今回の記事では、テーラーメイドの最新作「Qi4D LS ドライバー」の試打レビューをお届けします。
先に結論を言うと、トータル282.0yd・初速67.8m/sは文句なしの飛距離性能。左を消せるフェードバイアス設計で、HS45以上のハードヒッターには最高の武器になります。ただし球をつかまえる技術は必須で、スライサーには厳しい一本です。
前作からの進化ポイントや、実際の計測データに基づく飛距離性能、そして競合モデルとの比較まで詳しくまとめました。購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
Qi4D LSの外観と前作からの変更点

テーラーメイドの「Qi4D」シリーズの中でも、特に低スピン・強弾道に特化したのがこの「LS(Low Spin)」モデルです。


最大の特徴は、第5世代へと進化した「新・60層カーボンツイストフェース」と、空気抵抗を極限まで減らすための「ハイバック形状」です。


構えてみると伝統的な洋梨型で、ヘッド後方が高く設計されているのが分かります。

460ccですがギュッと詰め込んだような塊感があり、いかにも叩けそうな面構えです。コンパクトなヘッドを好む人には良い印象を与えてくれそう。


また、ソールには「TAS(Trajectory Adjustment System)ウェイト」という可動式ウェイトを搭載しています。フロントとリアのウェイトを入れ替えることで、スピン量や弾道の安定性を自分好みにチューニングできるのも魅力の一つです。
ただ、Qi4Dコアモデルは4つのウェイトだったのに対して、LSは2箇所なので調整自由度という点ではQi4Dの高いですね。
Qi4D LSのトラックマン計測データ|平均トータル282.0yd

今回の試打は、ロフト9°のヘッドを使用し、室内弾道計測器(トラックマン4)にて計測を行いました。使用ボールはタイトリストのPRO V1x RCTです。
試打スペック
- ヘッド:Qi4D LS ドライバー(9.0°)
- シャフト:REAX 60 Low Rotation White S(純正相当)
- 想定HS:44m/s〜46m/s
平均データ
| 計測項目 | 平均数値 |
| クラブスピード | 46.2 m/s |
| ボールスピード | 67.8 m/s |
| スマッシュファクター | 1.47 |
| 打ち出し角 | 12.4 ° |
| スピン量 | 2105 rpm |
| キャリー | 251.6 yd |
| トータル距離 | 282.0 yd |
| 最高到達点 | 27.3 yd |
| 落下角度 | 33.2 ° |
| スピン軸 | 1.8 右 |
| 曲がり幅 | 2.9 右 |
| キャリーサイド | 2.6 左 |
| 打ち出し方向 | 1.2 左 |
今回の計測では、前方ウェイトを重くするセッティングで試打を行いました。吊るしの状態での低スピンセッティングですが、期待どおりスピン量は約2100回転という非常に低い数値を記録しました。
Qi4D LSの飛距離性能|トータル282ydは絶品だが高さに注意

結論から言うと、飛距離性能は「絶品」の一言です。トータル282ヤードという結果からも分かる通り、ハマった時の一発の飛びは凄まじいものがあります。
テーラーメイドらしい、初速が速く前へ前へと突き進む強弾道が印象的です。
LSというモデルなので当然という所ですけど、やはり基本的には非常に低スピンなモデルです。
ボールが上がりすぎる心配はほぼ無用ですが、逆に言えば、ある程度のヘッドスピードがないとドロップしてしまう可能性もあります。

弾道の高さ(最高到達点)は全体的に低めです。
普段使っているロフトよりも少し寝ているものを選ぶか、カチャカチャでロフトを増やす方向で調整したり可変ウェイトの後方側を重くしたりするのが、このヘッドのポテンシャルを最大限に引き出すコツかもしれません。
ただ、これまでのLS系モデルと比較すると、わずかにバックスピンが入りやすくなっており、その分キャリーと安定性が向上しているように感じました。
Qi4D LSの方向性と弾道|完全フェードバイアスで左を封殺

弾道特性は完全にフェードバイアスです。(これを打っているぼく自身は普段ドローが持ち球です)
試打データでもスピン軸が右に傾いており、左へのミスを怖がらずにしっかりと振っていける安心感があります。

つかまりは控えめで、「勝手につかまる」というクラブではありません。スイングで球をつかまえられる技術を持っている方が使うと、左を高確率で封殺してストレートに狙い打てる強力な武器になりそうです。
ちなみに兄弟モデルである「Qi4D(コアモデル)」と比較しても弾道特性は似ていますが、大きな違いは調整機能のシンプルさです。
コアモデルが4つのウェイトで複雑な組み合わせが可能なのに対し、LSは2つのウェイトを前後で入れ替えるだけ。
「複雑なことは考えず、シンプルに低スピンか安定性かを選びたい」という方には、このLSのシステムの方が扱いやすいでしょう。

