ゴルフ用距離計の定番といえばブッシュネルのレーザー距離計。プロ使用率の高さが物語るように、その正確性と信頼感から多くのゴルファーに支持されています。そして今回新たに「グリーンの奥行き」も知りたい、というニーズに応えて登場したのが、GPS搭載ハイブリッドモデル「ブッシュネル TOUR HYBRID(ツアーハイブリッド)」です。
GPS搭載のレーザー距離計は何種類か他のメーカーからも出ていますが、さすがにブッシュネルのレーザーでGPS付きとなれば気になってしょうがないよねという話。
今作は記事執筆時点で国内モデルは未発表とですが、USモデルが2025年4月に発売されたのでフェアウェイゴルフにて早速購入してみました。
ということなので、果たしてその使い勝手、精度、そしてGPSとの融合の完成度はどれほどのものなのか?正直にレビューしていきます。
目次
結論:ブッシュネル史上一番使い勝手が良い

Bushnell TOUR HYBRIDは、「1台でレーザーとGPSナビの両方の機能をを使いたい!マネジメントをより正確かつスピーディに行いたい!」というゴルファーにとって、非常に完成度の高いハイブリッド距離計でした。
ちなみにUSモデルを購入しましたが、日本のコースにも完璧に対応しています。日本語マニュアルもあるので、操作方法に関しては心配ありませんでした。
TOUR HYBRIDは、現在のレーザー距離計の最高峰である、ブッシュネル TOUR V6 ShiftやPRO X3と同等の測定性能を維持しつつ、GPS機能を加えたことで、マネジメントする上での距離の把握がより正確かつ効率的。
特にグリーンまでのフロント・センター・バックエッジの距離をファインダー内でレーザー測定と同時に確認できるのはめちゃくちゃ快適でした。
初期設定やゴルフ場についての操作は慣れれば問題ないと思いますが、機械操作に疎い人にとってはそこそこ操作がややこしい所は否めません。アプリ連携なども必要になるので、あまり得意でない人は避けた方が良いかなーという印象は正直ありますね。
という事ですので、万人向けではないものの「測定の正確さは譲れないが、GPS情報も欲しい」という中〜上級者にとっては、極めて理にかなった選択肢です。個人的にはめちゃくちゃ気に入ったので最高の買い物だったと思っています。これからはこれをメインで使い続けたい。
ブッシュネル TOUR HYBRIDのスペックと基本情報

ブッシュネルTOUR HYBRIDは、BushnellのピンシーカーにGPSナビ機能を融合させた、革新的な“レーザー+GPSハイブリッドモデル”です。

高精度なレーザー測定はそのままに、GPSによるグリーン前・中・奥の距離表示をファインダー内に同時表示できる仕様です。
価格帯はUSモデルで約$499。記事執筆時点では日本国内正規版は未発売ですが、並行輸入では7万円台後半~8万円程度で流通しています。筆者は7万円台で購入しました。
項目 | 詳細 |
---|---|
モデル名 | Bushnell TOUR HYBRID |
発売日 | 2025年4月(USモデル) |
サイズ・重量 | 約11.4×4.1×7.8cm / 約247g |
測定距離 | 最大約1300ヤード(ピン:500ヤード超) |
望遠倍率 | 6倍 |
表示方式 | LCD(ファインダー内にGPS+レーザー距離表示) |
スロープ機能 | 有(Slopeスイッチでオン/オフ切替可) |
手ブレ補正 | 無(ただしピンシーカー+JOLTによるサポート) |
GPS連携 | 内蔵GPS(世界38,000コース以上を収録) |
通信方式 | Bluetooth SMART(スマホアプリ連携) |
バッテリー仕様 | CR123リチウム電池1本 / 約30ラウンド程度持続 |
防水性能 | IPX6(強い雨でも使用可能) |
付属品 | 専用ハードケース、CR123電池、マニュアル等 |

