キャロウェイ APEX Ai150アイアンの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

結論から言うと、APEX Ai150アイアンは、前作APEX PROからしっかり進化していました。
飛距離性能と弾道の安定性がさらに強化されていて、ストロングロフト化しながらも高さもしっかり確保できている点は評価したい点です。
また、外観はよりシャープで精悍な仕上がりとなり、ビジュアル面も強化されています。ただし打感は相変わらず硬めで微妙。フィーリング的なところは前作からほとんど変化なかったです。
とにかく、飛びと安定性はめちゃくちゃ良いのに見た目もシャープなのは良い所。打感は二の次で結果を重視したい方にはおすすめできます。
目次
キャロウェイ APEX Ai150アイアンの概要とデザイン

APEX Ai150アイアンは、主に上級者・ツアープレーヤー向けとして展開する中空構造モデルです。位置付けとしては2023年モデルのAPEX PROの後継でありながら、より洗練されたシルエットになるようにブラッシュアップされている点が特徴的ですね。



ヘッドはコンパクトで、トップブレードは中空アイアンとしてはかなり薄い部類。

また、バックフェースはマッスルバックを思わせるフラットなタイプになっています。特に#4〜7番では窪みを廃した引き締まったデザインを採用し、構えた際のシャープさが一層際立っているのが印象的です。
素材は、フェースとボディの双方が鍛造で仕上げられ、ボディには軟鉄S25Cを使用。打感にこだわるプレーヤーに応えるソリッドなフィーリングを生み出す!とメーカーは謳っています。

また、内部にはキャロウェイ独自のウレタン・マイクロスフィアを配置し、余分な振動を抑えながらフェース反発を確保する構造です。ただし、先に言っておくけれど、打感はめちゃくちゃ中空やんけ!というフィーリングに感じました(笑) 打感はちょっと期待外れでしたね。

番手別の素材構成も緻密で、#4〜7番はカーペンター455スチールによるフェースカップ、#8〜PWは17-4ステンレスのフェースプレートを組み合わせ、ロフトごとに最適化を図っています。

さらに、抜けの良さを良くするために、トライレベル・ソールや、重量配分を整える台形ウェイトを搭載。幅は中空タイプと思えないほど狭いです。
というような内容ですが、中空構造を採用している事からも分かるように、シャープな形状ながらも許容性を持ち合わせ、実戦での再現性を高めるという点に注力したアイアンです。
また、Ai150は公式オンラインストアと限定店舗のみで展開される特別なモデルです。
スペックは下記。表は横にスライドできます。
ロフト角 | クラブ長さ | ヘッド体積 | ライ角 | クラブ重さ(S) | スピン量目安 | 対応番手 |
---|---|---|---|---|---|---|
17° | 41.75インチ | 126cm³ | 58.3° | 約360g | 中スピン | 3W〜5W代替 |
19° | 41.0インチ | 126cm³ | 59.0° | 約360g | 中スピン | 5W〜7W代替 |
21° | 40.25インチ | 126cm³ | 59.8° | 約360g | 中スピン | 7W・3H代替 |
23° | 39.5インチ | 120cm³ | 60.5° | 約360g | やや高スピン | 3H〜4H代替 |
キャロウェイ APEX Ai150アイアンの試打計測データ



試打計測の平均データが下記
2024年以降、アイアンはヘッドスピード37m/s〜39m/sの範囲内での計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
クラブスピード | 37.3 m/s |
---|---|
ボールスピード | 51.8 m/s |
スマッシュファクター | 1.39 |
打ち出し角 | 20.2° |
スピン量 | 5,882 rpm |
キャリー | 161.9 yd |
トータル距離 | 168.7 yd |
最高到達点 | 34.2 yd |
落下角度 | 50.0° |
スピン軸 | -2.6° |
曲がり幅 | 3.8 yd 左 |
キャリーサイド | 11.4 yd 左 |
打ち出し方向 | -2.7° |
キャリー161.9ヤードと、このロフト帯の平均より飛距離は出ています。
スピン量は約5,900回転で適正範囲を維持しつつ、落下角50°・最高到達点34ヤードと高さも十分確保。左右の曲がり幅は3〜4ヤード程度に抑えられ、狙ったラインに収めやすい安定した弾道が確認できました。
飛距離性能と上がりやすさの分析

