USTマミヤの逆輸入シャフト「LIN-Q PowerCore ホワイト」を試打しました。計測にはいつものようにトラックマン4を使用しています。
結論から言うと、とにかくハードです。
手元から先端までガチガチの元調子で、シャフト全体にしなりをほとんど感じないほどのしっかり感でした。
そのかわりチーピンのような左への大きなミスはまったく気にせず振っていけるので、左を絶対に消したいパワーのある人向けの尖ったモデルです。
ということだったのでデータを見ながらレビューしていきたいと思います。
LIN-Q PowerCore ホワイトの特徴

LIN-Q PowerCore ホワイトは、USTマミヤのLIN-QシリーズにPowerCoreテクノロジーを搭載したドライバー・フェアウェイウッド用シャフトです。
アメリカで先行展開されている設計をベースに、スペックを日本のプレイヤー向けに見直したPGAツアー投入モデルで、国内では2026年6月11日に発売されました。
公式スペックでは元調子。ラインナップは5R、5S、6S、6X、7S、7Xで、今回の試打スペックである6Sは重量66g、トルク3.5です。
| フレックス | 重量 | トルク | キックポイント |
|---|---|---|---|
| 5R | 59g | 4.1 | 元調子 |
| 5S | 62g | 4.1 | 元調子 |
| 6S | 66g | 3.5 | 元調子 |
| 6X | 70g | 3.3 | 元調子 |
| 7S | 76g | 2.8 | 元調子 |
| 7X | 78g | 2.7 | 元調子 |

PowerCoreはQ-Ply素材とナノレジンシステムを組み合わせた構造で、余計な変形を抑えながら、しなり戻りとエネルギー伝達を狙った設計です。

LIN-Q自体はATTASとは違い、PGAツアーの選手向けにそもそも開発されているので相当ハードなシリーズですが、その中でもホワイトは一番手元側を締めたタイプになります。
| モデル | 公式キックポイント |
|---|---|
| LIN-Q PowerCore レッド | 中調子 |
| LIN-Q PowerCore ブルー | 中元調子 |
| LIN-Q PowerCore ホワイト | 元調子 |

公式のポジションマップでも低弾道×フェード側の位置付けで、シリーズ内で最も叩く人向けの設定です。



デザインは白ベースに黒と銅色のアクセントで、中間部には「LAUNCH/SPIN」のインジケーターとLOW表記が入っています。
試打条件と実測スペック

計測はいつものようにTrackMan4で行いました。


ヘッドはPING G440 MAX 9°でヘッドスピード45m/s前後に揃えて、ボールはタイトリスト プロV1xで統一しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 計測器 | TrackMan4 |
| ヘッド | PING G440 MAX 9° |
| 試打シャフト | USTマミヤ LIN-Q PowerCore ホワイト 6S |
| 計測ボール | タイトリスト プロV1x |
| 公式重量 | 66g |
| 公式トルク | 3.5 |
| 振動数 | 270cpm |
| 中間剛性 | 5.78kg |


振動数は270cpmで、当サイトのドライバー用シャフト平均264cpmに対して+6cpm。計測上は36件中4位の高さです。


中間剛性も5.78kgで、平均5.16kgに対して+0.62kgの35件中3位でした。
手元も中間も硬いという静的データで、兄弟モデルのレッド(269cpm/5.73kg)をわずかに上回ってシリーズ最硬です。
レッドの時点で「固めすぎでは?」と思っていたのですが、ホワイトはさらにその上をいく計測結果になりました。
LIN-Q PowerCore ホワイトの試打データ

平均データは下記です。
| 項目 | 平均値 |
|---|---|
| クラブスピード | 44.9m/s |
| ボールスピード | 66.4m/s |
| スマッシュファクター | 1.48 |
| 打ち出し角 | 13.5° |
| バックスピン量 | 2,430rpm |
| キャリー | 248.4yd |
| トータル | 270.7yd |
| 最高到達点 | 30.9yd |
| 落下角度 | 37.0° |
| スピン軸 | 0.3°右 |
| 曲がり幅 | 0.5yd右 |
| キャリーサイド | 6.6yd右 |
| 打ち出し方向 | 1.4°右 |
飛距離性能と初速


