感じだと個人的には感じていますね。
ヘッドは中空構造ながら、パッと見はマッスルバックみたいな雰囲気です。
17-4ステンレスのボディに、鍛造SUP10スチールのL字型フェースを組み合わせた構造で、余計な装飾を排したシャープなルックスが印象的です。
いわゆる“飛び系”にありがちな野暮ったさは皆無。ヘッドの輪郭はシャープで整っており、構えた際の印象は従来の“飛び系”とは一線を画しています。

フェース設計にはVテーパー構造が採用され、フェース下部でヒットしても高さと初速がしっかり出るように工夫されているのが特徴。加えて、トウ・ヒールに内蔵されたタングステン重量がヘッド挙動を安定させ、ミスにも強い。ロングアイアン領域では最大100gを超える重量が仕込まれており、このサイズ感にしては驚くほどの直進性に期待できる点も見逃せません。

バックフェースは、従来のT200にあった樹脂バッジは廃され、T250では「ボトルシップ製法」と呼ばれる方式により、内部パーツをトウ側から挿入しているので、見た目は完全な単一素材アイアンのようです。このクリーンな仕上がりは、所有感をくすぐる要素としても大きな魅力かなと思います。
番手別に設計されたフェース厚と溝構造(プログレッシブ・グルーブ)も抜かりありません。ロング番手では球の上がりやすさと直進性、ショート番手ではしっかり止めるためのスピン性能と高さを重視。


サイズ感としてはT150よりわずかに大きく、T350ほどの大きさはありません。やや厚めのトップラインとソールは安心感はちゃんとありつつも、構えた際のバランスやネック周りの整え方にはクセがなく、ターゲットに対して自然にセットアップしやすい印象です。
ヘッドスペックは下記
番手 | ロフト角 | ライ角 | オフセット | 長さ(インチ) | バウンス角 | ヘッド素材 | 構造 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
3番 | 20.0° | 61.0° | 3.3mm | 39.00 | 2° | 高強度ステンレス鋼(SUP-10フェース) | 中空構造+タングステン |
4番 | 22.0° | 61.5° | 3.1mm | 38.50 | 3° | 高強度ステンレス鋼(SUP-10フェース) | 中空構造+タングステン |
5番 | 24.0° | 62.0° | 2.9mm | 38.00 | 3° | 高強度ステンレス鋼(SUP-10フェース) | 中空構造+タングステン |
6番 | 27.0° | 62.5° | 2.6mm | 37.50 | 4° | 高強度ステンレス鋼(SUP-10フェース) | 中空構造+タングステン |
7番 | 30.5° | 63.0° | 2.3mm | 37.00 | 5° | 高強度ステンレス鋼(SUP-10フェース) | 中空構造+タングステン |
8番 | 34.5° | 63.5° | 2.0mm | 36.50 | 6° | 高強度ステンレス鋼(SUP-10フェース) | 中空構造+タングステン |
9番 | 38.5° | 64.0° | 1.8mm | 36.00 | 7° | 高強度ステンレス鋼(SUP-10フェース) | 中空構造+タングステン |
P (PW) | 43.0° | 64.0° | 1.6mm | 35.75 | 8° | 高強度ステンレス鋼(SUP-10フェース) | 中空構造+タングステン |
W (48°) | 48.0° | 64.0° | 1.3mm | 35.50 | 9° | 高強度ステンレス鋼(SUP-10フェース) | 中空構造+タングステン |
タイトリスト T250 アイアンの試打計測データ



試打計測の平均データが下記
2024年以降はアイアンはヘッドスピード37m/s〜39m/sの範囲内での計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
項目 | 平均値 |
---|---|
クラブスピード | 37.9 m/s |
ボールスピード | 52.1 m/s |
スマッシュファクター | 1.38 |
打ち出し角 | 18.3° |
スピン量 | 6,020 rpm |
キャリー | 162.8 yd |
トータル距離 | 170.3 yd |
最高到達点 | 31.5 yd |
落下角度 | 48.1° |
スピン軸 | 3.6°(軽いフェード傾向) |
曲がり幅 | 5.3 yd右 |
キャリーサイド | -4.5 yd左 |
打ち出し方向 | -3.3°(左) |
飛距離性能と上がりやすさの分析

