試打&評価

【試打評価】キャロウェイ X FORGED MAXアイアン|トラックマン4で飛距離計測

キャロウェイ X FORGED MAXアイアン試打評価レビュー

今回取り上げるのはキャロウェイ X FORGED MAXアイアン。こちらの試打計測を行ったのでレビューします。

計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

関連【限定ブラック】キャロウェイ ELYTE ナイトエディション ドライバーが発売!特徴&取扱いショップ情報

トラックマン4

先に結論から言っておくと、X FORGED MAXは、軟鉄鍛造らしい心地よい打感を残しながら、飛距離・高さ・直進性のバランスに優れた、やさしく狙える“飛び系軟鉄アイアン”。操作性もある程度備えつつ、ミスに強く、実戦での安心感が非常に高い完成度でした。

まさ
まさ
サイト運営者のまさです。ツイッターYoutubeインスタグラムnoteもやってます。フォローよろしくお願いします

キャロウェイ X FORGED MAXアイアンの概要とデザイン

キャロウェイ X FORGED MAXアイアン

キャロウェイ X FORGED MAXアイアンは、軟鉄鍛造アイアンのフィーリングを保ちつつ、飛距離と寛容性をしっかりと引き出すよう設計された、まさに“飛んでやさしい”鍛造モデルです。従来のX FORGEDシリーズと比べてやや幅広いゴルファー層を意識していて、中・上級者はもちろん、ある程度オートマチックに打ちたいというゴルファーにもマッチするモデルに仕上がっているのかなと思います。

キャロウェイ X FORGED MAXアイアンのバックフェース

テクノロジー面で特筆すべきは、軟鉄一体鍛造でありながらCNC加工によってトウ・ヒール部に施された小さなポケットキャビティ構造です。これにより、内部に生まれた余剰重量をトウ側・ヒール側の周辺部に再配分することができ、重心位置の最適化と慣性モーメントの向上を実現。ミスヒットへの強さが生まれ、軟鉄アイアンでは得がたい安定感がプラスされています。

さらに、打点の真裏には肉厚部分をしっかり残してあるため、芯で捉えたときの打感は非常にソリッドかつ柔らかいのが印象的です。ポケット構造特有の「弾きすぎる感覚」や打音のチープさとは無縁で、あくまで“軟鉄鍛造らしさ”を残した仕上がりになっています。

キャロウェイ X FORGED MAXアイアンのソール形状
キャロウェイ X FORGED MAXアイアンのヘッド形状横から

また、本モデルにはキャロウェイ伝統のトライレベルソール(3段設計ソール)も採用。リーディングエッジとトレーリングエッジを削り込むことで、ダフリに強く、芝の上を滑るように抜けてくれる感覚が得られます。

特にアイアンショットで地面とのコンタクトを気にする方でも、この“抜けの良さ”が大きな安心材料になるんじゃないでしょうか。

キャロウェイ X FORGED MAXアイアンのバックフェース2

バックフェースには、日本の伝統工芸である「江戸切子」から着想を得た“X”字の刻印が印象的に配置されており、ヘッド全体に精緻で洗練された雰囲気を出しています。ポケットの開口部も含めて、デザイン性と機能性のバランスが見事に取れており、「ただ飛ぶだけの軟鉄アイアン」とは一線を画す完成度に感じます。

キャロウェイ X FORGED MAXアイアンのヘッド形状2
キャロウェイ X FORGED MAXアイアンのヘッド形状1

構えた際の顔つきもとても自然で、適度なボリューム感とシャープさが絶妙に同居したヘッド形状。グースネックは控えめで、違和感なくターゲットに合わせられる顔つきながら、適度な安心感もあるため、中級者以上にも構えやすいと感じさせる印象です。

スペックは下記。

番手 ロフト角(°) ライ角(°) バウンス角(°) 長さ(インチ) オフセット(mm) バランス 素材/製法
#5 25 61.0 4.0 38.00 3.2 D2 軟鉄(S20C)鍛造+CNCポケット加工
#6 28 61.5 5.0 37.50 3.0 D2 軟鉄(S20C)鍛造+CNCポケット加工
#7 32 62.0 6.0 37.00 2.8 D2 軟鉄(S20C)鍛造+CNCポケット加工
#8 36 62.5 7.0 36.50 2.5 D2 軟鉄(S20C)鍛造+CNCポケット加工
#9 40 63.0 8.0 36.00 2.2 D2 軟鉄(S20C)鍛造+CNCポケット加工
PW 45 63.5 9.0 35.75 2.0 D3 軟鉄(S20C)鍛造+CNCポケット加工


キャロウェイ X FORGED MAXアイアンの試打計測データ

今回の試打では、ヘッドにX FORGED MAXアイアンの7版を使用し、シャフトは「モーダス105 S。計測器はトラックマン4です。

まさ
まさ

試打計測の平均データが下記

2024年以降はアイアンはヘッドスピード37m/s〜39m/sの範囲内での計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。

