「テーラーメイド Qi4D TOUR フェアウェイウッド」の試打計測を行ったのでレビューしていきます。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)
テーラーメイドの2026年モデル「Qi4D」シリーズのフェアウェイウッドですが、今回取り上げるのはシリーズの中でもアスリート向けに位置づけされている「TOUR」モデル。
テーラーメイドのフェアウェイウッドは契約外プロからの人気も非常に高い事で知られていますが、その系譜を受け継ぐQi4D TOURがどこまで進化しているのかチェックしていきます。
【結論】初速性能と方向安定性が歴代テーラーメイドFWの中でも最上クラス

結論から言っておくと、初速性能と方向安定性が今まで計測してきたテーラーのフェアウェイウッドの中でもトップクラスの仕上がりでした。
飛距離に直結する初速が上がったことに加え、バックスピン量も2853回転と、低スピンで球質も強いです。これによりキャリー239.3ヤード、トータル258ヤードと、当サイトの基準値(キャリー230yd/トータル250yd)を上回りました。
そしてなにより驚いたのが方向安定性です。曲がり幅がわずか5.8ヤード(左)で、かなりタイト。左右にねじれにくい安定したストレートドローが出てくれるので、実戦での信頼感は相当高いです。
3つの可変ウェイトが搭載されており、弾道のカスタマイズ性が高い点も嬉しいポイント。飛距離と操作性の両立という観点で見ると、非常にレベルの高いフェアウェイウッドです。
テーラーメイド Qi4D TOUR フェアウェイウッドのデザインと概要

「Qi4D」のロゴがソール面に刻まれています。前作Qi35と同じくブラック基調で統一感のあるデザインです


構えてみるとフェースアングルはほぼストレート。すんなり構えられます。
TOURモデルらしくヘッド形状はやや引き締まった洋梨型で、スタンダードモデルよりもシャープです。

横から見るとそこそこシャローな形状。

フェースにはテーラーメイドお馴染みの「Twist Face(ツイストフェース)」が搭載されています。トゥ側とヒール側の打点ブレに対して補正が入るよう、フェースにねじれを加えている構造です。フェアウェイウッドはドライバーと比べて打点が散りやすいので、この補正は実戦で効いてきます。

ソールを見るとTOURモデル独自の仕様がよくわかります。まず目を引くのが3つの可変ウェイト。フェース寄りとバック寄りにそれぞれウェイトが配置されており、入れ替えることで弾道の微調整が可能です。

ソール前方にはおなじみの「Speed Pocket」も搭載。フェース下部で打った際のボールスピード低下を抑制してくれる構造で、テーラーメイドのフェアウェイウッドでは定番のテクノロジーです。
ロフトスリーブ(カチャカチャ)も搭載されていますので、好みのシャフトへの交換はもちろん、ロフトを±1.5°の範囲で変更できるので、弾道の高さやスピン量をある程度コントロールできます。
トラックマンによる試打計測データ