APEX Ai150アイアンの7番(ロフト31°)は、キャリー161.9ヤードと当サイト基準の同ロフト帯モデルよりも約5ヤードほど飛びます。
ボールスピードは51.8m/sを計測しており、インパクト効率の高さが飛距離を押し上げているのは明らか。このヘッド形状でありつつも飛びに期待が持てるのは嬉しいところでしょう。
また、スピン量は5,882rpmで、適正範囲の中に収まってはいますが、このロフト設定としては200回転ほど少なめではあります。つまり若干スピンが抑えられているのも飛距離が伸びた要因になっていますね。

弾道の高さについては最高到達点34ヤード、落下角50°という数値。
明らかなまでの高弾道です。スピンは若干少ないと言いましたが、高さでしっかりとカバーできていると思います。
キャリーと高さのバランスは良好で、特にロングアイアン帯でも高さを維持できる点は安心感につながります。
ロフトが前作とされるモデルよりストロング化された影響はあるものの、上がりやすさは損なわれていません。むしろ上がるようになったまで感じます。
これはAiフェースの進化かもしれませんが、飛びも高さもミスヒット時でもかなり安定してくれるので、シャープな中空アイアンとしては実戦で求められる性能は上位になりそうな出来でした。
弾道や球筋、方向性の分析

驚くほど安定性は高かったです。上記分散図を見ても前後左右で気になるような大きなブレが出ていません。
スピン軸は平均–2.6°となり、軽いドロー系の球筋が安定して出ていましたが、曲がり幅は3.8ヤード程度に収まり、キャリーサイドのブレは11ヤード前後。
大きく左へ曲がっているというよりは、左に打ち出されている傾向で、ほとんどストレートに近い弾道で直進性の高さが印象的です。
つまり、捕まりは強くはないので、この辺りは確かに上級者好みのバランスに仕上がっていると思える部分。
そして、コンパクトなヘッドながらもAIフェースの補正効果が働いるという事なのか、打点の微妙なズレをカバーしてくれる感覚は確かに実感としてあります。気のせいな感じもするけれど、結果はかなり集弾率がいいのでテクノロジーの恩恵だと思っておきたい。
キャロウェイ APEX Ai150アイアンのフィーリング

打感は、中空構造らしいやや硬めの質感が前面に出ています。要するに打感は微妙だった(笑)
鍛造ボディとウレタン・マイクロスフィアの効果により振動はわずかに抑えられているものの、柔らかさが際立つタイプでは程遠く感じました。
弾き感を求める人には好まれるかもしれませんが、柔らかいフィーリングを期待する人にはたぶん微妙に感じられるかもしれません。筆者的には微妙でした。
打音についてもやや高め。
キャロウェイ APEX Ai150アイアンの良かった所・微妙な所
キャロウェイ APEX Ai150アイアンの性能評価チャート
飛距離性能とキャリーの安定性で非常に高い評価となりました。AIフェースによる補正が効き、直進性や許容性もツアー系アイアンとしてはかなり優秀な部類に入ります。
高さも十分に確保でき、高速グリーンへの対応力もありますね。
一方で、打感に関しては中空らしい硬さが残り、評価は5.5点とやや厳しめにはなりました。フィーリングを重視する人にとってはちょっと物足りないかもしれません。
総合すると、直進性と飛距離をまずは望みつつ、安定してピンを狙いたい競技志向の人に適したアイアンと言えます。フィーリングよりも結果を重視する方にとっては良い選択肢ですね。
まとめ

前作APEX PRO(2023)と比較すると、ロフトは全体的にストロング化され、飛距離が伸びやすくなっています。それでいて高さはしっかり出てくれるので、明確に進化していると言っていいでしょう。
さらにトップブレードが薄く、フェース面積もコンパクト化され、構えたときの精悍さが増しました。バックフェースもよりマッスルバック風のデザインへと進化し、ビジュアルもかっこよくなっている点も素晴らしい。
これに加えて、最新のAiフェースによって打点補正能力が向上し、弾道の安定性が格段に増している点も大きな進化ポイントです。
一方で打感は中空らしい硬質さが残り、柔らかさを求める人には物足りない部分もあります。というか前作とほぼ一緒ですね。
総合的に見て、シャープな中空アイアンとしてはめちゃくちゃ完成度高いので、直進性や結果の安定性など、結果を一番重視する方にはおすすめです。
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