今回取り上げるのはヨネックス EZONE GT MAX ドライバー。こちらの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

結論から言うと、ヨネックス EZONE GT MAX ドライバーは、「方向性の安定性」と「高弾道性能」に特化した安定志向のドライバーです。
飛距離性能はまずまず(というか普通)ながら、キャリーの安定性やミスへの寛容性の高さが光ります。ややドロー傾向があるものの、極端な曲がりは明らかに少ないので、フェアウェイキープを重視したい方には、注目度は正直低いながらもおすすめできるモデルです。
目次
ヨネックス EZONE GT MAX ドライバーの特徴とデザイン

EZONE GT MAXは、ヨネックスのEZONE GTシリーズにおいて最大の慣性モーメントを実現した最新モデルで、直進性と高弾道の両立を狙った設計です。PINGでいう所のMAX 10Kぐらいのモデル。


460ccヘッドでアドレス時に見える投影面積は非常に大きく、ちょっとグースネックっぽく見えるのも特徴ですね。顔はめちゃくちゃ捕まり系で、スライサーには安心感がかなりあるかと思います。

ヘッド素材には軽量・高剛性の「8AL-1Mo-1Vチタン」、フェースには高強度な「Super-TIX®51AF」を採用。フェース面全体には縦方向のレーザーミーリングが施され、サイドスピンを抑制して直進性をしっかりサポートしてくれるという内容です。

さらに、クラウンには「2G-Namd™ Speed」カーボンを搭載し、復元力の速さで初速アップに貢献。

ソール部の「StrikeSpeed Carbon」構造はフェース下部の反発性能を底上げしており、多少ミスしても飛距離低下を抑えられるとのこと。

純正装着の「RK-04GT」シャフトはクセが少なく、幅広いゴルファーに扱いやすい印象。加えて、岩井姉妹モデルの限定カラー展開もファンにはうれしいポイントです。
ヨネックス EZONE GT MAX ドライバーのトラックマン4計測データ


ヨネックス EZONE GT MAX ドライバーの試打計測の平均データが下記
項目 | 平均値 |
---|---|
ヘッドスピード | 44.1 m/s |
ボールスピード | 64.6 m/s |
打ち出し角 | 15.4° |
打ち出し方向 | 1.9°右 |
バックスピン | 2374 rpm |
スピン軸 | -3.5°(左) |
最高到達点 | 33.3 yd |
キャリー | 243.6 yd |
トータル飛距離 | 266.9 yd |
曲がり幅 | -5.9 yd(左) |
左右ブレ | 2.1 yd(右) |
スマッシュファクター | 1.47 |
キャリー243.6yd、トータル266.9ydという飛距離は、 正直言うと平均的で超飛ぶということはないですが、安定型のドライバーとして考えれば申し分ないデータだと思います。
強みは方向性と距離の誤差が小さい点で、キャリーのばらつきも±1.8ydととんでもなく小さく、データ面でも「とにかく曲げたくない、ミスヒットしても安定して飛んでくれるドライバーが欲しい」という人にとっては頼れる1本になりそうなのは間違いなさそうです。
飛距離性能と高さの分析

EZONE GT MAXのトータル飛距離はそこそこ飛ぶけど平均では266.9yd。
単発では270ヤード超えが出ることもあったんですけれども、正直なところもう少し伸びてくれたら“めちゃくちゃ飛ぶドライバー”としても推せたのですが、ヘッドスピード44~45m/s帯でこの数値なら平均的かなーという印象です。
それでもスマッシュファクター1.47というインパクト効率は高めで、これはフェース下部でもロスしにくい「StrikeSpeed Carbon」構造のおかげなのかなと。全体的に安定した初速が得られていたのは評価したいポイントです。

また、打ち出し角15.4°、スピン量2374rpmというデータからもわかるとおり高弾道でした。キャリーを稼ぐことを考えれば最適な弾道だと思います。
一方で、ヘッドスピードが速く、元々高弾道の方や、風の強い日のプレー、ランをより重視する戦略を取る場合には、この上がりやすさは調整が必要になるかもしれません。
とは言っても設計思想として、多くのゴルファーが安定してキャリーを確保できる点を優先した結果だと思うので、キャリー不足を感じているなら恩恵は受けやすいというのは感じられました。
弾道傾向と方向性やばらつき

スピン軸-3.5°という数値が示すとおり、基本的には軽いドロー傾向。見た目どおり優しく捕まってくれました。
ですが、大きく左へ引っかかるような極端な球は出にくく、平均曲がり幅-5.9yd、左右ブレ2.1ydと直進安定性はかなり優秀でした。
打ち出し方向も1.9°と少し右に出てくれるので、ドロー系の球筋でもコース内に安定して残ってくれるというのは嬉しいところ。
さらにフェース下部でのヒットでも直進性やキャリーのばらつきが小さくて、「バーチカルレーザーミーリングフェース」や高慣性モーメント設計の恩恵は強く感じられました。

分散を見てもまとまりが良くて、キャリー誤差がとにかく小さいです。総じて安定感はめちゃくちゃ優れているという事ですので、コースでの再現性を重視したい方にやはりピッタリかなと思います。
フィーリング
打感について: ボールがフェースにしっかりと乗り、インパクトのエネルギーが効率よく伝わるような、ソリッドで心地よい打感が印象的です。強く弾くというよりは乗り感が結構ある打感でした。
打音について: 落ち着いた中低音の打音です。過度に甲高い金属音ではないのは意外で、個人的にも好きな音・
構えやすさ・ヘッドの印象について: 大きめのヘッド形状は、アドレス時の安心感に大きく貢献しています。ドローバイアスタイプながら極端なフックフェースでもないのでターゲットに対してスクエアに構えやすく、違和感なくセットアップできる。
操作性について: 基本的にはオートマチックな挙動で、安定した高弾道を打ちやすい設計です。意図的に大きくボールを曲げるような操作性はありませんが、その分、意図しない大きな曲がりが出にくいというメリットがあります。
良かったところ / 微妙なところ
性能評価チャート
飛距離は7点としましたが、これはボール初速にもう少し伸び代を感じたためです。まあ簡単に言えば普通だったというだけですけどね。
しかし、「上がりやすさ」と「寛容性」は満点の10点と評価できます。特にボールがなかなか上がらない方にとっては、この「上がりやすさ」はありがたい性能だと思います。
方向安定性も抜群で、曲げずに着実にコースを攻略したいなら非常に頼もしい性能。打感やボールのつかまりも良好で、幅広い層に受け入れられるバランスの良さも魅力と言えます。
まとめ

ヨネックス EZONE GT MAX ドライバーについて詳しく見てきましたが、このドライバーは「何よりもまずティーショットを安定させたい。そして、楽にボールを上げて、確実にキャリーで飛ばしたい」と思っているんだったら、非常に心強い選択肢となるのではないかと思います。とにかく上がってくれて曲がらないので安心感は最強クラスです。
飛距離性能は平均的で、ボール初速にもう少し伸びが欲しいと感じるかもしれませんが、それを補って余りあるほどの方向安定性とミスへの強さが大きな魅力です。
スコアメイクに真剣に取り組む多くのゴルファーにとって、信頼できる一本となる可能性を秘めています。
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