計測項目平均値
クラブスピード38.1 m/s
ボールスピード51.5 m/s
スマッシュファクター1.35
打ち出し角20.6°
スピン量6,119 rpm
キャリー159.5 yd
トータル165.8 yd
最高到達点(Apex)34.4 yd
着弾角度(Landing)50.5°
スピン軸角(Spin Axis)-4.5°
曲がり幅(Curve)6.6 yd(左)
左右ブレ(Carry Side)2.9 yd(左)

実測では、飛距離・弾道の高さ・スピン量のバランスが非常に優れており、直進性の高い安定した弾道を描く結果となりました。

飛距離性能と上がりやすさの分析

キャロウェイ X FORGED MAXアイアンのトラックマン計測データ4

X FORGED MAXアイアン(7番・ロフト32°)の平均キャリーは159.5ヤード。ヘッドスピード38.1m/sという実戦的なスピード帯での試打において、飛距離・高さ・スピン量のいずれも高次元でバランスが取れたデータです。

スマッシュファクターは1.35(アイアンの場合)と非常に高く、軟鉄鍛造かつフェース一体構造でこれだけの効率が出ているのはかなり優秀です。これは、トウとヒールにCNC加工で施された小さなポケット構造によって余剰重量が効果的に外周に配分され、ミート率と反発効率が高まっていることが大きな要因と考えられます。

打ち出し角は20.6°、スピン量は6,119rpm、最高到達点は34.4ヤードと、いずれも理想的な範囲内。弾道が高く、キャリーでしっかり距離を稼ぎつつ、グリーンでも止めやすい弾道になっています。着弾角も50.5°とめちゃくちゃ鋭く、スピン量との相乗効果で「止める力」をしっかり確保していると言えます。

キャロウェイ X FORGED MAXアイアンのトラックマン計測データ3

ここで注目したいのが、サイト内で過去に試打したロフト32°前後の他モデルとの比較です。たとえば、PING i230やMizuno Pro 243、タイトリスト T150といった同クラスのモデルでは、ヘッドスピード38m/s前後でのキャリーは平均155〜157ヤード前後が多く、X FORGED MAXの159.5ヤードという数値は一歩抜けた飛距離性能だったかなと思います。

単に飛ぶだけでなく、高さやスピンとのバランスを維持したままこの距離が出ている点は、他モデルと比較しても際立っているところもアドバンテージと言えます。

弾道や球筋、方向性の分析

キャロウェイ X FORGED MAXアイアンの分散

X FORGED MAXアイアンの弾道は、高弾道かつ軽いドロー系の安定した球筋が特徴です。平均のスピン軸角は-4.5°で、やや左に曲がる傾向は見られましたが、いずれも安定域(±6°)に収まっており、過剰に捕まりすぎるような挙動は感じませんでした。

実際、10球前後の試打でも、明らかに左へ引っかかるような事はなく、コントロール可能な軽ドローといった印象です。

左右の曲がり幅は平均6.6ヤード、キャリー時の左右ブレは2.9ヤードと、いずれも非常に小さく、直進性の高さと方向のばらつきの少なさが際立つ結果となりました。

トウ・ヒールにポケット構造を設けたことで慣性モーメントが高まり、ミスヒット時のフェースのブレが最小限に抑えられていることが、この安定感に大きく貢献していると考えられます。

キャロウェイ X FORGED MAXアイアンのトラックマン計測データ1

また、打ち出し方向はほぼストレートからやや右目で、打ち出し角のバラつきも小さいため、ターゲットに対して素直に構えやすく、狙った方向に打ち出せる安心感があります。

操作性という観点では、完全なストレート弾道ではなく、軽いドロー傾向があるため、持ち球がドローの方には非常にフィーリングが合いやすく特に相性は良さげ。フェード系のプレーヤーにとっては過度につかまりすぎる印象は少ないはずです。

ネックのグースも控えめで、構えたときの見た目と実際の球のつかまり具合にギャップがないのも好印象でした。

キャロウェイ X FORGED MAXアイアンのトラックマン計測データ2

結果として、X FORGED MAXは「曲がらなすぎてつまらない」というタイプの直進系ではなく、ある程度の操作性とプレーヤーの球筋を活かしながら、方向のブレを抑えてくれる“狙いやすい安定型”の球筋設計だと評価します。

ライン通りに出せること、ブレが小さいこと、そして高さがしっかり出ること。この3つを兼ね備えたアイアンは、実戦で非常に頼りになる存在かなと思いますね。

キャロウェイ X FORGED MAXアイアンのフィーリング

キャロウェイ X FORGED MAXアイアンのフェースと打感

実際に打ってまず印象に残るのは、軟鉄鍛造らしい柔らかく厚みのある打感です。芯で捉えたときの感触は非常にソリッドで、フェースにボールが乗る時間がしっかり感じられるような、吸い付くようなフィーリング。ポケット構造が入っているとは思えないほど一体感があり、打ち出しの強さとフィードバックの両方をしっかりと感じ取れます。

