今回取り上げるのはコブラ『DS-ADAPT X ドライバー』。こちらの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

結論から言うと、コブラ DS-ADAPT MAX-K は「とにかく曲げたくない」「真っすぐ飛ばしたい」と考えるゴルファーに非常に頼もしい1本です。高慣性モーメントによる直進性と、AIフェースの反発安定性により、ミスヒットでも安心して振っていける性能が光ります。
飛距離性能はまずまずで、キャリーでしっかり稼げる設計。一方で、飛距離の絶対値や打感・打音に特別な驚きがあるわけではなく、つかまりもやや控えめ。そのため、つかまりすぎを嫌うゴルファーには好印象ですが、スライス傾向のある方や“飛び”のインパクトを重視する方にはやや物足りなさを感じるかもしれません。
とはいえ、寛容性・直進性・調整機能の3拍子がそろった完成度の高さは特筆すべきポイント。安心感のあるドライバーを探しているなら、候補に加えて間違いないモデルです。
コブラ DS-ADAPT MAX-K ドライバーの概要とデザイン


ヘッド体積は460ccで、後方に長く張り出したシャローバック形状が特徴的。
構えた瞬間に安心感を与えてくれる投影面積の広さが魅力で、やさしさが視覚的にも伝わります。


クラウンとソールには軽量なカーボン素材が使われており、余剰重量を深・低重心に再配分することで、寛容性と高弾道性能を高めています。

フェースにはAI設計のH.O.T.フェース(Highly Optimized Topology)を搭載。センターだけでなくトウ・ヒール寄りのミスヒットにも対応し、高初速エリアを広く保つことで飛距離の安定感を実現しています。


また、「FutureFit33」ホーゼルにより、ロフト角とライ角を独立して調整でき、ユーザーに合わせた細かなフィッティングが可能。

33通りの弾道調整ができるのですが、あまりにも複雑なんで公式ページのフィッティング画面を見ながらやるのがおすすめ。こんな弾道が良いんだよなーというのを選べば、ポジションを教えてくれます

一方で、やや気になる点として、フェースがスクエアであることに加え、見た目の湾曲が少ないのでバルジがあった方が構えやすい人には違和感がありそう。というのも筆者自身がそう感じたから。
という感じですが、全体的には、非常に実戦的かつ現代的な仕上がりで、安心して構えられる外観と最新テクノロジーが融合した完成度の高いデザインです。
特に直進性を重視するゴルファーには、その見た目と中身がしっかり噛み合った一体感のある設計と言えるんじゃないでしょうか。
コブラ DS-ADAPT MAX-K ドライバー試打計測データ



DS-ADAPT MAX-K ドライバーの試打計測の平均データが下記
2024年よりドライバーはヘッドスピード44~45m/sでの計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
項目 | 数値 |
---|---|
ヘッドスピード(m/s) | 43.8 |
ボールスピード(m/s) | 64.4 |
打ち出し角(°) | 15.8 |
打ち出し方向(°) | 2.7 |
バックスピン(rpm) | 2170 |
スピン軸(°) | -2.9 |
最高到達点(yd) | 32.6 |
キャリー(yd) | 243.6 |
トータル飛距離(yd) | 268.6 |
曲がり幅(yd) | -4.7 |
左右ブレ(yd) | 6.6 |
スマッシュファクター | 1.47 |
飛距離性能と方向性の分析


MAX-Kの飛距離性能は、バランス重視のプレーヤーにとって非常に魅力的な仕上がりです。
トータル飛距離は平均で268.6ydと270ydには惜しくも届かないものの、キャリー243.6ydは高評価基準にしっかりと届いており、キャリー重視の設計が活かされています。
スマッシュファクター1.47とエネルギー効率も高く、フェースの広い範囲での反発性能の高さはデータからも明らかです。

一方でバックスピン量は平均で2170rpmと最適帯域の下限ギリギリ。球が前に強く伸びる一方、ヘッドスピードや入射角によってはスピン不足になるケースもあるため、ロフト調整で微調整が必要な方もいるかもしれません。
幸い、ロフトだけを調整したりもできるのが今回のカチャカチャの特徴なので助かりますね。
また、最高到達点32.6ydは「まずまず高弾道」に分類されます。

全体にセンターラインから右方向に集中しました。2発だけ捕まった打球が出たものの、方向性に関しては非常に優秀で、打ち出し方向2.7°、スピン軸-2.9°という数値は、目標方向に対する直進性の高さを裏付けている判断します。
曲がり幅-4.7yd、左右ブレ6.6ydと、どちらも±10yd以内に収まっており、非常に安定した球筋が打てました。
高慣性モーメントの恩恵により、芯を外しても大きくブレずに前に飛んでくれる「ミスの許容力」はシリーズ内でもトップクラス。
ただし、この直進性とオートマ感の裏返しとして、ボールを積極的に曲げたいゴルファーにとってはやや物足りないかもしれません。また、つかまりはやや控えめで、ドローバイアスを求めるプレーヤーには調整ホーゼルの活用が必須となるでしょう。
総合的に見ると、MAX-Kは「飛距離の限界を追求する」モデルではなく、「どこに当たっても安定して真っすぐ飛ばす」ことに特化した、スコアメイクを重視するプレーヤー向けの非常に完成度の高いドライバーという印象です。
フィーリングについて

