ミズノプロ M-15アイアンの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

結論から言っておくと、中空アイアンでもミズノならそろそろやってくれるか?と期待していた打感などのフィーリングについてはまだまだ払拭できていませんが、計測データは申し分ないものでした。
飛距離が出るうえにスピンも十分で、何より飛び系でも飛びすぎ等のミスは結構抑えられている点が優秀です。
つまり、しっかりと結果を残したいけど、見た目にもこだわりたいという方にはおすすめです。逆にフィーリングをどうしても重視したい方はM-13に行ってください。
目次
ミズノプロ M-15アイアンの概要とデザイン

ミズノプロ M-15 アイアンは、見た目はマッスルバックのようにシャープながら、中空構造と高初速設計を融合させたホットメタルブレード系アイアンです。流石にもう定番化しつつある、最近流行りの薄型の中空アイアンタイプですね。

M-15もM-13アイアンと同じように、番手ごとに構造と素材を最適化する「番手別最適設計」が根幹にあり、打ち出しの高さや飛距離の階段を作りやすくするという設計思想があります。

4番から7番には、浮かせて配置された約50gのタングステンウエイトを内蔵。これによりソール内部に空洞部が作られて、薄肉化されたソール部とフェースが連動して大きくたわむ構造になっています。要するに、反発性能と高弾道の両立を目指した低重心・深重心設計が特徴です。

フェースには、ミズノ独自の「コンターエリプスフェース」を採用。これは楕円形状に肉厚を最適化した設計で、高初速エリアを従来比で約8%拡大し、ミスヒット時の飛距離ロスを抑えるという効果が期待できるそうです。なお、8番のみ意図的にタングステンを省いており、番手間の弾道差を自然に繋がるようにしている点も大きな特徴かなと思います。
9番、PW、GWは軟鉄鍛造の半中空構造を採用し、重心を高めに設計。これにより、ショートアイアンに求められる低めの打ち出しと高いスピン性能の両立を図っています。

フェースネック部にはSCM435(クロムモリブデン鋼)とS25CM(軟鉄)の番手別鍛造素材を採用し、バックフェースにはSUS431(ソフトステンレススチール)を精密鋳造。仕上げはニッケルクロム銅下メッキ+サテン仕上げです。


ヘッドはやや大き目で、トップブレードにもしっかりと厚みのあるタイプでした。しかしオフセットは少な目でストレートタイプだったので構えやすさはまずまずといったところです。
スペックは下記
番手 | ロフト角(°) | ライ角(°) | バウンス角(°) | FP(mm) | クラブ長(インチ) | バランス |
---|---|---|---|---|---|---|
#4 | 20 | 60.5 | 2.0 | 3.1 | 38.75 | D1 |
#5 | 23 | 61.0 | 3.0 | 3.2 | 38.25 | D1 |
#6 | 26 | 61.5 | 4.0 | 3.3 | 37.75 | D1 |
#7 | 29 | 62.0 | 5.0 | 3.5 | 37.25 | D1 |
#8 | 33 | 62.5 | 6.0 | 3.7 | 36.75 | D1 |
#9 | 38 | 63.0 | 7.0 | 3.9 | 36.25 | D1 |
PW | 43 | 63.5 | 8.0 | 4.1 | 35.75 | D1 |
GW | 48 | 64.0 | 9.0 | 4.2 | 35.50 | D2 |
ミズノプロ M-15アイアンの試打計測データ



試打計測の平均データが下記
2024年以降、アイアンはヘッドスピード37tm/s〜39m/sの範囲内での計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
項目 | データ |
---|---|
クラブスピード | 37.2 m/s |
ボールスピード | 51.9 m/s |
スマッシュファクター | 1.39 |
打ち出し角 | 18.2° |
バックスピン量 | 5108 rpm |
キャリー | 167.2 yd |
トータル飛距離 | 177.2 yd |
最高到達点 | 30.6 yd |
着弾角度 | 46.3° |
スピン軸の傾き | −0.3°(ややドロー傾向) |
曲がり幅 | 0.5 yd 左 |
キャリーサイド | 9.2 yd 左 |
打ち出し方向 | −3.0°(やや左方向) |
飛距離はだいぶ良いですね。もちろん、アイアンなのでキャリーを重視して評価します。
そして、スマッシュファクター1.39と初速効率も高く、グリーンで止まりやすい弾道設計も確認できます。打ち出しは平均的に左寄りでしたが、スピン軸は安定しており、方向性にも大きな不安は見られないという結果。
飛距離性能と上がりやすさの分析

