グラファイトデザインの新作シャフト「ツアーAD EK」を試打しました。計測にはいつものようにトラックマン4を使用しています。

メーカーの説明では、スピード感と適度なつかまり感をプラスした新世代の走り系シャフトです。

結論から言うと走り系なのに叩いても暴れない、安定感の高いシャフトでした。

ということでデータを見ながらレビューしていきたいと思います。

ツアーAD EK
  • スマッシュファクターは当サイトのドライバー用シャフトで1位
  • 低スピンの強弾道でトータルは2位。弾道はかなり低め
  • 走り系だけどつかまりは弱めで、左へのミスが出にくい
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ツアーAD EKの特徴

ツアーAD EKは、グラファイトデザインが2026年9月4日に発売したツアーADシリーズの最新モデルです。

シリーズの中では、ドロー系のツアーAD CQとニュートラルなTOUR AD GCの間に位置するモデルとのこと。

キックポイントはどのスペックも中調子と記載されているが一応走り系ということらしい、40g台から70g台まで4つの重量帯が用意されています。

モデルフレックス重量トルク
EK-4R248g5.3
EK-4R149g5.3
EK-4S50g5.2
EK-4X51g5.2
EK-5R255g4.4
EK-5R156g4.4
EK-5S56g4.4
EK-5X59g4.4
EK-6SR64g3.2
EK-6S66g3.2
EK-6X68g3.2
EK-6TX70g3.2
EK-7S74g2.8
EK-7X77g2.8
EK-7TX78g2.8

今回の試打スペックである6Sは重量66g、トルク3.2です。

テクノロジーは2025年モデルから採用している「NEW SHAPE」と「AD SHIELD」に加えて、曲げ・ねじれ・つぶれの3軸を調整する「3D スピードトルネード」を搭載。手元側の剛性を高めて、中間から先端のしなやかな動きで初速アップを狙った設計とのことです。

ツアーAD EKのデザイン(シャフトからヘッドにかけての全体アングル)
ツアーAD EKのデザイン(シャフト銘板のアップ、TOUR AD EKの6-Sフレックス表記)
ツアーAD EKのデザイン(シャフト中間部のアップ、奥に可変ホーゼルとヘッドが写り込む)

デザインはグレーとブラックのツートンカラー。落ち着いていてカッコいいので、個人的には好みです。

人によっては地味に感じるかもしれません。

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試打条件と実測スペック

トラックマン4

計測はいつものようにTrackMan4で行いました。

ツアーAD EKの試打に使ったヘッド

ヘッドはキャロウェイ Ai SMOKE トリプルダイヤモンド 9°でヘッドスピード45m/s前後に揃えて、ボールは計測器用のタイトリスト プロV1x(RCT)で統一しています。

項目内容
計測器TrackMan4
ヘッドキャロウェイ Ai SMOKE トリプルダイヤモンド 9°
試打シャフトグラファイトデザイン ツアーAD EK 6S
計測ボールタイトリスト プロV1x(RCT)
公式重量66g
公式トルク3.2
振動数268cpm
中間剛性5.61kg
ツアーAD EKの振動数を計測しているところ

振動数は268cpmで、当サイトのドライバー用シャフト平均266cpmとほぼ同じ。

ツアーAD EKの中間剛性を計測しているところ
ツアーAD EKの中間剛性を計測しているところ

中間剛性は5.61kgで、平均5.50kgをわずかに上回る当サイトの中では8位でした。

どちらも平均より少し上という静的データ。過去に計測したツアーADだとGCが267cpm・5.44kgだったので、計測上の硬さとしてはGCに近いです。

つかまり系のCQは中間剛性が4.71kgでしたから、走り系として見ると中間はけっこうしっかりしています。

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ツアーAD EKの試打データ

ツアーAD EKのトラックマン4計測データ

平均データは下記です。

項目平均ばらつき(±)
クラブスピード44.4 m/s0.5
ボールスピード67.1 m/s0.9
スマッシュファクター1.510.01
打ち出し角13.4°0.8
バックスピン1,798 rpm116
キャリー249.2 yd6.3
トータル280.2 yd3.8
最高到達点27.1 yd2.8
落下角度32.3°2.3
スピン軸2.0° 左3.5
曲がり幅2.4 yd 左4.6
着弾左右6.2 yd 右5.2
打ち出し方向2.0° 右0.5

