ゴルフ距離計

【レビュー】フライトスコープ i4 レンジファインダー|AIが最適クラブを教えてくれる革新的なレーザー距離計

ゴルフ用レーザー距離計は、もはやスコアアップのための必須アイテムで、ゴルファーにとっては必須アイテムとなりました。ピン(ハザード)までの正確な距離を知ることは、ベストなクラブ選択や正確なショットのために欠かせない存在。

しかし、最近のレーザー距離計は単なる「距離を測る道具」から進化して、より多機能で高度な「ゴルフ戦略サポートツール」へと変貌を遂げていたりします。

特に注目すべきは、AI(人工知能)やデータ分析技術を活用した新世代の距離計。従来の「距離を測るだけ」から「最適なクラブを提案する」「環境条件を考慮した実効距離を計算する」といった高度な機能を持つモデルも登場しています。

そんな中、弾道測定器で世界的に有名なフライトスコープ社が満を持して発売したのが、同社初のレーザー距離計「i4 レンジファインダー」。フライトスコープといえば、プロゴルファーも愛用する高精度な弾道測定器のパイオニア。そのテクノロジーとノウハウを詰め込んだレーザー距離計です。

ということで今回は、フライトスコープ i4を実際にコース上で使ってみた感想をレビューしていきます。

AIによるクラブ推奨機能や環境条件を考慮した距離計算など、従来の距離計にはない機能が、実際のラウンドでどれだけ役立つのか?そして、精度やレスポンスといった基本性能は従来の高級機種と比べてどうなのか?という点について詳しく解説していきたいと思います。

結論:AIとレーザーの融合で次世代の距離計が爆誕!

フライトスコープ i4 レンジファインダーは、レーザー距離計の概念を一新する革新的なモデルです。

単なる距離測定だけじゃなくて、AIによるクラブ推奨や環境条件を考慮した実効距離計算など、これまでにない機能を搭載。精度とレスポンスの良さは従来のハイエンド距離計と同等以上で、特にレスポンスの速さは抜群で、はじめて出したレーザー距離計とは思えない完成度の高さで驚かされました。

正直価格は高めではありますが、提供される機能と性能を考えれば納得できる水準。

特に最新テクノロジーが大好きなの方や、より正確なクラブ選択を求めるプレイヤーにとっては、スコアアップに直結する強力なツールになるし、何より楽しいゴルフガジェットとしておすすめできます。

良かった点
気になった点
  • 測定精度が非常に高く、ブッシュネルと比較しても遜色なし
  • レスポンスが抜群に速く、ストレスなく使える
  • AIによるクラブ推奨機能が実用的で役立つ
  • USB-C充電式で電池交換の手間なし
  • 多機能なのに意外と軽量コンパクト
  • 価格は割と高め(87,780円前後)
  • 風向きは手動設定が必要
  • 初期設定がちょっとだけ面倒

フライトスコープ i4 レンジファインダーのスペックと基本情報

フライトスコープ i4 レンジファインダーの基本スペックは以下の通りです。

項目仕様
重量180g
サイズW10×H7.4×D3.5cm
測定範囲5-1,000ヤード
測定速度0.05秒
バッテリーC-Type USB充電式(15,000回クリック/500時間使用可能)
防水性能IPX4等級
Bluetoothバージョン5.3対応
素材PC – ABC / ポリカーボネート
付属品USB-C充電ケーブル、専用ポーチ、クイックスタートガイド
価格87,780円前後(日本正規品)

特筆すべきは、約180g(実測187gぐらいだったけど)という高機能のくせに割と軽量ボディであるという点と、0.05秒という超高速測定。

また、USB-C充電式なので、従来のレーザー距離計でよくあったCR2電池の交換の手間がないのも大きなメリットです。1回のフル充電で15,000回の計測が可能というのも驚異的な性能です。

コースでの実使用レビュー

外観と持ち心地

フライトスコープ i4は、一見するとシンプルでミニマルなデザイン。

グレーとレッドを基調としたカラーリングは落ち着いた印象で、フライトスコープのロゴが入ったレッドのシールドマークがアクセントになっています。

本体のボタン配置は従来のレーザー距離計と同じで、計測ボタンとモードボタンの2つのみ。

実測187gという重量は特に軽量という訳ではないんですけど、今回のような多機能タイプかつマグネット搭載モデルにしては軽いと考えてもらうと良いです。

付属の専用ポーチはナイロン系で特筆するべき点はありません。

また、先程も言ったように内蔵マグネットタイプなのでカートフレームにピタッと固定できるのは嬉しいポイントです。

基本性能(距離測定精度とスピード)

さて、レーザー距離計の命とも言える測定精度とスピードはどうでしょうか。結論から言うと、精度は非常に高く、ブッシュネル TOUR HYBRIDと比較しても遜色ありません。

