今回取り上げるのは「キャロウェイ ELYTE トリプルダイヤモンド TD ドライバー」。こちらの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

結論から言うと、キャロウェイ ELYTE トリプルダイヤモンド TDドライバーは、「トリプルダイヤは難しそう」と敬遠していたゴルファーにこそ試してほしい、“飛んでつかまる”ツアー系ドライバーですね。まあ、事前情報通りと言えばそれまでなんですが、予想よりも捕まりが良くて驚きはありました。
低スピンの強弾道はそのままに、自然とドロー回転がかかる安心感は秀逸。とくに「フェード系が持ち球で、最近球が右に抜けがち…」みたいな方にとって、今回のTDは劇的に方向性が改善するんじゃないかなと思います。
飛距離・つかまり・直進性のバランスが非常に良く、操作もできる。ハードすぎない玄人モデルを探しているんだ!という中上級者には特にドンピシャでハマりそうです。
それでは詳しくレビューしていきます!
ELYTE トリプルダイヤモンド TD ドライバーの特徴とデザイン

ヘッド体積は450ccと通常のトリプルダイヤモンドと同じですが、内部設計がヒール寄り重心になっており、見た目は変わらずつかまり性能が向上しているというのが一番の特徴です。TDというのはツアードローの意味だそう。


洋ナシ型のツアーシェイプは健在で、構えたときの印象は非常にシャープ。艶ありのカーボンクラウンは高級感もあり、個人的には構えた瞬間から好印象。
まあこれはELYTEトリプルダイヤモンドと同じですけどね。
それで、さっきも言いましたが、構えただけでは通常のトリプルダイヤモンドと区別はほぼつかないかなと思います。メーカーはグースネックのようなイメージ!みたいに言っていましたけど、そんな事もなかったです。

搭載されているのは、AIが設計した10xフェース。フェース全体で安定した初速とスピンコントロールを実現する設計で、打点ブレにも非常に強くなっています。

さらに360°カーボンシャーシと新素材サーモフォージドカーボンの組み合わせにより、剛性と軽量化を高次元で両立。空力性能も洗練されており、スイング中のヘッド挙動が非常にスムーズです。


ソールの前後ウェイトは交換可能で、細かなチューニングにも対応しています。まさに“玄人にも応えるけど、間口も広げた”ドライバー。
ELYTE トリプルダイヤモンド TD ドライバー試打計測データ(トラックマン4)




ELYTE トリプルダイヤモンド TD ドライバーの試打計測の平均データが下記
2024年よりドライバーはヘッドスピード44m/s~45m/sでの計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
項目 | 数値 |
---|---|
ヘッドスピード(m/s) | 44.2 |
ボールスピード(m/s) | 64.6 |
打ち出し角(°) | 15.1 |
打ち出し方向(°) | 0.8 |
バックスピン(rpm) | 1911 |
スピン軸(°) | -7.1 |
最高到達点(yd) | 29.4 |
キャリー(yd) | 242.3 |
トータル飛距離(yd) | 271.4 |
曲がり幅(yd) | -10 |
左右ブレ(yd) | -6.8 |
スマッシュファクター | 1.46 |
飛距離性能と方向性の分析

トータル飛距離は271.4yd、キャリーも242.3ydと、いずれも当サイトの基準で「飛距離性能が高い」と呼べる数値でした。
スピン量は1911rpmとかなり少なめで球質はかなり強力!吹け上がらずに前へ前へと強く伸びていくのが印象的でした。

特に中弾道系の弾道ながら、しっかりキャリーが稼げて、そこからグングン伸びていく感じは気持ちよかったですね。
打ち出し角は15.1°で、最高到達点は29.4yd。打ち出し時の高さは十分ありながら、スピンが抑えられているぶん、強風下で飛ばしたい場面でも、しっかりキャリーが出てくれる頼もしさがあります。

方向性に関しても非常に安定しており、打ち出し方向+0.8°、左右ブレ-6.8ydと左に側に集中したとはいえ、非常にタイトな範囲に収まっています。
スピン軸-7.1°とドロー傾向がしっかり出ていて、フェースに乗ってから自然に戻ってくるような感覚がありました。
意識してドローを打とうとしなくても、勝手に球がつかまってくれる感じがあるので、右へのすっぽ抜けに悩んでいた方にはかなり刺さると思います。

全体として、ドロー回転による安定感と低スピンによる飛距離性能が両立していて、「飛んで曲がらない」が素直に体感できる仕上がり。ドロー系で飛ばしたい中上級者にとって有力な選択肢となりそうです。
フィーリング(打感・打音・操作性)

