【試打評価】テーラーメイド Hi-Toe 5 ウェッジ|30ヤード以内のスピン性能がエグすぎる

テーラーメイドのHi-Toe 5 ウェッジをトラックマン4で試打計測しました。2026年9月に発売された、Hi-Toeシリーズの5代目。
Hi-Toeは大きく張り出したトウとフェース全面の溝が特徴のウェッジで、今作はシリーズで初めて軟鉄鍛造になりました。
結論から言っておくと、スピン性能は想像以上でした。
特に30ヤード近辺のアプローチショットでのスピンは平均7,400回転ほどで圧倒的。しかもフェースを濡らした状態でもスピンが減ることはありませんでした。
ATVソールはバンスがしっかり効いてバンカーも打ちやすく、総じてバランスの良いウェッジです。
ということでデータを見ながらレビューしていきます。

テーラーメイド Hi-Toe 5 ウェッジの計測データ

試打したのは58°のATVグラインド(バウンス11°)で、シャフトはダイナミックゴールド S200。ボールは計測器用のタイトリスト プロV1x(RCT)を使用。

キャリー30〜50ヤードのアプローチを中心に、距離を変えながら計測しています。
| 距離 | 球数 | キャリー | スピン | 打ち出し角 | キャリーとトータルの差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30ヤード | 2球 | 30.2 yd | 7,536 rpm | 30.9° | 10.3 yd |
| 40ヤード | 4球 | 39.5 yd | 7,185 rpm | 27.9° | 12.8 yd |
| 50ヤード | 2球 | 48.5 yd | 7,887 rpm | 35.2° | 5.2 yd |
| 70ヤード | 1球 | 74.0 yd | 9,795 rpm | 31.7° | 1.9 yd |

いちばん少ない打球でも7,000回転弱でしっかりスピンが入っています。スピン性能はかなり高いです。
距離ごとのスピン性能
30ヤードのスピン


| 項目 | 平均 | 最小 | 最大 |
|---|---|---|---|
| キャリー | 30.2 yd | 28.2 yd | 32.3 yd |
| バックスピン | 7,536 rpm | 7,019 rpm | 8,052 rpm |
| 打ち出し角 | 30.9° | 29.7° | 32.1° |
| キャリーとトータルの差 | 10.3 yd | 9.9 yd | 10.7 yd |
| 最高到達点 | 5.2 yd | – | – |
| 落下角度 | 36.5° | – | – |
30ヤードでもスピンは7,000〜8,000回転入っています。この距離でのショットが本当にスピンが強く入りますね。
40ヤードのスピン




| 項目 | 平均 | 最小 | 最大 |
|---|---|---|---|
| キャリー | 39.5 yd | 36.8 yd | 43.4 yd |
| バックスピン | 7,185 rpm | 6,872 rpm | 7,496 rpm |
| 打ち出し角 | 27.9° | 23.4° | 30.5° |
| キャリーとトータルの差 | 12.8 yd | 9.4 yd | 18.4 yd |
| 最高到達点 | 6.3 yd | – | – |
| 落下角度 | 35.0° | – | – |
40ヤードは4球とも6,900〜7,500回転の間。多いだけでなくてスピン量も安定しているかなと思います。
50ヤードのスピン


| 項目 | 平均 | 最小 | 最大 |
|---|---|---|---|
| キャリー | 48.5 yd | 45.2 yd | 51.8 yd |
| バックスピン | 7,887 rpm | 7,391 rpm | 8,383 rpm |
| 打ち出し角 | 35.2° | 31.6° | 38.8° |
| キャリーとトータルの差 | 5.2 yd | 3.6 yd | 6.9 yd |
| 最高到達点 | 11.1 yd | – | – |
| 落下角度 | 45.4° | – | – |
もちろんスピンは入りますが、50ヤード付近では他社と比べると一緒ぐらい。
70ヤードのスピン

