今回取り上げるのは「バシレウス XTM Shaft Phase(フェーズ)」。さっそく試打計測を行ったのでレビューします。
「XTM」はあのバシレウスのブランドで、「XTREME(究極)」をコード化したアイコンです。ゴルフがエクストリームスポーツの分野に採用されると仮定し、誰も成し得なかった「思想」、「発想」「設計」をコンセプトにしているとのこと。
そして、このPhase(フェーズ)はXTMシリーズの第三弾となります。

まず、結論から言っておきます。
正直ノーマークだったのですが、かなり安定性が高いうえに、操作性も申し分なし!めちゃくちゃ良いシャフトなので、操作性やコントロールの効くシャフトが好きな人には超おすすめ。
スマッシュ(ミート率)も良くて、特に初速性能には目を見張ります。安定だけじゃなくて飛ばしに有利なシャフトなのも間違いないだろうという評価です。
シャフト全体に剛性感がしっかりあるため、しなり幅はあまりなくて動きも少なめ。その分スイングへの反応が良く、意のままに操れるというのはこれか!という感じで、とにかく思い通りに打てるシャフトでした。
しかもそこまでピーキーでもなくて、難易度も決して高くはありません。そのあたりも丁度良いバランスで良かったですね。
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目次
バシレウス XTM Shaft Phase(フェーズ)の概要とデザイン

今回レビューする『XTM Shaft Phase(フェーズ)』は、バシレウスが「精度」と「飛距離」のどちらも欲しいという要望を実現するために開発したシャフト。

バシレウスの長年のフィッティングデータを整理し、シャフトの特性を分かりやすく示す「X-ABILITY」という新たな指標があるのですが、XTMの中でPhaseは「Control」にカテゴライズされています。
ちなみに、Phaseは「局面」という意味。メーカーの公式サイトにはコントロールジャンキー、とも書かれているぐらいでコントロール性能に関しては相当アピールしています。
XTMは先調子やダブルキックなどのモデルがありますが、今作のキックポイントは中元調子。

デザインもカッコよくて、画像で見た時よりも実物のデザインはけっこう好きでした。

サイバーネティックスやストリートグラフティのイメージを取り入れているようです。

高発色新塗料の採用されているみたいで、たしかにシャフトの発色はいい感じ。

装着時の見た目はこうなっています。
スペックは下記。
| モデル | Flex | Weight (g) | Torque (°) | Tip-Dia. (mm) | Butt-Dia. (mm) | K.P.MODEL |
|---|---|---|---|---|---|---|
| XTM Phase 40R2 | R2 | 44.5 | 4.0 | 8.5 | 15.1 | MID-HIGH |
| XTM Phase 40R | R | 45.5 | 4.0 | 8.5 | 15.1 | MID-HIGH |
| XTM Phase 40S | S | 48.0 | 4.0 | 8.5 | 15.2 | MID-HIGH |
| XTM Phase 50R | R | 55.5 | 3.6 | 8.5 | 15.3 | MID-HIGH |
| XTM Phase 50S | S | 56.0 | 3.6 | 8.5 | 15.4 | MID-HIGH |
| XTM Phase 50X | X | 58.0 | 3.6 | 8.5 | 15.5 | MID-HIGH |
| XTM Phase 60S | S | 64.5 | 3.6 | 8.5 | 15.2 | MID-HIGH |
| XTM Phase 60X | X | 66.5 | 3.6 | 8.5 | 15.1 | MID-HIGH |
バシレウス XTM Shaft Phase(フェーズ)の試打計測データ



試打計測の平均データが下記
2024年以降はドライバーはヘッドスピード44m/s〜46m/sの範囲内での計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
| 指標 | 平均値 |
|---|---|
| クラブ速度 | 45.4 m/s |
| ボール速度 | 66.8 m/s |
| スマッシュファクター(ミート率) | 1.47 |
| キャリー | 252.0 yd |
| トータル | 276.3 yd |
| 打ち出し角 | 14.4° |
| バックスピン | 2,355 rpm |
| 最高到達点 | 33.3 yd |
| 着地角 | 38.2° |
| スピン軸 | -3.7° |
| 曲がり幅(Curve) | -6.6 yd 左 |
| キャリーサイド | -6.2 yd 左 |
| 打ち出し方向 | 0.1° 左 |
上記が今回トラックマン4で計測を行った平均値になります。
全体的に理想的な数値が出ているなーという印象です。データは最高!
特に初速が良く出てくれていますし、スピン量もちょうどいいところに収まってくれていますね。
飛距離性能と上がりやすさの分析

