トゥルーテンパースポーツ傘下のプロジェクトXから、Titanファミリーの新作Titan Yellowが2026年5月のPGAツア CJカップ・バイロンネルソンでツアーデビューし、ウィンダム・クラークがこのシャフトを挿したテーラーメイドQi4Dで2年ぶりの優勝を飾ったことでも話題となっています。
Titan Yellowは2026年1月発売のTitan Blackをベースに、カウンターバランス設計(高バランスポイント)で重ヘッド・長尺ドライバービルドに対応させたというシャフトです。
現時点では60/70/80g のTX(ツアーフレックス)のみのツアー専用シャフトで、一般小売価格・発売日は未発表となっていますが、今後市販化される流れではあるようです。
Titan YellowはTitan Blackの「カウンターバランス版」
Project X launches Titan Yellow wood shaft, pivotal to Clark’s CJ Cup victoryhttps://t.co/NzethEOaQn
— GolfWRX (@GolfWRX) May 26, 2026
Titan YellowはプロジェクトXが2026年1月に発売したTitan Blackの派生モデルで、カウンターバランス設計が最大の違いです。
Titan Blackと共通の剛性分布とSynexテクノロジーをベースに、バランスポイントを手元寄りにした構造になっています。
カウンターバランス化のメリットは、重ヘッドや長尺ドライバービルドを組んでもスイングウェイトを許容範囲に収めやすく、振りづらさを解消できる点です。
トゥルーテンパースポーツのProduct Marketing Coordinator、ジャクソン・ブラッグ氏は「我々のエンジニアはハンドルをよりエラスティック(弾性のある)に感じさせる方法を見つけた」と述べています。
挙動としてはTitan Blackと比較して、打ち出し角がわずかに高め、スピン量もわずかに多めに出る傾向だと公式が説明しています。
EIプロファイル(剛性配分)
手元側は柔らかめにして切り返しでシャフトが「しなる」感覚を残し、中間から先端にかけては硬くすることで打点ブレを抑える設計。基本的には手元調子系だと思って良さそうです。
Synexテクノロジー
多軸(マルチアキシャル)カーボン繊維を手元〜中間部の外層に配置し、フープスティフネス(楕円化への抵抗)を高める技術が用いられています。
シャフトがしなる際に断面が歪むことで起きるエネルギーロスを抑え、ボールスピードに繋げる狙いがあります。
本間のアーマックシャフト等と考えていることは同じような感じでしょうか。
公式スペックとラインナップ
公式が現時点で公開している情報は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 重量帯 | 60g / 70g / 80g |
| フレックス | TXのみ(ツアー専用) |
| 設計 | カウンターバランス(高バランスポイント) |
| プロファイル | 手元調子系/・手元と中間は硬めの剛性分布 |
| 主要技術 | Synexテクノロジー(多軸カーボン) |
| 設計拠点 | カリフォルニア州サンディエゴ(トゥルーテンパー R&Dラボ) |
| 価格 | 未発表(参考: Titan Blackは小売350ドル) |
トルク・振動数(CPM)・キックポイント・チップOD/バットODといった物理的なスペックは、現時点で公式から数値公開がありません。
ただし兄弟モデルのTitan Blackについては、公式スペック表が出ており、Titan Yellowもこの数値帯に近い設計と推測できます。
参考: Titan Black公式スペック
| モデル | フレックス | 重量(g) | バットOD(インチ) | トルク | 弾道/スピン |
|---|---|---|---|---|---|
| Black 60 | 5.5(R) | 66 | .335 | 3.5 | LOW |
| Black 60 | 6.0(S) | 67 | .335 | 3.5 | LOW |
| Black 60 | 6.5(X) | 67 | .335 | 3.3 | LOW |
| Black 70 | 5.5(R) | 73 | .335 | 3.3 | LOW |
| Black 70 | 6.0(S) | 74 | .335 | 3.1 | LOW |
| Black 70 | 6.5(X) | 74 | .335 | 3.1 | LOW |
| RED 60 | 6.0(S) | 84 | .335 | 3.0 | LOW |
| RED 60 | 6.5(X) | 85 | .335 | 3.0 | LOW |
ウィンダム・クラークの優勝時のスペック
クラークの優勝WITBから、Titan Yellowを挿していたドライバーが以下。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| ヘッド | テーラーメイド Qi4D 10.5° |
| シャフト | プロジェクトX Titan Yellow 60 TX |
| 長さ | 45インチカット |
| ティップカット | 1インチ |
| スイングウェイト | D3 |
| FCT設定 | アップライト + 1ノッチ低めへ |
| フロントTASウェイト | 9g(ヒール) / 3g(トゥ) |
| バックTASウェイト | 9g(ヒール) / 3g(トゥ) |
このセッティングでクラークは大会中、Strokes Gained Off-the-Tee(SG:OTT)で4打以上を獲得、フィールド6位という成績を残しました。
2024年AT&Tペブルビーチ以来となる2年ぶりの優勝、タイトリストとの契約が終了してから初の勝利、そしてQi4Dドライバーにとっても契約フリー選手による初の優勝という3つの「初」が重なった一戦です。
テーラーメイドツアー担当エイドリアン・リートベルト氏のコメントは以下のとおり。
“It was probably spinning 100-200 RPM more than he would want but with the consistency of the Qi4D head at that lie angle creates more accuracy which is what he was looking for.”
訳すと「狙いより100〜200回転スピンが多めだったが、このライ角でのQi4Dの一貫性が精度を上げてくれた」というもの。
リートベルト氏は続けて「クラークはボールスピードに余裕があるので、フェアウェイキープのために飛距離を多少犠牲にしてもいい」とも述べており、飛距離を捨てて精度を取りに行ったセッティングだという点が興味深いです。
ちなみに3番ウッドのQi4D Tour 15°にはTitan Black 80 TXが入っていました。
Titan Blackとの違い
| 項目 | Titan Black(2026年1月発売) | Titan Yellow(2026年5月ツアーデビュー) |
|---|---|---|
| 弾道傾向 | 低弾道・低スピン | やや高め・やや多めスピン |
| バランス | 標準 | カウンターバランス(高バランスポイント) |
| フレックス展開 | 60/70/80g × R(5.5)/S(6.0)/X(6.5) + Tour-Only TX | 60/70/80g TXのみ(ツアー専用) |
| 想定ユーザー | 高ヘッドスピード・低スピン志向 | 重ヘッド・長尺ドライバービルドで微調整余地が欲しい層 |
| 価格 | 350ドル | 未発表 |
設計コンセプトの根幹(EIプロファイル + Synex)は共通で、違いはあくまでバランスポイントとそれに伴う弾道のわずかな違い、そしてフレックス展開の幅にあります。
HZRDUS系譜との関係
プロジェクトXのシャフトを長年追っている方ならピンとくる構図ですが、「Black=低弾道低スピンの標準型」と「Yellow=同じ性格をカウンターバランス化した派生」という関係は、HZRDUS時代から続くフォーマットです。
HZRDUS Blackが2015年に登場し、その後HZRDUS Yellowがカウンターバランス版として加わった流れと、今回のTitan Black → Titan Yellowの展開はほぼ同じパターンになっています。
トゥルーテンパー公式は「世界各国のツアーで50本以上のTitanシャフトがプレー中」とアピールしており、HZRDUSの後継世代として位置づけられているのは間違いなさそうです。
今後新たな情報が入り次第随時更新していきたいと思います。
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