タイトリスト U505 ユーティリティアイアン(2025)の試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

結論から言っておくと、タイトリスト U505(2025)は、ロングゲームにおいて“高弾道でグリーンを狙いたい人”にとって非常に頼れるモデルです。
打ち出しの高さとキャリーの安定感に優れ、左右のバラつきも少なく、ティショットから長いセカンドまで幅広く活躍が期待できます。ロングアイアンに不安がある人や、グリーンで止まる弾道を求める人には、特にフィットするユーティリティアイアンとしておすすめきますね。
目次
タイトリスト U505 ユーティリティアイアン(2025)の概要とデザイン

タイトリスト「U•505(2025)」は、高弾道・高初速・高許容性の三拍子を備えた、最新の中空型ユーティリティアイアンです。


前作よりヘッドサイズはやや大きく、打点ブレへの強さやボールの上がりやすさが一段と向上。操作性を維持しながらも、より高く、より止まりやすい弾道を求める人に向けた設計となっています。

構造面では、高強度スチールの中空ボディに鍛造Lフェースを組み合わせ、フェース下部でも安定した初速と打ち出し角を実現するのが狙い。
内部には進化版マックスインパクトテクノロジーを搭載し、キャリーやスピンのばらつきを抑える効果が期待できます。さらにスプリットウェイト構造によるタングステン配置が、直進性と高打ち出しを後押ししています。

今作最大の進化点は、番手ごとに形状が変化する「プログレッシブシェイプ設計」の採用です。番手が上がるにつれてソール幅は狭く、フェース高が高くなる設計で、より最適な弾道が得られるようになっています。特に3番・4番では、T350プロトタイプ由来の新プロファイルが採用され、ツアーレベルのフィードバックを反映した形状に仕上がっています。
また、同時発売されるT250•Uが「アイアンセットの延長線上にあるコンパクトなユーティリティ」であるのに対し、U505は「より高弾道でやさしさを優先した設計」が特長。T250Uよりも、U•505は一段上の高さと寛容性を求める層に向けた選択肢となっています。
ヘッドスペックは下記
番手 | ロフト角 (°) | ライ角 (°) | クラブ長 (インチ) | オフセット (mm) | 構造 | 素材 | 標準シャフト |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1番 | 16 | 60.0 | 40.25 | 非公開 | 鍛造Lフェース + 中空構造 | 高強度ステンレス + タングステン | TENSEI 1K BLUE HY 65 (S) |
2番 | 18 | 60.5 | 39.75 | 非公開 | 鍛造Lフェース + 中空構造 | 高強度ステンレス + タングステン | TENSEI 1K BLUE HY 65 (S) |
3番 | 20 | 61.0 | 39.25 | 非公開 | 鍛造Lフェース + 中空構造 | 高強度ステンレス + タングステン | TENSEI 1K BLUE HY 65 (S) |
4番 | 22 | 61.5 | 38.75 | 非公開 | 鍛造Lフェース + 中空構造 | 高強度ステンレス + タングステン | TENSEI 1K BLUE HY 65 (S) |
タイトリスト U505 ユーティリティアイアン(2025)の試打計測データ



試打計測の平均データが下記
2024年以降、ユーティリティはヘッドスピード39tm/s〜41m/sの範囲内での計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
項目 | 平均値 |
---|---|
クラブスピード | 40.2 m/s |
ボールスピード | 56.8 m/s |
スマッシュファクター | 1.41 |
打ち出し角 | 16.5° |
スピン量 | 3,491 rpm |
キャリー | 198.4 yd |
トータル距離 | 214.7 yd |
最高到達点 | 31.6 yd |
落下角度 | 42.8° |
スピン軸 | 3.3°(軽いフェード傾向) |
曲がり幅 | 5.1 yd 右 |
キャリーサイド | 4.3 yd 右 |
打ち出し方向 | 0.2°(ほぼ真っ直ぐ) |
今回試打したのは「U505(2025)」の3番(20°)モデル。トラックマン4による計測では、キャリー198.4yd、トータル214.7ydとしっかり飛距離を稼ぎつつ、最高到達点31.6yd・落下角42.8°と、高弾道で止まりやすい球筋が安定して出ています。
スマッシュファクターは平均1.41と非常に高く、反発効率の高さも際立っています。スピン量は約3,500rpmで、直進性を保ちながら適度な高さでグリーンを狙える印象です。
曲がり幅は平均5.1ydの軽いフェード傾向。ティショットでラインを出したい場面でも扱いやすく、安心して振っていける安定性が感じられました。
飛距離性能と上がりやすさの分析

U505(2025)の飛距離性能は、3番でキャリー198.4yd、トータル214.7ydとロングアイアン代替としては申し分のないというか、飛びに関しては非常に優秀な結果でした。
特筆すべきは、打点がややズレても飛距離のロスが小さく、一定のキャリーが揃っていた点です。これは鍛造Lフェース構造に加えて、Vテーパーソールやマックスインパクトテクノロジーによるフェースの反発均一化が効いている証拠といえるかなと思います。

