エストリックスのシャフト「IGNOVA BX」を試打しました。計測にはいつものようにトラックマン4を使用。

IGNOVAはエストリックスが2026年に立ち上げた新しいブランドで、BXはその第1弾です。国内男子ツアーでは比嘉一貴選手も8月に使っていたシャフトのようです。

結論から言うと、非常にスムースなしなり感なのに、弾道は驚くほど安定したシャフトでした。

ということでデータを見ながらレビューしていきます。

  • しなりはスムースな中調子で、切り返しのタイミングが取りやすい
  • トータルは10球すべて273〜280ヤードに収まり、着弾の左右幅も22ヤードほど
  • スピンは少なめで、つかまりはやや控えめ。左へのミスが出にくい
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IGNOVA BXの特徴

エストリックス IGNOVA BX

IGNOVA BXは、エストリックスから2026年7月に発売。

エストリックスは1995年設立のシャフトメーカーで、これまでS-TRIXX Xなどのモデルを出してきました。

公式のキックポイントは中調子(MID)。

メーカーが挙げている特徴は下記の3点です。

  • スイングテンポに合わせた「淀みのないしなり」:切り返しから滑らかに加速して、スムースに振れる
  • 先端に「Ni-Ti(ニッケルチタン)」を複合成形:形状記憶合金の金属線をシャフト先端部に入れて、その復元力でヘッドのブレや当たり負けを抑える
  • スピン量の抑制:スピンを抑えながら、スイングのエネルギーをボールに効率よく伝える

メーカー的には、極上の振り心地と強弾道を両立させた「次世代のスムースシャフト」という位置づけのようです。

これまでのエストリックスとの違い

エストリックスの近年のモデルと、60Sで比較したのがこちら。

モデル発売調子60Sの重量60Sのトルク60Sの振動数(公式)
S-TRIXX X–中元調子––262cpm
S-TRIXX Y2026年8月元調子66g2.9262cpm
IGNOVA BX2026年7月中調子64.5g3.6261cpm

S-TRIXX YはS-TRIXX Xの流れをくむ元調子で、メーカーは左のミスを抑えるシャフトとして紹介しています。

IGNOVA BXはこの2本と違って中調子。60Sのトルクも3.6で、Yより大きめになっていますね。

ラインナップは40g台から70g台までの12スペックで、すべて中調子。60g台はS・X・XXの3種類です。

モデルフレックス重量トルク振動数(公式)
BX40R47.5g5.4234cpm
BX40S49.5g5.3260cpm
BX40X51.5g5.2270cpm
BX50R53g4.5236cpm
BX50S55g4.4260cpm
BX50X57g4.4270cpm
BX60S64.5g3.6261cpm
BX60X66.5g3.5272cpm
BX60XX69.5g3.4287cpm
BX70S75g2.8267cpm
BX70X77g2.8277cpm
BX70XX80g2.8287cpm

今回の試打スペックである60 Sは重量64.5g・トルク3.6です。

IGNOVA BXのデザイン(シャフトのBXI 60 FLEX-S表記のアップ)
IGNOVA BXのデザイン(シャフトのIGNOVAロゴのアップ)
IGNOVA BXのデザイン(シャフトのスペック表記のアップ)
IGNOVA BXのデザイン(BXI 60 FLEX-S と MADE IN JAPAN 表記のアップ)
IGNOVA BXのデザイン(シャフトのロゴ部分のアップ)
IGNOVA BXのデザイン(シャフトのNiTi刻印のアップ)

デザインはツヤのあるダークシルバーに、ブルーのIGNOVAロゴ。NiTiの表記も入っていて、見た目もかっこいいです。

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試打条件と実測スペック

トラックマン4

計測はいつものようにTrackMan4で行いました。

IGNOVA BXの試打に使ったヘッド

ヘッドはキャロウェイ Ai SMOKE トリプルダイヤモンド 9°でヘッドスピード45m/s前後に揃えて、ボールは計測器用のタイトリスト プロV1x(RCT)で統一しています。

