今回取り上げるのはカタナ VOLTIO NINJA プレミアムカーボン II チタン ドライバー。こちらの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

結論から言うと、「カタナ VOLTIO NINJA プレミアムカーボン II チタン ドライバー」は、キャリーでしっかり飛距離を稼ぎたい方に最適なモデルなのは間違いなさそうでした。
今回の計測データ上ではミート率がちょっと微妙だったにも関わらずキャリー250ydy弱・トータル270yd越えの飛距離を安定して記録していましたし、飛びと寛容性のバランスが非常に優秀だったのは印象的です(ただし方向安定性はちょっと微妙だった)
軽量設計と調整機能も充実しており、標準スペックではスライサーやシニア層はもちろん、飛距離を重視した中級者以上にはカスタムして使ってもらいたいなというドライバー。個人的にはノーマークだったんですけど結構おすすめですね!
目次
カタナ VOLTIO NINJA プレミアムカーボン II チタン ドライバーの概要とデザイン

カタナ VOLTIO NINJA プレミアムカーボン II チタン ドライバーは、飛距離と安定性の両立を追求した構造設計が特徴のルール適合モデルです。わざわざ適合というのには理由があって、このモデルには超高反発ヘッドが存在するから。(記事内で取り上げているのは適合品です)
個人的に興味は無いですが、ルール不適合でも良いという人だったらそっちを選んでみるのも面白いかもしれません。

さて、ヘッド体積は460ccで、重心を深く保ちつつも投影面積を大きく見せるシャローバック形状。


クラウンおよびソールの大部分に軽量カーボン素材を採用することで、余剰重量をたくさん生み出し、重心位置の最適化と慣性モーメントの増大を実現しています。
ヘッドのフレーム部にはカタナ独自の鍛造T字型チタンフレーム(Tフレーム)を採用。これによりヘッド剛性を高めつつ、インパクト時のエネルギー伝達効率を向上させています。

フェース部には可変肉厚設計(バリアブルフェース)を採用し、オフセンターヒット時でも高初速を維持しやすい構造となっています。

ソール後方には空力性能を向上させるボルテックス・ジェネレーター(渦流発生体)を搭載。と言ってもどれがそれなのかはよくわかりません(笑)

ネック部にはロフト角8.5°〜12.5°まで細かく調整可能な8ポジション可変スリーブを備え、フェース角も含めた弾道調整に対応します。

ソールの前後に配置された12gと5gの可変ウェイトを入れ替えることで、重心深度や打ち出し角、スピン量の微調整も可能となっており、性能チューニングの自由度が非常に高いモデルです。
カタナ VOLTIO NINJA プレミアムカーボン II チタン ドライバー試打計測データ



カタナ VOLTIO NINJA プレミアムカーボン II チタン ドライバーの試打計測の平均データが下記
2024年よりドライバーはヘッドスピード44~45m/sでの計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
項目 | 平均値 |
---|---|
クラブスピード | 46.3 m/s |
ボールスピード | 65.6 m/s |
打ち出し角 | 15.9° |
打ち出し方向 | 1.6°右 |
バックスピン | 2423 rpm |
スピン軸 | -1.5°左 |
曲がり幅 | 2.9 yd 左 |
キャリー距離 | 249.3 yd |
トータル飛距離 | 270.8 yd |
最高到達点 | 36.3 yd |
ミート率 | 1.42 |
キャリー平均249.3yd、トータル270.8ydと、飛距離性能は優秀。特にキャリーが伸びてくれたのが印象的でした。
スピン量は平均で2400rpm前後と最適帯域に収まってはいるものの、ショットの一発一発のデータを見ると極端に少なかったり多かったりと、スピン量のバラつきが多いのさすがに気になりました。打ち出し角は約16°と高弾道です。
初速は65.6m/sと中々速くて、ミート率1.42とあまり良くなった割には、それでもこの飛距離が出ているという点から、ヘッドのポテンシャルの高さと、まだ伸びしろがあることが感じ取れます。
飛距離性能と方向性・上がりやすさの分析

飛距離性能においては、反発性の高いTフレーム構造とバリアブルフェース、そして空気抵抗を抑えるボルテックス・ジェネレーターが絶妙に機能しているのか・・・中々良いデータを得られました。
打ち出し角15.9°、バックスピン2423rpmというデータは、キャリーを伸ばすという点では“理想的な数値”といえます。

