2026年3月6日発売のミズノ JPX ONE セレクト ドライバーを、トラックマン4で試打計測しました。
世界初のナノアロイフェースを積んだJPX ONEの兄弟モデルで、ロフトは9.0°のみという設定の小ぶりなタイプです。
結論から言っておくと、キャリーがサイトデータベース内では2位。想像以上に飛距離性能は高くて、キャロウェイにも匹敵するなという結果でした。
外観とデザイン


小ぶりですっきりした顔です。
体積は460ccで標準のJPX ONEと同じですが、トゥからバック側にかけて絞ってあるぶん、構えると一回り小さく見えます。

フェース向きはストレートで、非常に綺麗。
大型ヘッドが苦手な方は構えやすいと思います。
搭載テクノロジー
世界初のナノアロイフェース

今作の目玉が、東レの特許技術による特殊な樹脂素材「ナノアロイフェース」です。
複数のポリマーをナノメートル単位で混ぜたこの素材を、ドライバーフェースに採用したのは世界で初めてとミズノが公表しています。
面白いのは、この素材が「普段は硬く、衝撃を受けると柔らかくなる」という性質を持っているところ。
従来のチタンフェースはインパクトでフェースのセンターだけが大きく変形して、ボール側の変形が増えてエネルギーをロスしていました。
ナノアロイフェースは衝撃で柔らかくなってフェース全体が大きくたわむため、ボールの変形を抑えてロスを減らす狙いです。
発想の元になったのが、大ヒットした軟式野球用バット「ビヨンドマックス」の構造というのも、総合スポーツメーカーらしいところ。
ナノアロイ専用設計のコアテックフェース
ナノアロイフェースの特性に合わせて、専用設計の「コアテックフェース」を組み合わせています。
過去モデルのST-MAXと比べてフェースを最大約11%薄くすることで、打球速度を上げて高初速エリアを広げてきました。
フェースそのものは薄肉鍛造チタンの上にナノアロイを重ねる構造で、丸ごと樹脂というわけではありません。
クイックスイッチ

ホーゼルにはクイックスイッチを搭載していて、ロフト角とライ角を変えて弾道を調整できます。
9.0°を基準に±2度なので、実質7〜11°の範囲。今回は9.0°のSTDポジションで計測しました。

ソールのウェイトはステンレス製の固定式で、こちらは取り換えできません。

スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ロフト角 | 9.0°(±2度調整可) |
| 体積 | 460cm³ |
| 長さ | 45.5インチ |
| ライ角 | 59.0° |
| バランス | D2 |
| 総重量 | 約309g(S)/約305g(SR) |
| ボディ素材 | α-β系チタン合金(Ti811)精密鋳造 |
| フェース素材 | α-β系チタン合金(Ti-6Al-4V)鍛造+ナノアロイフェース |
| クラウン素材 | カーボン |
| ウェイト | ステンレススチール(SUS304)/固定式 |
| シャフト展開 | TENSEI BLUE MM D/TENSEI RED MM D |
| 試打シャフト | 三菱ケミカル TENSEI BLUE MM D 55(FLEX S) |
| 発売日 | 2026年3月6日 |
トラックマン4での計測データ

まずは試打条件から。
試打条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 計測器 | トラックマン4 |
| ロフト | 9.0°(スリーブSTD位置) |
| シャフト | TENSEI BLUE MM D 55(S) |
| ボール | 計測器用タイトリスト プロV1xで固定 |
表のサイト平均は、サイトで使用しているドライバーデータベースの平均値です。
| 計測項目 | JPX ONE セレクト | サイト平均 |
|---|---|---|
| クラブスピード | 46.1 m/s | 45.2 |
| ボールスピード | 67.9 m/s | 66.2 |
| スマッシュファクター | 1.47 | 1.46 |
| 打ち出し角 | 13.7° | 14.1 |
| スピン量 | 2,383 rpm | 2,234 |
| キャリー | 255.8 yd | 248.2 |
| トータル | 276.9 yd | 274.6 |
| 最高到達点 | 32.7 yd | 31.0 |
| 落下角度 | 37.8° | 36.4 |
| 曲がり幅 | 7.5 左 | 5.8 左 |
| キャリーサイド | 4.6 左 | 5.3 左 |
飛距離性能


初速性能は期待どおり高かったです。

こちらはぼくがトラックマンで計測してきたモデルの数値をデータベース化しているのですが、その中でボールスピード67.9m/sは4位。かなり優秀です。


そしてキャリー255.8ヤードが2位。平均より7.6ヤードも上でした。

ここは素直にすごい。飛びについてはシンプルに上位カテゴリに入ってきます。なんかめっちゃ初速が出るんですよね。これまでのミズノではなかったような数値になるので、フェースの効果なのかなーと思えます。

一方でトータルは276.9ヤードで18位。平均を2.3ヤード上回ってはいますが、キャリーの順位ほどは伸びていません。まあ、ここはバックスピン量が絡んでくるところなのでね。
弾道の高さとスピン

バックスピン量は平均2,383rpmで、サイト平均より149rpm多い。9.0°のロフトしかないモデルなので、正直もっと少ないと思っていました。
まあ、2300なのでめちゃくちゃ多いわけではありませんが、計測してきたモデルのなかでは比較的多い部類になります。それだけ最近は各メーカーから発売されているドライバーの低スピン化が顕著ということもあります。


最高到達点も32.7ヤードで平均より1.7ヤードあがるという結果。
ドロップのリスクがないので、安定してキャリーを伸ばせるだろうという性能でしょうか。
ロフト9°しかない設定ですが、ある程度ヘッドスピードがあれば上がりづらさを感じることはないと思います。
ただ今回は標準シャフトでの計測なので、カスタムシャフトで調整すればスピンは落とせます。その点は問題ないと思います。
方向性とつかまり