分散データを見てもまとまりが良く、LS系としてはハイレベルで安定感があります。
Qi4D LSの打感と打音|いつものテーラーメイドが健在

打感や打音については、前作や「Qi35 LS」などと比較しても大きな変化はなく、良い意味で「いつものテーラーメイド」という印象です。
カーボンフェース特有の、少し乾いたような、それでいて芯のある打感は健在です。
前作を使っていた方なら違和感なく移行できるでしょう。構えやすさについても、引き締まった洋梨形状が集中力を高めてくれます。操作性を重視する方にはたまらない顔つきです。
Qi4D LSは買い?前作・兄弟モデル・競合とのデータ比較
| 項目 | Qi4D LS | Qi35 LS(前作) | Qi4D(コア) | クアンタムTD | OPTM LS |
|---|---|---|---|---|---|
| トータル | 282.0 yd | 273.3 yd | 279.5 yd | 283.1 yd | 279.2 yd |
| キャリー | 251.6 yd | 245.6 yd | 247.7 yd | 257.7 yd | 248.0 yd |
| 初速 | 67.8 m/s | 65.3 m/s | 67.5 m/s | 68.4 m/s | 68.1 m/s |
| SF | 1.47 | 1.45 | 1.49 | — | — |
| スピン | 2105 rpm | 2064 rpm | 2090 rpm | 2350 rpm | 2213 rpm |
| 打ち出し | 12.4° | 14.5° | 11.8° | — | — |
前作Qi35 LSとの比較
トータル飛距離は約8.7ydの大幅アップ、初速も2.5m/s向上と、世代間の進化が明確に出ています。SFも1.45→1.47と改善され、エネルギー効率が上がっています。
一方で打ち出し角は14.5°→12.4°と約2°下がっており、Qi35 LSで楽に高さが出ていた方は少し低く感じるかもしれません。スピン量は2064→2105rpmとほぼ同等なので、低スピン特性はそのまま維持。前作からの買い替えは飛距離面で十分な価値があります。
Qi4Dコアとの比較
トータル飛距離はLSが2.5yd上回っています。最大の違いはキャリーで約4ydの差。LSの方が打ち出しが高く(12.4° vs 11.8°)、キャリーを稼ぎやすい設計です。
一方でSFはコアの1.49に対してLSは1.47と、ミート効率ではコアが上。「安定して効率よく飛ばす」ならコア、「一発の最大飛距離を狙う」ならLSという棲み分けです。
調整自由度もコアはTASウェイト4箇所、LSは2箇所なので、弾道を細かく追い込みたい人はコアの方が向いています。
クアンタムTDとの比較
初速68.4m/s、キャリー257.7ydとポテンシャルではクアンタムTDが頭ひとつ上です。ただしクアンタムTDは450ccのコンパクトヘッドで難易度が高く、スピン量も2350rpmとLSより多め。
低スピンの強弾道で安定して飛ばすならQi4D LS、キャリー重視で最大値を狙うならクアンタムTDという選択になります。
コブラ OPTM LSとの比較
初速はOPTM LSが68.1m/sとやや上ですが、トータル飛距離ではQi4D LSが約2.8yd上回っています。OPTM LSはスピン2213rpmとやや多めで、ランが伸びにくい分トータルで差がついている形です。低スピン性能を重視するならQi4D LSに軍配が上がります。
良かった所・微妙な所
良かった所
- トータル282.0yd、前作Qi35 LSから約8.7ydアップ。世代間の進化が数値に明確に出ている
- フェードバイアスが強く、左を怖がらず叩いていける。ドローヒッターが安心して振り切れる設計
- 前作よりスピンがわずかに入りやすくなり、LS系にありがちなドロップのリスクが減った
- ウェイト2箇所のシンプル設計で、低スピンか安定性かの二択が迷わず選べる
微妙な所
- つかまりは全モデル中で最も控えめ。球をつかまえる技術がないとスライスが悪化する
- 純粋な飛距離ポテンシャルではクアンタムTDにキャリーで約6yd差。最大飛距離を求めるなら物足りない
- 調整自由度はコアモデル(4箇所)に劣る。細かい弾道チューニングをしたい人には不向き
Qi4D LSの総合評価|こんなゴルファーにおすすめ
最後に、今回の試打レビューの総括として各項目を数値化しました。
| 評価項目 | 点数 |