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飛距離性能と初速

ツアーAD EKのスマッシュファクター指標

スマッシュファクターは1.51で、当サイトのドライバー用シャフト24機種中1位でした。

トラックマン4で計測してきたシャフトの中では一番高い数値です。めっちゃ良いですね。

ツアーAD EKのボールスピード指標

ボールスピードも67m/sほどで20機種中4位。

ツアーAD EKのキャリー指標

キャリーは249ヤードほどで、平均とほぼ同じ24機種中9位。

ツアーAD EKのトータル飛距離指標

一方でトータルは280ヤードを超えて24機種中2位。平均より6ヤードほど飛んでいた。

ツアーAD EKのベストショット

今回のベストショットはキャリー260ヤード、トータル287ヤードほど。ボールスピード68.7m/s、スピン1,990回転で、着弾はセンターから10ヤードほど右です。

ツアーAD EKのバックスピン量指標

バックスピン量は1,800回転ほどで、平均より480回転ほど少なめ。トータル飛距離が伸びた要因でもありますが、いかんせん少なすぎるとも言えます。

ツアーAD EKの打ち出し角指標
ツアーAD EKの最高到達点指標

打ち出し角は13.4°、最高到達点も27ヤードほどで、どちらもかなり低め。最高到達点は24機種中23位です。

見て分かるように打ち出しも低くて低スピンですから吹き上がる気配はまったくありません。

ボールスピードとキャリーの散布図

低スピンではありますが、トータルではばらつきが小さく、よく揃っています。キャリーの方は少し幅がありましたがね。

単発で見るとキャリーは240〜260ヤード。スピンが1,700回転前後まで減ったときに、240ヤード台前半まで落ちるボールがありましたので、ロフトは多めで組んでやるほうが良いかなとは思っています。

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方向性とつかまり

ツアーAD EKのつかまり傾向

つかまりは弱めです。ニュートラルからややフェードバイアスといったところ。

ドローヒッターのぼくが打って、スピン軸2.0°左・曲がり幅は左に2ヤードほどでした。

サイト平均の曲がり幅が左に4ヤードほどなので、ぼくのドローでも少し弱まっています。

メーカーは適度なつかまり感をプラスしたと説明していますが、ぼくが打つかぎり、走り系のわりにつかまりません。

今年打ったシャフトだと、26 VENTUS TR レッドが左に6ヤード、26 VENTUS TR ブラックが左に3ヤード。EKはブラックに近い位置です。

ツアーAD EKの着弾散布図

単発で見ると、着弾はセンターから左4ヤード〜右12ヤードの間。10球中9球がセンターより右でした。

左への大きなミスは1球も出ていません。

打ち出し方向が平均で2°右。

曲がり幅と着弾左右の散布図

左右の幅は16ヤードほどに収まっているので、方向性のまとまりは良いかなと。

左が怖い人には特に安心感があります。

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振り感と剛性感

ツアーAD EKのクラウン(アドレス目線でのクラウン全体、可変ホーゼルとロフト9.0表記が見える)

実際に振った感想は、手元側がけっこうしっかりしています。

メーカーは走り系と謳っていますが、しなり量自体は少なめ。手元が硬いので、相対的に中間から走る感じは確かにあります。

張りが結構強いのでしなり量的にはそこまでありませんが、しなり戻りは速いと感じます。ただ先端側にもしっかり感があるので、叩きにいっても暴れません。

叩ける走り系という印象でした。

ねじれる感じも少なく、コントロールが効きます。それでいて吹き上がりもしないので、安定感は高いです。

重さは表示どおりで、ハードさはややハードといったところ。

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兄弟モデル・競合シャフトとの比較

弾道のデータが近い26 VENTUS TR レッド、過去に計測したツアーADの2モデルと比較しました。

モデルボールスピード打ち出し角スピン量キャリートータル最高到達点曲がり幅振動数中間剛性
ツアーAD EK67.1m/s13.4°1,798rpm249.2yd280.2yd27.1yd左2.4yd268cpm5.61kg
26 VENTUS TR レッド67.5m/s13.4°1,794rpm251.0yd281.9yd27.4yd左6.1yd270cpm5.37kg
TOUR AD GC66.0m/s14.3°2,350rpm248.1yd271.4yd32.0yd右1.8yd267cpm5.44kg
TOUR AD FI15.0°2,081rpm246.7yd273.7yd31.6yd左4.7yd278cpm5.73kg