曲がり幅は左7.5ヤード。着弾は左4.6ヤード。
つかまりは悪くないです。むしろ兄弟モデルのJPX ONEの方がちょっと捕まらない感じがありました。

小ぶりなぶん重心距離も短いのか、ヘッドターンがしやすい。
適度なドローで飛ばせるところは魅力だと思います。
まあ、過剰に捕まるという感じではないので、そんなに左が怖いタイプでもないです。
打感と打音

打感はまあカーボンコンポジットだなという、こもった打球音です。
低音なので柔らかい部類には感じられます。
このあたりはミズノ好きが好みそうな音。甲高い金属音が苦手な方にはちょうどいいと思います。
兄弟モデル JPX ONE との比較
同じシャフト、同じロフト9.0°、同じSTDポジションで計測した標準モデルと比較。
左がセレクト、右が標準のJPX ONEです。
| 項目 | セレクト | JPX ONE |
|---|---|---|
| ボールスピード | 67.9 m/s | 67.5 m/s |
| キャリー | 255.8 yd | 250.8 yd |
| トータル | 276.9 yd | 278.4 yd |
| スピン量 | 2,383 rpm | 2,219 rpm |
| 打ち出し角 | 13.7° | 12.6° |
| 最高到達点 | 32.7 yd | 28.1 yd |
| 曲がり幅 | 7.5 左 | 0.5 右 |

意外にも標準のJPX ONEのほうが低く出て、つかまりも抑えられていました。
飛距離性能で見ると、キャリーはセレクトが5ヤード上。初速もセレクトが上回っています。
キャリー上位モデルとの比較
キャリーで上に来ているモデルとも並べてみます。
| 項目 | JPX ONE セレクト | クアンタム トリプルダイヤモンド | PING G440K | サイト平均 |
|---|---|---|---|---|
| 初速 | 67.9 m/s | 68.4 m/s | 67.8 m/s | 66.2 m/s |
| キャリー | 255.8 yd | 257.7 yd | 254.9 yd | 248.2 yd |
| トータル | 276.9 yd | 283.1 yd | 280.8 yd | 274.6 yd |
| スピン | 2,383 rpm | 2,350 rpm | 2,311 rpm | 2,234 rpm |
| 曲がり幅 | 7.5 左 | 0.3 右 | 0.6 左 | 5.8 左 |

キャリー1位のキャロウェイ クアンタム トリプルダイヤモンドとは1.9ヤード差。
まあかなり近い数値で、非常に高いレベルでの争いかなーという結果。まさかここまで肉薄するとは思っていなかったのでミズノすごい。まあ、わずかに低弾道なぶん、クアンタムのほうがランが出るデータとなっていますが、ほぼ同格の性能なんじゃないだろうか。

少し毛色の違うタイプですが、計測してきた中でも随一の性能であるG440Kとの比較。
案外PINGの方がスピンがちょっと少なめなのですが、全体的にミズノがデータ的にはいい感じ。ただ、打点がブレた時の安定度ではG440Kが上ではですから、ミスの幅を狭くしたいならデカヘッドのPINGでしょうね。小ぶり派はミズノがいいかも。

良かった所
- キャリー255.8ヤードでサイト内2位。初速67.9m/sも4位で、飛びは完全に上位カテゴリ。超飛ぶ方です
- 小ぶりでフェース向きもストレートな顔。ヘッドターンもしやすく、適度なドローで飛ばせる
- スピンが入るのでドロップのリスクがなく、キャリーが安定する
- 低音の打感。甲高い金属音が苦手な方に合う
微妙な所
- ロフトが9.0°のみでウェイトも固定式。ヘッド側での調整幅は狭い
※バックスピン量はカスタムシャフト次第で落とせるので、そんな欠点でもないですが、あえて言うならってことで書いています。
総合評価

| 評価項目 | スコア |
|---|---|
| 飛距離 | 9.5 / 10 |
| 弾道の高さ | 7.5 / 10 |
| 低スピン性能 | 6.0 / 10 |
| 安定性 | 8.0 / 10 |
| 打感 | 8.0 / 10 |
| 構えやすさ | 8.5 / 10 |
| 操作性 | 8.5 / 10 |
| つかまり | 7.5 / 10 |
小ぶりで操作性の良いヘッドで、初速性能は期待どおり高かったです。いや、期待以上だったと言うべきか。国産ドライバーの中では随一の飛距離性能です。
あと、打つ前は「9°しかない上級者専用のシビアなヘッド」だと思っていましたが、実際は高さもスピンも出て、つかまりもそこそこ良いタイプでした。このあたりのバランスは丁度良かった。
まあ、ミズノはヘッド単体にロフト1種類しかないパターンさえやめてくれればもっと良いんですけど。今回のモデルがヒットすればウッド関係にももっと力を入れてくれるかもしれないという事で今後の展開に期待しておきたいところです。
こんな方におすすめ
・大型ヘッドが苦手で、小ぶりなヘッドが好きな人
・適度なドローで飛ばしたい方
・低スピンにしすぎてドロップするのが怖い方
・ヘッドスピード45m/s前後で、キャリーを伸ばしたい方
スピンを減らしたい場合は、標準シャフトのままではなくカスタムシャフトで調整してもらえばいいレベル。
兄弟モデルの詳しい実測データと散布図はこちらです。
▶ 【試打評価】ミズノ JPX ONE ドライバー|世界初ナノアロイフェースの初速は本物かも
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