Mileseey(マイルシーは、レーザー技術とAI・光学デザインを融合したプロ仕様の距離計を得意とする中国発のブランド。主にレーザー距離計やサーマルカメラなどを製造・販売しています。
Mileseeyの距離計はYoutubeチャンネルの方でもレビューしたことがありますが、デザインもイケてるし価格も手頃なので割とおすすめです。
今回取り上げるIONME2は、その中でも“軽量で高機能”を掲げ、PinPoint Green™、P2Pコーチモード、Rain & Fogモード(雨と霧モード)など革新的機能を一式に詰め込んだハイエンドモデルとして、日本市場に正式リリースしました。ということで搭載されている機能としては面白そうだなと思ったので実際に購入してみました。

実戦でのラウンドテストも重ねたのでレビューしていきたいと思います。
目次
結論:グリーン上での傾斜も考慮した計測は素晴らしいけど、フィート表示なのが残念すぎ

Mileseey iONME2最大の魅力は、やはり「PinPoint Green™モード」に尽きます。グリーン上で、ボールからピンまでの距離だけでなく、傾斜(上り・下り)まで±1%の精度で表示してくれるので、ロングパットや微妙な距離感が求められるシーンで大きな武器になります。
パッティングの距離感を感覚ではなく、「数値で判断できる安心感」は、特にスコアを意識したゴルファーにとってかなり心強いものです。

惜しい点は、そのPinPoint Green™モード時の距離表示が「フィート表示」なこと。日本人目線で考えるとゴルフの場合「メートル」や「ヤード」に慣れているためか、数字の換算にワンテンポ必要で、プレーファストの観点だとかなり不便に感じます。
せっかくセンチメートル単位の高精度を実現しているだけに、「単位切り替えができない」仕様は本当にもったいないポイント。だし、1インチとか1センチ単位での精度を実現した!というのにフィート表示しかないのも違和感があります。
技術的にはとても評価が高いだけに、この点だけでも次期モデルでの改善を期待したいところです。あと、これは競技では使えない機能ですので、競技に出る方は注意してください。
あと、高低差補正の数値にはブッシュネルとわずかながら違いがあったので、そこも信頼性という点ではブッシュネルには劣るかなーと感じました。
価格は6万円以上するので、グリーン上での計測がフィート表示でも良いなら、そこの精度は良かったので買っても良いと思いますが、レーザー距離計としての基本的な信頼性を重視するなら同価格帯のブッシュネルを推したい。
MILESEEY IONME2 レーザー距離計のスペックと基本情報

MILESEEY IONME2 レーザー距離計の基本スペックは以下の通り。これはメーカーの公称値となります。
項目 | 仕様 |
---|---|
測定可能距離 | 5〜1,100ヤード(約5〜1,000m) |
測定精度(通常) | ±(0.5ヤード + 距離の0.1%) |
測定精度(PinPoint Green™) | ±1インチ(約2.54cm) |
ピンロック範囲 | 最大500ヤード(旗竿捕捉精度 ±0.5ヤード) |
測定速度 | 約0.1秒 |
レーザークラス | Class 1(アイセーフ) |
倍率 / 視野角 | 6倍 / 7.5° |
アイレリーフ / 視度調整 | 16mm / ±5ディオプター |
ディスプレイ | OLED(赤 / 緑の2色切り替え) |
レンズ | フルマルチコート、透過率90%以上 |
主なモード | PinPoint Green™、 コーチモード(P2P測定)、 雨霧モード(WMS™) |
高低差補正 | あり(スロープ機能 ON/OFF切替可) |
バイブレーション | あり(ピンロック時に通知) |
防塵・防水性能 | IP65 |
オートパワーオフ | 16秒(無操作時) |
電源 | USB Type-C充電式 (リチウムイオン電池 500mAh) |
測定可能回数 | 約5,000回 / フル充電(約30ラウンド相当) |
サイズ / 重量 | 96 × 44 × 32 mm / 約180g |
付属品 | 専用ホルスター、キャリングケース、 USB-Cケーブル、ストラップ、レンズクロス、 日本語説明書、保証書 |
発売時期 | 2025年5月(日本国内) |
販売価格 | 税込 63,800円前後(国内正規品) |

