本間ゴルフ TW777 PCB-MAX アイアンの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

目次
本間ゴルフ TW777 PCB-MAX アイアンの概要とデザイン

2025年11月発売になった本間ゴルフTW777シリーズ唯一のアイアンです。現在のツアーワールドアイアンの中では最も寛容でオートマ感の強いという位置づけのモデルだそうです。
ヘッドには、ボディにはS25C軟鉄を採用し、ロングからミドルアイアンには、フェースに高強度のマレージング鋼、そしてショートアイアンにはマレージング鋼よりは反発が少し落ち着いたES230という素材が使われています。

構造的にはこうなっています。軟鉄ボディにカップフェースの組み合わせです。

パッと見た感じだと中空アイアンのようだなと思ったのですが、どうやら中空ではなさそう。モデル名もPCBなのであくまでもポケットキャビティの系譜なのでしょうか?
フェースがLカップとかではなくて、フルのカップフェース構造になっている点が大きな特徴になっていますね。
ロフトは7番で28°になっていて、ストロングロフトの飛び系アイアン。

なんだかツアーワールドらしさが無いような気もするデザインです。


トップブレードにはHONMAカットと呼ばれる独自の斜面研磨が施されています。なんだか昔の本間のLBアイアンを彷彿とさせる形状です。
このカットによって、ロフトが立っていても構えやすくなるとメーカーは言っていますが、確かに若干ロフトが多く付いているようには見えるので効果はあるのかもしれません。
顔はヒール側が高くて四角タイプでグースもしっかり付いています。こういった四角いタイプは最近だとかなり珍しい形状ではありますが、オールドゴルファーにとっては懐かしい感じを受けるかもしれません。


ソールは広めだけれど真っ平ら系です。ここはいつもの本間のアイアンのソール形状。抜け感は普通で、際立った性能はないという印象でした。
そろそろ工夫のあるソールになってほしい所です。
本間ゴルフ TW777 PCB-MAX アイアンの試打計測データ



試打計測の平均データが下記
2024年以降、アイアンはヘッドスピード37m/s〜39m/sの範囲内での計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
| クラブスピード | 37.5 m/s |
|---|---|
| ボールスピード | 52.5 m/s |
| スマッシュファクター | 1.40 |
| 打ち出し角 | 16.5° |
| スピン量 | 5207,rpm |
| キャリー | 168.5 yd |
| トータル距離 | 179.4 yd |
| 最高到達点 | 28.4 yd |
| 落下角度 | 44.5° |
| スピン軸 | 0.7 右 |
| 曲がり幅 | 1.0 yd 右 |
| キャリーサイド | -7.0 yd 左 |
| 打ち出し方向 | -2.7° |
28°のロフトにしては飛距離は物足りない感じがありました。弾道もちょっと低い傾向です。
飛距離性能と上がりやすさの分析

平均キャリーは168ヤード台と、ロフト設定の割には物足りない結果です。やはり28°ぐらいのロフトだと170ヤードは超えて欲しいですね。
高さも平均で30ヤード以下ですので、当サイトのデータ傾向からすると低めでした。
ストロングロフトにしている割には低重心感がそこまで強くない感触で、ボールは若干浮きにくかったです。
バックスピンは5200回転ほどを推移しています。スピン量も特別多いタイプではありません。

飛距離が伸びにくかったのは、飛び系のアイアンの中でも打ち出しの低いタイプだったからではないかなと思っています。
このアイアン自体に低重心化を目指すような目を見張るようなテクノロジーが公式サイトでも説明はないので、特別大きな工夫は無いのかもしれません。
ここまでストロングロフト化するなら、上がりやすさがどうしても必要になってくるので、目一杯低重心化するための構造でも良かったのかなという気もしますね。
弾道や球筋、方向性の分析

弾道は安定したストレートフェードです。飛距離は少々物足りなかったものの、弾道の安定性は極めて良いです。
オートマチックなアイアンであることをアピールしていますが、確かにそういったアイアンです。

ヘッドは大型なので、重心距離も長めに感じるフィーリング。ターンスピードはゆっくりで極端に捕まるような打球は出づらく、終始安定したストレート弾道が打てていたのが好印象です。
基本的に暴れずに落ち着いた打球が打ちやすく、ラインも出しやすいため、実戦でグリーンを狙う際には大きな安心感がありました。サイドスピン量も少なく、曲がりも小さいです。

分散データが上記ですが、集弾性は圧倒的に良かったですね。ほぼ同じところに着弾してくれます。
とにかくキャリー誤差も小さいですし、左右ブレの少なさも素晴らしいです。ミスへの寛容さはかなりの強さを誇っているので、方向性重視、縦距離を安定させたいなら嬉しい性能だと思います。
本間ゴルフ TW777 PCB-MAX アイアンのフィーリング

打感に関するフィーリングは硬質でした。
本間のアイアンなので打感にはある程度期待していましたが、かなり反発タイプのフィーリングでした。
素材的にもフェースは反発力の高いマレージングなので致し方ない所ですが、振動を抑える構造をしているわりにはかなり弾きの強さが際立っていました。
良かった所・微妙な所
本間ゴルフ TW777 PCB-MAX アイアンの性能評価チャート
飛距離は出ないわけではありませんが、結構なストロングロフトだと考えると少し物足りなさがあります。めちゃくちゃ飛ぶというタイプでもなかったので、飛距離だけをとにかく追求したい人には積極的におすすめするのは難しいかなという印象でした。
一方で、方向性の良さと距離の安定性は最高クラスの性能と言ってもいいほどの出来栄えす。
とにかく方向性や縦距離のブレを抑えて、安定したアイアンショットを打ちたいというニーズにはばっちり応えてくれると思います。どうもアイアンが不安定だなーと感じている方は要チェックでしょう。
懸念点としては思っていたよりも高さが少し不足しがちなので、シャフトはワンフレックス程度落とすか、先端剛性の低いタイプにするのがいいかもしれません。
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