今回取り上げるのはキャロウェイ X FORGED MAX STAR アイアン。こちらの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

先に結論から言っておくと、
キャロウェイ X FORGED MAX STAR アイアンは、軟鉄鍛造の安心感とやさしさを両立しつつ、飛距離・高さ・方向安定性のバランスに優れた“飛んで止まる”次世代のポケットフォージドモデル。
ストロングロフト設計ながらもスピンと高さでグリーンをしっかりとらえられる実戦的な弾道が特徴です。
一方で、打感にはポケットキャビティらしい弾き感があるので軟鉄製ということで過度な期待は禁物。
目次
キャロウェイ X FORGED MAX STAR アイアンの概要とデザイン

キャロウェイ「X FORGED MAX STAR アイアン」は、軟鉄鍛造モデルでありながら飛距離とやさしさを高次元で両立させた、日本市場専用の革新モデル。

最大の特徴は、フェース側とバック側をそれぞれ別々に鍛造し、溶接によって一体化させる「デュアル軟鉄構造」の採用にあります。この構造により、軟鉄鍛造では前例のない大型かつ深重心のポケットキャビティ設計が可能となり、驚くほどのミスヒット耐性と高弾道性能を実現しているという挑戦的なアイアンですね。

軟鉄ながらフェースは薄肉化されており、反発性の高い設計によってボール初速をアップさせやすい仕組み。


ソールには、リーディングエッジとトレーリングエッジの接地面を段階的に設けた「トライレベル・ソール」を採用。ワイドソールでありながら芝の上での滑りが良く、ダフリのミスにも強い構造です。安心感のある厚みを持ちながら、振り抜きの良さにも配慮された設計となっています。

ヘッド形状はX FORGEDシリーズでは最大級です。長めのブレード長、厚めのトップライン、そしてややグースの効いたネック形状ではありますが、X FORGEDらしさも残しつつ大きくしたというような印象でした。飛び系の中では比較的構えやすい方ですね。

さらにデザイン面では、日本の伝統的な工芸にインスパイアされた「切子模様」のXロゴがバックフェースに大きく刻まれており、和の美しさと最新技術が融合したアイアンとしての個性を際立たせています。この模様はX FORGED MAXよりもでかいみたいです。好みもあるとは思いますけど、これは正直ダサくね?と思ってしまいましたね(笑)
とはいえ、軟鉄の打感にはこだわりたいけれど、飛距離とやさしさも妥協したくない。そんな方にとって、このX FORGED MAX STARは非常に有力な選択肢となりそうです。
スペックは下記。
番手 | ロフト角 | ライ角 | クラブ長さ (スチール) |
クラブ長さ (カーボン) |
バウンス角 | オフセット |
---|---|---|---|---|---|---|
#4 | 21° | 60.5° | 38.5インチ | 38.75インチ | 4.0° | 3.3mm |
#5 | 24° | 61.0° | 38.0インチ | 38.25インチ | 5.0° | 3.1mm |
#6 | 27° | 61.5° | 37.5インチ | 37.75インチ | 6.0° | 2.9mm |
#7 | 30° | 62.0° | 37.0インチ | 37.25インチ | 7.0° | 2.7mm |
#8 | 34° | 62.5° | 36.5インチ | 36.75インチ | 8.5° | 2.4mm |
#9 | 38° | 63.0° | 36.0インチ | 36.25インチ | 9.5° | 2.2mm |
PW | 43° | 63.5° | 35.75インチ | 36.0インチ | 10.0° | 1.9mm |
キャロウェイ X FORGED MAX STAR アイアンの試打計測データ



試打計測の平均データが下記
2024年以降はアイアンはヘッドスピード37m/s〜39m/sの範囲内での計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
平均値 | |
---|---|
クラブスピード | 38.3 m/s |
ボールスピード | 52.4 m/s |
打ち出し角 | 18.4° |
スピン量 | 5,423 rpm |
キャリー | 167.3 yd |
トータル飛距離 | 176.2 yd |
最高到達点 | 31.7 yd |
落下角度 | 47.4° |
左右ブレ(着弾点) | 8.2 yd左 |
曲がり幅(弾道) | 10.2 yd左 |
スピン軸 | -6.9°(ドロー系) |
スマッシュファクター | 1.37 |
今回の試打では、ややストロングなロフト設定ながら高弾道かつ、それでいて意外なほど高スピンを維持しており、「飛んで、止まる」という設計意図がデータにもしっかりと表れた結果になったかなと思います。
飛距離性能と上がりやすさの分析

X FORGED MAX STARアイアンは、7番でロフト30度というストロングロフト設定ながら、キャリー167.3ヤード・トータル176.2ヤードという優れた飛距離性能を記録しました。ボール初速も52.4m/s、スマッシュファクター1.37と非常に高く、軟鉄鍛造アイアンの中では飛びもある程度期待できる。
同ロフト帯(7番で30度前後)の他モデルと比較すると、キャリーの数値自体はやや控えめな部類に入りますが、その分、弾道の高さやスピン量の安定感が際立っています。実際、打ち出し角は18.4度、最高到達点は31.7ヤード、落下角度は47.4度と高弾道で、スピン量も5,423rpmと十分な数値を確保。飛距離を出しながらもグリーン上でしっかり止まるデータです。

