今回取り上げるのはキャロウェイ ELYTE X 10Kドライバー。こちらの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

キャロウェイ ELYTE X 10K ドライバーは、「やさしさ」と「直進性」の両方を求める方にこそ、ぜひ試してほしい完成度の高いドライバーです。
スピン軸のブレはほぼゼロ、上下左右のミスにも強く、平均トータル271ヤードの飛距離を安定して記録。しかもドローバイアス設計ながらつかまりすぎず、高弾道ストレートを自然に打てる設計になっていました。
目次
キャロウェイ ELYTE X 10Kドライバーの概要とデザイン

キャロウェイ「ELYTE X ドライバー 10Kバージョン」は、シリーズ中もっとも“つかまり”を意識したELYTE Xの設計をベースに、専用の高比重ウェイトを装着することで慣性モーメント(MOI)を1万g・cm²超に引き上げた特別仕様になっています。
現在のAIフェースは打点ブレに最強になったから、慣性モーメントをそこまで優先する必要はない・・・とキャロウェイは言っていた気もしますが、最近は各メーカーがこぞって10Kヘッドをラインナップしているのでキャロウェイもそれに追随したカタチですね。

特徴的なのは、ただMOIを高めたのではなく、「飛んで曲がらない」を高次元で両立するための設計思想にあります。ヘッドの中心後方には10K専用のウェイトを装着し、これにより上下左右すべてのミスヒットに強く、弾道のブレ幅を大きく抑える構造となっています。とくに上下の打点ズレに対する寛容性の高さは特筆すべきポイントです。

フェースにはELYTEシリーズ共通の「Ai 10xフェース」を採用。打点のズレに応じた弾道補正能力が格段に向上。フェース中央を外した際でも、飛距離ロスや曲がりを最小限に抑えることができます。

クラウン部にはサーモフォージド・カーボンを採用。これは従来よりも軽量かつ高精度に成型可能な最新素材で、ヘッド上部を徹底的に軽量化し、余剰重量をソール後方へ再配分することで、より深く低い重心設計を実現しています。結果として、打ち出し角が稼ぎやすく、スピンも抑えめの高弾道ドローが自然と打てる設計となっています。


外観は、ELYTE Xドライバーと同じで、ややシャローで投影面積の大きい460ccフルサイズヘッド。ウェイト以外は一緒です。
キャロウェイ ELYTE X 10Kドライバーの試打計測データ



試打計測の平均データが下記
2024年以降はドライバーはヘッドスピード44m/s〜46m/sの範囲内での計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
項目 | 平均データ |
---|---|
クラブスピード | 44.5 m/s |
ボールスピード | 65.6 m/s |
打ち出し角 | 15.0° |
バックスピン | 2356 rpm |
キャリー | 247.6 yd |
トータル飛距離 | 271.2 yd |
スピン軸角 | 0.3° |
曲がり幅(左右) | 0.8 yd右 |
最高到達点 | 33.5 yd |
着弾角 | 38.7° |
スマッシュファクター | 1.47 |
左右ブレ幅 | 7.7 yd右 |
バックスピンは最適帯域の2356rpm、スピン軸は0.3°と平均値で見ればほぼ真っすぐで、さらに平均トータル271ydを安定して記録。
上下左右のミスヒットにも強く、10Kの名にふさわしい「曲がらず飛ぶ」性能がデータでも証明された結果という感じがしますね。
飛距離性能と上がりやすさの分析

トータル飛距離は平均271.2yd、キャリーも247.6ydと、飛距離性能の高さは十分に優秀な部類に入ります。注目すべきはその飛距離を、やさしさを犠牲にせず実現できているという点です。
まず、打ち出し角は15.0°、スピン量は2356rpmと、いずれも最適帯域にぴたりと収まっており、スイートエリアを外してもキャリーがしっかり出る構造になっていることが数値からも読み取れますし、実際に打っていても「高さや飛び様が揃う」という印象が強かったです。
期待どおり、ヘッド後方に10K専用の重ウェイトを搭載することで、上下方向の慣性モーメントが高く保たれており、トップ気味ややや厚めのインパクトでも弾道がブレにくい設計であることを意味していると言ってよさそうです。

