ピンの新しい特許出願「MULTI-STAGE FORGING PROCESS(多段階鍛造プロセス)」が、米国時間2026年7月16日に公開されました。
中身を確認したところ、1つの金属塊(ビレット)を多段階で鍛造して、深いキャビティ付きアイアンを作る製法というような内容。
出願人はピンの親会社であるKarsten Manufacturing(カーステン・マニュファクチャリング)です。
GolfWRXのフォーラムでは、「次期Blueprint S/Blueprint iの姿ではないか」と盛り上がっています。
特許の概要|1月出願、7月16日に公開
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公開番号 | US 2026/0199747 A1 |
| 名称 | MULTI-STAGE FORGING PROCESS |
| 出願人 | Karsten Manufacturing Corporation(ピン親会社) |
| 発明者 | Yujen Huang / Erik M. Henrikson / Matthew T. Schier |
| 出願日 | 2026年1月8日 |
| 公開日 | 2026年7月16日 |
| ステータス | 出願公開(特許登録はまだ) |
まず前提として、今回のは審査を通った「特許登録」ではなく、出願内容がオープンになる「出願公開」の段階です。
なので、この内容がそのまま市販モデルになるとは限りません。
ただ、この出願は2019年出願の米国特許11,273,486号から続く「鍛造キャビティ+インサート」系譜の続きもので、ピンがかなり長いスパンで開発を続けてきた技術ではあります。
内容は「鍛造で深いキャビティを作る」製法


特許の中身は素材や顔つきの話ではなく製造方法です。
要約には単一のビレットから多段階鍛造でキャビティ付きのアイアンヘッドを作り、そのキャビティにインサートを装着すると書かれています。
工程はおおまかに次の流れです。
- ビレットを粗鍛造して大まかなヘッド形状を作る
- ホットプレスでキャビティを成形する
- 精密鍛造でキャビティ形状を確定させる
- 仕上げ鍛造ののち、キャビティにインサートを装着する
面白いのは打面側を一時的に湾曲させておくことで、鍛造では難しかった深いアンダーカット形状のキャビティを作れるとしている点かなと思います。


クレーム(権利範囲)には、キャビティ深さ10〜13mm、キャビティ容積4〜8cc、トゥ側スクリューウェイト4〜14gといった具体的な数値が並んでいました。
効果としては、キャビティなしの普通の鍛造アイアンより低重心・高慣性モーメントにできて、鋳造アイアンより金属の粒子構造が緻密なぶんソリッドな打感になる、ということみたいです。
既存のピンのアイアンと何が違うのか
現行ラインナップと比較してみると今回の特許の狙いが少し見えてきます。
| モデル | 発売 | 製法 | キャビティ・インサート |
|---|---|---|---|
| Blueprint T | 2024年 | 8620軟鉄鍛造 | なし(マッスルバック) |
| Blueprint S | 2024年 | 8620軟鉄鍛造 | 3〜5番のみ鍛造ポケット+エラストマー |
| i240 | 2025年 | 431ステンレス鋳造 | エラストマーインサート+カーボン混バッジ |
| i230 | 2022年 | 431ステンレス鋳造 | エラストマーインサート+マルチマテリアルバッジ |
ピンの鍛造アイアンは、現行だとBlueprint TとBlueprint Sの2機種だけになります。
鍛造でキャビティを作る技術も、Blueprint Sの3〜5番に使われているPrecision-Pocket Forgingが唯一で、ポケットで約10gを浮かせる浅めの形状にとどまっていました。
一方で、i230やi240の深いキャビティ+エラストマーインサート構造は、これまで鋳造でしか作れていません。
今回の特許では
背面上部のプレート(特許内では「アプリケ」と呼ばれるパーツ)+キャビティ内のインサート+トゥ側スクリューという構成は、i240のバッジ構造とそのまま重なります。
要するに、鋳造iシリーズの低重心・寛容性と鍛造の打感を、1つのヘッドで両方実現しようという狙いがあるのかもしれません。
「次期BPSとBPiでは」と盛り上がりをみせている
この特許を見つけたのはGolfWRXフォーラムのユーザーで、7月19日に図面のスクリーンショット付きで投稿されました。


投稿された図面(FIG.21〜24)には寸法の異なる2つの実施例が描かれていて、スレッドでは「片方はi240のようなカーボン要素を持ち、もう片方はそれがない構造」「新しいブループリントSとブループリントiではないか」という意見も出ていました。
背景として、2026年1月に「Blueprint i」「BPT」「BPS」「BPi」の商標が同日に一括出願されていたことが同スレッドで報告されています。
なので、i240の後継は「i250」ではなくBlueprintブランドへ統合される、という説が有力になっています。
ただし、ツアーでの実機目撃やUSGA適合リスト掲載といった動きはまだゼロなので噂レベルの話でもありますね。
個人的には、i230・i240と続いてきた「鋳造でも打感がいい」路線が、鍛造になったらどこまで良くなるのか、そこが一番気になるしそうなってくれると嬉しいなーという気持ち。
ということですが、今後のピンのツアーアイアンがかなり楽しみになってきました。
続報があれば随時更新していきたいと思います
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