| 項目 | 計測値 |
|---|---|
| キャリー | 74.0 yd |
| バックスピン | 9,795 rpm |
| 打ち出し角 | 31.7° |
| キャリーとトータルの差 | 1.9 yd |
| 最高到達点 | 17.4 yd |
| 落下角度 | 48.2° |
75ヤードほどのショットはスピン9,800回転ほど。この距離としてはまあまあ普通かなといったところ。
やはりショートアプローチでのスピン性能の安定度が際立っているという印象。
サイト内でレビューしたウェッジとのスピン比較
サイト内でレビューした2026年モデルの58°ウェッジ3本(Vokey SM11・PING s259・X FORGED 2026)と、距離ごとのスピン量を比較してみます。
3本はGCQuadで計測しているので、計測器はHi-Toe 5と違います。
| 距離 | Hi-Toe 5 | Vokey SM11 | PING s259 | X FORGED 2026 |
|---|---|---|---|---|
| 15〜20ヤード | 4,519 rpm(17yd・芝・1球) | 5,122 rpm(11〜25yd) | 4,415 rpm(14〜20yd) | 4,913 rpm(14〜20yd) |
| 25〜30ヤード | 7,536 rpm(28〜32yd) | 5,408 rpm(28yd・1球) | 6,054 rpm(29〜31yd) | 5,926 rpm(22〜28yd) |
| 40ヤード前後 | 7,185 rpm(37〜43yd) | – | – | 7,765 rpm(37〜40yd) |
| 45〜50ヤード | 7,887 rpm(45〜52yd) | 7,668 rpm(28〜58yd) | – | – |
| フルショット | 9,795 rpm(74yd・1球) | 10,351 rpm(67〜69yd) | 10,555 rpm(61〜73yd) | 9,267 rpm(60〜72yd) |
| 試打スペック | 58° ATV・バウンス11° | 58° M・バウンス8° | 58° S・バウンス10° | 58° C・バウンス10° |
| 計測器 | トラックマン4(17ydはGCQuad) | GCQuad | GCQuad | GCQuad |
30ヤード前後はHi-Toe 5がいちばん多い数値。
スピンが落ちた2球を入れても6,200回転ほどで、s259の6,000回転を上回っています。
40〜50ヤードはX FORGEDやSM11と同じ7,000回転台で、ほぼ互角。17ヤードの4,500回転は、s259とX FORGEDの間ぐらいです。
フルショットは9,800回転ほど。SM11やs259の1万回転台よりは少なめでした。
Hi-Toe5は25ヤードから30ヤードあたりの距離で相当スピンがかかるので、この距離でしっかり止めたいという方には嬉しい性能かもしれません。
フェースを濡らしてもスピンは減らない

溝の間にはスピン・トレッドと呼ばれるレーザーの細かい溝が入っていて、水分や芝を逃がすための加工とのこと。
ということで、今回はフェースを濡らした状態でもテストしていますが、特にスピンが減るようなこともなくて凄かったですね。
悪条件での安定感も良かったです。

屋外の芝の上からもGCQuadで計測。
キャリー17ヤードの短いアプローチで、スピンは4,500回転ほど入っていました。


あらゆるライや距離から、しっかりとスピンが入ってくれます。20ヤード以下の距離で4000回転以上入ればかなり良い。


バンカーではATVソールのバンスがしっかり当たってくれるので、バンカーショットも非常に打ちやすいです。
構えた印象と打感


ヘッドはやや大きめで、グースのないストレートネック。

仕上げはカッパーで、フェースはノンメッキ。


バンスはしっかりと効果を発揮しますが、抜けも悪くありません。

打感は柔らかく、フェースへの食いつきはかなり凄いです。
マジで滑る感じが希薄でフェースへのノリ感が素晴らしいなと感じました。
あと、ラフとかで浮いている時にフェースの上の方に当たってもスピンがけっこう入ってくれてポッコンのミスが少なかったのも印象的。
テーラーメイド Hi-Toe 5 ウェッジのスペック
スペックの話ですが、以下はメーカーが挙げている主な特徴。
- Hi-Toeシリーズで初めての軟鉄鍛造(軟鉄8620)
- ヒールからトウまで、フェース全面に刻んだソーミルド・グルーブ
- ノンメッキのRAWフェースとスピン・トレッド・テクノロジーで、水分や芝を逃がす
- ATS・ATV・ATW・ATX・ATCの5つのグラインド