ボールスピードは高水準を記録していて素晴らしいです。
ミート率1.42と微妙な数値ながら、キャリー平均249.3yd、トータル270.8ydという実測値からも、まださらなるポテンシャルを引き出せる余地があるモデルといえます。

さらに、最高到達点は平均36.3ydとしっかり高さが出ており、「キャリーが出てくれるタイプ」。高さ不足を感じる方でも扱いやすいモデルですね。
弾道傾向とばらつき

弾道傾向は、スピン軸が-1.5°と軽めのドロー系がベース。スライスに悩む方にとっては、自然につかまるイメージで安心感があと思います。

一方で、今回の弾道分布図からは、最も左に行ったのが約18yd、最も右に行ったのが約26ydと、左右のブレ幅が約44ydに広がる結果となっており、直進性を重視する観点からはやや大きめのばらつきです。
打ち出し方向のばらつきは平均1.6°右で比較的安定していますが、キャリーサイドが4.1yd右、曲がり幅が2.9ydと若干右寄り。
とはいえ芯を外した際の飛距離ロスは少なく、フェース全体の反発性能の高さも相まって、飛距離の再現性という点では高く評価できます。
フィーリングについて

インパクトの瞬間に感じるのは、とにかく鋭い弾き感。柔らかさというより“思いっきりはじき返す”ような強い反発力があり、フェースの剛性と初速の高さをしっかり感じ取れました。
にもかかわらず、打音は比較的落ち着いていて、と響くような高音ではなく締まった音質なのが意外なんですよね。これはカーボンクラウンの影響も出ていると思うので結構面白い打感と打音です。

構えたときの見た目もシャロー感があり安心感がありますが、ややフックフェース気味な点はつかまりを強く意識した設計。
スライサーにとっては心強い反面、フッカーは調整スリーブでの微調整が必要かもしれません。操作性は別に良くはないです。
良かった点と微妙な点
性能評価チャート
最大飛距離の高さに加えて、打点ブレが起こっても飛距離ロスが小さく、やさしさや上がりやすさのバランスも良好。
左右ブレのばらつきはやや大きめだが、調整機能を活かせば十分補えるレベルで、飛距離と操作のバランスを取りたい人にも扱いやすい一本。
飛距離特化型のドライバーだと思いますが、爆発力のある飛びと打点ブレへの強さのバランスがよく取れています。やさしさ系の飛距離特化モデルという感じですかね。
カスタムの提案
シャフト名 | 特徴・相性 |
SPEEDER NX GREEN | そこそこのつかまりが得られる安定系の中調子。軽量帯も選べるためシニア層にも好適。 |
VENTUS TR BLUE | 中元調子で方向性と直進性に優れたバランス型シャフト。特に安定感を重視する中上級者と好相性。 |
Tour AD VF | フェード系で低スピン設計のシャフト。走りすぎずしっかり叩ける剛性感で、強い弾道を求めるプレーヤーにおすすめ。 |
DIAMANA WB | 中元調子でしなり戻りがやや穏やか。操作性と方向安定性を求める層に対応。 |
ATTAS V2 | 中間部の剛性を高めた設計で、スピンを抑えて飛距離を伸ばせる。しっかり振り抜きたいスインガータイプと相性◎。 |
いずれもカタナの軽量ヘッドにも無理なく組み合わせやすい設計。極端な先調子や極軽量系は弾道のばらつきを助長する可能性があるため、安定性重視のシャフト選びがおすすめです。
まとめ

「カタナ VOLTIO NINJA プレミアムカーボン II チタン ドライバー」は、キャリー性能と扱いやすさを両立した、やさしさ系の飛距離特化モデルです。ミート率が平均的でもしっかり飛距離が出る点や、軽量で振り抜きやすい設計、弾道調整の柔軟性など、飛ばしに悩むゴルファーにとって実戦的なメリットが詰まっていると感じました。
難点としては方向の安定性にはややばらつきが挙げられますが、個々のスイングに合わせたチューニングで十分対応できるレベル。個人的には長くて軽かったのがバラつきが出た要因だったかなと思っています。
飛距離で優位性を得たい中級者~アベレージ層、スライサーやヘッドスピードに自信がない方にもおすすめできる一本です。
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