一方で、弾道が高くスピンも意外と多めになる傾向があるため、ロフトの割に飛距離だけを求めると物足りなさを感じる可能性もあります。また、弾道が高い分、風の影響を受けやすくなる場面がある点や、番手間がフラットになりやすい点には注意が必要です。
飛距離と高さのバランスがよくて、打ち出しやすさとスピン性能を重視したいという方にとっては非常に扱いやすく、飛ばしながらも安定感や縦距離の正確性を重視するしたい方に特にフィットするアイアンかなと思います。
弾道や球筋、方向性の分析

弾道は、打ち出し角18.4度・最高到達点31.7ヤードというデータからもわかるように、やや高めの中〜高弾道。スピン量も5,423rpmと安定しており、全体的に「高く、まっすぐ伸びて、落ち際でしっかり止まる」弾道。

球筋は軽いドロー系がベースで、スピン軸は平均で-6.9°、曲がり幅は約10ヤード程度と穏やか。打ち出し方向はほぼストレートで、そこから緩やかに曲がるドロー軌道となっており、左への過剰な巻き込みはあまり見られません。
飛び系かつ捕まり顔ながらドローが持ち球の方でも、比較的扱いやすい範囲に収まるつかまり具合と言えます。まあそれでも捕まりは良い方なので、左がどうしても嫌って方は避けておくのが無難かもです。

方向性に関しては、左右ブレが±8.2ヤードと非常に優秀。特にフェース中央からややトウ寄りのヒットしても大きなバラつきが出にくく、直進性の高さを感じました。
総合的に見ると、このモデルは「高弾道・軽いドロー・高い直進性」といった弾道傾向が明確で、特にターゲットに対してブレの少ない安定したショットを重視する方には好相性でしょう。
キャロウェイ X FORGED MAX STAR アイアンのフィーリング

X FORGED MAX STARアイアンは軟鉄鍛造モデルということもあり、打感に対する期待値は自然と高くなってくるというもの。ただ、実際に打ってみると、いわゆる「一枚物の軟鉄アイアン」とは明確に異なるフィーリングがありました。
インパクト時には、芯を捉えたショットでも「パチッ」とした弾き感がやや強く、フェースの反発を感じる打ち応えです。打感が硬いわけではないものの、吸い付くような柔らかさよりも「ポケットキャビティ構造らしいシャープな反応」が前に出てくる印象です。構造的にはしょうがないのかなーという感じ。
そのため、打感にとことんこだわる人からすると、「ポケキャビっぽさが残っている」と感じるというか、完全にポケキャビです。
一方で、ボール初速が出ている感覚や、フェースに乗りすぎずスパンと弾くフィーリングが好きな人にとっては、むしろ好印象でしょう。
また、オフセンターヒット時でも打感の差が大きく出にくく、打感は均一で安心感があります。これはポケット構造と高慣性モーメントによる影響が強く、フィーリングの中にも“寛容性”が感じ取れるモデルという具合です。
キャロウェイ X FORGED MAX STAR アイアンの良かった所・微妙な所
性能評価チャート
飛距離性能と弾道の安定感は非常に優秀で、特にキャリーの再現性が高く実戦での信頼感は抜群です。一方で打感に関しては、ポケットキャビティ構造特有の弾きが強く、軟鉄鍛造らしい柔らかさを求める方には好みが分かれる印象です。
まとめ

X FORGED MAX STAR アイアンは、キャリー167.3ヤードというデータは、同一ロフト帯(7番・30度前後)のモデルと比べて目立って飛ぶわけではありませんが、そのぶんスピン量や打ち出し角のバランスが非常に良く、「飛んで止まる」実戦的な弾道を安定して打てるのが最大の強みという感じ。
方向性のブレも少なく、左右に曲がりすぎない軽いドロー弾道でターゲットを狙いやすく、キャリーの再現性も高いことから、飛距離は出てくれても良いけど、縦の距離感もしっかりと重視したい人にとっては心強い武器になります。
一方で、打感については構造上やや弾きが強く、ポケットキャビティらしさを感じるフィーリング。フェードの打ち分けや抑えたショットの操作性はやや難があるため、フィーリングや球筋に強いこだわりを持つなら微妙かもって感じはします。その場合は飛距離はちょっと落ちますが、兄弟モデルのX FORGED MAXアイアンの方が相性は良いでしょう。
飛距離・高さ・方向性・寛容性のバランスが非常に良く、シンプルに「飛ぶけど縦距離が合うアイアン」と「止められるスピン性能」を求める人にはおすすめ。
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