打感はフェース全体で均一に反発するような感触で、芯を外しても手に嫌な衝撃が残りにくく、許容性の高さを実感できます。ただし、「吸い付くような柔らかさ」や「弾くような快感」といった明確な個性は少なめで、どちらかというとニュートラルでクセのないフィーリングといった印象です。
打音については、カーボンコンポジット特有のやや低めでこもった音質。インパクト時の音量は控えめで、甲高く響くタイプではありません。静かな音を好むという人には好印象でしょうが、爽快感や高音を期待する方にはややトーンが落ち着きすぎて感じるかもしれません。

構えやすさに関しては、フェースアングルがスクエアで投影面積も広く、安心感は非常に高いです。ただし、フェース面がフラットに見えることで、ヘッドの向きに繊細な感覚を求める方には少し違和感があるかもしれません。
操作性に関しては、慣性モーメントの高さと低スピン設計の影響で、意図的にボールを曲げるというよりは、ナチュラルな球筋をそのまま活かす「オートマチックさ」が前面に出ています。ドローやフェードを打ち分けたいゴルファーにはやや不向きな面もありますが、一方で「とにかく真っすぐ」を求める方にとっては非常に頼もしい性能ではありますね。
総じて、飛距離や寛容性を重視しつつも、やさしく振って真っすぐ飛ばしたい方には快適なフィーリング。一方で、感覚的なフィードバックや打感・打音にこだわりのある方は、試打での確認をおすすめします。
良かった点と微妙な点
良かったところ
- とにかく直進性が高く、曲がり幅が非常に小さい
- 高MOI設計でミスヒットに強く、安心して振れる
- AI設計フェースで初速が安定し、平均飛距離が伸びやすい
- 調整幅が広く、自分のスイングに細かく合わせやすい
- 調整機能が革命的
微妙なところ
- 捕まりが控えめで、右方向へのミスが出やすい場面も
- 球筋を操作したいゴルファーにはやや物足りない可能性あり
カスタムの提案:MAX-Kに合うおすすめセッティング
DS-ADAPT MAX-K ドライバーは、その高い直進性とミスへの強さを持つ一方で、つかまりの弱さが気になる方もいるかもしれません。そうした特性を補い、ヘッドのポテンシャルをさらに引き出すための提案をいくつかあげておきます。
今作の計測データ(スピン量2170rpm/打ち出し角15.8°)や弾道傾向(高弾道・つかまり控えめ)を踏まえると、以下のような特性を持つシャフトとの相性が特に良いんじゃないかなと思います。
捕まり性能を適度に補う:中調子〜先中調子、ややトルク感のあるモデル
スピンが入りやすく、吹き上がらない弾道設計
高弾道系:高打ち出しをサポートする挙動
MAX-Kとの相性が良いカスタムシャフト候補
シャフト名 | 特徴とおすすめポイント |
Fujikura VENTUS TR RED | 中調子。捕まりと安定感のバランスに優れ、高弾道で直進性も損なわない。TR系の剛性も◎。 |
Graphite Design Tour AD CQ | 中元調子。つかまりとスピン量のバランスが良く、打ち出しも高め。MAX-Kの安定性と好相性。 |
Mitsubishi TENSEI Pro Red 1K | 中調子。軽快な振り抜きで自然につかまり、スピンも入りやすく、高弾道をサポート。 |
UST Mamiya LIN-Q BLUE M40X | 中元調子。先端の適度なしなりが球を押し出しやすく、直進性を活かしたキャリー重視の設計に。 |
TRPX AURA | 先中調子。高初速・高弾道・つかまりの三拍子で、オートマ感と飛ばしを両立したい方におすすめ。 |
注意したいシャフト傾向
VENTUS BLACK や TENSEI 1K WHITEなどの超低スピン・硬めシャフトは、MAX-Kの持つ「つかまり控えめ」な特性とぶつかりやすく、右方向へのミスを助長する可能性があります。
性能評価チャート
総合的に見て、DS-ADAPT MAX-K は非常にバランスの取れたドライバー。という評価です。
特に寛容性は抜群で、オフセンターでも安定して飛ばせる安心感が光ります。飛距離性能もぼちぼち高く、キャリーでしっかり稼げるタイプ。高さも出やすく、やさしく飛ばせる点は大きな魅力です。
一方で、つかまりはやや控えめで、フェースローテーションが苦手なゴルファーやスライス傾向のある方はセッティングの工夫が必要。
打感や打音についても突出した特徴はなく、好みによって評価が分かれる可能性があります。ただ、それらを補って余りある安定性と実戦向きの性能が備わっており、幅広いレベルのゴルファーに安心しておすすめできる完成度の高い一本です。
まとめ

コブラ DS-ADAPT MAX-K ドライバーは、寛容性と直進性を極限まで高めた、いわば“ミスを帳消しにしてくれる”タイプのドライバーです。高慣性モーメントによる安定性、AIフェースによる初速の均一性、そして高弾道キャリーが合わさり、ミスを恐れずに振っていける安心感があります。
特に、フェアウェイキープ率を重視するゴルファーや、スコアメイクを意識した安定志向の方にとっては、頼もしい味方になってくれると思います。
一方で、打感や音に明確なフィーリングを求める方や、自分で球筋を操作したいプレーヤーにはやや物足りなさがあるかもしれません。
とはいえ、総合的な完成度は非常に高く、調整機能も豊富。初心者から中級者はもちろん、安定感を重視する上級者まで、幅広い層におすすめできる“ブレずに攻められる一本”です。
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