項目内容
計測器TrackMan4
ヘッドキャロウェイ Ai SMOKE トリプルダイヤモンド 9°
試打シャフトエストリックス IGNOVA BX 60 S
計測ボールタイトリスト プロV1x(RCT)
公式重量64.5g
公式トルク3.6
振動数259cpm
中間剛性5.76kg
IGNOVA BXの振動数を計測しているところ
IGNOVA BXの振動数指標

振動数は259cpmで、当サイトのドライバー用シャフト平均より6cpmほど低め。

IGNOVA BXの中間剛性を計測しているところ
IGNOVA BXの中間剛性指標

中間剛性は5.76kgで、平均より0.27kgほど高い数値でした。

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IGNOVA BXの試打データ

IGNOVA BXのトラックマン4計測データ

平均データは下記です。

項目平均ばらつき(±)
クラブスピード44.8 m/s0.8
ボールスピード66.3 m/s0.6
スマッシュファクター1.480.03
打ち出し角15.0°1.1
バックスピン1,890 rpm94
キャリー250.4 yd5.8
トータル276.7 yd1.9
最高到達点30.8 yd3.8
落下角度35.4°2.8
スピン軸4.2° 左3.1
曲がり幅5.9 yd 左4.2
着弾左右3.8 yd 右8.0
打ち出し方向2.2° 右1.0

ベストショット以外の9球の計測画面がこちら。

IGNOVA BXのトラックマン4計測画面(キャリー244.9ヤード・スピン1830rpm)
IGNOVA BXのトラックマン4計測画面(キャリー246.0ヤード・スピン1770rpm)
IGNOVA BXのトラックマン4計測画面(キャリー253.3ヤード・スピン1850rpm)
IGNOVA BXのトラックマン4計測画面(キャリー246.0ヤード・スピン1860rpm)
IGNOVA BXのトラックマン4計測画面(キャリー255.5ヤード・スピン2020rpm)
IGNOVA BXのトラックマン4計測画面(キャリー244.5ヤード・スピン1750rpm)
IGNOVA BXのトラックマン4計測画面(キャリー248.4ヤード・スピン1920rpm)
IGNOVA BXのトラックマン4計測画面(キャリー257.3ヤード・スピン1920rpm)
IGNOVA BXのトラックマン4計測画面(キャリー246.4ヤード・スピン1920rpm)

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飛距離性能と初速

IGNOVA BXのスマッシュファクター指標
IGNOVA BXのボールスピード指標

スマッシュファクターとボールスピードは、どちらも平均ぐらいでした。

IGNOVA BXのキャリー指標
IGNOVA BXのトータル飛距離指標

キャリーは250ヤードほど、トータルは277ヤードほどで、どちらも26機種中8位。平均より少し上。まあまあ良いですね。

IGNOVA BXのベストショット

今回のベストショットはキャリー262ヤード、トータル280ヤード。ボールスピード67.6m/s、スピン2,060回転で、着弾はセンターから18ヤードほど右です。

IGNOVA BXの打ち出し角指標
IGNOVA BXの最高到達点指標
IGNOVA BXのバックスピン量指標

打ち出し角は26機種中3位の高さですけれども最高到達点は平均ぐらいです。

バックスピン量は1,900回転ほどで、平均より340回転ほど少なめ。かなり低スピンなシャフトと見てもらっていいです。

モロに高弾道低スピン系の球筋という印象でした。

ボールスピードとキャリーの散布図

トータルは10球すべてが273〜280ヤードの間で、縦の幅は7ヤードほど。縦距離自体もけっこう揃っています。

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方向性とつかまり

IGNOVA BXのつかまり傾向

つかまりはやや控えめです。

ドローヒッターのぼくが打って、スピン軸4.2°左・曲がり幅は左に6ヤードほどでした。

データベース上の上記カードでは「ややつかまる」という判定になっていますが、左へのミスは出にくく、個人的にはややつかまらない側という評価。

IGNOVA BXの着弾散布図

データ上はわずかーなドローですが打ち出しも右に出しやすいので着弾地点は中央からやや右に集まる。まあ理想的じゃないかなと思っています。

単発で見ると、着弾はセンターから左5ヤード〜右18ヤードの間。10球のうち右が5球、左が5球で、左は最大でも5ヤードほどです。

左右の幅は22ヤードほどで、驚異的なレベルで安定していました。

ドローヒッターのぼくが使っても捕まりすぎる不安もないし、引っ張ってしまうようなプルフックなども気にせず振れて、ストレート〜軽めのドロー弾道をイメージしやすいのも好印象。