T250の7番アイアンは、ロフト30.5°ながらキャリー平均162.8ydという結果でした。
プレーヤーズディスタンス系(中・上級者向けの操作性や構えやすさを持ちつつ、ある程度の飛距離性能や寛容性も備えた中間的なアイアンカテゴリのこと)としては高水準の飛距離性能であることは間違いありません。
ボール初速は52.1m/sとしっかり出ていて、スマッシュファクター1.38という効率の良さがそのまま飛びに直結しています。
飛距離に対して弾道の高さについてもバランスが良くて、最高到達点は31.5yd、落下角は48.1°。いずれも中〜高弾道領域に位置し、飛距離を稼ぎながらもグリーンでガツっと止まるのはかなりありがたいです。
フェース下部で打った場合でも高さが確保されやすいのも強みです。

また、バックスピン量は6,020rpmと飛びに期待できるアイアンとしては多いです。
飛びすぎによる縦のズレも起こりにくい数値で、飛び系に移行したいけれどスピンが気になるという人にとっても安心材料になるはず。あと、あとで弾道についても触れますが、フェード系に終始していたのもスピンが安定した要因ではあるかと思います。
初速・高さ・スピンのバランスが整っていることで、飛距離の安定性にもつながっています。飛ぶだけでなく「狙える飛び」を実現できているなーという計測結果でした。
弾道や球筋、方向性の分析

やや左に打ち出してから軽く右に戻るフェード系。
平均打ち出し方向は−3.3°とわずかに左寄りですが、スピン軸は+3.6°という結果。
筆者は通常ドロー傾向の球筋ですが、T250では終始フェード系の弾道が出ました。フェースの開閉が抑えられる設計や、重心の深さ・トウヒットの安定性による影響が大きいと考えられます。

左へのミスが全く気にならないので、個人的にはターゲットラインに対して素直に打っていける安心感がかなりありました。

縦距離自体の安定感に加え、方向のバラつきも小さく、キャリーサイドは平均4.5yd左。±10yd以内に安定しており、スピン軸のばらつきも小さいことから、グリーンを狙う場面での再現性の高さが際立ちます。
左へのミスをケアしながらも飛距離を伸ばしたい人には特に相性が良さそうです。
フィーリング

インパクト時の打感は、やや軽めで中空構造らしさを感じるフィーリングでした。芯でとらえたショットでもフェースのたわみ感が強く、いわゆる「モロに中空」と表現したくなるような感触です(笑)。ソリッドな手応えというよりは、弾き感が前に出る打感傾向にあります。
打音は比較的高めの金属音で、シャープかつ乾いた響き。甲高く耳につくようなタイプではありませんが、いわゆる鍛造アイアンのような密度感や“球を押す”感覚とは異なります。シリーズ内で比較しても、T100やT150に比べると明らかに軽快な音と感触です。
ただし、打点がやや外れてもフィーリングの変化は大きくなく、許容範囲内で均一な打感が得られる点は好印象でした。これはMax Impact 2.0構造の恩恵といえます。
シャープな音と軽快な打感を好む人には好みに合うと思いますが、一方で“重厚な手応え”や”柔らかさ”を求める人にはやや物足りなさを感じる可能性もあります。
タイトリスト T250 アイアンの良かった所・微妙な所
性能評価チャート
高初速かつ高打ち出しで飛距離性能に優れながら、スピン量と落下角の安定感も両立。中空構造らしいミス許容性がありつつ、見た目や振り抜きはシャープで中上級者も違和感なく構えられる。
ドロー系のプレーヤーにとってはつかまりすぎず、自然とフェード気味に収まる挙動が扱いやすい。方向の安定性と縦距離の再現性に優れ、実戦でスコアメイクに貢献できるバランス型アイアンといえる。
まとめ

タイトリスト T250 アイアンは、高初速・高弾道で飛ばせる性能を備えながら、方向性や縦距離の再現性にも優れるバランス型モデルです。見た目はシャープでも打点のブレに強く、中空構造とタングステン配置による許容性の高さが随所に感じられました。
試打ではややフェード傾向が出やすく、左へのミスを抑えたい人にとっては安心して振っていける設計です。中空らしい軽快な打感には好みが分かれる部分もありますが、スピン量や高さの安定感により、飛ぶだけでは終わらない“止められる飛び系”という点も味噌です。
飛び系アイアンにありがちな過剰なつかまりや距離のバラつきがなく、構えやすさや弾道の整いやすさにも配慮されています。
競技志向の中上級者が実戦投入できる飛距離系アイアンとして、非常に完成度の高い仕上がりでした。
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