ヒューストンOPでGTSドライバーがツアーデビュー。PGAツアーだけで24選手が即スイッチし、GT初週の約2倍という異例のスタートダッシュを切りました。
ただ、注目すべきは数字ではなく、スイッチした選手たちの「理由」です。GTのどこに不満があり、GTSの何が解決したのか、選手の声を中心にまとめます。
※本記事はタイトリスト2026ドライバー続報シリーズの第4弾です。これまでの経緯は第1弾(GT後継モデルの予告)、第2弾(「GTi」名称の噂)、第3弾(正式名称「GTS」判明+スペック詳細)をご覧ください。
GT世代の「スピン量のばらつき」|プロが他社ドライバーに移行した理由
GTSを語るうえで避けて通れないのが、GT世代でプロから指摘されていたスピン量のばらつきです。フェースセンターで打てばGTは優秀。ただし、トゥ寄りやヒール寄りのミスヒットでスピンが極端に変動するという問題が、ツアーレベルでは無視できなかったとのこと。
PGAツアー優勝者のマイケル・ブレナンは、まさにこの問題でGTを離れていた選手のひとりです。ブレナンによると、GTではトゥ側に当たるとボールが飛びすぎ、ヒール側では飛距離が落ちるという左右の差が大きかったとのこと。結果的にGTを諦めて別のドライバーに切り替えていたと明かしています。
さらに象徴的なのがゴードン・サージェントのケースです。アマチュア時代から傑出した才能を見せてきたサージェントは、GTのスピン減(特にトゥ側の低弾道ショット)に悩み、旧モデルのTSR2に戻して使用していたほど。
タイトリストのR&Dチームもこの問題を認識していて、GTSの開発段階からフェース全体でのスピン均一性を最重要課題として取り組んだことが、複数のプレイヤーフィードバックから見えてきます。
Titleist’s new GTS drivers are here, and they showed up in a big way immediately.
— Jack Hirsh (@JR_HIRSHey) March 29, 2026
24 players put GTS2 or GTS3 in play in Houston, nearly double the number from the GT launch two years ago.
This launch is way earlier than previously for Titleist and it means a lot of these… pic.twitter.com/B0bVXd2KvP
「9度で何球か打ったけど、全部2600〜2700回転だった」
GTSのテストはヒューストンのメモリアルパーク・ゴルフコースで月曜から水曜までノンストップで行われ、ドライバー3種に加えて数種類のフェアウェイウッドも展示されていました。
前述のサージェントのGTSに関する感想は下記。
「9度で何球か打ったけど、どのショットも2600〜2700回転。低めでも高めでも、右から左でも左から右でも関係なかった」
GTでは同じフェードを打とうとしてもトゥに当たると2000回転以下に落ちることがあり、毎回コントロールを意識する必要があったとのこと。GTSではその心配がなくなり、テスト後に即バッグ投入を決めたそうです。記事タイトルの「そのままバッグに入れろ(Put it straight in the bag)」はこのサージェントの発言が元になっています。
ブレナンも同様で、GTSではフェース下部のヒットでも3番ウッドで3000回転台半ばのスピン量を維持できると報告。GT時代に感じていた不安定さが解消されたとコメントしています。
スピンが安定すると、スイングが速くなる
選手の声で興味深いのが、スピン均一性の改善がボールスピードの向上にもつながっているという点です。理屈はシンプルで、ミスヒットでもスピンが極端に落ちないと分かれば、安心してフルスイングできる。結果的にヘッドスピードが上がるという意見があるようです。
ヒューストンで最初にGTSをコースでテストしたジェフリー・カンは、GTでのボールスピード175mphに対してGTSでは最大180mphを記録しています。
PGAツアーのヘッドスピードランキング12位のサージェントも、GTSで少なくとも1.5mphのスピードアップとキャリー320ヤード超を記録。サージェントは「少し左にスイングしている時が一番いいスイングができる。GTSではスピン量が安定しているから、無理にコントロールしなくてもフェードの行き先が分かる」とコメントしています。
打音もGTとは別物|「より重厚な鈍い音」
Volume up 🔊
— SCOREGolf (@SCOREGolf) June 5, 2025
Gordon Sargent hitting driver sounds different. The 22-year-old’s ball speed with his driver typically falls in the 185-190 mph range. pic.twitter.com/4JqgwNwlHF
次に、プレイヤーが共通して言及しているのが打音の変化です。ブレナンの表現を借りれば、GTSは「より重厚な鈍い音(more of a solid thud)」。GT世代と比較して明らかに低い音域で、打感の違いが音にもはっきり出ているとのことです。
打音は好みの問題もありますが、重厚な低音=分厚いインパクト感というのはポジティブに受け取る方が多いはずです。
個人的にはGTとかそれ以前でも、タイトリストのドライバーは結構打感が良いなと思っていましたが、さらに良くなっていそうなのでフィーリングには期待しています。
ツアー採用データ|なぜGTS2に人気が集中したのか
GOLF.comのツアーレポートによると、PGAツアーで24選手がGTSに即スイッチ。3ツアー合計では53本が実戦投入されています。GT初週(2024年メモリアル)は13選手だったので、ほぼ倍増です。
注目はモデル別の内訳で、PGA24選手中18人がGTS2を選択。3ツアー合計でもGTS2が31本で圧倒的最多でした。GT初週は「GT2が2本、GT3が10本、GT4が1本」とコンパクトヘッドのGT3に人気が集中していたので、完全に逆転しています。
この変化の背景には、ウェイトシステムの刷新があります。GT2は固定ウェイト設計でしたが、GTS2ではフロント+リアの2ポート構造に変更。「寛容性は欲しいけど調整幅が足りない」と感じていたGT2ユーザーにとって、GTS2は待望のアップグレードだったのではないでしょうか。ウェイトシステムの詳細は第3弾の記事にまとめています。
ヒューストンOPで確認されたGTSドライバーの使用選手は以下のとおりです。
- ウィル・ザラトリス:GTS3
- ゴードン・サージェント:GTS(即バッグイン)
- マイケル・ブレナン:GTS
- ホナタン・ベガス:GTS3
- チャーリー・ホフマン:GTS2
- ジェフリー・カン:GTS2
- ミンウー・リー:GTS(モデル未確定)
- ハオトン・リー:GTS(モデル未確定)
- スダルシャン・イエラマラジュ:GTS2(レフティ)
ザラトリスやベガスのような操作性重視の選手はGTS3、ホフマンやカンのようなパワー系はGTS2という傾向があるようです。
マスターズ前のツアー投入|2010年以降で最速
GTSのツアー投入タイミングも見逃せません。タイトリストのドライバーは通常2年周期で、GT世代は2024年8月にツアー投入されました。
GTSは2026年3月末と明らかに早く、2010年以降のタイトリストドライバーとしては最も早いUSGA適合リスト登録とされています(Golf Digest)。
小売価格と発売日は未発表。前モデルGTの定価は$449(ストックシャフト)でした。タイトリストは既にGTシリーズの値下げを始めており、GTS発売に向けた在庫整理が進んでいます。ロフト構成などのスペック情報は第3弾の記事をご確認ください。
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