今回取り上げるのはNEXT GOLF(以下ネクストゴルフ)「Rafale(ラファール) RS1.0」。こちらを試打計測を行ったのでレビューしていきます。
計測にはいつものようにGCQuadを使用
ネクストゴルフは10年以上に渡ってアマチュアゴルファーがスイングを変えずとも、プロ並に効率良くシャフトの使い方ができるというモデルをコンセプトにモノづくりをしてきたメーカーです。
ぼく自身、ネクストゴルフのシャフトを試すのは今回が初めてでしたが、使ってみたのは様々なスイングスピードに対応可能なマルチフレックスシャフト(RとかSとかが無いタイプ)のRafale RS1.0です。結論から言っておくと、想像以上のクオリティで素晴らしかった!まじで良いシャフト!
Rafale RS1.0は自然としなってくれるのにしなり戻りが速い、それでいてインパクトではしっかりとアジャストしてくれるのでインパクト効率も高くて方向性も良いのにしっかりと飛距離が出ます。振り心地もめちゃくちゃ気持ちよくてフィーリング面でも申し分ありません。
飛距離が出しやすいのはもちろんのこと、方向も思っていた以上に良かったので、本当にアマチュア(競技派も)にこそ使ってもらいたいシャフトです。
マルチフレックスというタイプはいくつか市場に存在しますが、その中でも屈指の出来栄えなので素直におすすめです。
Rafale RS1.0の概要とデザイン
ネクストゴルフには「Rafale(ラファール)」と「鎬(しのぎ)」という2種類のブランドがあります。この記事で取り上げているのはRafaleです。
さらにRafaleにもいくつか種類があって、RS1.0はマルチフレックスシャフト。マルチフレックスなので、一般的なRやSなどの表記ではなくて、1本で色々なヘッドスピードに対応できるフレキシブルなモデルです。
Rafaleのデザインは統一されいて、モデル事にキーカラーが異なります。RS1.0は上記写真の通りグリーン。
メーカーが掲げているキャッチコピー的なものは、“しなりで飛ばせ「自己最速」!!”先に言っておくけど本当にこのイメージ通りの性能でした。
RS1.0のスペックは2種類。それが下記
T-401 | T-501 | |
フレックス | マルチ | マルチ |
重量(g) | 46 | 53 |
チップ径 | 8.50 | 8.50 |
バット径 | 15.1 | 15.3 |
長さ | 1169 | 1169 |
トルク | 5.5 | 4.6 |
重量は40g台と50g台しかないので軽量シャフトと言っていいでしょう。
トルクも大きめな設定です。
ちなみに推奨ヘッドスピードはT-401が30〜45m/s、T-501が35〜50m/sとのこと。
背面はこんな感じでシャフトの軸カラーはマットブラック。
正面からは見るとこんなイメージです。
手元側がこうなっています。
メーカーの希望小売価格は60,500円(税抜価格55,000円)
Rafale RS1.0の振動数と中間剛性
振動数と中間剛性を計測しました。あくまで静的な計測データですが、ひとつの目安になるかと思うので参考にしてもらえればと思います。
計測に使ったシャフトスペックはT501。
装着ヘッドはキャロウェイ パラダイム Ai SMOKE トリプルダイヤモンド、長さは45.25インチというセッティングです。グリップはツアーベルベット360。
振動数は215cpm。一般的な50g台のシャフトと比べると幾分低い値です。手元側の剛性は低めなのでしょう。
次にセンターフレックス計で中間剛性を計測してみると3.09kg
このポイントでもかなり低い数値です。マルチフレックスシャフトに共通する点ではありますが、柔らかめな設定。
さらにもう少し先端側も計測してみると2.91kg。
キックポイントなどは公式サイトにも記載されていません。
手元から中間、先端にかけてどこを測ってもソフトな計測結果なので、分類分けするなら中調子ということになるのでしょうか。特別どこかが部分的に動くというよりは全体のしなりを統一しているような気はします。
ただ、ワッグルしてみると中から先端が動きますが、意外にもしっかりした感覚もあって不思議。結構叩いていけそうな雰囲気もあります。
試打計測データ
Rafale RS1.0の試打計測の平均データが下記
2024年よりドライバーはヘッドスピード45m/sでの計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)
項目 | 値 |
---|---|
H/S (m/s) | 44.7 |
B/S (m/s) | 64.1 |
打ち出し角(度) | 15.3 |
打ち出し方向(度) | 0.1 |
バックスピン | 2003 |
サイドスピン(rpm) | -175 |
ピーク時の高さ(yd) | 33.4 |
降下角度(度) | 38.4 |
センターからのブレ(yd) | -8.3 |
曲がり | -9 |
キャリー(yd) | 250.6 |
総距離(yd) | 276.7 |
スマッシュファクター | 1.44 |
