試打&評価

【試打評価】テーラーメイド P790(2025) アイアン|トラックマン4で飛距離計測

テーラーメイド P790(2025) アイアンの試打評価レビュー

今回取り上げるのは「テーラーメイド P790(2025) アイアン」。こちらの試打計測を行ったのでレビューします

計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

トラックマン4

結論から言うと、テーラーメイド「P790(2025)」は、飛距離と方向安定性のバランスがとても良い、完成度の高い中空アイアンでした。

キャリー性能は前作をしっかりと上回り、ミスヒットへの強さも向上。飛び系にありがちな“オートマ感”はほどほどに、操作性や構えやすさもキープされていた、という評価です。

一方で、打感は以前としてやや硬めで中空感は今作でも払拭できていませんでした。という事なんでフェースに乗る柔らかいフィーリングに期待をしていた方は合わないかもしれません。ただ、総じて非常に実戦向きで、飛距離を求めながらも「狙える中空アイアン」を探している方にはピッタリのアイアンだと言えます。

まさ
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テーラーメイド P790(2025) アイアンの特徴とデザイン

テーラーメイド P790(2025) アイアン

P790(2025)は、軟鉄鍛造ボディに高強度の4340Mフェースを組み合わせた中空構造。外観は相変わらずシャープで美しい仕上がりですが、その中身にはテーラーメイドのテクノロジーが詰まっています。

テーラーメイド P790(2025) アイアンのフェースと打感

今作の注目すべきはフェース素材の進化で、従来比で約20%強度が高まったことでさらに薄肉化が可能になり、反発性能とスイートエリアの拡大に成功したというのがトピック。

また、中空部分には軽量の「SpeedFoam Air」を充填。振動吸収と重量配分の最適化を両立しており、飛距離性能に直結しています。

さらに、「FLTD CG(番手別重心設計)」を採用したことで、ロング番手は低重心で高弾道、ショート番手は高重心でスピンが入りやすい設計になっている。

まあ基本的にはフェース素材の進化がメインで、その他には目立った違いはそこまで感じないのも正直なところです。

テーラーメイド P790(2025) アイアンのトウウェイト

トウ側には最大40gのタングステンが搭載され、オフセンターヒットにも強くなっています。まあここもいつもどおり。

テーラーメイド P790(2025) アイアンのトップブレード
テーラーメイド P790(2025) アイアンのヘッド形状3

構えた際の印象も非常に良好で、実際のヘッド画像でもわかるようにトップブレードはかなりシャープ。トップブレードについてはテーラーの中空シリーズでは過去最も薄い仕上がりだとか。

ネックとのつながりもスムーズで、ターゲットにフェースが自然と向きやすく、ラインを出すイメージがしっかり湧きます。

テーラーメイド P790(2025) アイアンのソール形状

テーラーメイド P790(2025) アイアン試打計測データ(トラックマン4)

計測スペック:30°、シャフト:NS PRO MODUS3 TOUR 105(S)(純正装着シャフト)(純正)

テーラーメイド P790(2025) アイアンのトラックマン計測データ1
まさ
まさ

P790アイアンの試打計測の平均データが下記

2024年よりアイアンはヘッドスピード37m/s~38m/sでの計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。

項目平均値
ヘッドスピード37.3 m/s
ボールスピード51.3 m/s
打ち出し角19.6°
打ち出し方向-1.6°
バックスピン量4878 rpm
スピン軸-1.5°
最高到達点31.8 yd
キャリー165.9 yd
トータル176.0 yd
曲がり幅-2.1 yd
左右ブレ-5.8 yd
落下角度47.1°
スマッシュファクター1.38

飛距離・高さ・スピンの分析

テーラーメイド P790(2025) アイアントラックマン計測データ2

P790(2025)は、まず「飛距離」がとにかく優秀です。7番アイアンでキャリー165.9ydというのは、ノーマルロフト(34〜32°)の6番アイアンに近い飛び方。30°のストロングロフトらしい強さがありますが、特筆すべきはその「初速性能の優秀さ」と「弾道の高さ」です。

平均ボールスピードは51.3m/s、スマッシュファクターも1.38とかなり高効率。しっかりミートできれば、ヘッドの力をロスなくボールに伝えて飛ばせる設計であることは間違いありません。飛びについては前作を超えていたので自ずと評価は高くなりますね。

さらに打ち出し角は19.6°、最高到達点は31.8ydと高め、落下角も47.1°と鋭く落ちてきます。つまり、高く上がって、キュッと落ちて止まる理想的な弾道にはなっています。

テーラーメイド P790(2025) アイアンのトラックマン計測データ3

一方で、スピン量は平均4878rpm。これは数値としてはやや少なめ。ただし弾道の高さと角度があるので「止まりにくさ」は全く感じなかったです。むしろ、風に強く、前へ伸びる強い球が打てる印象だった感じです。

また、上下の打点ブレに対しても強く、多少打ち込んだり薄く当たっても、キャリーのズレが小さいのが好印象でした。フェース全体でボールをしっかり弾いてくれる感じがあり、縦距離のバラつきがとても少ないのもP790の大きな強みと言えます。

弾道分布と安定性

テーラーメイド P790(2025) アイアンの分散

P790(2025)を打っていて特に感じたのが、「曲がりにくさ」と「まとまりの良さ」です。実際の計測データでも、縦方向(キャリーのばらつき)は約12yd、横方向(左右ブレ)も15yd前後におさまっていて、かなり集まりの良い分布になっていました。