日本で買えるロフトオプションとしては56°・58°・60°の3つ。
ロフトごとに選べるグラインドとバウンス角が以下。
| ロフト | グラインド(バウンス角) |
|---|---|
| 56° | ATS(10°)/ATW(14°) |
| 58° | ATS(10°)/ATV(11°)/ATX(12°)/ATC(8°・カスタムのみ) |
| 60° | ATS(10°)/ATV(11°)/ATX(12°)/ATW(14°)/ATC(8°・カスタムのみ) |
| グラインド | 公式の説明(要約) |
|---|---|
| ATS | 4方向に丸みを持たせた標準的なキャンバーソール。ほとんどのスイングに合わせやすい |
| ATV | 凹型のソール。スクエアに構えるとミッドハイバウンス、開くとローバウンスのように働く |
| ATW | いちばん幅の広いフルソール。柔らかいライやバンカー向け |
| ATX | 幅広のミッドバウンス。リーディングエッジ・センター・トレーリングエッジで役割を分けた3面ソール |
| ATC | ローバウンスのスプリットソール。硬い芝やタイトなライでフェースを開きたい人向け |
今回打ったATVは、公式で「復活」と紹介されているグラインドです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ヘッド/フェース素材(製法) | 軟鉄8620(鍛造)+内蔵セラミックコア/ノンメッキ加工の軟鉄8620(鍛造) |
| 仕上げ | COPPER(カッパー) |
| ライ角 | 64° |
| 長さ | 35〜35.25インチ(ロフトで異なる) |
| クラブ重量 | Dynamic Gold HT:約477〜484g/N.S.PRO 950GH NEO:約454〜462g |
| バランス | Dynamic Gold HT:D5/N.S.PRO 950GH NEO:D4 |
| シャフト | Dynamic Gold HT(S200)/N.S.PRO 950GH NEO(S) |
| グリップ | TM Tour Velvet 360 Black 60R(50g) |
| 利き手 | 右のみ |
| 販売 | テーラーメイド公式オンラインストア(SELECTFIT STORE +PLUS限定) |
| 発売 | 2026年9月 |

Hi-Toe 3からの変更点
前作のHi-Toe 4は2024年に海外で発売されたモデルで、日本での前作は2022年のHi-Toe 3。日本で発売されたモデル同士で比較してみます。
発表時の詳しい内容はHi-Toe 5の発売ニュースにまとめていますのでそちらを見てもらってもいいです。
| 項目 | Hi-Toe 3(2022年) | Hi-Toe 5(2026年) |
|---|---|---|
| 製法 | 軟鉄8620(鋳造) | 軟鉄8620(鍛造) |
| 溝 | 54〜60°はフェース全面+レイズドマイクロリブ | ヒールからトウまで全面のソーミルド・グルーブ+スピン・トレッド |
| グラインド | SB・LB・HBの3種類 | ATS・ATV・ATW・ATX・ATCの5種類 |
| 日本のロフト | 50〜60° | 56〜60° |
特に大きな変更としては製法ですね。
鋳造から鍛造になり、溝もMG5と同じソーミルド・グルーブに変わり、グラインドは3種類から5種類に増えました。
総合評価
| 評価項目 | スコア(/10) |
|---|---|
| スピン量 | 9.5 |
| スピンの安定性 | 9.0 |
| 距離感 | 9.0 |
| 弾道の高さ | 8.0 |
| 打感 | 9.5 |
| 構えやすさ | 7.5 |
| 操作性 | 8 |
アプローチでしっかりスピンが入り、濡らした状態でも減らなかったのでスピン量は9.5。30ヤード付近だけ見れば満点をあげてもいいレベルで性能が優秀です。
ちなみに、ぼくの場合実戦でスピンを効かせるようなショットはあまり得意ではありませんが、それでもグリーンに噛みつくようにしてブレーキがかかってくれたりもしたので、スピンの性能については相当良いと思われます。
おすすめする人 フェースを開いてアプローチする人。ラフやバンカーなど、ライを問わずスピンを入れたい人。雨の日や朝露でもスピン量を安定させたい人
おすすめしづらい人 小ぶりでシャープな顔のウェッジが好きな人。50°台前半までHi-Toeで揃えたい人
グリーン周りのスピン性能(特に30ヤード以内)を重視する方には特におすすめです。個人的には現時点で今シーズンのベストウェッジ。
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