タイトリスト T250U ユーティリティアイアンの試打計測を行ったのでレビューします。
計測にはトラックマン4を使用(今まではGCクアッド使っていましたが、アプリなどソフトウェアの使いやすさから変更しました)

結論から言っておくと、T250U(2025)ユーティリティアイアンは、縦距離と方向性の安定性に優れ、200yd前後を軽いフェードで正確に狙えるモデルです。
左ミスを抑えたい中級〜上級者にとって、めちゃくちゃ高い安心感があります。つかまりを求めるならチューニングが前提にはなるかなーといった所。フィッティング次第で、安定性に加えて攻めの性能も引き出せるアイアン型UTです。とにかく安定性はかなり優秀。
目次
タイトリスト T250U ユーティリティアイアンの概要とデザイン

タイトリスト T250U(2025)ユーティリティアイアンは、T-SERIESアイアンのラインアップを完成させるために開発された最新モデルで、ロングショットの安定性と高さを両立させたいプレーヤーがメインのターゲット層です。


基本設計はNEW T250アイアンを踏襲しつつ、よりコンパクトなヘッド形状と短めのヘッド長を採用している点が特徴。シャープな輪郭で、この手のUTアイアンとしては最小限のオフセット量となっている点は上級者にも嬉しい見た目だと思います。

素材は高強度スチールを用いた中空構造で、鍛造Lフェース構造と低重心設計、Vテーパーソールを組み合わせ、打点のバラつきに強く、安定した初速と打ち出しを狙っているという感じ。

内部には高比重タングステンを効果的に配置したスプリットウェイト構造を採用し、高弾道かつ高い許容性を両立。進化したMax Impactテクノロジーによって、ボールスピードやキャリーのバラつきを抑え、縦距離の再現性を高めています。
比較的に軽量タイプのカーボンシャフト装着を前提としていることもあって、やや重めのヘッドバランスで設計されているのも注目ポイントです。

標準シャフトは三菱ケミカル製TENSEI 1K BLUE HY 65。
ちなみにツアーでもすでに高い使用率を記録しており、PGAツアーではタイトリストのユーティリティアイアン使用率が58%と、2位のメーカーの5倍以上となっているのは驚異的です。
2025年のジェネシス・スコットランドオープンでは強風対策として多くの選手がT250シリーズ(おそらくT250U含む)を投入し、その後の全英オープンでも継続使用が見られました。
ヘッドスペックは下記
番手 | ロフト角(°) | ライ角(°) | クラブ長(インチ) | 構造 | 素材 | 標準シャフト |
2番 | 18 | 60.5 | 39.75 | 鍛造Lフェース+中空構造 | 高強度ステンレス+タングステン | TENSEI 1K BLUE HY 65(S) |
3番 | 20 | 61.0 | 39.25 | 鍛造Lフェース+中空構造 | 高強度ステンレス+タングステン | TENSEI 1K BLUE HY 65(S) |
4番 | 22 | 61.5 | 38.75 | 鍛造Lフェース+中空構造 | 高強度ステンレス+タングステン | TENSEI 1K BLUE HY 65(S) |
タイトリスト T250U ユーティリティアイアンの試打計測データ



試打計測の平均データが下記
2024年以降、ユーティリティはヘッドスピード39tm/s〜41m/sの範囲内での計測に統一しています(1m/sぐらいは前後するのはご了承ください)。
項目 | 平均値 |
---|---|
クラブスピード | 39.2 m/s |
ボールスピード | 55.6 m/s |
スマッシュファクター | 1.42 |
打ち出し角 | 16.8° |
スピン量 | 4101 rpm |
キャリー | 188.8 yd |
トータル距離 | 202.3 yd |
最高到達点 | 32.0 yd |
落下角度 | 44.7° |
スピン軸 | 3.5°(ややフェード傾向) |
曲がり幅 | 5.6 yd 右 |
キャリーサイド | 10.3 yd 右 |
打ち出し方向 | 1.8°(やや右) |
上記はT250U(2025)ユーティリティアイアン #4 をトラックマン4で計測した実測値です。高い再現性と直進性を示しつつも、全体的にややつかまりが弱く、弾道の高さはまずまずと言ったところ。
特にキャリーのばらつきは±3.1yd、スピン量のばらつきは±126rpmと非常に小さく、縦距離の再現性が際立っていますね。
一方で、右方向への出球と軽いフェード傾向が見られ、つかまりを求めるプレーヤーには調整が必要な数値ではあります。
飛距離性能と上がりやすさの分析

T250U(4番)は、クラブスピード39.2m/sでキャリー188.8yd、トータル202.3ydと、ロフト22°のユーティリティアイアンとして標準〜やや飛ぶぐらいの部類に入るかなーという感じでした。
鍛造Lフェース構造と低重心設計、Vテーパーソールの効果で、打点ブレ時でも初速の落ち込みが小さく、一発の飛びよりも飛距離の再現性が高い点が特徴です。