スマッシュファクターは1.48で、カテゴリー平均1.45に対しては良い数値です。

ボールスピードも66.4m/sで平均をわずかに上回る31件中12位ですから、悪くはないですが、ぼちぼちってところ。

全体の剛性が高いだけあって当たり負けする感覚がなく、スイングパワーがそのままボールに伝わっている印象でした。

一方で、キャリーは248.4ydで平均より-7.5yd。

トータルも270.7ydで平均より-7.6ydなので、飛距離としては伸びなかったという結果です。結構微妙ですよね。

要因は打ち出し角です。平均13.5°は全体で5番目に低い数値で、カテゴリー平均より2.0°も低くなっています。

バックスピン量も2,430rpmと平均より+287rpm多めで、多い順では36件中6位でした。
低く打ち出してスピンで高さを保つタイプの弾道になるため、最高到達点は30.9ydと平均より2.7yd低く、キャリーを稼ぎにく買ったのは事実。
ただ、スピンは思っていたよりも入る分ドロップの不安はありません。そこがせめてもの救いかなといったところ。
飛距離に直結するデータを見て思うのは、明らかにオーバースペックによるロスが大きいですね。
単純にこの程度のヘッドスピードでは要件を満たしていないということでしょう。
方向性とつかまり

つかまりは明確に弱めで、当サイトのデータベースでもフェードバイアス寄りでした。

曲がり幅は平均0.5yd右で、着弾はセンターより6.6yd右です。
サイト平均が左4.7ydの曲がり幅ですから、ドローヒッターのぼくが打ってほぼ全球フェードで収まるのはかなり珍しい挙動だったかなと。
つかまえる動きをシャフトがほぼしてくれないので、左へのミスを消したい人にとってはこれ以上ない安心感だと思います。

ヘッドスピードが足りないと右にしか行かないイメージなので、そこは覚悟が必要です。

散布図を見ると左右の幅は多少ありますが、左サイドにはほとんど飛んでいませんし、方向性のまとまり自体は優秀だと思います。
振り感と剛性感

実際に振った感想は、とにかく硬いです。
シャフト全体にしなりをほとんど感じないほどのハードさで、レッド同様にワッグルしてもほとんど動きを感じません。
振動数270cpm、中間剛性5.78kgという静的な計測値が、そのまま体感でも感じたという印象。
PGAツアーの選手向けに開発されているだけあって、並のヘッドスピードでは使いこなせないレベル感だなと思います。
シャフトに助けてもらう要素がないので、自身のスイングで強烈なタメを作れる技量も必要になってきます。ようするに難易度は高めです。
そのかわり、叩きにいってもシャフトが暴れる感覚は皆無なので、パワーがあって左を絶対に消したい人には向いていると思います。
兄弟モデル・競合シャフトとの比較
兄弟モデルのPowerCore ブルー、PowerCore レッド、前作のLIN-Q ホワイト EXに加えて、当サイト内で近い性能の手元調子系シャフトと比較しました。
| モデル | ボールスピード | 打ち出し角 | スピン量 | キャリー | トータル | 最高到達点 | 曲がり幅 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| LIN-Q PowerCore ホワイト | 66.4m/s | 13.5° | 2,430rpm | 248.4yd | 270.7yd | 30.9yd | 右0.5yd |
| LIN-Q PowerCore ブルー | 65.8m/s | 14.0° | 2,244rpm | 246.4yd | 272.9yd | 30.3yd | 左5.0yd |
| LIN-Q PowerCore レッド | 67.1m/s | 12.6° | 2,361rpm | 249.4yd | 275.1yd | 28.7yd | 左6.0yd |
| LIN-Q ホワイト EX | 66.7m/s | 12.7° | 2,679rpm | 246.3yd | 277.3yd | 30.9yd | 右0.8yd |
| TENSEI Pro Black 1K Core | 65.8m/s | 14.5° | 2,206rpm | 248.0yd | 274.0yd | 31.4yd | 右4.0yd |
| 24 VENTUS ブラック | 65.7m/s | 14.8° | 2,453rpm | 246.8yd | 268.6yd | 33.2yd | 左4.0yd |
PowerCore ブルーとの比較

PowerCore ブルーは中元調子で、中間剛性5.41kgとシリーズの中では動きのあるタイプです。
データでもブルーは曲がり幅が左5.0ydとしっかりつかまるのに対して、ホワイトは右0.5ydなので、球筋的には真逆になっています。
振り感の素直さやタイミングの取りやすさは圧倒的にブルーなので、普通にハードヒッター向けのシャフトを探しているならブルーからで良いと思います。
ホワイトを選ぶ理由は「左を消す」の一点です。
PowerCore レッドとの比較

