試打&評価

【試打評価】PING iDi ドライビングアイアン|トラックマン4でデータ計測

PING iDi ドライビングアイアン試打評価レビュー

今回取り上げるのはPING iDi ドライビングアイアン。こちらの試打計測を行ったのでレビューします。

計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

トラックマン4

結論から言うと、飛距離・直進性・高さ・止まりやすさを高い次元で兼ね備えた、現時点でトップの性能を誇る実戦志向のユーティリティアイアンでした。正直かなり評価は高いですね。

打ち出し方向とスピン軸のブレが少なく、ライン通りに真っすぐ伸びる強弾道が持ち味で、縦距離の再現性にも優れているので隙がありません。特につかまりすぎを抑えた設計により、引っかけの心配なくラインを出せるため、狭いホールでのティーショットでも安心して使えるのも魅力かなと思います。

ウッド型ユーティリティではどうしても左へのミスが気になる人にもありがたい。それでいて難易度はそこまで高くなくて、むしろこの手のアイアン型UTというジャンルの中では比較的優しい部類です。

中空構造ながら「inR-Air」テクノロジーの効果で打感が大きく改善され、ソリッドかつ心地よいフィーリングになった点も個人的には評価が高くなっとポイントです。

まさ
まさ
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PING iDi ドライビングアイアンの概要とデザイン

PING iDi ドライビングアイアン

PING iDiは、中・上級者が求める強弾道とコントロール性能に、最新テクノロジーによる打感・安定性の進化を融合させたドライビングアイアン。前作iクロスオーバーから構造から刷新し、精度と実戦性能の両面で大きな進化をしています。

PING iDi ドライビングアイアンのバックフェース

ヘッドは今作も中空構造は変わらずで、フェースには高強度C300鍛造マレージング鋼、ボディには17-4ステンレススチールを採用。薄肉フェースのたわみ量をさらに拡大し、ボール初速を高めています。

また、iDiから新たに搭載された「inR-Air(インナーエアー)」は、ヘッド内部に設けられた空気室で振動と打音をコントロールする技術です。従来の樹脂インサートよりも軽量で、より自然で柔らかな打感と低めの打音を実現しているのが特徴です。

加えて「i-Beam(アイビーム)」と呼ばれる補強構造を内部に設けることで、剛性を高めながら、余剰重量をトゥ・ヒールへ最適配分できるようになりました。その結果、慣性モーメントは前作比で約15%も向上。打点のバラつきに対する安定性が明確に高まっています。

PING iDi ドライビングアイアンのヘッド形状
PING iDi ドライビングアイアンのヘッド形状2

外観はブレード長を短縮し、オフセットを抑えたシャープな形状なので、個人的にはPINGのUTアイアンの中でも特に構えやすくなったかなと思います。

PING iDi ドライビングアイアンのソール形状
PING iDi ドライビングアイアンのヘッド形状横から

一方でソール幅とバウンス角は拡大されていて、インパクト時のソールの抜けや、ダフリへの寛容性も向上。見た目とやさしさを両立している点は見事です。

PING iDi ドライビングアイアンのデザイン

ハイドロパールクローム仕上げは継続採用されています。

ヘッドスペックは下記。

番手ロフト角ライ角バウンス角長さ(スチール)長さ(カーボン)クラブ重量素材(ボディ)素材(フェース)仕上げ
#217°59.0°8.0°39.25インチ39.75インチ約373g(カーボン)17-4ステンレスC300鍛造マレージング鋼ハイドロパールクローム
#320°59.5°8.5°38.75インチ39.25インチ約375g(カーボン)17-4ステンレスC300鍛造マレージング鋼ハイドロパールクローム
#423°60.0°9.0°38.25インチ38.75インチ約377g(カーボン)17-4ステンレスC300鍛造マレージング鋼ハイドロパールクローム

PING iDiドライビングアイアンの試打計測データ

今回の試打では、ヘッドにPING iDiドライビングアイアン、シャフトは「ALTA JCB BLUE S。計測器はトラックマン4です。使用ボールはタイトリスト PRO V1x。