曲がり幅と着弾左右の散布図

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振り感と剛性感

IGNOVA BXのクラブ全体(グリップからヘッドまで斜めに写したクラブ全体)
IGNOVA BXのクラブ全体(青いラインのシャフトとグリップを見せた全体)

実際に振った感想は、非常にスムースなしなり感です。

しなる位置は中間あたりで、しなりの量もしなり戻りの速さも普通。中調子らしい素直な動きです。

それでいて先端はしっかりしているので、叩きにいっても暴れない。ということでめっちゃ良いんですわ。

切り返しのタイミングも取りやすく、ハードさはややマイルド。全体的な剛性もそれほど高くないので、一般目線でも見てもとても振りやすいシャフトだなと感じます。

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良かった点・気になった点

良かった点

  • トータルは10球すべて273〜280ヤードに収まり、縦距離が揃う
  • 着弾の左右幅は22ヤードほどで、左へのミスが出にくい
  • スピンは26機種中4番目に少なく、打ち出しは3位の高さ
  • しなりがスムースで、切り返しのタイミングが取りやすい

気になった点

  • 初速は平均ぐらいで、飛距離が突出しているわけではない
  • キャリーには17ヤードほどの幅があった

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総合評価

評価項目スコアコメント
飛距離8.5 / 10キャリー・トータルとも8位。平均より少し上
初速性能7.0 / 10初速・スマッシュとも平均ぐらい
弾道の高さ7.5 / 10打ち出しは3位。最高到達点は平均ぐらい
低スピン性能9.0 / 101,900回転ほどの低スピン
安定性9.0 / 10トータルの幅は7ヤード、左右は22ヤードほど
つかまり6.0 / 10やや控えめ。左へのミスが出にくい
しなり感8.5 / 10スムースで、中間からしなる
振りやすさ9.0 / 10タイミングが取りやすく、叩いても暴れない

飛距離は平均より少し上という結果でしたが、それ以上に弾道の安定感が際立ったシャフトでした。それから硬すぎないので振りやすさもあって、全体的なバランスが絶妙すぎる。

高さも比較的出しやすいので、扱いやすいシャフトであることは間違いないと思っています。

特筆してここがめっちゃ凄いというところは正直ないですが、ニュートラル系の中調子が好きな人には好まれるんじゃないでしょうか。

おすすめする人 クセのない中調子が好きな人。左へのミスを抑えて、縦距離を揃えたい人

おすすめしづらい人 シャフトでつかまりを補いたい人。先端が走る弾き系が好きな人

IGNOVA BXのポジションマップ

ポジションマップは中央のやや下。打ち出しはそこそこ出ますがロースピンで最高到達点はむしろ少し低いぐらいなのでこの位置としておきます。

大体どのヘッドにも合わせやすいので、ロースピン化できるニュートラルなシャフトを探している方におすすめ。

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この記事を書いた人

まさ:ゴルフ歴30年。元ゴルフショップ店員・クラフトマンで、ゴルフメーカーにも10年以上勤務。Trackman 4とGCQuadで計測した試打データを公開しています。YouTubeチャンネル「ゴルフ雑記帳」でも動画でレビューしています。

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まさ
ゴルフメーカーとゴルフショップで合計15年間働いた経験を元にゴルフに関するギア(クラブや計測器など)をわかりやすく紹介しています。ベストスコアは69 ショップ勤務時代に、クラフトマンとして修理・カスタマイズ技術を習得。現在もクラブ修理全般こなすクラブマニア。 Twitter、インスタグラム、Youtubeと各種SNSも運営していますので、フォローよろしくお願いします。 プロフィールはこちら