平均でのトータル飛距離は276.3ヤード。当サイトの基準としては平均で270ヤードを超えれば、飛ぶという評価をしていますが、余裕のクリアです。
何より初速がかなり出やすい点が良い。平均で67m/sに迫るモデルはそんなにありません。
効率の良さは際立っていて、まず飛びに有利なシャフトと思ってもらって間違いないですね。

中元調子ながら打ち出し角も十分すぎるほど出ます。意外とバックスピンはそこまで低スピン化しなくて、2300回転ほどを推移していました。
2000回転を下回ってドロップするような不安もなく、キャリーを安定して出せていましたし、適度なスピン量で飛び姿にも安定感を感じます。
計測に使ったSIMは低スピンなヘッドなので、シャフト自体は極端なロースピンというわけではなさそうです。バックスピンのばらつきもあまりないので、キャリーの安定感も高くてバランスが良い感じ。
弾道や球筋、方向性の分析

分散を見ると、センターより左約6ヤード地点が平均値となっていますが、集弾性は非常に良い部類です。
飛びに加えて方向性も抜群。メーカーがアピールしているとおりになって若干悔しさもありますが、打点がズレてもシャフトが耐えてヘッドがぐらつかないのも影響している感じがします。

軽いドロー感はあるものの、筆者がそもそもドローヒッターということもあるので、この位置の着弾と球筋を見る限り、つかまりはそこまで強くはありません。

球筋はストレートドローです。曲がり幅は大きくなくて安定感がすごいあるなという印象。やはりコントロールの良さを強調しているだけはあります。
バシレウス XTM Shaft Phase(フェーズ)の振動数とフィーリング

60Sでの振動数は271cpm。振った感覚よりもけっこう高い数値で驚きました。
多くのシャフトの60g台Sフレックスだと、260cpmに収まることが多いですが、270を超えてくるため、ここだけ見るとハード目には見えるかなと。
先調子で手元を固めているタイプならわかる数値ですが、手元調子系でこういった振動数は珍しいです。
振ってみても思いましたが、確かに手元がすごくしなるとか、緩いという感覚はなかったのはこのためですね。締まりのあるフィーリングです。


中間部の剛性も5.5kg近い値を示しています。全体的に高剛性なシャフトと見ていいでしょう。
フィーリング的には、極端にどこかがしなるとか、動くというような事もなく、全体の均一にしなってきます。そもそもそんなに動きはないタイプですけど、手元がグニャッと行く感じもないので、もたつき感は皆無。
切り返しからの反応がとにかく良いんですが、操作性の良さはこれによって出ているのだと思います。
あと、手元系の中では弾きは強いタイプ。初速の出やすさにも直結していますし、安定感も損なわない程度のところでバランスを取っている感じで、絶妙な匙加減といえます。
バシレウス XTM Shaft Phase(フェーズ)の良かった所・微妙な所
バシレウス XTM Shaft Phase(フェーズ)の評価
まず飛距離性能が素晴らしいです。コントロールに重きを置いているという事だったので、そこまで飛びには期待していなかったのですが、良い意味で裏切られた形です。
それでいて、最も特徴としているコントロール性能(操作性・安定感)は期待どおり。球筋の揃い方や、バックスピン量のばらつきの少なさなどは最高だったかなと思います。
振動数はどのスペックでも高めですが、実際に振ってみるとかなり振り感もいいので、260台を好んで使う筆者も違和感なく使えました。
中元というよりもほとんど中調子ぐらいのイメージでしたので、かなり多くの方にマッチするシャフトだと思います。
価格はそこそこしますが、性能を考えればコスパはむしろ良いぐらいです。
正直ここまで良いとなると、XTMの残りの2つも気になってきますね。とりあえずPhase(フェーズ)は2025年に打ったシャフトの中でも最高の1本だったかなと思います。
素直におすすめです。
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