最高到達点は32.0yd、落下角は44.7°で、まずまず高弾道と言える値を確保しており、200yd前後からでもグリーンを狙いやすい高さではあります。
ただし理想的な“止まり”を考えると、落下角46°以上やAPEX35yd台を目指す余地はあります。スピン量は4,101rpmと安定しており、低すぎず高すぎないレンジで風にも強い設計。
全体的に飛距離効率と高さのバランスは良好ですが、より高弾道やスピン量の上積みを求める場合はシャフトやボールの選択で微調整する価値はあるかなと思います。
弾道や球筋、方向性の分析

今回の計測では、平均スピン軸+3.5°、平均キャリーサイド+10.3yd右、曲がり幅+5.6yd右と、軽いフェード傾向がはっきりと見られました。
打ち出し方向は+1.8°とほぼターゲットに近く、出球自体は安定していますが、捕まり過ぎない設計が影響し、右方向への逃げ球がベースとなっています。

とはいえ、左右ブレは比較的少なく、フェードの曲がり幅も小さいため、強い風下でもラインを出しやすいのがメリットと考えて良いでしょうです。
一方で、左方向へのミスはほとんど出ず、その分ドローやストレートで攻めたい人にはやや物足りなさを感じる可能性があります。

縦方向の再現性は高く、キャリーのばらつきは±3.1ydに収まっており、距離感の精度は優秀。全体的に「左ミスを防ぎつつ、フェードで安定してグリーンを狙える」性能が明確に表れた弾道特性と言えますね。
アイアンが得意でウッド型UTで左へのミスが怖い人にはマジで良いと思います。
タイトリスト T250U ユーティリティアイアンのフィーリング

打感は中空構造らしい、弾きの良さがやや強めに出ています。まあT250アイアンと全く同じですね。
フェース全体で均一な反発を感じられる一方、鍛造一枚物のアイアンのような柔らかさや球持ち感はなく、芯を捉えた際は、フェースからボールがスパッと離れるようなシャープな手応えで、弾道の高さや初速の伸びを直感的にイメージしやすい特性があります。
打音はやや高めの「パチッ」とした明瞭な響きで、練習場の時点でも球離れの速さを感じやすいタイプです。
打感に柔らかさを求める人には少し硬質に感じられるかもしれません。全体としては、初速性能や安定性を意識した設計意図がフィーリングにも現れています。
タイトリスト T250U ユーティリティアイアンの良かった所・微妙な所
性能評価チャート
「縦距離の安定性」「方向の再現性」に優れ、左ミスを抑えて攻められるユーティリティアイアンです。一方で、高さとスピン量はあと少し足すことで、グリーン上での制御力がさらに向上する余地があり、さらに完璧に近づくという感じにはなります。
難易度的には、中級者以上向けの設計です。
T250Uはコンパクトなヘッド形状と最小限のオフセットにより、構えたときの見た目がシャープで、つかまり過ぎないタイプ。左右のブレ幅が小さいため方向性は安定しますが、その分、自ら球をつかまえてドローを打つにはある程度のスイングコントロールが必要にはなってきます。
また、弾道高さやスピン量を稼ぐには、ヘッドスピードがある程度ないと高弾道をしっかり作るのが難しい面のも正直言ってあります。逆に言えば、左へのミスを減らしたい、風の中で安定したフェードでラインを出したい人には扱いやすいモデルです。
まとめ

T250U(2025)ユーティリティアイアンは、左ミスを抑えたいプレーヤーにとっては安心感のある設計ですし、飛距離効率も悪くないものの、同ヘッドスピード帯での理想値に比べるとあと数ヤードの伸びしろがあるかなと感じました。
また、打感は弾き感が強く、軟らかさを好む人にはやや硬質に感じられるでしょう。
こうした現状を踏まえると、シャフト選びでは「つかまりの強化」と「弾道の高さの底上げ」がポイントになりそうです。
中調子〜先中調子で先端がやや動くハイブリッド用シャフトを選ぶことで、フェースターンを促し右への出球を減らせます。
具体的にはFujikura VENTUS TR Red HBやTour AD DI HYなどが候補かなと思っています。逆に、高さを求める場合は、やや軽めで高弾道を狙えるVentus Red HBやTENSEI Pro Orange 1K Hybridも有効です。ロフトを0.5〜1°寝かせる調整や、やや柔らかめの振動数帯を選ぶことでも、高さとつかまりをさらに引き出せます。
例のようなチューニングを施せば、T250Uの持つ縦距離と方向性の安定感はそのままに、グリーンでさらに止めやすくなって、より攻撃的なロングショットが可能になりそうです。
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