テーラーメイド P8CBアイアンの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

テーラーメイドのPシリーズは中空タイプか、ガチのツアータイプのハーフキャビティやマッスルバックがメインだったので、今回のP8CBのようなセミラージの軟鉄アイアンに乗り出してくれたのは嬉しいところ。
というのも個人的にこういったアイアンが好きだからというのあるし、コンパクトすぎるアイアンは基本的にアマチュアが実戦で使うには難易度が高すぎるから。なので、今作には大いに期待していた。
結論から言っておくと、構えやすさや打感の良さといったツアー系の美点を保ちつつ、飛距離性能や方向安定性を高い次元で両立させた実戦向きのキャビティモデルに仕上がっていて大満足。
中弾道かつ直進性に優れた弾道は、距離と方向を正確に揃えたい方にバッチリハマるだろうし、軟鉄鍛造に「やさしさ」を求める人にとっては、かなり有力な選択肢となると思うので、一度は試してもらいたい良作でした。
目次
テーラーメイド P8CBアイアンの概要とデザイン

P8CBアイアンは、テーラーメイドがアジア市場向けに開発した軟鉄鍛造キャビティバックモデルです。
打感や構えやすさといったツアー系モデルの美点を継承しつつ、これまでのPシリーズでは抑えられていた寛容性を大きく引き上げている点が特徴です。
といってもビジュアル的にはシンプルなPシリーズの系譜をしっかりと守っています。

ヘッドにはシリーズ初となるブレード長80mmのワイド設計が採用され、構えた際に適度な安心感がありますね。セミラージって感じです。

番手別にオフセットを段階的に増加させる設計となっており、特にミドルからロングアイアンの番手ではつかまりを意識した調整が加えられています。
このあたりのグース感で好みが分かれそうな印象はあります。

トップブレードの厚みはこのぐらいで、特に厚みがあるようなタイプではなくて比較的薄め。つまりワイドタイプながら野暮ったさをシャープさで補っている形でかなり頑張ってくれています。

7番アイアンではライ角62.5°で、国内モデルのアイアンと比較してみると0.5°から1°ぐらいアップライトです。ここからも捕まりの良さを高めるような意図が感じられる。
素材には高純度のS25C軟鉄を使用し、2000トンプレスで5回鍛造する「コンパクト グレイン フォージング」製法を採用。これにより組織密度が高められ、繊細で厚みがあり尚且つ柔らかな打感を生み出しているとしています。

ヒッティングエリア裏側の肉厚設計も、インパクト時の重厚感を高める要因のひとつになっているでしょう。


ソールには、日本特有の芝質を考慮した「スピードソールデザイン」を採用。適切なバウンス角を持たせつつ、リーディングエッジには緩やかなカーブ、トレーリングエッジには削り込みをいれることで、ライの変化に柔軟に対応する抜けの良さを実現している点も見逃せません。

構造・設計・打感、すべての要素が”やさしく飛ばせる軟鉄鍛造”というコンセプトを形にしたモデルという感じですね。
スペックは下記
番手 | ロフト角(°) | ライ角(°) | クラブ長(インチ) | ヘッド素材 | フェース素材 | 内蔵構造 | バランス(MODUS/950neo) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
#5 | 24 | 61.5 | 38.0 | 8620鋳造+タングステン | S25C鍛造 | セラミックコア内蔵 | D1 / D0 |
#6 | 27 | 62.0 | 37.5 | 8620鋳造 | S25C鍛造 | セラミックコア内蔵 | D2 / D1 |
#7 | 30 | 62.5 | 37.0 | 8620鋳造 | S25C鍛造 | セラミックコア内蔵 | D1 / D0 |
#8 | 34 | 63.0 | 36.5 | 8620鋳造 | S25C鍛造 | セラミックコア内蔵 | D1 / D0 |
#9 | 39 | 63.5 | 36.0 | 8620鋳造 | S25C鍛造 | なし | D2 / D1 |
PW | 44 | 64.0 | 35.75 | 8620鋳造 | S25C鍛造 | なし | D2 / D1 |
テーラーメイド P8CBアイアンの試打計測データ



試打計測の平均データが下記
2024年以降、アイアンはヘッドスピード37tm/s〜39m/sの範囲内での計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
計測項目 | 平均値 |
クラブスピード | 37.4 m/s |
---|---|
ボールスピード | 51.3 m/s |
スマッシュファクター | 1.37 |
打ち出し角 | 17.9° |
スピン量 | 5,513 rpm |
キャリー | 162.5 yd |
トータル距離 | 171.7 yd |
最高到達点 | 29.5 yd |
落下角度 | 46.2° |
スピン軸 | -0.5° |
曲がり幅 | 12.4 yd |
キャリーサイド | 8.2 yd 左 |
打ち出し方向 | -2.8° |
7番アイアンとしては飛距離性能が高く、キャリー162.5yd・トータル171.7ydを記録。
打ち出しはやや低めですが、最高到達点29.5yd・落下角46.2°を確保し、グリーン上でもしっかり止まる弾道ですね。
スピン量は標準的な5,500rpm台。
飛距離性能と上がりやすさの分析