| 飛距離 | 10/10 |
| 弾道の高さ | 5/10 |
| 低スピン性能 | 10/10 |
| 安定性 | 8/10 |
| 打感 | 8/10 |
| 構えやすさ | 8/10 |
| 操作性 | 8/10 |
| つかまり | 4/10 |
総評
Qi4D LS ドライバーは、間違いなく「飛距離」に特化したアスリートモデルです。
特にヘッドスピード45m/s以上で、左へのミスを嫌う方にとっては、これ以上ない相棒になるでしょう。低スピン性能が際立っており、吹け上がって距離をロスしている方には特におすすめです。
その中で、これまでのテーラーのLS系よりもスピンはちょっと入りやすくなっている印象ですし、そのぶん安定性も高まったのでしっかりと進歩も感じられました。
ただ、球をつかまえるのが苦手な方や、ボールを楽に上げたい方にはハードルが高いのも事実です。しかし、そのシビアさを補って余りある「一発の飛び」と、意外なほどの「縦距離の安定性」がこのドライバーにはあります。
技術に自信があり、さらなる高みを目指すんだ!という方は、ぜひ体感してほしいです。
ヘッドスピード別のおすすめセッティング
Qi4D LSは低スピン・フェードバイアスが強いモデルのため、HSによって合う・合わないがはっきり分かれます。当サイトの計測データを踏まえた目安は以下の通り。
HS47以上
ロフト9°で問題なし。TASウェイトは前方重めにして低スピンを最大限活かすセッティングがおすすめ。このHS帯であればLSの性能をフルに引き出せる。
HS44〜46
ロフト9°でも使えるが、キャリーを安定させたいなら10.5°が安全。TASウェイトは後方重めにしてスピンを少し足すと弾道が安定する。シャフトはREAX 60 Low Rotation(White)がLS本来の特性と相性が良い。
HS43以下
正直Qi4D LSよりもQi4Dコアか、さらに上がりやすいQi4D MAXの方が飛距離が出る可能性が高い。LSの低スピン特性がこのHS帯だとドロップのリスクに直結するため、どうしてもLSを使いたい場合はロフト10.5°+ウェイト後方が最低条件。
LSはコアモデル以上に「自分のHSに合ったロフト選び」が飛距離を左右します。迷ったらコアモデルを選ぶ方が結果的に飛ぶケースも多いです。
Qi4D LS ドライバーに関するよくある質問
Q. Qi35 LSからの買い替えは価値ある?
トータル約8.7ydアップ、初速2.5m/s向上と、数値上の進化は非常に大きいです。SFも1.45→1.47に改善されており、同条件での計測で明確に差が出ています。
ただし打ち出しが14.5°→12.4°と下がっているので、Qi35 LSで楽に高さが出ていた方はロフトアップも視野に入れてください。
Q. Qi4D LSとQi4Dコア、どっちを選ぶべき?
「一発の最大飛距離」ならLS、「安定性と調整自由度」ならコアです。トータル飛距離はLSが2.5yd上ですが、SFはコアの1.49が上。
コアはTASウェイト4箇所で弾道を細かく追い込めるので、1本でいろんな球を打ちたい人にはコアの方が向いています。叩いてストレート〜フェードで攻めたい人はLS一択です。
Q. 9°と10.5°、どっちがいい?
HS46以上なら9°で問題ありません。HS44〜45あたりだとキャリーが出し切れない可能性があるので、10.5°の方が結果的にトータル飛距離が伸びるケースが多いです。
LSは低スピンが強いので、ロフトを寝かせても吹き上がる心配はほぼありません。
Q. スライサーでも使える?
厳しいです。弾道特性が完全にフェードバイアスなので、スライスが持ち球の方だと右に出てそのまま戻ってこない可能性が高い。コアモデルならTASウェイトでつかまりを調整できますが、LSはウェイトが2箇所のみで調整幅が限られます。
スライスを抑えたい方はQi4DコアかQi4D MAXを検討してください。
Q. クアンタムTDとQi4D LS、飛ぶのはどっち?
キャリーではクアンタムTDが約6yd上です。ただしクアンタムTDは450ccで難易度が高く、安定して性能を引き出すにはかなりの技術が要ります。Qi4D LSは460ccでTDよりヘッドが大きく、低スピンの強弾道を安定して打てるのが強み。
再現性を含めたトータルの実戦力ではQi4D LSの方が扱いやすいです。
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