搭載されいている主要モードは下記。
モード名 | 機能概要 |
---|---|
PinPoint Green™モード | グリーン上専用の高精度計測モード。 ボールからピンまでの距離と、上り・下りの傾斜を ±1インチ/±1%精度で表示。 センチ単位での距離感調整に最適。 |
コーチモード(P2P) | 任意の2点間距離を計測できるPoint-to-Point機能。 プレーヤーがその場にいなくても、 同伴者やキャディが距離を測定できる。 |
通常モード | ピンやバンカー、ハザードなどあらゆる対象物に対応。 ±1ヤード未満の精度で直線距離を表示。 最速0.1秒で距離を表示。 |
スロープモード(高低差補正) | 目標までの打ち上げ/打ち下ろしを補正して、 「打つべき距離(推奨距離)」を自動算出。 ON/OFF切替可能で競技対応。 |
雨霧モード(Rain & Fog / WMS™) | 雨天や霧など視界が悪い状況下での測定精度を自動補正。 測定エラーや誤差を抑え、安定した計測を実現。 |
スキャンモード | ボタンを押したまま、複数のターゲットに連続測定可能。 ハザード間やフェアウェイ幅の確認にも便利。 |
特に強力なのはグリーン上専用機能で、今作の最大の目玉です。とはいえ、センチ単位での精度を売りにしているのにフィート表示しかないのは何故なのか。切り替えもできません。
そのほか、雨と霧でも使用できるというモードがありますが、いかんせん濃霧に遭遇することが今のところないのでテストできておりません。多少の雨なら問題なく計測はできました。経験上、霧モードはまじでオマケぐらいに思っておくほうが無難です。ピンが目視できないほどの霧ではほぼ計測はできないと考えていいでしょう。
MILESEEY IONME2 レーザー距離計の外観デザイン

手に取ってまず感じたのは、そのコンパクトさ。スマートフォンよりもずっと小さくて、片手にすっぽり収まります。ポケットにも余裕で収まるサイズ感は、ラウンド中の取り回しにも一切ストレスがありません。


まあこの四角い形状は好みが分かれるところでもあると思いますが、サイズはいい感じでございます。

一方で、重量は約180gと、見た目に反してやや“ずっしり感”があります。ただこの重さはネガティブというよりも、手に持ったときの安定感と、高級感のある仕上がりに繋がっていると感じます。軽すぎて頼りない…という印象はなく、スイング前に手元で構える際のブレも抑えやすく、実用面でもプラスに働いてくれます。

外装はマット調で指紋や汚れがつきにくく、ラバー調のグリップはしっかりと手に馴染みます。操作ボタンは上部に2つというシンプルな構成で、モード切り替えや計測も迷わず行える、直感的なデザイン設計になっています。

さらに、IONME2には本体底部にマグネットを内蔵しており、ゴルフカートのフレームやアイアンヘッドなどにピタッと貼り付けておけるのも便利です。重量が意外とあるのはこれの影響かもしれません。

加えて、標準で付属する専用ホルスターケースも実用的で、このケースにマグネットでパチっとくっつく仕様です。

ベルトやゴルフバッグのフックに取り付けられるタイプで、腰につけておけばラウンド中の出し入れもスムーズ。ファスナーではなくマグネット開閉になっているため、片手で簡単に取り出せるのも使いやすさにつながっています。

バッテリーはUSB Type-C充電式のリチウムイオンバッテリー(500mAh)を内蔵し、約5,000回の測定に対応。18ホール換算でおよそ30ラウンド分と公称されており、頻繁に充電する必要はありません。USB-C対応なので、スマホやモバイルバッテリーと併用できるのも嬉しいポイントです。
コースでの使用感や精度検証

実際にコースで使用してみると、IONME2のレスポンスの良さがまず際立ちます。ボタンを押してから距離が表示されるまでの時間はマジで「一瞬」。公式スペック通りの“0.1秒表示”は伊達ではありません。
ピンを捉える安定性も高かったです。
また、ターゲットを捉えた際に手元にしっかりとした振動フィードバックが返ってくるのも好印象。

ファインダー内のOLEDディスプレイは非常に鮮明で、晴天でも文字がくっきり読みやすく、逆光時や薄暮でも視認性はばつぐん。

モード切り替えも直感的に行え、本体上部のモードボタン(◯の方)ひとつでスロープ補正やPinPoint Green™などをすぐ呼び出せるので使い勝手は申し分なし。

計測精度の比較検証には、筆者が愛用しているBushnell TOUR HYBRIDを使用。
下記がテスト結果ですが、左側がブッシュネルで、右側がMileseeyです。