公称値では247gとありましたが、実測では265gほどありました。たぶん247gは電池抜きの本体重量だとは思います。

ちなみに同形状のV6 SHIFTは電池が入った状態でも250gだったので、GPS機能付きだったり、ボタンが一つ増えている影響もあって10g以上は重たいという感じ。

全体的にやや重量はありますが、重たいのは今までのブッシュネルと同様なのでそこまで気になるほどではありませんし、GPS付きなら我慢可能(と思っている)
また、電池式ながらバッテリー持ちも30ラウンド前後(と言われているけど30ラウンドは使えていないので未確認ですが、たぶん従来のブッシュネルよりは持たない)。電池は交換式になっているので、予備電池をキャディバッグに入れておくのは必須です。
あと先程も言いましたが、USモデルであっても日本国内のコースに対応していました。

付属しているマニュアルにも日本語ページがあります。ただし、ここでは他の言語も全体的に簡易的な内容になっているので、詳しい説明はオンライン上のマニュアルを見るのが良いです。紙のマニュアル内にもURLは記載されています。

本体横には高低差モードのONとOFFの切り替えができます。競技での使用も問題ありません。で、このスイッチが今までのモデルよりも結構硬い作りなっていたので、勝手にONとOFFが切り替わりづらくなったのは個人的に嬉しいポイントでしたね。
コース上で実際に使ってみてのレビュー
計測スピードと精度は非の打ち所がない

ブッシュネルらしく、TOUR HYBRIDの測定スピードは非常に高速でストレスがありません。計測体験はTOUR V6 SHIFTやPRO X3なども使ってきましたが全く一緒で完璧。
長押しでピンシーカー機能が発動するのも同様で、背景に誤計測しやすい木があってもピンまでの距離を一瞬でロックオンできます。
JOLT(振動通知)による計測完了のフィードバックもしっかりあるのもいつも通りでレーザー距離計としての完成度は言うまでもないです。

筆者は現在ブッシュネルを3モデル所有する形になっていますが、TOUR V6、PRO X3と比較しても計測誤差は起こりませんでした。当たり前か。
ですので、いつもどおりレーザー測定は最強オブ最強。
ナビ機能の使い勝手

GPSナビ機能は、グリーン前・中・奥の3点距離がファインダー内の上の方に同時表示されます。当然この機能はOFFにすることも可能。
下の方に出ているのがレーザー測定した距離で、ここは従来のブッシュネルと同じ表示です。ちょっと写真では見づらいかもしれないんですけど、GPS距離測定の数字もレーザー測定の数字も同じレベルの視認性でした。
プレー中は現在地を自動で検出して表示してくれるためGPS機能自体の操作はほぼ不要。
GPS単体機のようなカラー画面ではありませんが、レーザーの視界内で一目で距離がわかるのは非常に便利です。


ナビ精度については当サイトで度々登場しているユピテルと比べましたが、かなり良い精度でした。
とはいえGPSについてはやはり3ヤードほどの誤差が出たりはするんで、レーザー測定ほどの精度は基本的にありません。レーザーでの測定にプラスアルファするための情報という事になるので、そこは頭に入れておく方がいいですね。
個人的にはレーザーでフロントエッジなども測るんですけど、この機能が役立つのはエッジが目視できなくてレーザーでは計測できない場面です。そういった際にはマネジメントの幅が広がるのでめちゃくちゃ役立ちます。
視認性はLCDでいつもどおり普通。そろそろ改善して

ファインダー表示はLCD(白黒)タイプで、明るさは標準的。JOLT機能で赤リングが光る点は良いものの、全体のコントラストは晴天時にやや見づらくなる場面がありました。
まあ普通と言えば普通なんですが、ブッシュネルの距離計はディスプレイが一向に進化しないのでそろそろ改善してもらいたいものです。
操作性とか携帯性とか