↑上の方がフライトスコープi4、下がブッシュネルです。誤差は1ヤード以内。

上記のように実際に同じターゲットを測定して比較しましたが、ほとんど誤差がなく、信頼して使うことができます。

特筆すべきは測定スピードの速さ。公称値は0.05秒ですが、体感的にもその通りの爆速レスポンス。

ピンにレーザーを当てると、瞬時に距離が表示され、振動フィードバックもかなり良い出来栄え。これまで使ってきた距離計の中でも最速クラスに分類できるレベルで、これだけ速いと実際のプレーでストレスを感じさせません。

ピンを補足する安定性もブッシュネルと同レベルと呼べるほどで、素晴らしい使用感です。

ディスプレイはLCDではありますが、晴れの日、曇りの日、逆光時など、様々な条件下でテストしましたが、どの状況でも安定した測定が可能でした。

AI機能とアプリ連携

フライトスコープ i4の最大の特徴は、FSゴルフアプリと連携したAI機能です。初回使用時にアプリをダウンロードし、Bluetooth接続を行います。ペアリング自体は非常に簡単で、特に難しい操作はありませんでした。

重要な点として、機能をフル活用するには、コース上でスマートフォンを常時携帯し、アプリを立ち上げておく必要があります。Bluetooth接続を通じてi4とスマートフォンが通信するため、アプリがバックグラウンドに移行したり閉じたりすると、AIクラブ推奨や環境条件を考慮した距離計算などの機能が使用できなくなります。ここがちょっと気になる所ではありますね。

単純な距離測定だけであれば、スマートフォンなしでも使用可能ですが、その場合はi4の差別化機能が活用できません。

アプリ内で「スマートギャッピング」という機能を使うと、自分のホームロケーション(標高)と1本のクラブのキャリー距離を入力するだけで、AIがバッグ内の全クラブの推定飛距離を算出してくれます。

もちろん、複数のクラブデータを手動で入力したり、CSVファイルからデータをインポートすることも可能です。

さらに注目すべきは、フライトスコープの弾道測定器(Mevo+やX3Cなど)を既に持っている方にとっての相乗効果です。

弾道測定器で計測した詳細なショットデータをCSVファイルとしてアプリにインポートできるため、より正確なクラブ飛距離データをi4に反映させることが可能です。弾道測定器から得られる詳細なデータ(打ち出し角、スピン量、ボール初速など)をi4のAIアルゴリズムに取り込むことで、より精密なクラブ推奨が実現できるのでこれは驚異的な機能です。エグすぎ!

もちろん、弾道測定器を持っていなくても、「スマートギャッピング」機能を使えば、1本のクラブの飛距離情報からAIが他のクラブの推定飛距離を算出できるので十分に活用できますが、フライトスコープのエコシステム全体を活用することで、練習場でのデータとコース上での実戦データの一貫性が保たれて、より精度の高いクラブ選択が可能できるようになります。

実際にコースで使用すると、レーザーで測定した距離に加えて、「エフェクティブディスタンス」という実効距離が表示されます。これは気温、湿度、風向き、風速、高低差などを考慮した、実際に打つべき距離。そして、その状況で最適なクラブも推奨してくれます。

この機能が本当に素晴らしいのは、実際のプレーでの正確さ。例えば、向かい風3mの状況で8番アイアンの距離だったとき、7番アイアンを推奨してきましたが、実際にその通りに打ったところ、距離がピッタリあってくるというような感じです。迷ったときにはかなり助かります。

その他の機能と特徴

スロープ補正機能も搭載しており、高低差を考慮した距離計測が可能です。

当然の如く競技では使用できませんが、簡単なボタン操作でオン/オフの切り替えができるので便利です。オフにすると本体上部の赤いLEDが消灯するので、競技での使用も安心です。

バッテリー持続時間も申し分ないですし、USB-C充電は非常に便利で、ゴルフバッグに常備しているモバイルバッテリーからも充電できるのは大きなメリットです。

防水性能もIPX4等級を確保しており、突然の雨でも安心して使用できます。実際に小雨の中でも問題なく動作しました。

良かった点/気になった点

◎良かった点

  • 測定精度の高さとレスポンスの速さ: 従来の高級機種と比較しても遜色ない精度と、0.05秒という爆速レスポンスは文句なしの性能です。特にレスポンスの良さは、実際のプレーでストレスを感じさせません。
  • AIによるクラブ推奨機能の有用性: 単なる距離表示だけでなく、環境条件を考慮した実効距離とクラブ推奨は、特に風や高低差がある状況で超役立つ。AIの推奨クラブ選択はかなり正確。
  • バッテリー持ちの良さ: CR2電池の交換が不要で、一般的なスマホ充電器で充電できるのは大きなメリット。1回の充電で15,000回のクリックが可能という長持ちバッテリーも素晴らしいです。
  • 多機能なのに軽量でコンパクト: これだけの高性能さで180g台という軽さと洗練されたデザインは携帯性も抜群です。内蔵マグネットでカートに固定できるのも便利。
  • アプリ連携の柔軟性と機能性: FSゴルフアプリは非常に使いやすく、スマートギャッピング機能やデータ管理の柔軟性は、自分のプレースタイルに合わせたカスタマイズが可能です。

