試打&評価

【試打評価】PING G440 SFT ドライバー|トラックマン4で飛距離計測

PING G440 SFT ドライバー試打評価レビュー

今回取り上げるのはPING G440 SFT ドライバー。こちらを購入し、さっそく試打計測を行ったのでレビューします。

計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

トラックマン4

結論から言うと、PING G440 SFTは右へのミスを抑え、高くてしっかりつかまった球でキャリーを稼げる、やさしさに特化したドライバーです。スライサーやつかまり不足に悩むゴルファーにとっては、非常に頼れる存在になるでしょう。ということで、メーカーが言うような内容なのは間違いないです。

また、これまでのSFTシリーズの中でも、G440 SFTは飛距離性能が大きく向上している点も好印象でした。高打ち出し・適正スピンでキャリーをしっかり伸ばし、PINGのSFTの中でも特に実戦での強さを感じさせてくれます。

一方で、方向性や飛距離の総合バランスという点では、同シリーズのG440 MAXドライバーの方が上。SFTは「捕まり重視」という明確な立ち位置があるぶん、スイング傾向に合うかどうかで評価が分かれるモデルです。

まさ
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PING G440 SFT ドライバーの概要とデザイン

PING G440 SFT ドライバー

PING G440 SFTは、G440シリーズの中でもっともつかまりに特化した“やさしさ最優先”モデルです。シリーズ全体としては、MAXが万能型、LSTが低スピン・操作性重視のハードヒッター向け。その中でSFTは、スライスに悩むゴルファーや、楽にかつオートマチックにつかまった球を打ちたい方という方に最適な立ち位置にあります。

PING G440 SFT ドライバーのヘッド形状
PING G440 SFT ドライバーのヘッド形状2

ヘッド体積は460ccで、ヒール側が丸みを帯びたストレートフェース。ドローバイアス系ながら構えたときにターゲットにまっすぐ合わせやすいのは嬉しい限り。

テクノロジーは、新開発のカーボンフライ・ラップ・クラウン軽量ホーゼルの組み合わせによって、PING史上最も低い重心設計が実現されました。前作G430 SFTと比べても打ち出しが高くなり、スピンも安定しており、自然な高弾道でキャリーが稼げるよ!と謳われています。

PING G440 SFT ドライバーの可変ウェイト

また、DRAW/DRAW+の2段階調整可能なヒールウェイトも継承。前作と比べると、フェースの返りが少し穏やかになり、左への“行き過ぎ”は軽減された印象です。とはいえ、DRAW+では一気につかまりが強まるため、フェースローテーションが大きい方は注意が必要です。

SFTは、「曲がらないG440」の中でも、最も“つかまりの安心感”が強く感じられる1本と言えるでしょう。

試打計測データ

今回の試打では、ヘッドにPING G440 SFT ドライバーを使用し、シャフトは「ALTA J CB BLUE」Sフレックス。計測器はトラックマン4です。

PING G440 SFT ドライバーのトラックマン計測データ1
まさ
まさ

試打計測の平均データが下記

2024年以降はドライバーはヘッドスピード44m/s〜46m/sの範囲内での計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。

項目計測値
ヘッドスピード(m/s)45.4
ボールスピード(m/s)65.6
打ち出し角(°)15.8
打ち出し方向(°)0.5
バックスピン(rpm)2,532
スピン軸(°)-10.8
最高到達点(yd)36.0
キャリー(yd)247.0
トータル飛距離(yd)268.1
曲がり幅(yd)19.8 左
左右ブレ(yd)17.8 左
スマッシュファクター1.44

今回の計測では、平均ヘッドスピード45.4m/sに対してボールスピードは65.6m/sと安定しており、スマッシュファクターは1.44。インパクト効率はまずまず高く、打ち出し角は15.8°と高め。そこにバックスピン2,532rpmという最適帯域のスピン量が加わり、247ydのキャリー、268ydのトータルという飛距離を記録しました。

スピン軸は−10.8°とやや大きめのドロー傾向で、平均曲がり幅は約20yd左。左右ブレも17.8ydとやや大きめですが、つかまりを強く意図したSFTとしては許容範囲内です。とても高い弾道(最高到達点36yd)と適正スピンの組み合わせにより、キャリーでしっかり稼げる弾道性能が確認できました。

飛距離性能と上がりやすさの分析

PING G440 SFT ドライバーのトラックマン計測データ2

PING G440 SFTの平均トータル飛距離は268.1ヤードでした。当サイト基準では「270ヤード未満=まずまず」と位置づけられ、飛距離性能で言えばトップクラスとはいきません。

ただし、キャリーは247ヤードとしっかり出ており、飛距離の内訳としてはキャリー型ですね。打ち出し角は15.8°、最高到達点は36ヤードと非常に高く、高弾道キャリーで距離を稼ぐ設計がしっかり機能している点は評価できます。

PING G440 SFT ドライバーのトラックマン計測データ3

バックスピン量は2,532rpmで、最適帯域(2,200〜2,600rpm)にぴったり収まっているのもポイントです。極端な低スピン化によるラン頼りの設計ではなく、さでキャリーを稼ぐタイプであることは明確。打ち出しの高さとスピンの整い方は非常に好感が持てます。

PING G440 SFT ドライバーのトラックマン計測データ4

一方で、ボールスピードは65.6m/s、スマッシュファクターは1.44にとどまりました。

もう0.1〜0.2高ければ、平均トータル270ヤードを超えていた可能性は十分にあるだけに、インパクト効率にはわずかに課題を残します。打点のバラつき、あるいはシャフトの挙動がこのあたりに影響しているかもしれません。