さらに、最高到達点は31.6yd、打ち出し角は平均16.5°と、明確に“上がりやすさ”を意識したチューニングだったかなと感じています。タングステンのスプリットウェイト配置によって、重心を低く深く保ったままフェースの打ち出し角を確保できており、ボールが浮きやすい反面、吹き上がるような挙動にはならず、キャリーを稼ぎつつ前に伸びてくれる点は評価したいところ。
また、スピン量は3,500rpm前後と中空ユーティリティアイアンにしてはやや多めで、キャリーを安定させる要因にもなっています。結果として、ラフからの飛びすぎやフライヤーによる予期せぬランも抑えられ、縦距離をコントロールしやすい点も強みになっています。
チェックポイント
ロングアイアン代替として十分な飛距離性能
キャリー198.4yd/トータル214.7ydと、3番ユーティリティとして非常に優秀な飛びを記録。飛距離の安定感も際立つ。
高さを出しながら前に伸びる弾道設計
打ち出し16.5°・最高到達点31.6ydという高弾道でも、吹け上がらず強く前に進む弾道でキャリーを確保。
中空構造でも適度なスピンで縦距離をコントロール
スピン量3,500rpm前後で、ラフからのフライヤーを抑えやすく、縦距離のブレを軽減できる。
弾道や球筋、方向性の分析

弾道は全体的に非常に素直で、軽いフェード系のストレートボールが中心でした。スピン軸は平均3.3°右と安定しており、左右の曲がり幅も最大で10yd程度に収まっています。ティショットや長いパー4のセカンドなど、ラインを出して狙いたい場面や左へのミスをケアしながら攻めたい場面でも安心して振っていけると思います。

注目すべきは、打ち出し方向の安定性です。平均0.2°という誤差の少なさからも分かるように、インパクトのズレやスイングのブレに対しても寛容で、狙った方向にしっかり出てくれる優しさが印象的です。これはヘッド慣性モーメントの高さに加え、フェース面の直進性を重視した設計の効果が出ていると感じます。

また、キャリーサイドのズレも4.3ydと小さく、縦横の分布がコンパクトにまとまっているのも特長の一つかなと言ったところ。全体的に極端に左へ引っかかるような球も出にくく、コントロール性を損なわずに高弾道でグリーンを狙える設計が光っています。
チェックポイント
軽いフェード系で安定したストレート弾道
スピン軸3.3°右、曲がり幅10yd以内と、右方向への軽いフェードが基調。狙ったラインに乗せやすい弾道傾向。
打ち出し方向のブレが少なくライン出しに強い
打ち出し方向の平均は0.2°。狭いホールやロングセカンドでも安心して構えられる直進性。
左右・縦のばらつきが小さい高弾道設計
キャリーサイドズレは平均4.3yd、散布もコンパクト。高弾道でも吹けずにまとまる設計バランスが魅力。
タイトリスト U505 ユーティリティアイアン(2025)のフィーリング

打感は、フェースにボールが乗るというよりも、“中空らしい弾き感”がはっきりと伝わるタイプです。鍛造Lフェースの反発性能がしっかりと感じられ、柔らかいというよりは、やや張りのある感触ですが、不快な硬さはなく、シャープで乾いた打ち味です。
この弾き感には、フェースの剛性設計とマックスインパクトテクノロジーの支えが大きく関与しています。オフセンターでも打感の変化が抑えられており、多少ズレても芯を外したような違和感は少なめです。
打音についても中空モデルらしい金属的な響きはありますが、耳障りな高音ではなく、やや控えめで締まりのあるサウンド。全体として、弾きの強さと扱いやすさがうまく共存した仕上がりだと感じます。まあ悪くはないし、ヘッド形状からくるイメージとは合っています。
タイトリスト U505 ユーティリティアイアン(2025)の良かった所・微妙な所
性能評価チャート
飛距離・高さ・許容性といったロングユーティリティに求められる要素を高次元でバランスさせています。特に高弾道でキャリーを安定させたい人や、ロングアイアンでは弾道が上がらないと感じていた人にとっては非常に扱いやすく、直進性の高さも相まってティショットや長いセカンドで信頼できる存在になりそう。
つかまりや操作性の面では明確に“左を消した設計”であり、ドロー系を好む人にはやや物足りなさもあるかもしれませんが、全体としては完成度の高いユーティリティと言えるでしょう。
まとめ

めちゃくちゃよかったです。
タイトリスト U505(2025)は、ロングアイアンの難しさを感じている人に対して、高弾道で安定したキャリーをもたらすユーティリティアイアンという明確な解決策を提示してくれるモデルです。特に高さとスピン量の安定感は秀逸で、ティショットでもセカンドショットでもグリーンを積極的に狙っていける性能があります。
直進性が高く、打ち出し方向のバラつきが非常に少ないため、ラインを出したいシーンやプレッシャーのかかるホールでも安心して構えられるのも強みです。一方で、弾道はややフェード寄りの傾向があり、つかまりを重視したい人には物足りなさがあるかもしれません。
高さを出したい、キャリーを安定させたい、ロング番手での縦距離を揃えたい、そんなニーズを感じている人には、間違いなく候補に入れておきたい1本です。アイアン型ユーティリティに挑戦したい方や、前作からの買い替えを検討している方も、一度手に取って試してみる価値は十分にあります。
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