キャリー162.5ヤードは、ロフト30°帯の7番アイアンとしては悪くなくて、飛距離性能の高さが際立っています。
特筆すべきは、初速51.3m/s・スマッシュファクター1.37という効率の良さです。飛距離にはそこそこ期待してもらって良いです。
高さに関してですが、打ち出し角は17.9°とやや抑えめながら、最高到達点は29.5ヤード、落下角46.2°と、グリーンでしっかり止まる軌道を確保。

スピン量は5,513rpmと若干少なめであったことは否めませんが、過度に吹き上がらない中で十分な止めやすさも確保できていたかなというデータでした。
高初速・適正スピン・中弾道という組み合わせで風にも強さがあります。
縦距離の誤差もかなり小さく寛容さも十分だったことを考えても、実戦では再現性の高いキャリーでターゲットを狙える、実用性の高いアイアンに仕上がっていると感じました。非常にイケています。
弾道や球筋、方向性の分析

全体としての弾道は、クセのない素直なストレート系。
スピン軸は平均-0.5°とわずかに左回転に傾いているものの、曲がり幅は12.4ヤード以内に収まり、見た目には左右どちらにも大きく逸れない直線的な球筋が繰り返し出ていました。
打ち出し方向は平均-2.8°で、わずかに左へ出る傾向が見られますが、曲がり自体が非常に小さく、弾道全体の安定性は高く評価できます。

方向性に影響を与えている要素としては、Pシリーズ最大のブレード長や、番手ごとに設計されたオフセット、ライ角62.5°というややアップライトな設定が挙げられます。
これらはすべて、意図せず右へ抜けるのを防ぎ、ラインを出しやすくするための設計意図として理にかなっています。

持ち球を問わず、素直に打ち出せる安心感があり、球筋にクセを出したくないプレーヤーにとっても扱いやすい仕上がりです。
とはいえ個人的にはちょっとアップライト感があるのは正直なところなので、ドローヒッターであればライ角調整も視野に入れても良いのかなと思います。
テーラーメイド P8CBアイアンのフィーリング

インパクト時の打感は、いわゆる“鍛造らしい柔らかさ”一辺倒ではなく、芯のあるしっかりとした感触が前面に出ていた印象です。
フェースに球が乗る感覚は明確で、手応えの中に適度な粘りを感じるバランス型の打感と言えるでしょう。過度にソフトではない分、打点の情報がクリアに伝わり、飛距離重視の設計としては非常に完成度が高いフィーリングでした。
打音は、中音域でやや引き締まった印象。全体として、飛距離を出せるタイプのアイアンとしては非常に洗練されたフィーリングに仕上がっています。かなり良かった。
テーラーメイド P8CBアイアンの性能評価チャート
全体として、P8CBアイアンは「飛ばせて止められる」性能バランスに優れたモデル。
飛距離や方向安定性、許容性といった実戦に直結する要素が高水準でまとまっており、ストレート系の球筋でターゲットを正確に狙いたい人に適しています。
過剰にスピンをかけて止めるタイプではなく、中弾道かつ適正スピンでグリーンを攻略する設計思想が感じられます。
打感は極端にソフトではないものの、芯の強さと手応えの明瞭さがあり、フィーリング面でも十分に高評価が与えられる仕上がりでした。
まとめ

P8CBアイアンは、軟鉄鍛造らしい打感や構えやすさといった“Pシリーズの美点”を継承しながら、やさしさや安定性といった実戦性能を大きく引き上げた、アジア市場向けの完成度の高いモデルでした。
とくに方向性の安定感や縦距離の再現性は際立っており、ストレート系の球筋でターゲットを正確に狙いたいゴルファーにとって、信頼のおける選択肢になるはずです。
飛距離性能は必要十分で、スピンや弾道の高さとのバランスも良好。過剰に球が上がることもなく、風に強い中弾道でコントロールされたキャリーが得られる点も好印象。
打感については芯の強さを感じるタイプで、柔らかさ一辺倒ではないものの、フィードバック性に優れた仕上がりだったと思います。
「ミスに寛容で、狙った距離と方向に打ちやすいアイアン」を求める中上級者に、ぜひ一度試していただきたいアイアンです。
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