26 VENTUS TR レッドとの比較

26 VENTUS TR レッドはスピン量も最高到達点もEKとほぼ同じで、弾道のデータはそっくりです。

初速とキャリーはレッドが少し上。違いはつかまりで、しっかりつかまるのはレッドの方。

低スピンの強弾道でつかまえたいならレッド、左を抑えたいならEKかなと思います。

過去のツアーADとの比較

振動数と中間剛性が近いのはGCです。ただ弾道は別物で、GCはスピンが入って高さが出るタイプでした。

EKはGCよりスピンが550回転ほど少なく、弾道も5ヤードほど低くなっています。

TOUR AD FIは振動数278cpmと手元がさらに硬いモデルですが、スピンと高さはEKより出ていました。

トラックマン4で計測したツアーADの中では、EKが一番スピンが少なく、弾道も低かったです。

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良かった点・気になった点

良かった点

  • スマッシュファクター1.51は24機種中1位
  • バックスピン量が少なく、トータルは22位
  • 走り系なのに叩いても暴れない
  • 左への大きなミスが出ない

気になった点

  • 弾道が低く、キャリーは平均とほぼ同じ
  • メーカーの説明から想像するほどつかまらない
  • しなり量は少なめで、ややハード

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総合評価

評価項目スコアコメント
飛距離9.0 / 10トータルは2位。キャリーは平均ぐらい
初速性能9.0 / 10スマッシュ1.51は1位。初速も上位
弾道の高さ4.0 / 10最高到達点は下から2番目
低スピン性能9.5 / 101,800回転ほどの低スピン
安定性8.5 / 10左右の幅は小さい。キャリーは少し幅あり
つかまり5.0 / 10ニュートラルからややフェードバイアス
しなり感5.5 / 10しなり量は少なめ
振りやすさ6.5 / 10手元がしっかり。ややハード

スマッシュファクターと低スピン性能は、当サイトのデータベースでもトップクラスでした。

走り系と聞いて想像するよりずっと安定していて、叩いても左に行きません。

そのかわり弾道は低く、つかまりも弱め。つかまる走り系を期待して打つと、イメージが違うかもしれません。

おすすめする人 走り系の振り感が好きで、左へのミスは抑えたい人。スピンが多くて吹き上がっている人

おすすめしづらい人 右へのミスが多い人。シャフトで高さを出したい人

ツアーAD EKのポジションマップ

ポジションマップは中央から少し右の、いちばん下です。走るタイプという割にはかなり極端な位置には来ています。

ただ、これまでのツアーADの中にはないフィーリングと弾道だったので面白いです。

飛びと曲がりは両立できているかなと思います。ヘッドをロフトは多めで組んでやると打ち出しもスピンも確保できてさらに安定して飛ばせそう。

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この記事を書いた人

まさ:ゴルフ歴30年、メーカー勤務10年以上のギア専門家。Trackman 4を用いた忖度なしの試打計測データを公開しています。YouTubeチャンネル「ゴルフ雑記帳」でも動画レビューを更新中!

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まさ
ゴルフメーカーとゴルフショップで合計15年間働いた経験を元にゴルフに関するギア(クラブや計測器など)をわかりやすく紹介しています。ベストスコアは69 ショップ勤務時代に、クラフトマンとして修理・カスタマイズ技術を習得。現在もクラブ修理全般こなすクラブマニア。 Twitter、インスタグラム、Youtubeと各種SNSも運営していますので、フォローよろしくお願いします。 プロフィールはこちら