フラットな所ではほぼ同じ数値を示すものの、打ち上げ・打ち下ろしの強いホールではわずかに差が出る場面も見られました。これは、おそらくスロープ補正のアルゴリズムの違いによるもので、Bushnellがやや攻めた補正をかけてくるのに対し、IONME2は少し緩めな距離を出す傾向があります。
とはいえ、その差は数ヤード程度でプレーへの影響はほとんど感じないレベルですけれど、体感の勾配と数値のズレが小さいのはやはりブッシュネルですね。
という具合で総じて、操作性・視認性・スピードにおいては非常に優秀ですが、高低差補正のゆるさがちょっと気になるという結果でした。

また今回、P2P(コーチモード)もラウンドで試してみました。プレーヤー自身がその場にいなくても、任意の2点間(例:ボール位置→ピン)を計測できる機能ですが、操作性は非常にシンプルで、測定手順も直感的。しかも表示される距離の精度は通常モードと同レベルで、信頼性も高いと感じました。
PinPoint Greeモードの評価と課題

グリーン上の距離感を“数値で可視化”できるPinPoint Green™モードは、まさにIONME2の目玉機能。実際に使用してみても、表示される距離や傾斜の精度は非常に高く、メーカーが謳う±1インチ/±1%という数値に嘘は無いように感じました。
グリーンの勾配を見た目だけでなく“数値として把握できる”のは、これまでにない体験で、パッティングの判断材料として確かな説得力がありますし。グリーン上でここまで正確に距離を計測できる距離計は現時点では他にないので差別化もしっかりできていて面白い。

ただし、唯一惜しいのが、表示単位がフィートだけしかない所ですね。筆者だけではないと思いますが、日本ではヤードやメートルに慣れているゴルファーが多いと思うので、一瞬で距離感をイメージしづらいのが正直なところです。
慣れればある程度対応できるのかなとも思いますが、直感的に距離を把握できないからプレーリズムに影響する場面も正直ありました。
せっかくここまで完成度の高い機能なのに、「距離単位の選択ができない」点はめちゃくちゃもったいない印象です。次世代モデルでは、ヤード/メートル表示への切り替え対応がなされれば、より実戦的な機能として評価がさらに高まるはずですので、是非とうも導入してもらいたいところ。
Mileseey IONME2 レーザー距離計の良い点・気になる点
まとめ・総評

評価項目 | 評価 | 補足コメント |
---|---|---|
測定精度 | ★★★★☆ | PinPointは優秀だが、スロープ補正が緩めでBushnellより精度信頼性に劣る |
測定速度 | ★★★★★ | 0.1秒表示でストレスフリー |
操作性 | ★★★★☆ | モード切替やUIは快適 |
機能性 | ★★★★☆ | 独自機能は魅力的 |
携帯性 | ★★★★★ | コンパクトでマグネット・ホルスター付きの高い携帯性 |
コスパ | ★★★☆☆ | 機能は多いが6万円台は割高感あり。精度面の弱点も影響 |
総合評価 | ★★★★☆ | 高機能モデルだが、精度・表示仕様にややクセあり |
Mileseey IONME2は、独自機能と優れた操作性とコンパクトさを備えた、ハイパフォーマンスな距離計です。とくにPinPoint Green™モードの±1インチ表示やP2Pコーチモードの精度と実用性は、他モデルにはない明確な強みといえるでしょう。計測スピードの速さやディスプレイの視認性、直感的な操作も魅力と言えます。
しかしながら、スロープ補正のアルゴリズムはやや緩めで、同価格帯のBushnell 等と比べると、補正精度や信頼性の面でやや劣る印象があります。とくに競技志向で高い精度を求める方にとっては、物足りなさを感じる場面もある感じます。
さらに、PinPoint Green™モードがフィート表示のみという仕様は、日本のゴルファーにとっては扱いづらくて、距離感をつかみにくいというデメリットは気になります。価格も約63,800円とやや高めで、スペック的な満足度と価格のバランスを考えると、「誰にでもおすすめ」とまでは言えない部分も正直ありますね。
それでも、「新しい使い方」や「スコアアップに直結するデータの見える化」というような体験したい方には、試してみる価値のある一台です。
関連ゴルフレーザー距離計おすすめランキング|人気モデルを徹底比較
関連【レビュー】ファインキャディJ9 レーザー距離計|超軽量103gなのに超安定+超高速
関連【レビュー】フライトスコープ i4 レンジファインダー|AIが最適クラブを教えてくれる革新的なレーザー距離計
関連【レビュー】Pin-Eagle LCD レーザー距離計2025|見た目はチープだけど1万円台としては満足できる性能
関連【レビュー】ブッシュネル TOUR HYBRID|BushnellにGPSナビ搭載は最強すぎ