まさ
まさ

試打計測の平均データが下記

2024年以降はUTアイアンはヘッドスピード39m/s〜41m/sの範囲内での計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。

項目平均値
クラブスピード40.7 m/s
ボールスピード57.0 m/s
打ち出し角16.3°
バックスピン4,621 rpm
キャリー189.9 yd
トータル距離201.6 yd
最高到達点33.8 yd
落下角46.2°
スピン軸-0.1°
キャリー左右ブレ±7.1 yd
スマッシュファクター1.40

キャリー190ヤードを安定して再現し、グリーンに止められる高さとスピンも十分に確保できています。直進性が高く、曲がり幅も非常に小さいのがデータには特長として表れています。インパクト効率も良好で、打点のバラつきにも強い仕上がりだと感じます。

飛距離性能と上がりやすさの分析

PING iDi ドライビングアイアンのトラックマン計測データ1

PING iDiは、平均キャリー189.9ヤード、トータル201.6ヤードという安定した飛距離を記録しました。ヘッドスピード40.7m/sでの計測において、ロフト23度のクラブとしては十分な飛距離を確保できており、弾道の強さと再現性の高さが印象的かなというところです。

ボールスピードは平均57.0m/s、スマッシュファクター1.40と、インパクト効率はかなり良かったです。薄肉フェースと中空構造の相乗効果により高初速が得られており、スピードにも無駄がありません。

PING iDi ドライビングアイアンのトラックマン計測データ2

打ち出し角は16.3度、最高到達点33.8ヤードと、高さも十分だったと感じます。イメージ的には中高弾道ですね。地面からのボールも比較的拾いやすくて難易度はさほど高くありません。標準のALTA JCB BLUE装着時は特に優しく感じます。

落下角は46.2度でここもかなり優秀。グリーンで止まりやすい角度が出ていて、高さとスピンのバランスが非常に優れています。実際に着弾後もランが伸びすぎることなくて200ヤード付近のショットでもアグレッシブに攻められそうな感覚だし、実際にかなり止められる。

ちなみに8球すべてのキャリーが±2ヤードの範囲に収まっていて、縦距離のバラつきが非常に少ない点も特筆に値する部分かなと思いまs。狙った距離を確実に打ち分けたい場面や、グリーンをピンポイントで狙いたい状況で、信頼できる飛びと高さを備えたドライビングアイアンです。

弾道や球筋、方向性の分析

PING iDi ドライビングアイアンの分散

200ヤード付近あるいはロングアイアン領域の距離を狙っていく番手としては、球筋の安定感と方向性の精度においては非常に優れていましたね。左右に大きく曲がる要素が少ないストレート系の弾道が特徴かなという結果でした。

打ち出し方向は平均0.1度右とわずかで、インパクト時のフェース向きとクラブパスが高い精度で整っていたことが分かります。

キャリーサイドのばらつきは±7.1ヤードとやや右サイドに収まっていたのですが、方向のブレとしては非常に安定した範囲に収まっています。

PING iDi ドライビングアイアンのトラックマン計測データ3

実際のカーブ量の平均も0.3ヤード左とわずかで、打球はストレート〜軽いドロー方向で揃うイメージです。捕まりについてはニュートラルな特性ですね。

PING iDi ドライビングアイアンのトラックマン計測データ4

極端なスライスや引っかけなどはほとんど見られませんが、フェードでも安定した飛距離が出ていたのも印象的です。

ショットごとのスピン軸の変化も小さく、フェースの開閉や打点位置のズレによる挙動変化が抑えられているのは特に強いところかなと思います。

特に風のある状況やティーショットでライン出しをしたい場面において、打ち出しと着弾のラインが揃うiDiの弾道性能は信頼性がめちゃくちゃ高く、狙いどおりの球筋をイメージ通りに再現しやすいと言えるでしょう。