計測スペック:3番ウッド(15°)、三菱ケミカル製 6Sシャフト
2024年よりフェアウェイウッド(主に3番ウッド)での計測ヘッドスピードは約43m/s前後での計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
平均計測データ
| 項目 | Qi4D TOUR FW |
|---|---|
| H/S (m/s) | 43.4 |
| B/S (m/s) | 64.5 |
| 打ち出し角(度) | 15.5 |
| 打ち出し方向(度) | 2.0 |
| バックスピン(rpm) | 2853 |
| スピン軸(度) | -3.0(左) |
| 最高到達点(yd) | 36.5 |
| 降下角度(度) | 42.5 |
| 曲がり幅(yd) | -5.8(左) |
| 左右ブレ(yd) | 2.4(右) |
| キャリー(yd) | 239.3 |
| 総距離(yd) | 258.0 |
| スマッシュファクター | 1.49 |
※平均値はトラックマンの全ショットデータ(下記に表示の4ショット以外も含む)から算出しています
各ショットデータ(代表4球)
| Shot | H/S m/s |
B/S m/s |
打出角 度 |
スピン rpm |
キャリー yds |
トータル yds |
スピン軸 度 |
曲がり yds |
最高点 yds |
降下角 度 |
SF | 左右 yds |
打出方向 度 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 43.8 | 65.0 | 16.2 | 3180 | 238.5 | 253.5 | -5.1 | 10.6左 | 40.8 | 46.0 | 1.48 | 1.1右 | 2.8 |
| 2 | 43.8 | 64.8 | 16.4 | 3230 | 237.3 | 251.8 | -3.2 | 6.7左 | 41.6 | 46.6 | 1.48 | 4.2左 | 0.6 |
| 3 | 43.2 | 64.0 | 15.9 | 2700 | 239.8 | 259.3 | -3.4 | 6.3左 | 36.0 | 41.9 | 1.48 | 1.9左 | 1.1 |
| 4 | 43.4 | 64.6 | 16.4 | 3060 | 238.8 | 254.5 | -3.5 | 7.2左 | 40.3 | 45.5 | 1.49 | 3.6右 | 2.6 |
| ± | 0.3 | 0.4 | 0.8 | 261 | 2.2 | 4.8 | 1.8 | 3.6 | 3.6 | 3.0 | 0.01 | 6.6 | 1.1 |
当サイトのフェアウェイウッド(H/S 43m/sあたりで打った場合)の基準としては、キャリー230ヤード、トータルで言えば250ヤードを超えてくると「よく飛んでいるな!」となります。キャリー240ヤード以上は別格です。
Qi4D TOUR フェアウェイウッドはキャリー239.3ヤード、トータル258.0ヤードと、両基準を楽勝でクリア。キャリーに関しては240ヤードにあと一歩という別格レベルに迫っています。
代表4球で見てもキャリーは237.3~239.8ヤードの間に全て収まっており、レンジがわずか2.5ヤード。キャリーの偏差が±2.2ヤードというのはフェアウェイウッドとしては驚異的な安定感です。「打てば確実に飛ぶ」と表現して差し支えないレベルですね。

ここで飛距離の要因を分析すると、最も大きいのはスマッシュファクター(ミート率)の高さです。平均1.49というのは今まで計測してきたフェアウェイウッドの中でもトップの数値。
偏差も±0.01で、打点がブレてもスマッシュファクターがほとんど落ちていません。打点ミスに対する許容性の高さが窺えます。
スピン量の分析

バックスピン量は平均2853回転。個別ショットでは最低2700回転(Shot 3)、最高3230回転(Shot 2)で、530回転ほどのレンジがあります。
ここが面白いポイントなのですが、スピンが最も少なかったShot 3(2700回転)ではキャリー239.8ヤード・トータル259.3ヤードとベスト飛距離を記録。逆にスピンが最も多かったShot 2(3230回転)でもキャリー237.3ヤードを確保しています。
つまりスピンが500回転以上ブレてもキャリーの差はわずか2.5ヤード。スピン量に対する飛距離のロバスト性(堅牢さ)が非常に高いと言えます。
平均2853回転という値は、ちょうど「飛距離を出しつつもグリーンで止められる」バランスの取れた領域です。
なおトラックマンの全球データ平均(2853回転)は、代表4球の計算平均(3042.5回転)よりも低くなっています。つまり代表4球以外にはさらにスピンが少ないショットも含まれているということで、このヘッドは打ち方次第で低スピンの強弾道も引き出せるポテンシャルを持っています。
テーラーメイド Qi4D TOUR フェアウェイウッドの弾道と方向性
球筋の傾向

弾道はゆるやかなドローが基本です。スピン軸は平均-3.0°(左)で、曲がり幅は5.8ヤード(左)。
打出し方向が平均2.0°右に出て、そこからゆるやかに左に戻ってくるプッシュドロー系の球筋です。筆者はドローヒッターですが、過度に捕まりすぎるという感覚はなく、素直にまっすぐ出てほんのり左に帰ってくるという安心感のある弾道でした。
ちなみにShot 1だけスピン軸-5.1°・曲がり10.6ヤード(左)とやや大きめのドローが出ていますが、これが最大曲がり幅。それ以外は6~7ヤード程度に収まっていて、ブレ幅が小さいです。
方向安定性の分析