PowerCore レッドは中調子で、先端側に動きをもたせた弾きタイプです。とは言ってもだいぶ硬いのでホワイト同様ハード系。
初速はレッドの67.1m/sが上で、トータルでも4yd以上の差がついたので、飛距離面ではレッドが有利でした。
方向性はレッドが左6.0ydのドロー回転だったのに対して、ホワイトは右0.5ydです。
同じガチガチ系でも、飛ばしたいならレッド、左が怖いならホワイトを選んでもらったらいいです。ここはメーカーが意図したとおりだと思います。
LIN-Q ホワイト EXとの比較

前作にあたるLIN-Q ホワイト EXとも比較しました。
EXはスピン量2,679rpmとかなり多めだったのに対して、PowerCoreは2,430rpmと約250rpm締まって、打ち出し角も0.8°高くなっています。
曲がり幅はどちらも右1yd未満でほぼ同じですから、フェードバイアスの元調子という基本設計はそのまま、スピンだけが減った進化です。
EXでも吹け上がり気味だった人には今作の方が合いそうですが、数値差自体は小さいので慌てて買い替えるほどではないかなと思います。
他の手元調子系との比較

同じ元調子のフェードバイアスという意味で一番近いのはTENSEI Pro Black 1K Coreです。
1K Coreは打ち出し角14.5°、スピン2,206rpmで、同系統の球筋のまま高さと飛距離を出しやすいデータでした。
キャリー効率だけ見るなら1K Coreの方がラクですが、弾道を低く抑えたいならホワイトです。

24 VENTUS ブラックは中間剛性5.78kgがホワイトと同値のガチガチ仲間ですが、弾道は意外と別物ですね。
VENTUSブラックは打ち出し14.8°・最高到達点33.2ydと高さが出て、曲がりも左4.0ydとニュートラル寄りなので、同じ剛性帯でも高さとつかまりを残したいならVENTUSブラックの方が良いかもしれません。
良かった点・気になった点
良かった点
- スマッシュファクター1.48でインパクト効率自体は良い
- 左への大きなミスがほぼ出ない
- 縦距離のばらつきが小さく安定感はある
- 叩きにいってもシャフトが暴れる感覚が皆無
気になった点
- 打ち出しが低くスピンも多めで、キャリー・トータルとも平均より下
- 6Sでも相当硬く、しなり感を求める人にはまったく合わない
- ヘッドスピードが足りないと右にしか行かないイメージ
総合評価
| 評価項目 | スコア | コメント |
|---|---|---|
| 飛距離 | 6.5 / 10 | 効率は良いがキャリーは平均より下 |
| 初速性能 | 7.5 / 10 | 初速は割と普通 |
| 弾道の高さ | 5.0 / 10 | 打ち出しは全体で5番目に低い |
| 低スピン性能 | 5.5 / 10 | スピン量は平均より約290rpm多め |
| 安定性 | 8.5 / 10 | 方向性は良い |
| つかまり | 5.0 / 10 | 明確につかまり弱め。フェードバイアス |
| しなり感 | 3.5 / 10 | しなりをほとんど感じないガチガチ系 |
インパクト効率と方向性は文句なしに優秀です。当たり負けがほとんど起きないようなタイプなので、スイングの良し悪しやスピードがそのまま反映されるようなシャフト。
ただそれ以上に、振った瞬間の「硬っ」という感覚はあり、とにかくハードなモデルです。
しなりで飛ばす要素がほぼないので、スイング自体で強烈なタメを作れるパワーと技量がないと、低い右への弾道だけが延々と続くことになります。
裏を返せば、左へのミスを絶対に消したい超ハードヒッターにとっては、これだけ信頼して叩けるシャフトもなかなかありません。
PGAツアー基準のスペックを素直に体感できるモデルなので、レッドでも物足りなかった腕自慢の人はチャレンジしてみるといいかもしれません。
ぼくのヘッドスピードだと正直オーバースペック気味でしたが、それも含めて「らしさ」の詰まったシャフトでした。

ポジションマップは右のちょっと下ぐらいです。
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