基本的はラインが出しやすくて弾道の安定性は高く評価できる一方で、捕まり方に癖が内聞、持ち球を問わず扱いやすいのも嬉しいところです。

フィーリング

PING iDi ドライビングアイアンのフェース面と打感

中空構造モデルとしては非常に完成度が高く、打感・打音の両面で過去作以上の優れた仕上がりだと感じました。従来の中空ヘッドにありがちな中空特有の“空洞感”や“金属音”はかなり抑えられています。まあ、やはり中空の独特の反発感はあるのものの、インパクト時の感触はソリッドで密度のある印象を受けました。個人的な評価は結構高いです。

要因として、ヘッド内部に搭載された「inR-Air(インナーエアー)」構造の効果が大きいのかなと思います。これは、フェース背後の空間に空気の層を設けることで、インパクト時の振動を緩やかに吸収し、不快な打音やビリつくような衝撃を抑える構造です。打音はやや低めで乾いた質感があり、インパクトの輪郭が明瞭ながら、耳障りな感覚はほとんどないです。

全体として、アイアンのようなシャープさとユーティリティの寛容性をバランスよく備えたフィーリングで、弾き感と柔らかさのちょうど中間に位置するような打感に仕上がっています。中空アイアン特有の打感に違和感を覚えた経験がある方にも、好印象を持ってもらえる可能性が高いと感じました。

PING iDiドライビングアイアンの良かった所・微妙な所

良かった点
微妙な点
  • キャリー190yd前後を±2yd以内で安定再現できる縦距離性能
  • スピン軸が平均-0.1°、左右ブレ±7ydと高い直進安定性
  • 「inR-Air構造」により中空らしからぬソリッドで柔らかな打感
  • 道の安定性が高い反面、意図的に大きく曲げる球筋にはやや不向き

直進性の高い弾道と優れた縦距離の再現性に加え、中空構造とは思えない心地よい打感が印象的でした。一方で、直線的な球筋を優先する設計のため、大きく曲げるようなショットにはそこまで向いてなさそうです。

性能評価チャート

PING iDi ドライビングアイアン
飛距離
9.0/10
高さ・弾道安定性
9.0/10
スピン性能
8.5/10
つかまり
5/10
寛容性
8.5/10
操作性
7.0/10
距離の安定感
9.5/10
打感
7/10

「狙った距離・狙った方向」に対して正確に応える実戦的なクラブです。やや控えめなつかまり設計ですが、その分ライン出しや風への強さに長けており、弾道の再現性を最重視する人にとって非常に頼れる選択肢となると思います。難易度もそれほど高くないので、中級者以上の実力があれば問題なく使えるはず。

まとめ

PING iDi ドライビングアイアン

飛距離、直進性、高さ、そして距離再現性において非常に高い完成度を備えたモデルです。高初速性能と慣性モーメントの高さが相まって、芯を外しても大きな飛距離ロスや方向ブレが少なく、再現性の高い強弾道が打てるのが嬉しい。

また中空ヘッドに空気層を組み込む「inR-Air」構造により、打感や打音の質も大きく改善されており、フィーリング面でも中空らしさを抑えたナチュラルな感触が得られます。前作からの進化は明確で、実戦における信頼性と使いやすさが大きく向上しています。

一方で、意図的な操作性や強いつかまりを求めるよって人にとっては適正が分かれる部分もありますが、真っすぐ狙って飛ばしたいというニーズに対しては非常に優秀なアイアン型UTです。

ティーショットのライン出しや200ヤード前後のグリーン狙いで、確実に結果を出したい方には試す価値のあるモデルです。

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まさ
ゴルフメーカーとゴルフショップで合計15年間働いた経験を元にゴルフに関するギア(クラブや計測器など)をわかりやすく紹介しています。ベストスコアは69 ショップ勤務時代に、クラフトマンとして修理・カスタマイズ技術を習得。現在もクラブ修理全般こなすクラブマニア。 Twitter、インスタグラム、Youtubeと各種SNSも運営していますので、フォローよろしくお願いします。 プロフィールはこちら
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