散布図を見ると、全球が230~250ヤード圏内に集中しており、左右のバラつきもかなりタイトですし、ここまで安定してくるフェアウェイウッドは少ないので素晴らしいです。
左右のブレ幅(キャリーサイド)も見てみると、平均2.4ヤード右着弾。個別ショットでは4.2ヤード左から3.6ヤード右までの範囲で、つまり約8ヤード幅に全球が収まっています。
ティーショットでもセカンドでも引っ掛けの怖さがないので、しっかり叩いていける安心感があります。
一方で右にプッシュアウトする傾向はわずかにあるので、スライサーの方にとってはちょっと使いにくさがあるかもしれません。
テーラーメイド Qi4D TOUR フェアウェイウッドのフィーリング

3番ウッドのフェースはチタンフェースが採用されていますが、弾き感が非常に気持ちいいです。
打音は中~高めのトーンで、金属特有の爽快感がある音です。テーラーメイドのフェアウェイウッドは歴代を通じて打感のフィーリングに大きな変化はありませんが、安定してるので個人的にはかなり好みですし、なにより初速の速さが体感レベルでわかるの良いです。
良かった点と微妙な点
良かったところ
- スマッシュファクター1.49と初速性能が歴代FWの中でもトップ。偏差±0.01で打点ブレへの耐性も高い
- 飛ぶ!飛距離基準を大幅クリア。キャリーの偏差±2.2ydで再現性も抜群
- 方向安定性が最上級。引っ掛けを気にせず叩いていける
- 2つの可変ウェイト(TAS)搭載で弾道の微調整ができる
- ロフトスリーブ(カチャカチャ)搭載でロフト・ライ角の調整と好みのシャフトへの交換が可能
微妙なところ
- TOURモデルなので捕まりは強くない。左右ブレの平均が2.4ヤード右着弾で、スライサーには使いにくい面がある
- 2つのウェイト調整は上級者には嬉しいが、セッティングの手間が増えるという見方もある
データチャート
| 評価項目 | スコア |
|---|---|
| 飛距離 | 10 / 10 |
| 上がりやすさ | 7 / 10 |
| つかまり | 5 / 10 |
| 寛容性 | 7 / 10 |
| 操作性 | 9 / 10 |
| 打感 | 9 / 10 |
| 安心感 | 7 / 10 |
飛距離性能は文句なしの満点。キャリー239ヤード・トータル258ヤードというデータに加え、偏差±2.2ヤードという再現性の高さも加味して10点をつけました。スマッシュファクター1.49という数値が示す通り、インパクト効率が飛び抜けて高いヘッドです。
操作性も9点と高評価。上述の通り、スピン量の振れ幅によって弾道の高低が自然にコントロールでき、さらに2つの可変ウェイトとロフトスリーブによるカスタマイズ性の高さが光ります。
捕まりは5点としました。これはネガティブな意味ではなく、TOURモデルとして求められるニュートラルなバイアス設計の結果です。捕まりすぎて左にミスするリスクが低いため、中~上級者がしっかり叩いていく使い方に適しています。
上がりやすさは7点。最高到達点36.5ヤード、降下角度42.5°というのは悪い数値ではないですが、スピンが入った時(40ヤード超え/46°超え)と入らない時(36ヤード/42°)で差が出ます。
まとめ

Qi4D TOUR フェアウェイウッドは、テーラーメイドの歴代FWの中でも「初速性能」と「方向安定性」が頭ひとつ抜けたモデルでした。
そしてただ飛ぶだけではなく、曲がり幅5.8ヤード(左)という方向安定性の高さが素晴らしい。飛んで曲がらないというのは、フェアウェイウッドにおいて最も重要な要素であり、そこを高いレベルで両立しているのは評価できます。
バックスピン量2853回転は低スピンですが、打ち方次第で3200回転以上も出せるので、グリーンを狙いたい場面でもスピンが足りないという心配は少ないです。
しっかり叩いて飛距離も方向性も安定させたいという方にとっては、現時点で有力な候補になると思います。素直におすすめです。
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