ボールの出方としては、軽めのドロー傾向(約7yd左)で安定して出ており、つかまりすぎることもなく、極端に右へ抜けるミスもなし。スピン軸は−1.5°と、自然なドロー回転がかかっている状態です。とにかく弾道が落ちついていました。

テーラーメイド P790(2025) アイアンのトラックマン計測データ4

さらに印象的だったのは、「毎回ほぼ同じ弾道が出る」こと。ラインも高さも大きくブレないので、グリーンを狙って打つときにとても安心感があります。大きく曲げたい操作派よりも、再現性や安定感を求める方の方が相性は良さげ。

中級者以上で“曲がらない飛び系”を探している方には間違いなく武器になると思います。

フィーリング(打感・打音・操作性)

テーラーメイド P790(2025) アイアンのフェースと打感

打感について

中空構造らしいシャープな弾き感があり、フェースの反発力をダイレクトに感じる打感です。つまり硬め。

芯を捉えたときはスピード感のあるインパクトが気持ちよく、初速の速さも十分。一方で、フェースに乗るような“しっとり感”や粘りは少なめ。柔らかさ重視の方にはやや物足りないかもしれません。

打音について

やや高めの金属音で、インパクトの強さを音でも感じられます。芯を外すと音の変化が大きく、打点のフィードバック性能は高め。

全体的には爽快な打音ですが、少し硬質に感じる場面もあり、好みは分かれる印象です。

構えやすさと安心感について

テーラーメイド P790(2025) アイアンのトップブレード

トップブレードが薄く、ネックとの流れも自然。アドレス時にフェース面がターゲットに合わせやすく、すっきりと構えられます。

中空アイアンにありがちな“ボテッと感”がなく、シャープな見た目ながら、適度なヘッドサイズで安心感も両立しています。

操作性とラインの出しやすさについて

基本的には直進性が高く、ミスにも強い挙動。とはいえフェースコントロールには素直に反応してくれるので、軽いフェード・ドローの打ち分けやライン出しも可能で大きな操作よりも、狙った弾道を“再現性高く”打ちたい方に向いています。

良かった点と微妙な点

良かったところ

  1. 飛距離性能が明確に向上し、キャリー170yd近くを安定して出せる
  2. トウ側のミスにも強く、左右のバラつきがとにかく少ない
  3. シャープで構えやすく、高級感あるデザインで所有感も◎

微妙なところ

  1. 打感は中空らしく硬め。柔らかさ重視の方には向かないかも
  2. バックスピン量はやや控えめで、高さと落下角頼りの止まり方

性能評価チャート

テーラーメイド P790 アイアン
飛距離
9/10
高さ・弾道安定性
9/10
スピン性能
7/10
つかまり
8/10
寛容性
9/10
操作性
8/10
打感
6/10

P790(2025)は飛距離・安定性・構えやすさの三拍子が揃った実戦型中空アイアンです。打ち出し角がしっかり出て、バックスピン量が少な目ながら高さと落下角で止める弾道が打てるため、風にも強く、キャリーで攻めやすい設計になっているかなと思います。

また、寛容性が高く、左右のブレが少ない点も強み。スピン軸や打ち出し方向のバラつきが小さいため、ショットの再現性に優れており、ピンをデッドに狙っていける安心感があります。一方で、打感やスピンの入り方に“中空らしさ”を感じる場面もあるため、ここにこだわる方はフィーリングの好みで判断したいところです。

総合的には「飛んで・狙えて・安定する」という要素を高レベルでまとめた完成度の高いモデルで、中空アイアンをこれから取り入れたい方にも、前作からの買い替えを検討している方にも、自信を持っておすすめできる仕上がりだったかなと思います。

カスタムの提案

P790はやや低スピン傾向なのが気になったので、「もう少しスピンで止めたい」「打感をマイルドにしたい」といった方にはシャフトでの調整もおすすめです。

以下の個人的な提案を載せておきます。

シャフト名種類特徴/おすすめポイント
Dynamic Gold S200スチール高スピン・低弾道。打感もやや柔らかくなる
MODUS3 TOUR 120スチール粘り系で中弾道。操作性を重視する方に
KBS TOURスチール高スピン・高打ち出し。グリーンで止めやすい
DG 105/95スチール軽量タイプ。DGの挙動でスピンを維持
Fujikura MCI Blackカーボントルク大きめでスピンを入れやすい設計
RAUNE i90カーボンつかまり&安定感のあるバランス系

まとめ

テーラーメイド P790(2025) アイアン

P790(2025)は、「飛距離が出て、でも狙えるアイアンが欲しい」といった中〜上級者にこそハマる完成度の高い中空モデルです。

高弾道+鋭角な落下でグリーンにしっかり止められる弾道が魅力的ですし、トウ・ヒールの打点ズレにも強く、ミスの寛容性もバッチリです。

一方で、打感はやや硬めで“弾く感じ”が強く出るため、柔らかさや粘りを重視したい方には合わないかもしれません。また、止まり方がスピンというより高さと角度に依存している点も、グリーンコンディションによっては気をつけたいところ。

とはいえ、総合的な完成度は非常に高く、「見た目もカッコよく、飛んで止まって、やさしい」そんなバランスのいいアイアンを探している方にとっては、間違いなく第一候補に入るモデルです!

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まさ
ゴルフメーカーとゴルフショップで合計15年間働いた経験を元にゴルフに関するギア(クラブや計測器など)をわかりやすく紹介しています。ベストスコアは69 ショップ勤務時代に、クラフトマンとして修理・カスタマイズ技術を習得。現在もクラブ修理全般こなすクラブマニア。 Twitter、インスタグラム、Youtubeと各種SNSも運営していますので、フォローよろしくお願いします。 プロフィールはこちら
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