ドライバーでは平均トータル距離が260ヤードを超えれば飛ぶモデル、270ヤード以上でれば文句なしに飛ぶという基準を設けていますが、今回の結果は276.7ヤードです。素晴らしい飛距離性能で、メーカーが言うようにしなりによって効果的に飛距離を出すことができました。
ちなみにAi SMOKE トリプルダイヤモンドを純正シャフトで打った場合の参考データが、272.9ヤードでしたので、平均で約4ヤードの飛距離アップを実現できています。
飛距離が伸びている要因のひとつに、バックスピン量の減少があげられます。約150回転ほど減らせたのがデカいですね。
2000回転を切ってくることも珍しくなくて、ちょっと少なすぎるぐらいの傾向はあります。
また柔らかめなシャフトにも関わらず当たり負けもしないし、エネルギー効率も非常に良かったです。この点は、想像している以上に先端側の剛性がしっかりあって、捻れも少ないことが影響しているような感覚。
弾道は基本的にストレートからややドローするぐらい。適度な捕まり感はありますが、捕まりすぎてしまう事もなかったです。
ぼく自身は最近ドロー傾向が強いのですが、それでもほとんどストレートイメージの印象で打てました。
サイドスピンは平均で200回転以下で意外なほど落ち着いた球筋です。一発右に出ましたが、それでも大きなミスにならない点も良かったところ。
結構叩いても大丈夫だったので、ここ一番で力が入ってしまっても極端なチーピンが出るような心配もそこまでなさそう。
打ち出しは15.3°でした。純正シャフト装着時よりも1°ほど高打ち出し化できています。ただ、バックスピン量の減少によって最高到達点自体は大きな変化はなかったです。
とはいえ高打ち出し低スピン化できる事は明確にわかりました。
柔らかいシャフトにも関わらず安定性は極めて優秀。
サイドスピンも少なめで、打ち出し方向もかなり安定していました。一発だけ右に出ましたが、自分自身ではスイングミスでかなり振り遅れてしまった感覚があったにも関わらずこの程度で収まってくれたのは嬉しいです。
良かった点
良かったところ
- 高打ち出し低スピン化ができるので飛距離が伸ばしやすい
- しなり戻りが速いのに左右ブレが少なくて安定する
- カラダへの負担が少ない
- しなりが勝手に生まれるのでタメも作りやすい
微妙な点
微妙なところ
- ロースピン化が顕著なのでヘッドは上がりやすいモデルが良いかも
気持ち良すぎるしなり感!なのに低スピンで飛んで曲がらない
今作はしなりが勝手に生まれるので、打っていて凄く気持ちが良いというのが第一印象として強く残りました。
自然としなりが生まれてタメも作りやすい。そしてタメてからの開放も凄まじく、弾き感も良好です。扱いやすさはトップクラスでほとんどのアマチュアゴルファーにおすすめ可能なシャフトです。
純粋に飛ばせるし方向性もほとんど犠牲になっていない点もスゴいところ。
特にRafale RS1.0はしなり戻りの速い、しかも柔らかいシャフトにも関わらずインパクトゾーンでの挙動が思っていた以上に安定するので、手先で変に調整する必要もないのが嬉しい。
切り返しも慌てず振れるのでプレッシャーがかかる場面でも無駄な力みが入りづらいのもメリット。しかも結果的には曲がってないし飛んでる
今回の計測ではヘッドスピード45m/sでのテストを行っていますが、これだったらメーカーが推奨しているように50m/s近くても問題なく使えそうです。
反対に40m/s以下の方でもT501は推奨ヘッドスピードに当てはまりますが、軽量化してヘッドスピードをより上げたいという場合であればT-401という40g台があるのでそちらが良いかもしれません。
総合評価
チャートを作るとこんな感じです。飛距離としなり戻りの鋭さは素晴らしい。その上で高い安定感も持ち合わせているので驚異的です。メジャーなシャフトとは言えませんが、こんなシャフトがあったなんて!ということで正直かなり驚いています。
上がりやすさに関しては打ち出しこそ上がってはいるけれど、バックスピン量が結構減るタイプという印象なのでこのような評価です(スピンが減ると最高到達点が下がるため)
なので基本的には上がりやすいヘッドと組み合わせるほうがより真価を発揮できそうな気がします。低スピン化についてはロースピンタイプのヘッドと組み合わせるとドロップしてしまうんじゃないか?というほどです。
事実、Ai SMOKEトリプルダイヤは2000回転を下回ってしまう場合も度々あったので、ロフトを増やすなりしたらもっと飛ばせるはず。
操作性は期待できるシャフトではないので、オートマチックに打っていきたい人向けと感じました。
結論、めっちゃ良いです。飛んで飛ばせるシャフトではあるし、何よりしなりが気持ちいい!しなりを効果的に生み出せていないアマチュアゴルファーには強力なシャフトです。もちろん競技レベルの上級者でも、自然なしなりが力みを排除してくれるのでプレッシャーのかかる場面でも力を発揮しやすくなると思います。
難しく考えずに、ドライバーショットを簡単にして飛ばしたいという方には非常におすすめできるシャフトです。気になった方は是非チェックしてみてください。
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