△気になった点

  • 価格の高さ: 87,780円前後という価格は、一般的なレーザー距離計と比べるとかなり高額です。とはいえ性能の良さと使いやすさを考えれば納得はできる
  • 風向き設定の手動操作の手間: 風向きは自動検出ではなく、モードボタンを押して8方向から選択する必要があります。これにより、測定から最終的なクラブ推奨までに若干の時間がかかることがあります。
  • スマホ常時携帯とアプリ常時起動の必要性: 高度な機能を活用するには、コース上でスマートフォンを常時携帯し、アプリを立ち上げておく必要があります。スマホのバッテリー消費も増えるので、長時間のラウンドではモバイルバッテリーの携行が推奨されます。単純な距離測定だけならスタンドアロンでも可能ですが、その場合はi4の差別化機能が活用できません。

フライトスコープ i4 レンジファインダーはこんな人におすすめ

こんな人におすすめ

  • テクノロジー志向のゴルファー: 最新のテクノロジーやAI機能を活用したい人には、この上ない選択肢。特にデータ分析やアプリ連携に抵抗がない方に超絶おすすめ。
  • データ分析を重視するプレイヤー: 自分のショットデータを分析し、より正確なクラブ選択を求める方には、スマートギャッピング機能が非常に役立つし楽しい。
  • 環境条件の変化に敏感なゴルファー: 風や高低差、気温などの環境条件がショットに与える影響を正確に把握したい方には、環境最適化機能(FS|EO)が大きなメリットになります。
  • 精度と機能性を重視するユーザー: 単なる距離測定だけでなく、総合的なゴルフ支援ツールとして活用したい方には、多機能性と高精度を兼ね備えたi4は最適。

こんな人には向かないかも

  • シンプルな操作だけを求める人: 基本的な距離測定だけを求める方には、機能が多すぎ!!感じるかもしれません。より直感的で単純な操作を好む方には、シンプルなモデルの方が合うかなと思います。
  • 予算を抑えたい人: 9万円近い価格は、レーザー距離計としてははっきり言って高い。手手ごろな価格で探している人には手は出しづらいかも。
  • スマホアプリの連携を面倒に感じる人: アプリ連携やデータ入力を面倒に感じる方には、従来型の距離計の方が合うでしょう。

評価チャートと総合評価

評価項目評価
測定精度★★★★★
測定速度★★★★★
操作性★★★★☆
機能性★★★★★
携帯性★★★★☆
コスパ★★★☆☆
総合評価★★★★☆

フライトスコープ i4 レンジファインダーは、レーザー距離計の概念を一新する革新的な製品なのは間違いありません。

測定精度と速度は文句なしの★5つ、機能性も同様に最高評価です。操作性と携帯性も非常に高いレベルですが、多機能ゆえの複雑さから厳しめに評価して★4つとしました。

唯一の弱点は価格の高さで、コストパフォーマンスは★3つとしています。しかし、提供される機能と性能を考えれば、決して割高ではないんですけどね。特にテクノロジーを活用してスコアアップしたい方やガジェット好きな方にとっては、十分な価値があると思います。

総合評価は★4.5。従来のレーザー距離計の枠を超えた、次世代の距離測定ツールとして高く評価します。あと単純に楽しくてワクワクさせてくれるのも加点ポイントです。

まとめ

フライトスコープ i4 レンジファインダーは、単なる距離測定器ではなく、AIとデータ分析を活用した総合的なゴルフ支援ツールでした。測定精度とレスポンスの速さは最高レベルで、ブッシュネル TOUR HYBRIDと比較しても遜色ありません。フライトスコープ初のレーザー距離計という事だったんですが、いきなりこれを出してくる開発力の高さにはビビりました。

特に、環境条件を考慮した実効距離計算とAIによるクラブ推奨機能は、実際のプレーでもかなり強力です。

価格は高めですが、機能と性能を考えれば納得できる水準。特にテクノロジー志向のゴルファーや、より正確なクラブ選択を求める方にとっては、スコアアップに直結する強力なツールとなると思います。

シンプルな操作だけを求める方や、予算を抑えたい方には少し敷居が高いかもしれませんが、「次世代のレーザー距離計」を求める方には、間違いなくおすすめできるレーザー距離計です。

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まさ
ゴルフメーカーとゴルフショップで合計15年間働いた経験を元にゴルフに関するギア(クラブや計測器など)をわかりやすく紹介しています。ベストスコアは69 ショップ勤務時代に、クラフトマンとして修理・カスタマイズ技術を習得。現在もクラブ修理全般こなすクラブマニア。 Twitter、インスタグラム、Youtubeと各種SNSも運営していますので、フォローよろしくお願いします。 プロフィールはこちら
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