打感については、トリプルダイヤモンドシリーズらしく非常にソフトでフェースに吸い付くような心地よさがありました。
特に芯でとらえたときの“ギュッ”とフェースに乗る感覚が印象的で、打っていてとにかく気持ちがいい。インパクトの瞬間に「ボールを押せてる感覚」が手元にしっかり伝わってくるので、操作している感があるのも嬉しいポイントです。
打音は、カーボンコンポジットヘッドらしいややこもった低音系。金属音は小さく、音量も控えめで落ち着いた印象を受けました。
構えやすさも抜群で、ヘッドサイズは450ccながら非常にコンパクトに見えるツアーシェイプ。通常のELYTE トリプルダイヤモンドとほぼ同じで、フェースアングルはスクエア寄り。洋ナシ型のすっきりした輪郭は、アドレス時に余計な違和感がなく、フェースの向きも取りやすいので“狙って打つ”感覚を持ちやすいです。
操作性については、ある程度ヘッドの挙動に素直に反応する印象ですが、ベースはやはり“つかまりの良さ”。自然と軽いドローがかかる特性があり、意図的にフェードを打つにはそれなりのスキルが求められます。
ただ、その分右へ逃げるミスが出にくく、フェースローテーションのタイミングが合いやすいのは武器になります。操作できるけど、頼れる安定感がある。そんな感覚が一番しっくりきます。
良かった点と微妙な点
良かったところ
- フェースに乗ってから自然にドローする「つかまり感」が心地いい
- スピンを抑えて、前へ前へと伸びる強弾道で飛距離が稼げる
- シャープで構えやすいツアー形状。視覚的な違和感ゼロ
- シャフトまで含めて完成度が高い
微妙なところ
- 低スピンすぎて球が浮きづらい人にはやや難しさを感じるかも
ELYTE トリプルダイヤモンド TD ドライバーの性能評価チャート
飛距離性能はかなり優秀で、低スピン弾道ながらもキャリーがしっかり稼げ、ランも伸びる“強い球”が打てます。飛びに関しては上級者も納得のパフォーマンス。一方で弾道の高さは中弾道系で、球が自然と上がるタイプではないため、球が浮きにくい方にはややハードに感じるかもしれません。
つかまりの良さは特筆すべき点で、意識せずに振っても軽いドローがかかるような挙動。右に抜けるミスが減ったという感覚を持つ方のほうが多くなりそうです。とはいえ、捕まりすぎて左に巻くような極端さはなく、コントロールもしやすい範囲に収まっているのがこのモデルの優秀な点ですね。
寛容性はあくまで“ツアー系ドライバーの中では高め”といった位置づけで、ミスヒット時のロスは完全には補えませんでした。ただ、スピン量や方向性のバラつきは非常に小さくまとまっており、「多少のミスなら許してくれる」そんな実戦的な寛容さが光るかなと思います。
全体的には、操作性も備えつつ、安心してドローで攻めていける完成度の高さが魅力。飛ばしたいけど、ミスは抑えたい。そんなわがままな中上級者の願いを叶えるモデルです。
カスタムの提案(ELYTE TDと相性の良いおすすめシャフト)
ELYTE トリプルダイヤモンド TD ドライバーは、ヘッド内部にドローバイアスを持たせた設計で、右に抜けるミスを抑えて、自然なドローが出やすいモデルです。加えて、スピン量はかなり少なめ(実測で1911rpm)と、非常に強い棒球が出やすいため、シャフトの選び方によって弾道の高さやつかまり具合をコントロールすることが重要・・・な気がします。
球が浮きづらい方・キャリー不足を感じる方におすすめ
ヘッドのスピン量が少なく、弾道が低く出やすいELYTE TDでは、打ち出し角やスピン量をシャフト側で少し補ってあげると、キャリーがしっかり伸びて総飛距離も安定します。
- Fujikura VENTUS TR RED(中調子)
中調子ながら先端にかけて適度な走り感があり、打ち出しが高めで、スピンも適度に入る設計。つかまりは自然で、TDのドロー傾向と喧嘩せず、バランスの取れた弾道を作れます。特にキャリー不足を感じている方にぴったり。 - TOUR AD CQ(先中調子)
先がしっかり走ることでつかまりやすく、高さも出しやすいモデル。TDの低スピン特性を活かしながら、球を上げてキャリーを伸ばしたい方におすすめ。スライサーだけでなく、「軽いドローで飛ばしたい」中級者にもハマりやすい1本です。
捕まりすぎ・左へのミスが怖い方におすすめ
TDはかなりしっかりつかまるヘッドなので、「普段からドローが強め」「球が左に行きがち」な方にとっては、シャフト側で捕まりすぎを少し抑える方向性が有効です。
- Diamana WB(元調子)
手元がしっかりしており、フェースの返りを穏やかにしながらも振り抜きやすいのが特徴。ドローが強く出すぎる方や、ラインを出して攻めたい中上級者におすすめ。フェード系のスイングでも、左のミスを怖がらずに振れる安心感があります。 - VENTUS BLACK Velocore(元調子)
先端剛性が非常に高く、捕まりを抑えて低スピン・低打ち出しの強い直進弾道が出るタイプ。左へのミスを極力抑えたい強振系のプレーヤー向きで、ヘッドスピードが45m/s以上の方には抜群に合います。球をつかまえにいかなくても強い球が打てる点も◎。
バランス重視・自然な操作感を求める方におすすめ
「極端な特性のシャフトは避けたい」「ヘッドの性格は活かしつつも、自分のスイングで操作したい」という方には、粘り感と挙動の安定性に優れた中庸タイプのシャフトが好相性です。
- TOUR AD DI(中元調子)
手元にしっかりした粘り感がありつつ、先端も暴れずミートしやすい挙動。捕まりすぎず・逃がしすぎず、フェースのコントロールが効くので、自然なドローや軽いフェードを打ち分けたい中上級者におすすめです。TDのドロー傾向とも良好なバランスが取れます。 - TENSEI Pro Blue 1K(中調子)
先端~中間の挙動がマイルドで、クセのないしなり戻りが特徴。直進性を保ちつつ、振り心地の良さ・タイミングの取りやすさに優れる万能シャフトです。ヘッドに合わせて細かく球筋を調整したいゴルファーにフィットします。
まとめ

飛距離・つかまり・方向性の三拍子が揃った完成度の高いドライバー。なので評価は高め!
見た目は完全にトリプルダイヤモンドのままなのに、内部設計だけでここまでつかまりが良くなるのかと驚かされました。つかまるけれど左に行きすぎない絶妙なドロー設計で、飛距離も稼げる点が秀逸。
トリプルダイヤに興味はあったけど球が逃げるのがネックだった…という中上級者にはぜひ試してもらいたい一本です。右プッシュに悩んでいるゴルファーにも強くおすすめできます。
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