今回取り上げるのはテーラーメイド P770アイアン(2024)。こちらの試打計測を行ったのでレビューしていきます。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)
中空アイアンでは最高峰の打感!ワンピース軟鉄からの乗り換え候補としておすすめ
ここ数年のテーラーメイドPシリーズは外観もテクノロジーもあまり変化が感じられません。パッと見ていつ発売の何年モデルかわからない・・・と個人的には思っていたりします。
そんな事も思ったりしていますが、今回の2024年モデルは「打感はかなり良い」です。年々フィーリングに関してのパフォーマンスアップは感じられるし、現時点での中空アイアンの中では最高峰の打感(前作よりもソフトフィーリング)!これだけは間違いないと思います。
あと見た目が変わってないとは言え、まるでブレードアイアンのようなデザインは相変わらずカッコいいです。
また、中空アイアンありながらもストロングロフトではなくてほぼノーマルなロフト設定で作っている所にも価値のあるアイアンだと思います。
ノーマルロフトのワンピース軟鉄鍛造アイアンから、打点ブレに寛容な中空アイアンに乗り換えたいとは思っているけれど打感をはじめとしたフィーリング、それからロフト設定なども妥協したくないという人におすすめです。
とはいえ特別に超寛容なアイアンとは言えないので、対象は80台をコンスタントに出せるような中級者以上です。
トラックマンによる試打計測データ
2024年より7番アイアンでの計測ヘッドスピードは約37m/sでの計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
項目 | トラックマン平均値 |
---|---|
H/S (m/s) | 37.9 |
B/S (m/s) | 50.6 |
打ち出し角(度) | 21.4° |
打ち出し方向(度) | -2.2 |
バックスピン | 6595 |
スピン軸 | -0.7(左) |
最高到達点 | 34.4 |
落下角度(度) | 51.3 |
曲がり幅(yd) | -1.1(左) |
左右ブレ(yd) | -7(左) |
キャリー(yd) | 153.5 |
総距離(yd) | 158.2 |
ロフト33°のアイアンとしてはノーマルな飛距離性能です。スペック上、当然ながら飛ぶアイアンではありませんが、そもそもそういうアイアンなのでネガティブな要素とはなりません。
スピン性能は6000回転中盤から後半をコンスタントに出せています。非常に優秀なデータでした。
打ち出しはやや低い印象を受けますが、スピン量が多いので落下角度が50°以上出るので硬いグリーンでも積極的に狙っていくことができるでしょう。
テーラーメイド P770アイアン(2024)の弾道
スピン軸の傾きは小さく、左右の曲がり幅はあまりなかったです。基本的にはストレートでラインを出しやすいと感じました。
つかまりやすいヘッドではありません。綺麗なフェードも出てくれますし安定した球筋です。
スピン量も安定して高い値をキープしています。
打ち出し角はやや低め。最高到達点も低くはないですが特別な高さではなかったです。
打ち出し方向がわずかに左に出ていたこともあり、センターラインより左7ヤード地点に集約しました。ドローしたというよりもストレートにそこに集まっている、もしくはフェードしてという具合です。
テーラーメイド P770アイアン(2024)のフィーリング
中空構造のアイアンとは思えないほどのソフトフィーリングで、シリーズを重ねた結果ほぼ軟鉄一体アイアンと言っても良いレベルになったと思います。
ヘッドが小ぶりなので操作性も良いですし、マッスルバックを優しくなったぐらいの感覚で使っていくことができました。
ヘッド形状やテクノロジー
番手別に重量や形状が異なるタングステンウェイトがヘッド内部には配置されています。まあ特別それがどうってこともないぐらいの微妙な調整なので、使い手が劇的な変化を感じ取ることは難しいでしょう。
とりあえず重心設計を見直したという事です。正直前作よりも超打ちやすいとかは感じません。ほぼ一緒。
ただ、ヘッド内部の充填剤であるSPEEDFOAMはAIRになって軽量かつソフトになっています。これによって打感の変化が起こっていると思われますが、たしかにソフトフィーリングになっているので違いは感じれました。
トゥ型のウェイトが入っているデザインもお馴染みになりました。
ヘッド形状がこちら。
小ぶりなツアータイプです。オフセットも小さくてストレートなネック形状です。
これで中空?と思えるほどシャープで美しいので、顔にこだわりがある人も一度は構えてもらいたい。
ソール幅は狭め。前作からの違いはありませんが、相変わらず抜けは良いです。
良かった点と微妙な点
良かったところ
- 安定したスピン量と落下角で硬いグリーンでも止めていける
- 前作よりもソフトな打感。軟鉄派も乗り換えやすい
- ラインが出しやすいストレート系
微妙なところ
- 打感以外で前作との違いがあまり感じれない
データチャート
スピン性能と操作性が特に優れています。中空アイアンというよりも、ほぼマッスルバック並みの性能と捉えて良いと思います。
打感もモデルチェンジを重ねてどんどん良くなっている点も素晴らしいポイント。抜けも良いですし、フィーリングに関する項目では隙がありません。
ただやはりノーマルロフトのスペックであることから飛距離も並。打点ブレへの寛容さはマッスルバックやバックフェースのエグれが小さいハーフキャビティ(マッスルキャビティ)よりは多少優れていますが、大型キャビティほどではありません。
まとめ
テーラーメイドの中空アイアンの中では歴代で一番打感が良いですし、他メーカーを含めた場合でも最高峰に位置する出来栄えだと感じました。フィーリングについてはモデルチェンジによる進化は確かにあります。
ですが、それぐらいでその他に特に大きく変わったところがあるか?と言われるとほぼありません。あくまでもマイナーチェンジの域です。
なので前作を持っているなら購入を見送っても良いと思いますが、とにかく打感の良いコンパクトでシャープな中空アイアンが欲しいと考えていた方には買いのモデル!打感で妥協したくない人にはおすすめできます。
関連打ちやすいアイアンおすすめ人気ランキング2024|中級者・初心者向けモデルをレベル別に厳選
関連【試打評価】テーラーメイドP790(2023)アイアン|前作より遥かに飛ぶ中空の最高傑作【口コミ・評判】
関連【テーラーメイドQi10 レスキュー 試打評価】捕まって飛ぶ万能UT
関連【テーラーメイドQi10 フェアウェイウッド 試打評価】直進性とスピンの入れやすさが魅力
関連【試打評価】テーラーメイド Qi10ドライバー|皆が打てて飛ばせるテーラーメイドがついにきた【インプレッション】
関連【試打評価】テーラーメイド Qi10 MAXドライバー|あまりにも簡単に飛ばせて笑う【インプレッション】
関連【試打評価】テーラーメイド Qi10LSドライバー|左を消してぶっ飛ばす【インプレッション】
関連【試打評価】フォーティーン TB5フォージドアイアン(2025)|トラックマン4で計測