ロフト29°でキャリー167.2ydという十分な飛距離性能を記録しました。当サイトの同ロフト帯と比較すると平均値でプラス2ヤードぐらいは出てくれています。
ですから、飛距離性能については期待してもらってもいいのかなと思います。見た目よりもさらに飛んでくれるイメージになるかなと言ったところです。
そして初速効率を示す、スマッシュファクターも7番アイアン計測で1.39と非常に高いのが要因になっていて、ボールスピードも比較的よく出ています。

次に、高さについてですが打ち出し角は18.2°でした。これはサイト平均からすると若干下回っていて、低めの打ち出し傾向ではあります。
とはいえ、最高到達点は30.6ヤードまで上昇してくれたので、結果として落下角度は46.3°をキープできました。これならある程度の高速グリーンでもしっかり止めていけるので優秀なデータです。
あと忘れてはいけないスピン性能ですが、サイト平均からすると180回転ほど上振れしています。打ち出しがちょっと低かったのに、最高到達点がある程度いってくれたのはここが要因という感じです。
スピンは同じようなロフト帯のアイアンの中でも優れていますね。
弾道や球筋、方向性の分析

若干左に出やすい傾向はあって、平均打ち出し角は3°左です。ただし、そこからの曲がり幅が極端に小さくて、ほぼストレート系の弾道が中心でした。
ヘッドターンは結構緩やかなタイプだったので、左への極端な大きなミスも見られないという結果。つまり、飛び系アイアンを使った時のひっかけやチーピンが怖い人でも安心して使いやすいかなと思います。

集弾性も結構いいでしょう。前後左右で大きな誤差もなくこの距離を狙っていけるのは強いです。
ミスヒット耐性もミズノプロの中では群を抜いていると感じたので、ある程度のミスもカバーしてくれるのは嬉しいところ。
特にフェース下部での当たりには強さを感じます。

まあ、つかまりはそれほど強くはありませんね。スライスを軽減したいという人にはそれほど魅力はないかなと思います。
そのかわりラインはめちゃくちゃ出しやすいので実戦向きではないかと評価したい。
ミズノプロ M-15アイアンのフィーリング

打感についてはやはり中空アイアンだなーという感じで、パチーンという反発の強さを感じるフィーリングです。
さすがにミズノでもこのような中空構造になると、まだまだ限界があるようです。ただし、そこまで高音ではないので不快感は少ないですが、マッスルバックのような見た目だから期待しすぎると面食らうかなと思います。
ミズノプロ M-15アイアンの性能評価チャート
平均以上の飛距離ながら高い安定性もあって、見た目とは裏腹にオートマ感あるアイアンでした。結果としてその辺りの評価は軒並み高くなっています。
そのかわり、操作性や打感は期待していた以上のものがなくて評価は厳しくなりましたが、結果に直結する性能を優先したいなら、非常に出来の良いアイアンなのは間違いありません。
スピンもしっかり入ってくれるので高速グリーンにも対応しやすいし、中空でも前後の距離の誤差が小さい点も嬉しいところかなと思います。
まとめ

中空アイアンらしい打感はさすがに払拭できていませんが、トータルで見ると結果を出しやすいモデルということでおすすめ。
特に初速はしっかり出せるので、飛距離に期待しつつも見た目のクリーンさやバッグに入れた時の佇まいを重視したい方にはおすすめしやすいです。
そのうえで、飛び系にありがちな飛びすぎだったりもないからシビアに距離管理をしていきたい競技派にも刺さると思います。
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