最高到達点は33.5ydとしっかり高さが出ており、球が自然に上がってキャリーで稼げるタイプのドライバーであることは間違いなし。ヘッド後方を重くしている分、重心が深いし楽に上がってくれるのは予想どおり。
正直もっと飛ぶドライバーはあるのですが、ELYTE X 10Kは「とにかく飛ぶ」という派手さではなく、再現性の高いキャリー性能と直進性で“結果的に飛んでいる”タイプのドライバー。高弾道ストレートを安定して繰り返せるモデルです。
弾道や球筋、方向性の分析

一発右にプッシュアウトしたので円が大きくはなってしまいましたが、大きくターゲットラインを外したのはそれぐらい。ほぼセンターライン付近をキープできる安定性の高さはストロングポイントですね。
ELYTE X 10Kの大きな魅力は、ただつかまるだけでなく、驚くほど直進性が高い弾道を描くところにあるのかなという印象。今回の計測では、スピン軸角の平均はわずか0.3°、左右の曲がり幅も平均0.8yd右と、限りなくストレートに近い球筋を安定して再現できていました。

左右ブレ幅は平均で7.7yd以内に収まり、さらにキャリーサイドのばらつきも±10yd以下に収まっているため、フェアウェイキープ率の向上に直結する安定感を実感できます。

また、ELYTE Xというモデル名から強いドローバイアスをイメージするかもしれませんが、10Kバージョンではヒール寄りの重心設計と後方ウェイトのバランスが絶妙で、つかまりすぎることがないのも特徴です。
打ち出し方向は平均1.6°右とニュートラルに近く、「スライスは防ぎたいけれど、左への引っかけは避けたい」という方にとっては理想的な設計と言えます。
ストレート〜軽いドローを安定して再現できる弾道性能と、方向ブレの少ない高い直進性。ELYTE X 10Kは、“つかまりすぎず、曲がらない”という難しいバランスを見事に両立したドライバーです。
キャロウェイ ELYTE X 10Kドライバーのフィーリング

打感については、ベースとなっているELYTE Xドライバーとほぼ同じ印象で、柔らかさの中に芯のあるクリアな打球感が特徴です。
音に関しても、やや低めで締まりのある響き方。
そして振り抜き感についてですが、10Kバージョンは専用の重ウェイトを搭載しているため、ヘッド重量はやや重めで若干後ろ側に垂れる感じはあります。このフィーリングは好みが分かれそうなところで、普段からシャローで深重心タイプ使っていればすんなり移行できるはず。
キャロウェイ ELYTE X 10Kドライバーの良かった所・微妙な所
性能評価チャート
「こんなに真っすぐ飛ぶのに、ここまで飛ぶの?」と感じたのが第一印象です。バックスピン量も安定し、ミスヒットでもキャリーがほとんど落ちないのは驚きでした。
特に寛容性と方向安定性はかなり優秀で、スライス傾向の方でも安心して振り抜ける圧倒的な直進性があります。10Kの名が示す通り、MOI(慣性モーメント)の高さが明確に数値に表れています。
一方で、ヘッドが返りすぎることはなく、「つかまりすぎて左に引っかかる」ような不安がないのも好印象です。
操作性はやや低めですが、それを補って余りある安心感があり、「とにかく曲げたくない」「ミスを消したい」という方には扱いやすいと思います。
まさに、“やさしいのに飛ぶ”をデータで証明してくれたモデルと言えるでしょう。
まとめ

ELYTE X 10Kドライバーは、「とにかく曲がらない」という強みを持ちながらも、しっかり飛距離も確保できる完成度の高いモデルです。スピン軸の安定感、上下左右の打点ズレへの強さ、そして平均トータル271ydという結果からも、“打ちやすくて結果が出る”ドライバーであることは間違いありません。
特に注目したいのは、つかまり過ぎることなく、あくまで自然なドローバイアス設計である点。スライサー向けのモデルにありがちな左への引っかけが出にくく、フェード系ゴルファーでも扱いやすいバランスに仕上がっています。ヘッド後方の高慣性モーメント設計と、AIフェースによる弾道補正力の高さが組み合わさり、ミスしても“なんとなくフェアウェイ”に残る安心感が非常に魅力的です。
総合すると、ELYTE X 10Kは「とにかく真っすぐ飛ばしたい」「安定したキャリーでスコアを作りたい」と考えている方にとって、非常に頼もしい選択肢です。やさしさと飛距離を高次元で両立したドライバーを探している方には、ぜひ一度試してみてほしいです。
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