PING G440 SFT ドライバー 打球のばらつき

方向性に関しては、打ち出し方向0.5°という直進性の高さが目立ちますが、スピン軸は−10.8°と強めのドロー回転。平均曲がり幅は約19.8ヤード左、左右ブレは17.8ヤード左で、当サイト基準では“やや不安定”に分類されます

ただ、これは「右に出ない=スライスを完全に抑える設計」と捉えるべきで、直進性より“右へのミス潰し”を重視したつかまり設計と見るのが妥当です。

全体としては、「飛距離に対する安心感があり、曲がらずにキャリーで稼げるタイプ」。ただし、強いつかまりが出すぎて左に曲がるショットが出ることもあるため、捕まり過ぎに注意しながら付き合う必要はありそうです。

フィーリング

PING G440 SFT ドライバーのフェースと打感

インパクト時の打感は、柔らかさの中にしっかりとした弾き感があり、非常にバランスの良い感触でした。軽すぎず重すぎず、芯に当たったときの感覚は非常にクリアで心地よい印象です。

打音は、カーボンクラウン特有のややこもった音質ながら、変な高音が出ることもなく、全体として完成度の高い音作りですね。

PING G440 SFT ドライバーのヘッド形状2

構えたときは、フェースアングルがストレート寄りでターゲットに対して合わせやすく、投影面積も大きいため、安心感は非常に高いと感じました。

操作性については、基本的には自然なドローが出るオートマチックな特性で、フェードも打てなくはありませんが、意図的に曲げようとしてもドロー成分がどうしても勝つ印象でした。

PING G440 SFT ドライバーの良かった所・微妙な所

良かった点
微妙な点
  • 圧倒的なつかまりで、右へのミスが激減
  • 高弾道&適正スピンでキャリーが安定して伸びる
  • マイルドな打音と心地よい打感のバランスが秀逸
  • 構えやすく安心感のあるヘッド形状
  • 左へのミスは出やすく、フェースローテーションが強い人にはリスクあり
  • 弾道がオートマチックすぎて、球筋の打ち分けは正直難しい
  • 飛距離性能はあと一歩で、「270yd超え」に届かなかった点は物足りなさが残る

性能評価チャート

PING G440 SFT ドライバー
飛距離
7/10
上がりやすさ
10/10
つかまり
9/10
寛容性
9.5/10
操作性
5.5/10
打感
8/10
方向安定性
8/10

G440 SFTは、とにかく高く上がってしっかりつかまる、やさしさ全振りのドライバーです。最高到達点36yd・適正スピンでキャリーが伸び、多少芯を外しても飛距離の落ち込みが小さいなど、寛容性の高さは特筆もの。スライスのミスが出がちなゴルファーには、明確な効果が期待できます。

一方で、トータル飛距離は270ydに届かず、スマッシュも平均1.44とあと一歩の印象。フェースが自然に返る動きが強く、打ち分けや操作は制限されがちです。また、ドロー成分が強いため、フェースローテーションが大きい人は左への引っかけにも注意が必要です。性能の方向性がはっきりしているぶん、自分のスイング傾向との相性はよく見極めたいところです。

カスタムシャフトの提案

G440 SFTのヘッドは、ヒール重心&高打ち出しでつかまりが非常に強く出る設計です。よって、弾道が上がりすぎたり左に行きすぎたりする方には、シャフト側でその挙動を落ち着けるチューニングが効果的なのかなーとは思います。

特におすすめなのは、中元調子〜元調子で中低スピンに抑えるタイプ。シャフト剛性でフェースの返りすぎを防ぎ、スピンも抑えて飛距離アップや方向安定性の向上につながります。2025年最新モデルから、相性の良い候補をピックアップしました。

シャフト名特徴と適正ゴルファー像
フジクラ VENTUS BLACK 2024中元調子/低スピン・低弾道。左のミスをしっかり抑えたい人に。Velocore Plusで挙動安定。
グラファイトデザイン TOUR AD VF中元調子/低スピン系。先端剛性高めで打ち出しが抑えられ、フェースの返りすぎも軽減。
三菱 TENSEI 1K PRO WHITE 2025元調子/しっかりしたしなり戻りで、弾道をまとめやすい。捕まりすぎが怖い人向け。
USTマミヤ LIN-Q BLUE EX中元調子/低スピン+ややゆるやかな挙動。自然なドローで収めたい中級者向け。

まとめ

PING G440 SFT ドライバー

PING G440 SFTは、高弾道・強いドロー・圧倒的なやさしさという特徴を持つ完成度の高いドライバーです。右へのミスをしっかり抑えながら、高くつかまった球でキャリーを稼げる点は大きな武器になります。打感や打音も整っており、安心して振っていける1本なのは間違いないです。

一方で、飛距離性能や方向のまとまりという観点では、同シリーズのG440 MAXドライバーの方が総合力は一枚上と感じました。SFTは明確に“右へのミス防止”に振り切った設計であるぶん、操作性や飛びの伸びしろには制限が見られます。

そのため、スライスに悩む初ゴルファー、またはドローで安定させたい方に特におすすめです。逆に「飛距離も方向性も重視したい」という方には、MAXモデルとの比較検討をおすすめします。

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まさ
ゴルフメーカーとゴルフショップで合計15年間働いた経験を元にゴルフに関するギア(クラブや計測器など)をわかりやすく紹介しています。ベストスコアは69 ショップ勤務時代に、クラフトマンとして修理・カスタマイズ技術を習得。現在もクラブ修理全般こなすクラブマニア。 Twitter、インスタグラム、Youtubeと各種SNSも運営していますので、フォローよろしくお願いします。 プロフィールはこちら
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