特に好印象だったのが、“芯の位置がはっきり伝わる”感覚。打点がズレた際にも打感が極端に変わることはなく、手に残る振動も比較的マイルド。トウ・ヒール方向に少し外しても、フェース全体がしっかり反応してくれる印象があり、ミスヒットへの寛容性の高さと打感の一貫性がうまく両立しています。

キャロウェイ X FORGED MAXアイアンの良かった所・微妙な所

良かった点
微妙な点
  • 飛距離・高さ・スピンのバランスが非常に良く、狙ったキャリーが出しやすい
  • スマッシュ1.35の高効率で、軟鉄鍛造とは思えない初速性能
  • 芯を外しても打感が崩れにくく、許容性とフィーリングが両立している
  • 直進性が高く、軽いドロー傾向で球筋が安定している
  • 操作性はあるが、完全なストレートやフェードを打ちたい人にはやや捕まりすぎる印象もある

性能評価チャート

X FORGED MAXアイアンは、軟鉄鍛造アイアンらしい打感とコントロール性を備えながら、ポケット構造による飛距離性能と直進性の高さも両立した、非常に完成度の高いモデルです。飛びすぎることなく、キャリーと高さのバランスが良く、競技志向のゴルファーにも受け入れられる“狙える飛び系軟鉄”といえる性能を備えていました。

X FORGED MAXアイアン
飛距離
9.5/10
高さ・弾道安定性
9/10
スピン性能
8/10
つかまり
7.5/10
寛容性
8.5/10
操作性
7/10
距離の安定感
8.5/10
打感
9/10

ご覧のとおり、全体的に8点台〜9点台が並ぶ、非常にバランスの良い仕上がりとなっていたかなと思います。

特に飛距離・高さ・直進性・打感といった“武器になる要素”が明確で、同ロフト帯の他モデルと比べても総合力の高さが光るアイアンといえるでしょう。

まとめ

キャロウェイ X FORGED MAXアイアン

X FORGED MAXアイアンは、飛距離性能、弾道の高さ、スピン量、方向安定性のバランスが非常に良く、まさに「飛ぶ軟鉄アイアンの理想形」と言える完成度の高いアイアンでした。特に印象的だったのは、ロフト32°という設定ながらキャリーがしっかり伸びる点と、それでいて弾道が高く、グリーンで止まる球が自然に打てるという点。飛ぶけれど“吹けない”、上がるけれど“止まる”という、実戦で欲しい性能が過不足なく備わっていたという感じです。

一方で、ドローバイアス傾向ではあるため、もともとつかまりすぎが気になる方やフェードで球をまとめたい方にとっては、少し捕まりすぎると感じる可能性があるのかなという印象でした。ストレートやフェードを求める場合は、ネック形状や球筋との相性を確認しておくのがベターです。

また、飛距離と寛容性の設計が前提にあるため、極端な操作性を求める人にはやや大人しい挙動に感じられるかもしれません。

それでも、軟鉄鍛造らしい打感の良さと、ポケット構造による高初速・高慣性モーメントのやさしさが高い次元で融合しており、「もう少しやさしい軟鉄アイアンが欲しい」「ただ飛ぶだけじゃなく、狙って止めたい」という方には非常におすすめできるモデルです。

飛距離系の軟鉄アイアンを探している方、そして“打っていて気持ちいいけどミスにも強い”という安心感を求める方にとっては選択肢に入れてもらいたいです。

合わせて読みたい

関連アイアンおすすめ人気ランキング|中級者・初心者などレベル別に厳選

関連【試打評価】PING i230アイアン|ほぼ弱点なしの最高のアイアン。優勝です【口コミ・評判】

関連【試打評価】キャロウェイ ELYTE MINI ドライバー|トラックマン4で飛距離計測

関連【試打評価】キャロウェイ ELYTE TITANIUM フェアウェイウッド|トラックマン4で飛距離計測

関連【試打評価】キャロウェイ ELYTE ユーティリティ|トラックマン4で飛距離計測

関連【試打評価】キャロウェイ ELYTEアイアン|トラックマン4で計測

ABOUT ME
まさ
ゴルフメーカーとゴルフショップで合計15年間働いた経験を元にゴルフに関するギア(クラブや計測器など)をわかりやすく紹介しています。ベストスコアは69 ショップ勤務時代に、クラフトマンとして修理・カスタマイズ技術を習得。現在もクラブ修理全般こなすクラブマニア。 Twitter、インスタグラム、Youtubeと各種SNSも運営していますので、フォローよろしくお願いします。 プロフィールはこちら
一緒に読まれている記事