ボタンは本体上部に3つ。V6 SHIFTは2つなのですが、真ん中にモードボタンが1つ多いです。
アプリとのBluetooth接続を事前にしておく必要がありますが、BluetoothがONになっている状態で、コースに付いたら電源ボタンを長押しするとGPSを補足してナビ機能が使えるようになります。
この時の操作が最初マジで意味不明なので、正直苦戦しました。これ系の操作が苦手でどうしようもない人は向いてないので、はっきり言っておすすめはしません(笑)

モードボタンは長押しすることで2グリーンの設定などを切り替えたりができたりとかします。
まあ正直言って操作性は良くないですね。最初は色々やるのに戸惑う部分はあると思いますが、2ラウンド使ったら普通に慣れたので、結局は慣れって感じですね。


BITEマグネットは今作でも健在、カートのフレームにくっつけたりできるのが地味に便利。
バッテリー性能は正直不明

電源はCR123リチウム電池1本で、メーカー公称では約30ラウンド使用可能とされています。実際の使用でも残量は十分でしたが、従来のブッシュネルとは違ってGPS機能がついているので、そこまで持たない可能性はあります。
アプリ連携と付加機能


Bushnell GolfアプリとのBluetooth連携により、コースデータの更新やファームウェアアップデートが可能です。
また、アプリ上では単位の変更とか何やらの変更が可能。
GPSナビで表示されるのはグリーンの前・中・奥の距離のみで、ハザード情報やレイアウト表示などの拡張性はありません。 また、アプリにスコア入力機能が無いのはやや残念。
良かった点/気になった点
◎良かった点
- ブッシュネルらしい高速かつ最強の安定性
- GPSによる前・中・奥距離の一体表示が想像以上に便利
- BITEマグネットがやはり使いやすい
- アプリ上でバッテリー残量がわかる
△気になった点
- ファインダー表示がLCDで、晴天時の視認性にやや難あり(いつもどおり)
- GPSによるハザード距離などは無し
こんな人におすすめ
- 精度とスピードを重視したい中級〜上級者の方
- GPSとレーザーを1台にまとめて持ち運びをシンプルにしたい方
- グリーン奥行きの情報をマネジメントの判断材料にしたい方
一方で、スコア管理も含めてアプリでまとめたい方や、ハザード情報やホールレイアウトをGPSで把握したい方の場合は、他モデルやスマホアプリとの併用をおすすめします。
評価チャートと総合評価
項目 | 評価(★5段階) |
精度 | ★★★★★ |
スピード | ★★★★★ |
視認性 | ★★★☆☆ |
携帯性 | ★★★☆☆ |
コスパ | ★★★★☆ |
ブッシュネルTOUR HYBRIDは、これまで別々に使っていたレーザーとGPSを“ファインダー内で同時に”確認できるのがとにかく良いし、実際の使用感も抜群に良かった!
ガーミンやR2G、イーグルビジョンにも似たようなモデルはあるのですが、やはりブッシュネルのレーザー距離計としての性能が圧倒的に優れいているので、それにGPSが付いているという付加価値は最強と言わざるおえません。なので、大体7万円程度するとはいえ、この性能であればコストに対してのパフォーマンスは高いという評価です。
1台で必要十分な機能を高精度で完結させたいなら、TOUR HYBRIDは間違いなく有力な選択肢になるでしょう。
ただ、スコア管理やハザード距離の表示といった多機能性を求めるなら他製品も検討したいところです。
まとめ
レーザー距離計としての精度と信頼性はそのままに、GPSによる戦略的な補助情報をファインダー内に融合したブッシュネルTOUR HYBRID。シンプルで扱いやすく、それでいて高機能。レーザー派もGPS派も納得の仕上がりだったかなと思います。
「GPSとレーザーを1台にしたいけれど、精度や使いやすさには妥協したくない」そんなゴルファーにとって、このモデルはまさに“ちょうどいい”1台です。スコア入力などの補助機能はありませんが、距離情報に集中したい方には必要十分で最高の選択肢になるはずです。おすすめ!
でもスマホとか機械操作が苦手な人は設定で苦戦する可能性が高いので、そういう人にはあまりおすすめはしません。
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